疫学
・3歳までにほぼすべての児が感染している.
・初感染の好発年齢は生後6か月から24か月.
臨床症候
・典型的には数日間の発熱と解熱後の発疹出現という突発性発疹の臨床像がみられるが, 発疹が出現しないこともある.
発熱
・典型的には3-7日間(平均3.8日)持続する.
発疹
・発疹は, 解熱後に出現する斑状丘疹として呈する.
・発疹は数時間から数日持続する.
・通常, 掻痒は伴わない.
その他の症状・徴候
・以下の様な症状・徴候がみられることがある:
・易刺激性
・食欲不振
・大泉門膨隆
・鼓膜発赤
・永山斑
・頚部および後頭のリンパ節腫脹
・消化器症状
・呼吸器症状
合併症
熱性けいれん
・HHV-6初感染の約10-15%で熱性けんれんを発症する..
・HHV-6初感染での熱性けいれんでは, その他の原因による熱性けいれんよりも複雑型となる頻度が高い.
・HHV-6の初感染時の重要な合併症として脳炎・脳症が挙げられる.
・稀な合併症:
・肝炎
・伝染性単核球症候群
・肺炎
・心筋炎
・免疫性血小板減少症
・papular-purpuric "gloves and socks" syndrome
・Gianotti症候群
・HHV-6感染症ののちに以下の疾患の発症が報告されている:
・Guillain-Barré症候群
・顔面神経麻痺
・血球貪食症候群
・Langerhans細胞組織球症
先天性HHV-6感染症
・新生児の約1%で先天性HHV-6感染症が認められている.
・多くの症例は染色体にHHV-6ゲノムが組み込まれたことによる.
・ほとんどの症例は無症候性.
・ある症例対照研究では, 無症候性の先天性HHV-6感染症の軽度の神経発達への影響が示唆されている.
・NICUに入院した先天性HHV-6感染症の児5人の報告では, 3人で病院不明の呼吸障害を呈し2人で先天奇形を有していたが,
HHV-6感染症との関連は明らかではない.
・日本人の有病率は0.2%程度とされている.