疫学
・小児呼吸器感染症の5-10%程度を占めるとされる.
・流行時期: 3-6月頃
・潜伏期は完全にはわかっていないが, 5-6日程度と考えられている.
臨床症候
・主な臨床症候・徴候:
・発熱
・咳嗽
・鼻汁
・その他の臨床症候:
・呼吸困難
・嘔吐
・下痢
・頭痛
・臨床症状は1週間程度続く.
・初感染と再感染で重症度に差はないとされる.
発熱
・高熱となる傾向があり, 平均有熱期間は5日程度と長い.
・1週間以上持続する場合は細菌の二次感染を考慮する.
聴診所見
・呼気時のwheezingと吸気時のcracklesが特徴的.
主な疾患
・急性細気管支炎
・肺炎
気管支喘息増悪
・hMPV感染症と気管支喘息増悪との関連性が認められている.
RSウイルス(RSV)との重感染
・RSVに罹患した2歳未満の児において, hMPVとの重感染をきたした場合, 以下の様な項目と関連があることが報告されている:
・RSV細気管支炎の重症化
・集中治療室への入院の必要性
・人工呼吸管理の必要性が10倍となること
予防
・hMPVの感染形式は飛沫感染、接触感染
・hMPV感染症患者からのウイルス排泄は1-2週間続くため, 少なくとも1週間の隔離が望ましい.