総論
・リンの単位毎の換算:
・1mmol = 31mg
・1mmol/L = 3.1mg/dL (31mg/L)
・1mg = 0.032mmol
・1mg/dL = 0.32mmol/L
腎臓におけるリン再吸収に影響を与える因子
・体液量増加: 減少
・リン負荷: 減少
・リン制限: 増加
・高カルシウム血症
・急性; 増加
・慢性; 減少
・代謝性アシドーシス
・急性; 変化せず
・慢性: 減少
・代謝性アルカローシス
・急性; 減少
・慢性; 増加
・呼吸性アシドーシス: 減少
・呼吸性アルカローシス: 増加
・ホルモン
・副甲状腺ホルモン: 減少
・ビタミンD (慢性): 減少
・成長ホルモン; 増加
・カルシトニン: 減少
・甲状腺ホルモン: 増加
・インスリン: 増加
・FGF-23: 減少
・ドパミン; 減少
・利尿薬 (マンニトール, ループ利尿薬, サイアザイド, アセタゾラミド): 減少
・ブドウ糖: 減少 (浸透圧利尿)
・副腎皮質ホルモン; 減少
臨床症候
・通常重篤な低リン血症(<1mg/dL)に至るまでは無症候性.
血液
・溶血傾向
・ヘモグロビン酸素親和性の上昇
・赤血球2,3-ジホスホグリセリン酸値低下による
・白血球貪食の低下
筋骨格
・明らかな心不全や呼吸不全を伴う筋力障害
・近位性ミオパチー
・横紋筋融解症
・くる病や骨軟化症の発症を伴う骨再吸収亢進
腎臓
・近位尿細管再吸収機能低下
・明らかな高カルシウム尿症の可能性を持つカルシウムの腎保持低下
治療
静注
・重篤な低リン血症があり症状が認められる場合には経静脈的に治療する.
・初期投与量: 2mg/kgを6時間かけて投与する (急速静注は禁忌)
・24時間で8mg/kg投与すると血清リンは1-5mg/dLの上昇が期待される.
・主なリン含有輸液製剤:
・補正用リン酸二カリウム液 (1mEq/mL; 15.5mg/mL)
・ソリタT-2 (10mmol/L; 310mg/L (0.31mg/mL))
・ツインパル (10mmol/L; 310mg/L (0.31mg/mL))