日本はドイツを鏡にするべきである
中国側
4月10日、シュレーダー首相はブーヘンバルト強制収容所解放60周年を記念する集会で「ナチスの暴力に対して、ドイツは道義と政治的責任を負うべきだ。この歴史を明記し、永遠に忘れず、歴史の悲劇を絶対に再現させてはならない」と述べました。13日、シュレーダー首相はベルリンを訪問中の韓国のノ・ムヒョン大統領との共同記者会見を行い「ドイツの経験が表明しているように、慎重かつ自省的な方式で自国の歴史を正視すれば、友を失うどころか、返って友を得るだろう。」と述べました。
これによって、ファシズム戦争を起こした日本のことを思い出します。1930年代から40年代にかけて、ドイツと日本はとても似通った道を歩んできました。しかし、侵略の歴史に対するこの2つの国の態度はまったく異なっています。歴史の教訓をしっかりと銘記することは戦後のドイツ政府の座右の銘となっています。これまで、ドイツ政府の政治家は戦争の犯罪の責任を正直に、ナチスの被害者にお詫びをし、合理的な賠償を与えただけでなく、さまざまな措置を講じて、若者にナチスドイツの罪悪行為を理解させ、子孫にその醜い歴史を忘れさせないようにしています。
ドイツ教育相はかつて、命令を公布し、すべての中学校は必ず、ナチス歴史の真実を教えるよう強調しました。ドイツの歴史教科書が多いものの、歴史教育を勝手に行うことができません。歴史を歪曲しないことを確保するため、すべての教科書は文部省の審査が必要です。
ドイツ教育界は中小学校の歴史の授業をいかに教えるかについて常に討議を行います。その目的はナチスの犯した罪悪行為に対する認識を深めることにあります。
ドイツは第2次世界大戦後、ナチスドイツの罪悪敵支配の歴史と政治を暴露する書籍を大量に発行しました。
ドイツ統一後、首都ベルリンの大衆組織は市の中心に虐殺された600万人のユダヤ人を記念する記念碑の修築を提案し、これで、歴史の教訓を吸取し、悪の歴史を再現させないドイツの決意を世界に示しています。この提案はすぐ市政府の賛同と財政的支持を受けました。現在、記念碑の修築はほぼ完成し、5月8日に公開することになります。この日、反ファシズム戦争勝利60周年の記念日です。その日、ドイツの指導者は記念碑の除幕式に出席し、講演を行うとのことです。
当然ながら、今でもドイツには少数のナチストと右翼組織が存在し、少数の右翼分子は人種主義を鼓吹し、ナチズム意識を宣伝する電子ゲームなどの出版物を製作し、人を驚かす対外暴力事件を引き起こしたこともあります。これらのことによって、ドイツ各界は、青少年に対する教育を緩めてはならず、彼らの政治的判断力と免疫力を向上させ、ナチスの昔の道に引きずりこまれることを防がなければならないことを認識しました。これはこれまで青少年に対する正しい歴史教育の堅持、および、極右勢力の復活防止を重要な政治的責任、と道徳的義務として行っているドイツ政府の主な理由の一つです。政府の態度が明確で、断固としたもので、有力な抑制措置をとっているため、新しいナチズム運動はドイツで勢力を形成することはできませんでした。
歴史に対する正しい態度を持っているため、ドイツは欧州各国の認知と尊重を受け、欧州連合の重要な加盟国となっています。それと対象的に、日本を見ると、歴史を勝手に編纂したり、侵略を否定したり、その暴力を誇たりしているため、アジアでこれまでにない孤立的立場に陥ったのです。
日本にとって、ドイツは現実に、透き通る鏡です。「正常国」になりたい日本はそれとよく参考にして、ドイツが歴史をいかに見、歴史をいかに鑑みにしているかを真剣に考えるべきでしょう。(訪独した飯島酋長の演説)
日本側
まず誤解その1について説明しましょう。
確かに日本とドイツは第二次世界大戦で同盟国であり、同じ年に連合国側に敗戦したというような共通性があります。
しかしドイツが犯し、裁かれた罪は、通常の「戦争犯罪」ではありませんでした。
「戦争犯罪」というのは戦闘に伴って起きうる犯罪で、古今東西、戦争をした国は勝ち負けを問わずに犯しているものです。
例えば捕虜の迫害や民間人の殺傷などを指し、これらの和解のために「講和」があるのです。
ちなみに日本では“勝てば官軍”という言葉がありますが、米、英など連合国側の「戦争犯罪」は一切不問に付されています。
)勿論、無差別に無抵抗な市民を百万単位で焼き殺した焼夷弾による無差別攻撃や、原子爆弾による大量殺戮もです。
さてこれに対してドイツの犯した罪は、これら通常の「戦争犯罪」とは区別して「人道に対する罪」と呼ばれます。
「人道に対する罪」とはナチスの特殊な人種差別思想に基づいて「劣等民族」であるとされた民族を絶滅しようとしたこと、
あるいはドイツ人であっても障害者や病人など「劣等な遺伝子を持つ」とされた人々を強制的に安楽死させたり、
不妊・断種手術を行なったりしたこと対する罪を言い、これにより600万人のユダヤ人が殺害されたことはあまりにも有名です。
この他にも50万人のジプシーや200万人のポーランド人、それ以上といわれる旧ソ連人を殺害する一方で、
外国から容姿の美しい少年少女を拉致し、ドイツ民族として育成するなどしていました。
つまりナチスドイツはその独自の基準に照らして美しい者、秀でた者は人種的に生き、悪しき者、劣る者は地上から
抹殺すべきであるという思想によって大量殺戮をしたという罪を負っているのです。
そして重要なのはこうした一連の政策が戦闘行為によって生じたものではないということです。
なぜならば戦闘に投入しなければならない兵員や武器等を運ぶのに必要な車両が不足している時期に、
ヨーロッパの各地から敵対している訳でもないユダヤ人をガス室に運ぶなどということは、軍事的利益とは相反しているからです。
そこで誤解その2とも関連しますが、中国や韓国で評価の高いドイツの個人補償は通常の「戦争犯罪」ではなく、
この「人道に対する罪」に対してのみに支払われたもので、「戦争犯罪」に関してはドイツはまだ賠償を行なっていないのです。
一方、日本は戦争をして敗北したために「戦争犯罪」を裁かれることになりました。
しかし日本には国の政策として組織的に民族抹殺(ホロコースト)を行なったという事実はなく、
通常の「戦争犯罪」について国家として賠償し「講和」を結んだのです。
つまり日本には国家賠償以外に個人補償を行なわなければならないような「人道に対する罪」がないのであって、
日本とドイツのこの大きな違いはしっかり認識しておかなければなりません。
次に誤解その2、すなわち国家賠償よりも個人補償の方がすぐれているように思われていることについてですが、
通常、国際法や国際慣例による戦後処理とは講和条約とそれに伴う戦勝国と敗戦国間の賠償で終了します。
日本の場合で言えば、サンフランシスコ講和条約と個別の二国間条約で決着していることは、〈Q1〉で説明した通りです。
ところがドイツでは「戦争犯罪」に対する賠償はまだ始まっていないのです。
なぜならば戦後ドイツは東西に分断されてしまったので、戦後処理の開始はドイツ統一まで棚上げされていたからです。
ですからドイツが今までに支払ってきた個人補償とは、通常の戦時賠償とは全くの別問題であり、
むしろそれは世界の常識である国家賠償以前の問題というべきなのです。
ちなみにドイツが統一された1990年以後になって、戦勝国から「戦争犯罪」に対する賠償の請求が始まりました。
近藤 竜 時間: 火 5月 31, 2005 9:53 am 題名: 日本がドイツを見習うために
http://jpbbs.chinabroadcast.cn/viewtopic.php?p=2339#2339
ドイツを見習えといわれる方に、ご確認いただきたい。
1 ドイツは、自国及び占領地において虐殺したユダヤ人に対しては謝罪し個人賠償しているが、交戦相手の周辺諸国に対しては、謝罪も国家賠償もしていない。ドイツの国家指導者がひざまずいて謝罪したのは、中国の方も書かれているように、ユダヤ人追悼施設などであって、交戦相手国の国会などではない。
2 ドイツは、交戦相手国や占領地に保有していた個人及び企業の財産については、返還を請求している。
3 日本は、中国や韓国を含むアジア各国の指導者に対し、天皇陛下や歴代首相が日本国家としてアジアの各国に対し謝罪している。また、中国及び韓国との国交回復時の条約で、各国との合意の下に、中国については賠償を放棄する代わりに中国及び満州に保有していた全ての財産を放棄する変わりに国家賠償を放棄してもらい、変わりに準国家賠償のODAとして現在までに6兆円を供与、韓国については、財産権を放棄するとともに8億ドルの国家賠償を実施し、ODAも実施した。また、アジア各国に対しても国家賠償を実施し、ODAを供与した。
本当に、日本にドイツと同様の行動をとらせたいのであれば、中国政府に日中共同声明、日中友好平和条約、日中共同宣言の破棄を働きかけていただきたい。(現に韓国国会では、日韓基本条約破棄の提案がなされています)
ただし、その場合においては、ドイツ方式をとるために、現在まで支払ったODAと1945年8月15日時点で中国及び満州に保有していた日本人財産を返還して頂きたい。その上で、個人賠償のみを賠償範囲として、新たな条約を結びましょう。この場合、3500万人などという親族の記憶などを証拠とした根拠のない人数では到底賠償要件を構成しませんので、厳密な両国による調査が必要です。
- ドイツの補償は、「自国民(ドイツ国民の中の)ユダヤ民族」のみに行われています
- ドイツという国が、「ユダヤ国という外国」に攻め込んだわけではありません
- ドイツは、諸外国に対して、「戦争中に遺棄したドイツの資産」の返却を求めてます
- ドイツは、諸外国に対して、戦争中の補償はしていません
日本も、これを見習って良いのでしょうか?
最終更新:2005年07月11日 23:59