アットウィキロゴ

ペッシの奇妙なクリスマス

作:謎のインド人さん

クリスマス寸劇 『ペッシの奇妙なクリスマス』
PC:ペッシ
PR:プロシュート
GI:ギアッチョ
RS:リゾット
PT:ピザット
NR:ナレーター

NR「クリスマスキャロルがネアポリスの街を満たす頃。ある通りを、乱暴な運転で疾走する車が一台あった」
  「裏通りにけたたましいブレーキ音と共に止まった赤い車からは男が三人出てきた」
  「ドアを蹴飛ばすようにして閉める眼鏡の男。長身をよろめかせる黒い頭巾の男。そして
   慌ててそれを支える男。三人は、一様に大きな袋を抱えていた」

PC「だ、だから言ったんだよ、リーダー!ギアッチョさんに運転させない方がいいって…車酔いにされちゃったじゃないですか」
RS「…っぷ…し、しかし…配送させるわけにもいかんだろうが…オレ達は、ギャングだぞ…これでも…」
GI「シャンパンも無けりゃコンパニオンの一人もいないショボいクリスマス迎えるギャングがいるかよ!」
RS「っぇ…お前が…もっと、車を大事に使ってりゃ…酒くらいは、もう少し奮発できたんだぞ…」
PC「ギアッチョさんの車…最近は修理に出す金も無くて、部品、いくつかメタリカで出してもらってましたよね…」
GI「部品の鉄分はオレの体から出てるんだぜ!?死ぬぞ普通!」
RS「一人ギレで車を壊すお前が悪いんだろうが!…いいから、買い出して来た物をとっとと中に運べ」
PC「あ、ちょっとマシな顔色になってきたかな…?」
GI「どうせ出すなら、他の頑丈な車の鍵でも出せばいいだろうがよォ~」
PR「玄関先で口喧嘩してご近所に迷惑かけるんじゃねぇ。人がドア抑えてやってる間にとっとと入れ」
PC「兄貴ごめんよ!すぐに運び込むから!」
PR「オラ、ギアッチョにリーダーもさっさと運び込んで来いって」
GI「こういう日に限って、なんでホルマジオもイルーゾォもメローネもいねえんだよ」
RS「ホルマジオは標的の情報を集めに出ているし、イルーゾォは休暇だ。メローネ?…知りたいのか?」
GI「いや、いい」
RS「だったらさっさと運んでくれ…プロシュートから煙が出る前に」
PR「人を蝋燭か何かみたいな言い方をするのは止せ」
PC「兄貴、すんません!すぐに運び終わりますっ」
GI「ところで、料理は誰がするんだよ?男4人分なんざオレはごめんだぜ」
PR「飾りつけは、オレと、今日出て行く前にイルーゾォとで終わらせておいた。作るのはお前たちでやれ」
RS「オレは、少し休む。ギアッチョ、ペッシ。レシピは分かっているな?」
PC「ええっ、ギアッチョさんとですか?」
GI「なんでそこで驚くんだよ?」
PC「あ、あー…」
GI「てめぇー、そんなにオレと台所に立つの嫌か。よし、よーく分かった。じゃ、料理の下ごしらえはお前がやれよ」
PC「…な、殴られるかと思った…」
PR「何腑抜けたザマ晒して安心してやがるんだこのマンモーニがっ!」
PC「あだっ!あ、兄貴ィっ!い、痛ぇよッ!」
PR「そんなだから未だ一人で仕事やらせられねぇんだ。ペッシ、台所で頭冷やして来い」
PC「そ、そんなぁー…」

NR「台所に一人立ち、ペッシは一人不平を呟いていた」

PC「だいたいひどいよな。オイラはちゃんと荷物だって運んでたのに…ギアッチョさんがすぐキレるの知ってるのに、なんで…」
RS「ペッシ」
PC「あ、り、リーダー…大丈夫ですかぃ?」
RS「ああ。問題ない」
PC「リーダー…最近顔色悪いっすよね」
RS「…大丈夫だ。それよりもペッシ。年内は、今日買い込んできたもので乗り切らなければならない」
PC「承知でさぁ、リーダー!ロトローネもパテも、バッチリ任せて下さいって!」
RS「そうか…じゃあ、俺はもう一眠りしてくる」
PC「おやすみなさい、リーダー」

NR「よろよろと自室へと消えるリゾットを見送ると、ペッシは手元の料理に注意を戻した」

PC「…もともと…リーダーって、そんなに顔色きれいな方じゃなかったけど、ここの所ひどいなぁ…」
GI「この所、任務に出る奴らのために、自分の食う分ケチってるらしいからな」
PC「あっ、ギアッチョさん、いつからそこに!?」
GI「…別に、手伝ってやろうと思って来たわけじゃねぇよ。自分の食うモンくらい、自分で面倒見てぇだけって話だ」
PC「はぁ…なるほど」
GI「ホレ、さっさとやるぜ」

NR「翌日。ペッシは寒さからなかなかベッドから離れられずにいた」

PC「ああ、昨日はちょっと疲れちまったな…大掃除に、料理の下ごしらえに…年内は、もう、仕事は無いはずなんだよな…」
  「はわぁああああ…眠ぃ…けど…屋根裏の掃除もしなくちゃ…はわぁああ…欠伸が止まらない…」
GI「ゴルァアアアアア!ペェッシィィィィ!!!このマンモーニがぁああ!」
PC「ひぃいいい!な、なんですか、ギアッチョさん、何を、朝からホワイトアルバム出してるんですか!」
PR「おいおい…朝からうるさいぞ…っていうか、寒いと思ったら何白猫着てやがるんだ!」
GI「てめぇ…年末用に作ったロトローネどこにやりやがった!」
PC「は、はぁああ?冷凍庫にギアッチョさんしまったじゃないですか!」
GI「ねぇんだよ!バット一列分無くなってる」
PR「なんだとぉ?」
GI「俺は、ちゃーんとバット4つ分作って入れておいた」
PC「オイラも、それはちゃんと見てましたよ」
PR「おいギアッチョ…まさか、てめぇ、ペッシがつまみ食いしたとでも言いたいのか?」
GI「リゾットが死んだみたいに寝てたのも、お前が電話しながら出てったのも俺は知ってるからな。そうなると」
PC「そんな、オイラは…」
GI「いいかぁ?リゾットが必死こいて任務のついでに出したハサミやらナイフやらを売って作った、まさに血と汗の結晶の金で作った食いモンだ。」
  「腹が減るのはしかたねぇ。お前ェは特に成長期だしな…だが、こっそり一人でつまみ食いってのはちと許せることじゃねぇぜ?」
PR「ギアッチョ。オレはペッシにそんな教育しちゃいねぇぜ?」
GI「プロシュート、てめぇ、何度もジジィに化けたせいで、ガキの頃の食欲忘れちまったかァ?」
PR「ンだと?」
GI「やるかァ?」
PC「ちょっ、ま…待って下さい、兄貴、ギアッチョさん!」
  「オイラはつまみ食いはしてないです。それは、確かです。兄貴の面目つぶすようなこと、できないっすから」
GI「じゃあ、何かァ?オレが食っちまったのをなすりつけたとでも言いてぇのか?」
PC「じゃなくってですよ…泥棒でも入ったんじゃないかって思うんですよ」
PR「…まぁ、年末だしなぁ」
PC「だから、オイラが今夜徹夜で見張ります」

NR「ホルマジオ達もまだ戻らない、静まり返ったアジトのキッチンに、身を潜める男が三人いた」

GI「てめぇプロシュート…子離れしろよ」
PR「そういうお前もなんで来てるんだよ」
GI「ペッシの無実を証明するんなら、疑ったオレが来るのが当然だろうが」
PC「兄貴、ギアッチョさん。静かにして下さいよー…泥棒に気づかれちまいますよ」
GI「おー、悪ぃ」
PC「兄貴…リーダーは今どうしてるんですか?」
PR「朝早くに本部へ行って、帰ってきてからはずっと寝てる。動いたら腹が減るから、だろうな…」
GI「いい加減、やせ我慢しねぇで飯食えばいいのによぉ…」
PR「泥棒寄せに、バジルとサラミをたっぷり使ったピザ作ったんだ。匂いにつられて、食べる気になるかもしれねぇな」
GI「まぁ、今はリゾットの胃袋よりギャングの食い物を掠め取るようなふてぇ泥棒野郎が先だ。
  「クリスマスに七面鳥追加できるくらい、搾り取れるんじゃねぇかな」
PC「…ん?」
PR「…『ビーチボーイ』が、反応したか?」
PC「はい」
GI「釣り上げちまえ」
PT「うぁ、ああぁぁ~?」
PC「なんだ…妙に軽い…」

NR「『ビーチ・ボーイ』の釣り針の先に引っかかってもがいている生き物は、ひどくふくよかな小人のように見えた」

GI「っつぅか、コレ、人間じゃねぇ…よな、手のひらサイズって」
PT「はーなーせー」
PR「ぼよんぼよんした腹しやがって…なんか、見覚えある…か?」
PC「感触はスタンドに近いっす」
GI「どいつかの遠距離スタンドか何かか?…だが、メローネのベイビィ・フェイスみたいなのだとしたら…」
PR「ああ、こいつ一匹潰しても意味はねぇ、な」
PC「どうしますか、兄貴ぃ?」
PT「おいしそうなピッツァがあったから、また、ご馳走になろうと思っただけだよぉ~」
GI「ふてぇ野郎だな、コイツ!」
PT「痛ぁ!」
RS「うぉっ!?」
PR「なんだ…今、リゾットの部屋から…?」
GI「今までも、こうして俺らの食い物を掠め取って、こんな腹に育ちやがったのか、コイツ」
PT「痛い痛い痛い~。ぐりぐりしないでよぉ~」
RS「ぐはぁあああああ!?」
PC「ギアッチョさんが、その真ん丸いのを叩くと…」
GI「こうか?うりゃ、デコピン」
PT「ふぎゃ!」
RS「っつぅ!?」
GI「…壁…薄いな…俺らの家…」
PR「泣けるから忘れろ!っていうか…リゾットのメタリカのうちの一匹か、これ?」
GI「かな、膨らみすぎて分かり難いが服もリゾットのやつと同じだし、スタンドがやられたら…」
PC「痛ぇっ!ちょっ、ギアッチョさ…『ビーチ・ボーイ』を曲げないで!」
GI「本体がダメージを食らうんだよな…」
PR「この真ん丸いのは…くっ…」
GI「スタンドが変質するほど、空腹を我慢していたなんて…リゾット、すまねぇ」
PC「リーダーは我慢しすぎなんですよ。ちょっとは、もっと色々言ってくれりゃいいんです!」
GI「悪ぃ。ちっちぇえリゾット。食え、何でも好きなだけ食え!」
PT「ピッツァを、食べていいのぉ~?」
PR「ああ…こいつは、全部お前のモンだ!」

NR「翌朝。徹夜とリゾットの苦労を思って流した涙で充血した目をした三人に豪勢な朝食を振舞われて、リゾットは少々引き気味であった」

RS「お、おい。なんだ、倹約しなきゃならないのに、朝から何ご馳走を…」
GI「いいから食え!てめぇ、倒れるまで食わねぇつもりだったんだろうが!」
PR「オレも、料理のできる女何人か当たってくるから!」
PC「オイラも、一生懸命冬魚釣ってきます!」
PR「もうお前に、ひもじい思いはさせないぜ、リゾット!」

NR「そして、三日後」

RS「ピッツァがうまいなぁあああ~」
GI「…こんなに膨らんじまうとは思わなかったぜ…」
PC「ポルポの親戚かもしれないって噂は本当かもしれねぇですね、これは」
RS「な…なんだ、プロシュート、その竹刀は…」
PR「年が明けるまでに、キッチリ絞ってやらぁ。覚悟しとけぇ!」
PC「…恋人と一緒じゃなくても…せめて、静かにクリスマスを過ごしたかった…」

NR「嘆くペッシをよそに、例年以上に落ち着かないクリスマスが始まろうとしていた」
最終更新:2007年12月26日 00:54
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。