沖縄が占領されていた1960年代にペトリが沖縄でカメラを生産していたことが確認されている。
東興社 戦後日本カメラ発展史には、栗林が昭和34年6月に沖縄に工場開設との記載がある。
また、1962年2月2日琉球政府公報第十号の登記公告には沖縄ペトリカメラ株式会社の商号で
1961年12月13日に登記された記録が残っている。
1960年代後半の広告にはPETRI Camera Corp. of Okinawaの住所として那覇市松下町1丁目25が示されている。
写真のペトリハイライトには、底部の三脚取り付け金具の部分にPETRI Camera Corp. of Okinawa Made in American Ryukyusと印字されている。
(写真提供：さんご様）
また、写真のペトリ７の底部には Product of Ryukyu Islands の刻印がある。
この時代の沖縄ペトリについては、ラピタ1999年6月号（のちに小学館文庫 円谷円著 中古カメラ屋通の本に転載）にこんな記述がある。
「当時ペトリで働いていた、真栄城玄吉さん（５３才）によると、ペトリハイライトはＰＸ向けで、半完成品の状態で本土から輸入して、
波の上地区で組み立てていたそうである。半完成品で輸入すると、税金が安かった為、そうしていたとのことである。従業員は約４０人。
他に、ペトリ７や、ペトリＶ６（いずれも一眼レフ）なども輸出用に作っていて、トータル日産約７０台だったそうである。
ペトリハイライトの価格は２３ドルくらいだったそうだ。７２年の沖縄返還より以前に、沖縄ペトリは解散している。
最後にペトリハイライトが、市場にいくらか出回ったようだが、その数の少なさから、文字どおり幻のカメラとなっている。」
国内でも米軍基地(PX)で安く売られていたペトリにとって、沖縄は重要な販売拠点だったと考えられる。
沖縄での生産は1960年代末には終了したと考えられ、1969年には（株）ペトリカメラ沖縄センターが那覇市松山に設立された。
本サイト所収の資料によれば、1961年発売のペトリペンタV2の取扱説明書にペトリカメラ・コーポレーション・オブ・オキナワの
記載があるのがもっとも古い記録である。
また、カメラ年鑑のペトリの広告にも1963年度版から1965年度版（1962年末～1964年末）にかけて同様の記載がある。
この記事は、mixiペトリカメラコミュニティの2006年のトピックを参考に書かれた。
また、カメラコレクターズニュース2001年9月号に掲載された菅原博氏の「ペトリカメラ顛末記（5）」にも
沖縄ペトリに関する記述があるので参照されたい。
沖縄ペトリで生産されたペトリコンパクトEの写真をご提供いただきました。ありがとうございました。
（写真提供：市川泰憲様）
沖縄都市モノレール情報（公式）Twitterから下記の投稿があったので、
転載依頼をおこない、ご了承いただきました。ありがとうございました。
ここに掲載された写真には、復帰前のペトリカメラ沖縄サービスセンターが写っている（写真左）。
現在の国道58号線久茂地交差点付近、JPR那覇ビル（那覇市松山1-1-19）の場所にあったと考えられる。
引用元は「守礼の光 沖縄返還特別号」（琉球列島米国高等弁務官府発行：1972年5月）とのことである。
また、「守礼の光」82号（1965年11月）には自由貿易地域の特集記事でペトリカメラ工場について記載がある。
この記事によれば、沖縄ペトリカメラ株式会社は1962年6月に23000ドルの資本金で操業開始、
記事掲載時点で80人の現地工員と4名の本土からの監督者で80-100台／日の生産をおこない、
PX，アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリアに販売、1965年9月に生産を従来から倍増、
とある。
また、添えられた写真には完成品としてペトリフレックス7、ペトリV3フレックス、ペトリプレスト、ペトリハイライト、ペトリ7sが掲載されている。
最終更新：2017年07月31日 15:18
