功利の怪物について
哲学の分野で功利主義という言葉がある。
「功利主義」とは最大多数の最大幸福を旨とする規範のことである。
そしてこの功利主義を説明するときに欠かせないのがこの功利の怪物の存在です。
怪物の正体
私たちはケーキを食べれば、一定の幸せを感じるだろう。
しかし、功利の怪物はその1,000倍の幸せを感じることができる。
もしケーキが1つしかなかったとしたら、最大の幸福を得るためにそれを功利の怪物に与えるべきだ。
ケーキが2つであっても、2つとも与えるべきだ。
功利の怪物が一般人よりも多くの幸福を得ている限り、功利主義では大多数の人々を不幸にすることになる。
それでも世界全体で見た場合の幸せの総量は最大のものなのだ。
というもの。
6人でケーキを分けるのではなく、功利の怪物に与えれば1000倍なので実質1000人に与えたのと変わらない。だから優先する。
そんなことあるか!と思った人に
①5人の病床に伏せる人がいました。それぞれ心臓、肺、脳、肝臓、すい臓の違う場所に欠陥があったのです。
②臓器提供を受けないと死んでしまいます。
③そこで1人の健康体の人を殺して5人に臓器提供をしました。
④5人は助かりました。めでたし、めでたし。
これは数で見れば合理的です。5倍ですからね。
ですが正しいのでしょうか。
実際にあなたがそれを決断するとなったらどうでしょう。
身近な人、はたまた自分までもを殺すことができますか?
功利の怪物になれますか??
㊟これは自殺などを助長するものではありません。このページによる事件・事故に関しましては一切の責任を負いかねます。
最終更新:2020年05月16日 12:23