ある暖かな晩、エアトランサットのベテラン運航乗務員が
操縦するエアバスA-330のジェット旅客機が、
ポルトガルのリスボンに向けてトロントを発つ。
だが、このフライトが目的地に到着することはなかった。
機体の明かりは消え、エンジンの音も聞こえない
つまりこのジェット旅客機には、もう燃料がないのです・・・
航空機事故は、偶然の産物では、ありませんなんらかの連鎖的な出来事の結果です航空機事故は、なぜ起きてしまったのか?
その答えは、このメーデー!/航空機事故の真実と真相に隠されています
第6話~燃料切れ~
2001年8月23日エアトランサット236便は、エアバスA-330型機でカナダのトロントからポルトガルのリスボンへ乗客293名と乗員13名を乗せ離陸しました。
しかし離陸後9時間コックピットに警報音が鳴り響きました。
機体の燃料のアンバランスが発生したのです。
アンバランスとは、A-330の場合、左右の主翼下に取り付けられた2発のエンジンに行く燃料の量が、左右違うということです。
236便の場合右エンジンに行く燃料の量が左エンジンに行く燃料よりも少なかったのです。
機長「アンバランス?」
副機長「え?」
機長「これを見てみろ、右エンジンに行く燃料量が少ない・・・」
副機長「故障では、?」
機長「そうかもしれんな」
機長たちは、最初機械の誤作動かと思いました。
なぜならこのハイテク旅客機にアンバラスが発生することは、ほとんどないからです。
しかし右エンジンに行く燃料が少ないため右エンジンの残燃料量がどんどん減少したため、これは、誤作動では、ないと気づいたのです。
機長「おかしいぞ・・・燃料が・・・」
副機長「どうやら誤作動ではないですね」
機長「これじゃあリスボンまでいけない」
機長たちは、リスボンまでたどり着くことは不可能と判断しアゾレス諸島テルセイラ島のラジェス空軍基地にダイバードすることにしました
ダイバードとは、着陸する空港を変えること
おもに緊急時では、ダイバードをし一番近い空港または、空軍基地に速く着陸できるようにします。
いっぽう236便の右エンジンは、とうとうフレームアウトしました。
つまり停止したのです。
ラジェス空軍基地まで150海里およそ270KMあります。
高度は、39000フィートです。
しかしエンジン1発では、高度を維持することは、できず次第に降下し右エンジンが停止してから13分後とうとう左エンジンも停止しました。
このA-330型機は、滑空状態になったのです。
ラジェス空軍基地までは、後65海里で今の高度は、34500フィートです・・・
236便は、ラジェス空軍基地までたどり着けるのでしょうか・・・それとも墜落するのでしょうか・・・
巨大な旅客機の両エンジンが停止しました。
機体は、不気味に静まり、エンジンの音も聞こえません・・・
機「これは、不時着水か・・・」
副「ラジェスにたどり着けないかもしれませんね」
236便の高度は、高すぎた・・・
このままいくとラジェスを通りすごして墜落してしまいます・・・
滑走路の手前10海里の地点で360度左旋回し、高度を保ちながら、徐々に高度を下げました。
機体の燃料がなくなると車輪が出ない場合もありますが、236便の車輪は、異常なく出ました。
しかし高度をまだ高すぎ、滑走路に着陸する前に何度かのS字旋回をしました。
機長「よし着陸だ、行くぞ!」
副機長「今日は、俺がこの世にいる最後の日になるかも知れないな」
機体は、滑走路を位階通りすごし大きく旋回滑走路の先端で一回接地したがバウンド、跳ね上がり、また接地した、今回はバウンドしなかったが
先端でバン!と着陸したためタイヤが2つ破裂、
逆噴射も使えないため、機体の速度は、なかなか落ちなかったが、タイヤがバーストしたため金属が、滑走路に直接接地したため、機体は、キキキキーと音を立てながら減速全長10000フィートの滑走路の7600フィート地点で止まった・・・
10本あるタイヤのうち8本がバーストした。
けが人はいなかったが、脱出する際に18名の負傷者が出たが犠牲者はいなかった・・・
236便は、奇跡を起こしたのです!
しかしまだ事故は、終わりません。
事故原因を調べないといけないからです。
まず一番おかしいのは、燃料のアンバランスです。
普通ならこんなことは、起きません。
そこで事故調査委員会は、事故原因は、こうだと発表しました。
事故原因
第2エンジンのパイプを調べたところ、真っ二つに切れていたそのため燃料漏れが発生、第1エンジンの燃料を第2エンジンに送ったがパイプが切れているため意味がなく第1エンジンの燃料も無駄に使ってしまったのです・・・
そのため両エンジンが停止したのです・・・
しかしこの事故は、奇跡でした、両エンジンが呈したにもかかわらず、犠牲者なしで着陸できたからです。きっと奇跡が起きたのでしょう・・・
最終更新:2009年03月27日 19:41