その日が、私の生き方を大きく変えた。
私が大きく変わったあの日、私は外に買い物に出かけていた。
両親は私が11の時に他界、弟の俊也と2人で暮らしていたが、遺産とアルバイト代を併せれば金銭的な面でも何一つ不自由は無かった。
ただ一つ、苦労があったとすれば、やはり、家事のことだろう。
お金を著しく消費するため、コンビニなどで済ませず弟と二人で料理をしていたのだが、やっぱり、最初の内は失敗ばかりしていた。
それに、洗濯や掃除などはあまり慣れていなかったため、これにも苦労させられた。
しかし、2年たった今は、もう慣れてしまい、家事全般を何とかこなせるようにはなっていた。
慣れとは恐ろしいものだ、とつくづく思う。
「ちゃんと全部買ったかな?」
品物をマイバック(エコのため)につめる前にメモに書いた買い物リストとカートのかごに入った品物を照らし合わせていく。
玉葱・・・良し。
人参・・・良し。
ジャガイモ・・・良し。
その他雑用品・・・良し。
後は家にある、っと。
確認を終わり。
買った物をマイバッグに詰め込み、店を出る。
今日は久々に俊也の大好きなカレーでも作ってやろう。
と、鼻歌まじりに帰路に着くと・・・。
ピシッ
という音と共に目の前の風景が崩れ去った。
否、消え去った、というほうが正しいだろう。
一瞬にしてあたりは真っ暗になった。
「えっ・・・?」
何が起こったのかがわからず、
パニック状態に陥った。
ちょっと・・・何が起こったの?
私は買い物を済ませて帰り道を歩いていたはずでしょ?
それが何でこうなるの?
私は死んじゃったの?
いや、それは無い。
心の隅で冷静な心が答える。
なんでそう思えるの?こんな状況、死んだと思うしかないじゃない
いや、死因が思いつかないじゃない。ただ歩いているだけで苦しみも無く一
気に死ぬなんてありえない。
自分の心の中でずーっと自問自答を繰り返していたそのとき、
「おーい。」
・・・気の抜けるような声が聞こえてきた。
私は反射的に声がしてきた方向を向く。
そこにいたのは・・・・
―――――俊也?!
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最終更新:2009年05月14日 14:31