―――廻ル世界―――プロローグ3

「えーと・・・何で私?」
自分などどこにでもありふれている普通の子供なのに。
「知らん。」
即答。
「何で知らないの?!」
「そんなこといわれても知るか。
世界が滅びる直前に次の管理人を決める。
文句ならこの世界に言ってくれ。」
そんな・・・!!
こんな未知の体験に遭遇したっていうのにその理由さえわからないなんて・・・!!
私はショックのあまり、その場に体操座りをし、ふさぎこむ。
今海が目の前にあったら確実に石投げながらバカヤロォォォって叫ぶだろうな・・・。
「・・・ふさぎこんでいるところ悪いがそろそろ帰りたいんだけど。」
「え?帰るところあるの?」
「寝る場所とか無かったら困るだろうが。」
もっともだ。
そんなわけで彼の家に連れて行ってもらった。
「うわー・・・結構普通の家なんだね。」
「・・・どんなものだと思ってたんだ?」
「えー?お城?」
我ながらなんてメルヘンチックな想像だろうと思えた。
「城の方が好みなら変えようか?」
「いや、いいです。」
広すぎるのもこまるしねー・・・。
把握できなくて迷いそうだ。
などと考えつつも自称神の家に入っていった。
そしてその中身を見た私の一言、
「うわぁ、広い!」
小さな家の中にどうやったらこれだけの空間があるんだ・・・と思うくらい広かった。
一部屋だけでも私が住んでいた家より大きい。
これじゃ本当に迷いそうだな・・・と苦笑をもらした。
「じゃ、今日は疲れているから寝るか。」
「ん。そうしよっか。」
私はまだ夕ご飯を食べていなかったが、あまりに驚いたためか食欲がわかなかった。
彼が指を鳴らすと、布団が部屋の両端に現れた。
「それじゃお休み、・・・えーと・・・。」
あ、そっか。まだ自己紹介してなかったっけ。
「私の名前は桂木 粟加(かつらぎ おうか)。よろしくね。」
「じゃ、おやすみ。粟加。」
「ちょっと!私も名前いったんだからあなたも言いなさいよ!」
「あ、悪い悪い。俺の名前は坂本 大地(さかもと だいち)だ。」
「じゃ、大地、お休み!」
私は布団に入り、少々の不安と好奇心を胸に、眠りに落ちていった。


翌日。
「ふぁ~」
思わず欠伸が漏れる。
「あー良く寝た・・・。」
もぞもぞと布団から這い出し、立ち上がる。
「お、起きたか。朝飯は出来てるぞ。」
「ん。大地が作ったの?」
「そうだ。じゃ、一緒に食うか。」
大地の横から机が出現し、部屋の真ん中へ移動する。
机の上にはハムエッグがのっていた。

朝食の間に、色々なことを聞いてみた。
世界を管理とはどういうことをするのか(世界を創り、終わらせるという答えが返ってきた。ちなみに世界にも寿命はあるらしい。)、
私にそのようなことができるのか、
(そのうち身につくだろうといわれた。)
そして、一番気になっていたこと、
「世界が滅びた時、生きていた人間はどうなるの?」
「ああ、言葉にするのは難しいが・・・」
大地は言葉を捜しながら食事の手を進める。
「簡単に言うなら・・・転生、かな?」
「転生?生まれ変わること?」
「ああ。世界を創ったときに「別人」としてそのときの年齢のまま出現する。過去は勝手に作られるけどな。」
「そう・・・。」
少し、本当に少しだけ、俊也と以前のように暮らせることを期待していた。
だけど、話を聞く限りでは無理そうだ。
突然、失望と喪失感が襲ってきた。
そんな私に気づいたのか、大地は気を紛らわせてくれる一言を言ってくれた。
「・・・粟加、今日から管理者になるための修行を始めるぞ。」
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最終更新:2009年06月17日 18:02
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