763 1907の悲劇

1996年11月12日のことだった・・・何故こんな事が起きたのか・・・起きないといけなかったのか・・・

ニューデリー

「763便離陸を許可します」

その言葉が出た瞬間、悲劇へのカウントダウンが始まった・・・

轟音を出しエンジンが唸り声を上げ、機首が上がる、空港の中では見飽きた瞬間である
しかし・・・この763便の離陸を見るものはもういない

「サウディ763、140へ上昇せよ」

「サウディ763、140へ上昇」

いつも通りの言葉・・・管制官にとっては飽きることなのだろうか・・・
毎日のことを繰り返すだけ・・・しかし今日は他の日とは違う・・・万に一つに起きるかどうかの出来事が起きてしまう

「サウディ763、140へ着いた、次は、?」

「サウディ763、140を維持」

「サウディ763了解、140を維持」

サウディ763、サウジアラビア航空763便は、高度14000フィートを維持することになった、
逆行機がいるからだ

「カザフ1907、150へ到達」

「カザフ1907了解、150を維持せよ」

「カザフ1907了解150維持」

「8マイル先逆行機、サウディのボーイング747だ」

「了解」

カザフ1907、カザフスタン航空1907便は、高度15000フィートを維持することになった・・・
逆行機、サウジアラビア航空763便がいるからだ・・・
この時点で誰も悲劇が起こるとは思いもしなかっただろう・・・
管制官も・・・操縦士も・・・乗客も・・・乗員も・・・

「サウディ763、高度は、?」

「サウディ14108フィートです、水平飛行です」

「了解」

お互いに猛スピードで進んでいる2機の旅客機、お互い逆向きに進んでいるため
猛スピードでお互いに突っ込んでいるようなものだ
しかし高度差は、1000フィート衝突することはない・・・
しかしこの日は違った・・・

「ん?」

カザフ1907の通信士が高度計を見た瞬間・・・背筋がぞっとしただろう・・・

「機長!高度が低すぎます!」

「高度は何だ!?」

「140じゃない!150だ低すぎる!」

「出力上昇!上昇する!」

突然したから突き上げられるような感覚とエンジンの唸り声にカザフ1907の乗員乗客は驚くだろう・・・
しかしその意味を知らない・・・知っているのは、コックピット内の4人だけだ

「8マイル先に逆行機がいると聞きました!どう高度にいるかもしれません!」

通信士が唯一知っていたことだ、通信士はこの時点で悲劇が起こるとは知らなかっただろう・・・
背筋はぞっとしただろうが・・・

「あれだ!」

通信士が大声を上げコックピットのウィンドシールドを指差した、外には恐ろしい影がある
サウディのボーイング747が横切ったのだ・・・その瞬間、4人の操縦士は、死を覚悟しただろう
その瞬間、命の灯火がほとんど消えたしまったのだ・・・

「おいなんだ!」

サウディ763の操縦士に何が起きたかはわからない・・・突然何者かが後方に見えたが
それを何かはわからないが予想はできただろう・・・

「何かが当たった!おい!上昇させろ!」

「おいおい!何が起こってるんだ!」

「くそ!おいどうなってる!動け!」

サウディ763のコックピットでは、操縦士の大声と多種多様の音・・・警告音がなっている

「衝突した!くそ!」

「おいおいおいおいおい!コントロールが効かない!」

カザフ1907の操縦士は、恐ろしい光景を目撃した、サウディ763の操縦士とは違い、衝突したとわかったのだ・・・
カザフ1907は回転しながら上昇を始めた、飛行性能が狂ったのだ・・・左主翼を失ったのだ

「おい!反転する!」

サウディ763の操縦士は、実際何が起きてるかは本当のことは知らない・・・
763の中でそれを知っているとしたら乗客だけだ
乗客のほとんどは、恐ろしい光景を目撃した、雲をボート見つめていると突然猛スピードで
カザフ1907が突っ込んできたのだ・・・
客室内では、悲鳴とエンジン音、爆発音しか聞こえない・・・
しかし数秒後・・・風の音が加わる・・・空中分解が始まったのだ

数秒後サウディ763は、反転し左主翼から黒煙を引いた炎を出しながら・・・畑へと突っ込んでいった
数秒後には、地面を貫く衝撃と空を飛び回る爆発音が聞こえるだろう・・・
その瞬間312の命の灯火が一瞬で消えたことになる・・・


「コントロールが効かない!」

カザフ1907の操縦士はいまだに回転しながら地面へ突進する機体をコントロールしている
しかし運命は変えられない・・・

カザフ1907は回転しながら地面へと突進して行った、運命を受けなければならなかった37名は機体とともに
運命を共にした・・・

それをまだ知らない人たちがいた・・・管制官もそれを知らないが・・・機影がレーダーから消えた瞬間
すべてがわかったのだろう

「1815、爆発があったそうです!」

「1815空中で爆発か?」

「1815はい、」

「了解・・・」

「894!空中で爆発です!雲が破裂したように見えました」

「了解・・・ 爆発・・・今レーダーから消えた機影は2つ・・・まさか!そんなことが」

気づいた管制官・・・しかしそれを信じたくはなかった

「カザフ1907位置を報告せよ! サウディ763!応答せよ! カザフ1907応答せよ!」

「こちら1815!」

「1815どうぞ」

「地上2箇所で火災!」

「地上2箇所で火災・・・確か今消えた機影は2つ・・・まさか本当に・・・ 確かか?」

「確かです」

「了解・・・ まさかそんなことが・・・」

「どうしたんだ?」

「空港周辺に2基墜落です・・・」

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1996年11月12日のことだった・・・何故こんな事が起きたのか・・・起きないといけなかったのか・・・






1996年11月12日 カザフスタン763便とカザフスタン航空1907便の空中衝突事故
349名が死亡した、

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最終更新:2009年06月27日 14:35
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