「ホワイトアウトの恐怖」 ニュージーランド航空901便
1979年11月28日 観光を楽しむため、237人もの人が一機の旅客機に乗り込んでいく、ニュージーランド航空901便だ。
観光客は、冬の南極を見るためこの便に乗ったのだ、しかしこれが最後の瞬間とは思わなかっただろう。
DC-10は、重い巨体を大空へと舞い上げた。
離陸から数時間、901便は、管制塔へと呼びかける。
「こちら901便、このまま直進ですか?」
「901便そのまま直進だ。」
「901便了解」
901便は、空港へと直進をすることになった、しかしそれが運命を左右することとは誰が思っただろうか。
「901便、高度4000メートルまで降下」
「901便了解」
高度を下げるたびに、終わりへと近づいていく901便・・・降下をした瞬間、901便は引き返せなくなる
「なんだこれは、?」
「あたり一面真っ白だな・・・」
機長たちは、辺り一面真っ白な世界を見ただろう、一見見ればきれいな世界だが、実際はそうではない
これが原因・・・ホワイトアウト現象のせいで墜落する便も少なくはない。
「90・・コ・・が・・・いる・・・ろ」
「なんだ?」
「管制塔とつながりません、つながってはいるんですが、話せません」
「くそどうなってるんだ」
「近くに山でもあるんでないでしょうか?それが妨害して・・・」
航空機関士の予想・・・それは、予想ではなく事実であった、信じたくはなかった事実だった。
目の前には、DC-10よりもはるかに大きい、3794mもあるエレバス山が迫ってきたのであった
「気に入りませんね・・・」
航空機関士は、山が電波を妨害していることを気に入らなかったのだろうか、しかしコックピットの最後の落ち着いた声だった・・・
「whop whop pull up 」
「くそ!対地接近警報装置が!」
対地接近警報装置がなったということは、地面が以上に接近していることだ・・・
これがなるとすぐに上昇をしないといけなくなるが・・・901便は山へと突進している上昇しても・・・
「くそ!どうなっている」
巨大なDC-10の、エンジンは、唸り声を上げ推力を増し、機種も上を向いたが・・・おそすぎた
「うわーーーーー!」
コックピットクルーの全員の叫び声が、コックピットボイスレコーダーに残った最後の音だった・・・
ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
「今音がしなかったか?」
「気のせいだろ・・・」
「そうか・・・」
1979年11月28日 ニュージーランド航空901便は、エレバス山へ突進し激突乗員乗客257名全員が死亡した。
最終更新:2009年07月20日 19:29