アルバムを全曲レビューするスレ 06-07

111 名前:滝川クリステル萌え[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 07:17:01 ID:0qRkVsSZ

Paul Simon    「ソングブック」  2004/5/19復刻リリース

01.[ アイ・アム・ア・ロック     ]★★★★☆
サイモンガーファンクルバージョンも知ってるが、ギター1本だけのこっちのバージョンのほうがむしろ力強く
かつ聞きやすい。ロック色の濃い曲なので、昔はだからロックのなのだな。と勘違いしていたが
ただしくは、岩。つまり僕は岩。サイモンふみこと、柴門ふみさん曰く、世界ではじめて引きこもりについて
唄った唄だそうです。

02.[ 木の葉は緑          ]★★★★
爽やかで美しい曲。

03.[ 教会は燃えている      .]★★★★☆
2曲同様美しいメロディの曲なのだが、タイトルが怖い。まともじゃない。
なんつータイトルじゃ、と子供心に思ったものだ。
公民権運動が高まる中、黒人の教会が焼き討ちにあう事件が多かったらしい。
フードをかぶった3人の男など、歌詞はかなりなまなましく唄っていて当時の状況がうかがい知れる。
よくもまあ、こんな歌詞を書けるよね。度胸がある。

112 名前:滝川クリステル萌え[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 07:18:03 ID:0qRkVsSZ
04.[ 四月になれば彼女は    .]★★★★
ほんと4月っぽい爽やかな曲。この彼女もキャッシーのことなのかな?

05.[ サウンド・オブ・サイレンス ]★★★★★
物凄くチカラ強いサウンドオブサイレンス。
力強く床を叩く音がだんだん強くなりリズムを刻んでいる。
ロック色が濃く、このバージョンにはまってしまうと通常版が甘ったるく感じ聞けなくなってしまう。
これがこの曲の原型なのでしょう。素晴らしいです。
反面
「ハロー、僕の暗闇。懐かしき古き友よ。また君と話にきてしまったね。」
ではじまる歌詞は、うつ病寸前の暗さです。
ミスチルの桜井が持っている暗さとどこか通じるところがあると思う。

06.[ とても変わった人        ]★★★★
いじめの自殺が流行っているがこの歌は、いわばニートの自殺の唄。
リアドン夫人曰く、彼はとっても変わった人。いつも一人。部屋にこもって自分自身の中に
閉じこもって、友達もいなくて、はなしかける人もいなかったわ・・・
とってもとっても変わった人。
日本なら死人に対して悪く言わない風潮があるから、リアドン夫人自体に違和感があるけど
こういう歌詞をサイモンが歌っているのは、やっぱり通じるところがあるのだろう。
この曲なんかずっと前から知ってるけど、歌詞をあらためて見てもなぜこんな歌詞なんだろう。
とても変わった曲だなって思う。


113 名前:滝川クリステル萌え[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 07:18:44 ID:0qRkVsSZ
07.[ 私の兄弟           ]★★★★★
僕の5歳年上の兄弟が撃ち殺されたんだ。
FREEDOM WRITER(自由について書いてる人達)と歌詞カードに書いてあるがこれは誤訳。正しくは
FREEDOM RIDER 
昔アメリカでは、黒人と白人は一緒のバスには乗れなかったり、席も黒人用白人用と別れていたらしい。
1860年の南北戦争で黒人は奴隷から開放されたはずだがこの時代はまだまだ色濃く残っていて
バスの人種差別が撤廃されたことを検証する学生たちの運動がフリーダムライダー。
黒人と一緒に白人の学生も乗り込んで黒人を守っていた・・・・
当時、サイモンもこの運動に参加していたのだろう。彼自身もユダヤ人だから、差別に対しては許されざる気持ちが
人一倍あるのだと思う。(のちにアパルトヘイトの南アフリカでも精力的に運動している)
サイモンの学生時代の友達がフリーダムライダーで殺されてしまったことを唄っている。
サイモンも他に類を見ないほど力強く歌い上げている。
メロディラインもサビの盛り上がりがドラマチックでこのアルバム一番好き。
ちなみに、この曲を知ることでブルーハーツの「青空」の長年なぞだった歌詞の意味を理解できた。
「運転手さん そのバスに僕ものっけてくれないか? 行き先はどこでもいい・・・・」

08.[ キャシーの歌          ]★★★★
なんとこのアルバムにサイモンと一緒に写っているのがキャッシーだそうです。
ボブディランのFREEWHEELINもそうだけど、当時はこういうのが流行っていたのかな
ディランの本当に熱々のカップルに比べるとちょっと地味だけど、当時の不遇の時代の暗さも
あってなかないいジャケットだと思う。なによりキャッシーを見れるのが嬉しい。

114 名前:滝川クリステル萌え[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 07:19:33 ID:0qRkVsSZ
09.[ ザ・サイド・オブ・ア・ヒル   ]★★★★
暗い。でも美しい。

10.[ 簡単で散漫な演説      .]★★★
サイモン&ガーファンクル版だと3秒で飛ばす、勢い重視で単調な曲だが、ギターだけだと
結構聞ける。歌詞もよく聞いてみるとローリングストーンズとかビートルズ、ジョンレノン、ボブディランとか
出てきたりしてにぎやかだ。珍しいよね。他の歌手の名前を出すなんて。日本だと考えられない。
サザンが昔、「吉田拓郎の唄」とか歌ってたけど、曲のノリは「すべての歌に懺悔しな」かな。
別に批判はしてないけど。
歌詞は今となっては理解しづらい。左利きだと共産主義者とか。この当時の共産主義に対する
位置づけもリアルな感覚を持ってないし。
でもこの曲はロンドンで書かれていて、鬱々とした心情を表していて、かつ歌詞にアートガーファンクル
を出すあたりには遊び心も感じられる。

11.[ 雨に負けぬ花         ]★★★★
どこかで聞いたような曲。でも美しくて、歌詞にも希望が感じられてこのアルバムの〆に最適かも。
ギターの演奏もユニークでおもしろい。

12.[ パターン            ]★★★☆
10曲目とかぶるかな?メロディは似たりよったりに感じちゃう。


115 名前:滝川クリステル萌え[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 07:20:32 ID:0qRkVsSZ

総評  ★★★★☆ (9.4点 /10)

幻の名盤。
当時イギリスと日本で発売されたがサイモンが気に入らずに回収され廃盤となった名盤の復刻版。
唄とギターだけのシンプルなアルバム。
ギターをやっている人には是非聞いてほしい。とんでもなくうまいです。

分かりやすく言うと、トム&ジェリーの小さいほう、ジェリーのソロアルバム。
サイモン&ガーファンクルというユダヤ人丸出しのネームでデビューしたが、全く売れず失意の中
単身イギリスに渡って、ソロライブ活動をしていたときに、録音してみない?と言われて
ついていったのがマイク1本しかないスタジオ。
録音はたった1時間足らずというからほとんど1発取りなのだろう。
ギター弾き語りで、足をふみならしながらら聞こえてくる歌声は粗削りで、悲壮感さえ感じる。
ギターと唄と足踏みだけのシンプルな構成だが、それゆえにポールサイモンのギターの演奏の素晴らしさ
と迫力が感じられて、まるで目の前で演奏を見ているような、そんな贅沢な作品に仕上がっている。

個人的にサイモンガーファンクルはリズムが不安定さが気になって嫌いだったが、このアルバムは
もともと一人で演奏しててリズムが乱れるのは当然というのもあって気にならずに聞けちゃう。

このアルバムを作った後、ロンドンを歩いていると、自分の曲(サウンドオブサイレンス)が聞こえてきて
アートガーファンクルに電話したら、「こっちは大変なことになってるから、早く帰って来い」といわれて
慌ててアメリカに帰ることになる。
(一部フィクションです)
最終更新:2006年12月21日 02:25