バリエーション

 この機体は量産型を前提として設計された。
 しかしながら現実の戦闘においては様々な状況が想定され、単一の機種では十分対応しきれない場合が生じる事は、かねてから予想されていた。
 その事が量産という体勢を整えるにあたっては大きな問題となる事は言うまでもない。
 また、UPC正規軍に必要な性能と、能力者の多くがその立場に身を置く傭兵に必要な性能が異なる事も、ナイトフォーゲルという兵器とその製造メーカーにとっては量産体勢を整える上では弊害となる。

 この事に対応するべく、このプランでは万能機体という方向性をあえて捨て、代わりに機体の大部分、基本部分を共通とし、複数のバリエーションを用意する事で対応。
 戦闘において実際に状況に対応する“部隊”というパッケージで、兵器群を安価に供給できるよう配慮されている。

 その結果、車のシャーシに当たるとでも言うべき基本部分が、全ての機体で共通している。
 これにより例えば、突撃戦仕様が上半身を破壊されて撃墜されたとしても、下半身部分が大破した他の機体があれば、二つの残った部分を組み合わせる事で一機のほぼ完全動作する機体が完成する。
 細かい部品においてもこれは徹底されており、補給の滞りがちな前線においての稼働率の向上に期待が持てる設計となっている。

 ただしこの事は車で例えるならば、シャーシ・エンジンが同じ幾つかの車種がある、という事以上を意味しない。
 その為、部品を入れ替える形で機体を緊急補修した場合も、稼働率は保証できるものの本来の性能を発揮出来る事は保証しきれる物ではない。



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最終更新:2010年07月22日 17:35