&counter(total)

 

四面体の外心のベクトルによる重心座標表現(6辺による表示)

(注意:これは、他のブログに載せたものです。管理人より)
 
(1)ここでは四面体ABCDの「外心O」の「ベクトルによる重心座標表現」を
その6辺の長さ BC=a,CA=b,AB=c,AD=d,BD=e,CD=fを用いて与える。
これは2006年の10月8(日)に完成した。これらはすべて手計算で行った。

(2)
この公式を述べた後に、
具体的に「四面体ABCD」の6辺の長さを与えて、
「四面体ABCD」を構成して、その「外心O」の「ベクトルによる重心座標表現」を求めてみる。

 また今度ということになるだろう。
<記法の約束>:行列J(3)を四面体の「垂心H」の場合と「同じ」とする。
また「ベクトル AB」を(→AB)で表すことにし、(→AB)と(→AC)との「内積」を
((→AB),(→AC))で表すことにする。Emでm次元ユークリッド空間を表すものとする。
[記号1.1]
 
2K=a2d2×((→DC),(→DB))+b2e2((→CB),(→CD))+c2f2×((→BD),(→BC))

      ―a2e2f2  ・・・(1.1.1)
2L=a2d2×((→CD),(→CA))+b2e2×((→DA),(→DC))+c2f2×((→AC),(→AD))
  ―d2b2f2  ・・・(1.1.2)
2M=a2d2×((→BA),(→BD))+b2e2((→AD),(→AB))+c2f2×((→DB),(→DA))
―d2e2c2  ・・・(1.1.3)
2N=a2d2×((→AB),(→AC))+b2e2×((→BC),(→BA))+c2f2×((→CA),(→CB))
―a2b2c2  ・・・(1.1.4)

とおくとGooの[[ブログ]]の「四面体ABCDの垂心」の「命題5.1」により、
4K=a2d2(e2+f2―a2)+b2e2(f2+a2―e2)+c2f2(a2+e2―f2)
    ―2a2e2f2         ・・・(1.1.5)
4L=a2d2(b2+ f2―d2)+b2e2(f2+d2―b2)+c2f2(d2+b2―f2)
    ―2d2b2f2         ・・・(1.1.6)
4M=a2d2(e2+c2―d2)+b2e2(c2+d2―e2)+c2f2(d22―c2)

     ―2d2e2c2      ・・・(1.1.7) 
4N=a2d2(b2+c2―a2)+b2e2(c2+a―b2)+c2f2(a22―c2)
    ―2a2b2c2     ・・・(1.1.8) 

 
<この式の特徴を以下に説明する。>
 
まず、(aとd)が対辺,(bとe)が対辺,(cとf)が対辺である。2Kでは
第1項はa2d2が括弧の前にきている。そして「頂点Aの対面△BCD」の3辺に
関係した「内積」の3つ((→DC),(→DB)),((→CB),(→CD)),((→CD),(→CA))の内
どれかを掛けている。第2項はb2e2がきて、第3項はc2f2がきて・・・、
引く項は「頂点Aの対面△BCD」の3辺a,e,fの2乗の積である。
  以下2L,2M,2Nも同様である。 
そして4Kではa2d2に掛けるものは、(・・・―a2) か(・・・―d2)の
どちらかがくるのだが、△BCDに関係した「内積」なので、(・・・―d2)はあり得ない。
よって(e2+ f2―a2)と考えて作りだせばよいのである。 
「補題1.2」
Vを四面体ABCDの「体積」とする。このとき、
4detJ(3)=4(3!×V)2
              =(ad)(b2+e2+c2+f2―a2―d2)+b2e2(c2+f2+a2+d2―b2―e2)
              +c2f2(a2+d2+b2+e2―c2―f2)―(a2e2f2+d2b2f2+c2d2e2+a2b2c2)
               ・・・(1.2.1)

    この公式の覚え方は次のようである。(aとd)が対辺,(bとe)が対辺,(cとf)が
対辺であることに着目する。b2+e2とc2+f2とa2+d2の3組を加えて引いて
巡回的に変えるのである。そして符号が「―」になるのはadに掛けてある部分では、
aとdで、b2e2に掛けてある部分ではb2とe2、・・・
という具合である。
 
この「証明」自体はここでは示さない。ただ普通にやると大変である。
これらの一般的な「n次元単体の場合の計算」の簡単な方法は2008.6に完成した。
また今度書くことにする。
 
それでは、「四面体ABCD」の「外心O」の「ベクトルによる重心座標表現」を述べる。
[定理1.3]
mを3以上の自然数、四面体ABCD⊆E3⊆Emとして、任意の点PをEm内にとる。
そのとき,


「四面体ABCD」の「外心O」の「ベクトルによる重心座標表現」は
(→PO)=1/({2detJ(3)}×[K(→PA)+L(→PB)+M(→PC)+N(→PD)] ・・・(1.3.1)
 

=1/{8detJ(3)}×[a2d2(e2+f2―a2)+b2e2(f2+a2―e2)+c2f2(a2+e2― f2)―2a2e2f2](→PA)

+1/{8detJ(3)}×[a2d2(b2+f2―d2)+b2e2(f2+d2―b2)+c2f2(d2+b2― f2)―2d2b2f2](→PB)
+1/{8detJ(3)}×(a2d2(e2+c2-d2)+b2e2(c2+d2-e2)+c2f2(d2+e2-c2)―2d2e2c2](→PC)
+1/{8detJ(3)}×[a2d2(b2+c2―a2)+b2e2(c2+a2―b)+c2f2(a2+b2―c2)―2a2b2c2](→PD)
       ・・・(1.3.2)

 
「行列式」の性質を巧みに使用して、前から私が
指摘しているように「内積」を重視して「計算を証明した」のである。
2007年11月3日(土)に「一般のn次元単体にも通用する」着想を得て、
「n次元単体」の「外心O(n)」の「ベクトルによる重心座標表現」とその
「(nー1)次元の外接球面の半径R(n)の2乗」ができそうだと思った。
頭の中であれこれ思いをめぐらしていたが計算をしなかった。しばらく
研究しなかったが2008年5月より始めワープロを打っていて2008年6月28(土)に完成した。
非常に簡潔な公式であることだけいっておこう。例えば、
「命題1.4]
四面体ABCD」の「2次元の外接球面の半径R(3)の2乗」は、
 
{R(3)}2=1/{16detJ(3)}×(ad+be+cf)(ad+be―cf)(be+cf―ad)(cf+ad―be)

・・・(1.4.1)
  である。
なお、四面体の残る「内心」「傍心」の「ベクトルによる重心座標表現」については、
2007年9月1日(土)までに完成した。

これらについても少しずつ書き記してゆく。
(「内心」については昔から元名古屋大学の「栗田 稔」先生の公式があった。それの
分かりやすい証明方法を完成したと自分では思っている)
また「補題1.2」そのほかにおいて「数学セミナー」での「山村 健」先生の記事が
大いに参考になったことを述べておく。

最終更新:2008年10月21日 01:45