四面体の外心の重心座標表現の具体例(一般的な場合)例1
ここでは、6辺の長さを具体的に与えて、一般的と思える「四面体ABCD」を構成して、
その「外心O」の「ベクトルによる重心座標表現」を求める。
「例1」「垂心四面体でないもので、6辺の長さがみな異なるものを造る」
四面体ABCDの6辺の長さを例によって
BC=a ,CA=b ,AB=c ,AD=d ,BD=e ,CD=f で表す。
そこで
a=BC=√2 , b=CA=√3 ,c=AB=2,
d=AD=3 ,e=BD=√10 ,f=CD=√11 ・・・(1.1.1) とおく。
まず
a2+d2=2+9=11 ,b2+e2=3+10=13 ,c2+f2=4+11=15
・・・(1.1.2) である。
よって a2+d2,b2+e2,c2+f2は全て異なるので、
これで「四面体ABCD」ができたとき、どの「対辺同士」も
垂直ではない例となる。
(1) △ABCはできるか?
BC=√2 ,CA=√3 , AB=2 √2<√3<2で、
√2+√3>2 であって、(√2)2+(√3)2>22 であるから
△ABCはできて、鋭角三角形である。
(2) △ABDはできるか?
AB=2 ,AD=3,BD=√10 2<3<√10で、
2+3>√10 であって、22+32>(√10)2 であるから
△ABDはできて、鋭角三角形である。
(3) △ACDはできるか?
AC=√3,AD=3 ,CD=√11 √3<3<√11で、
√3+3>√11 であって、(√3)2+32>(√11)2 であるから
△ACDはできて、鋭角三角形である。
(4) △BCDはできるか?
BC=√2,BD=√10,CD=√11 √2<√10<√11で、
√2+√10>√11 であって (√2)2+(√10)2>(√11)2 であるから
△BCDはできて、鋭角三角形である。
こうして4つの三角形はみな鋭角三角形になる。
(5) 四面体ABCDの「外心Oの重心座標表現」は次のようであった。
4K=a2d2(f2+e2―a2)+b2e2(f2+a2―e2)
+c2f2(a2+e2―f2)―2(aef)2 ・・・(5.1.1)
4L=a2d2(b2+f2)+b2e2(f2+d2―b2)
+c2f2(d2+b2―f2)―2(dbf)2 ・・・(5.1.2)
4M=a2d2(e2+c2―d2)+b2e2(c2+d2―e2)
+c2f2(d2+e2―c2)―2(dec)2 ・・・(5.1.3)
4N=a2(d2(b2+c2―a2)+b2e2(c2+a2―b2)
+c2f2(a2+b2―c2)―2(abc)2 ・・・(5.1.4) として
(→PO)=1/{2detJ(3)}[K(→PA)+L(→PB)+M(→PC)+N(→PD)]
=1/{8detJ(3)}[4K(→PA)+4L(→PB)+4M(→PC)+4N(→PD)] ・・・(5.1.5)
(5.1.5)は「ベクトルによる重心座標表現」だから、
4K+4L+4M+4N=8detJ(3) ・・・(5.1.6)が成り立っている筈。
4K,4L,4M,4Nを(5.1.1)〜(5.1.4)にて求めれば、detJ(3)=(6V)^2も求まる筈である。
これらを計算するために、a2d2,b2e2,c2f2及び
(aef)2,(dbf)2,(dec)2,(abc)2 をまず求めよう。
a2d2=(√2)232=18 ,b2e2=(√3)2)(√10)2=30
c2f2=22(√11)2=44 ,(aef)2=(√2√10√11)2=220,
(dbf)2=(3√3√11)2=297 ,(dec)2=(3√10×2)2=360 ,
(abc)2=(√2√3×2)2=24 ・・・(5.1.7)
よって (5.1.1)は
4K=18×(10+11―2)+30×(11+2―10)+44×(2+10―11)―2×220
=18×19+30×3+44×1―440=342+90+44―440=476―440=36 ・・・(5.1.8)
また(5.1.2)は
4L=18×(3+11―9)+30×(11+9―3)+44×(9+3―11)―2×297
=18×5+30×17+44×1―594=90+510+44―594=644―594=50 ・・・(5.1.9)
(5.1.3)は
4M=18×(10+4―9)+30×(4+9―10)+44×(9+10―4)―2×360
=18×5+30×3+44×15―720=90+90+660―720=840―720=120 ・・・(5.1.10)
(5.1.4)は
4N=18×(3+4―2)+30×(4+2―3)+44(2+3―4)―2×24
=18×5+30×3+44×1=48=90+90+44―48=224―48=176 ・・・(5.1.11)
これらを加えると
4K+4L+4M+4N=36+50+120+176=382=2×191 ・・・(5.1.12)
よって (5.1.6)から 4detJ(3)=191 ・・・(5.1.13)となるはずである。
そこで 4detJ(3)を計算しよう。 4detJ(3)を6辺で計算する式は、次の(6)
の(6.1.1) のように与えられる。
(6) (1.1.2)と(5.1.7)から
4detJ(3)=(6V)^2=a2d2(b2+e2+c2+f2―a2―d2)
+b2e2(c2+f2+a2+d2―b2―e2)
+c2f2(a2+d2+b2+e2―c2―f2)
ー{(aef)2+(dbf)2+(dec)2+(abc)2} ・・・(6.1.1)
=18×(13+15―11)+30×(15+11―13)+44×(11+13―15)
―(220+297+360+24)
=18×17+30×13+44×9―901=306+390+396―901=1092―901=191・・・(6.1.2)
となって(5.1.13)と一致する。計算に間違いはないようである。
detJ(3)>0 だから (→AB),(→AC),(→AD)は一次独立となり、
「四面体ABCD」ができた。
(7) それでは、この四面体ABCDの「外心O」の「ベクトルによる重心座標表現」を書き下そう。
(5.1.7)〜(5.1.10)より、
mを3以上の自然数、四面体ABCD⊂E^3⊂E^mとし、任意の点P∈E^mをとったとき、
(→PO)=1/{2detJ(3)}[K(→PA)+L(→PB)+M(→PC)+N(→PD)]
=1/{8detJ(3)}[4K(→PA)+4L(→PB)+4M(→PC)+4N(→PD)] ・・・(7.1.1)
=1/(2×191)[36(→PA)+50(→PB)+120(→PC)+176(→PD)]
=1/191[18(→PA)+25(→PB)+60(→PC)+88(→PD)]
すなわち
(→PO)=1/(191)[18(→PA)+25(→PB)+60(→PC)+88(→PD)] ・・・(7.1.2) である。
(8)
この「四面体ABCD」の2次元の外接球面の半径 R(3)を求めてみよう。
(ア)公式を使用せずにやってみる。(→PD)の係数が大きいので、
(7.1.1)式において、P ⇒Dとして、
(→DO)=1/(191)[18(→DA)+25(→DB)+60(→DC)] ・・・(8.1.1)となる。
R(3)=|(→DO)|なので
1912R(3)2
=(191)2|(→DO)|2=|18(→DA)+25(→DB)+60(→DC)|2
=182|(→DA)|2+252|(→DB)|2+602|(→DC)|2
+2×18×25((→DA),(→DB))+2×18×60((→DA),(→DC))+2×25×60((→DB),(→DC))
=(22)(32)×d2+(54)(e2)+(24)(32)(52)f2
+2×18×25×(1/2)(d2+e2―c2)
+2×18×60×(1/2)(f2+d2―b2)+2×25×60×(1/2)(e2+f2―a2)
=(22)(34)×(32)+(54)×10+(24)(32)×11
+18×25×(9+10―4)+60×18×(11+9―3)+60×25×(10+11―2)
=(22)(36)+2×(55)+(24)(32)(52)×11
+18×25×15+60×{18×17+25×19}
=(22)(32)×{34+(22)×(52)×11}+2(5)+9×2×25×15+60×(306+475)
=4×9(81+1100)+2×25×125+50×9×15+60×781
=4×9×1181+50×(125+135)+4×15×781
=4×9×1181+4×15×781+4×25×2×65
=4×(9×1181+15×781)+8×(25×65)
=4×(10629+11715)+8×1625
=4×22344+8×1625=8×(11172+1625)
=8×12797
すなわち 1912R(3)2=8×12797 ・・・(8.1.2)
ところが、12797=191×67 ・・・(8.1.3)と素因数分解できるのである!
よって (191)
1912R(3)2=8×191×67
ゆえに R(3)2=(8×191×67)/(191)2=(8×67)/191
こうして R(3)2=(8×67)/(191)
R(3)=2√134/(√191) ・・・(8.1.3)となった。
(イ)公式を使うと簡単に求まる。公式は次のようであった。
R(3)2=1/{16detJ(3)}(ad+be+cf)(ad+be―cf)(be+cf―ad)(cf+ad―be)
よって
R(3)2=1/(4×191)(√2×3+√3√10+2√11)(√2×3+√3√10―2√11)
×(√3√10+2√11―√2×3)(2√11+√2×3―√3√10)
=1/(4×191){(3√2+√30)2―(2√11)2}{(2√11)2―(3√2―√30)2}
=1/(4×191){18+12√15+30―44}{44―18+12√15―30}
=1/(4×191){12√15+4}{12√15―4}={1/(4×191)}(4×4){3√15+1}{3√15―1}
={1/(4×191)}(4×4){9×15―1}={1/(191)}×(4×134)=(8×67)/191
すなわち R(3)2=(8×67)/191
よって R(3)=2√134/(√191)
(ア)(イ)を比較したとき、191と67がともに素数であったので、
(ア)の12797=191×67がなかなか出てこないが、公式(イ)の形から191で割れると思って
12797を191で割ることを考えてみるのである。
◎ 以上、一つ目の「垂心四面体ではなくて、かつ6辺の長さがみな異なり
4つの面がみな鋭角三角形の一般的と思える四面体ABCDの例」を造ってみた。そして
その「外心O」の「ベクトルによる重心座標表現」と『外接球面」の半径R(3)を求めた。
☆ ここで、「四面体ABCD」ができることを、「前の垂心四面体の例でもそうだった」が
(6)で detJ(3)>0を「最後に示して」、結論付けている。
次回は、この「例1」の「四面体ABCD」ができることを、detJ(3)を考えずに
「高校生の段階で分かる」ように、「図形的」または「幾何学的」な方法で証明してみよう。