三角形の垂心の重心座標表現
以下「ベクトル AB」などを

で表すことにする。
まず、結果だけ述べておこう。
三角形ABCを含むm次元ユークリッド空間を

ただし m≧2としておく。
このとき

の任意の点Pにたいして、
(あ) 三角関数表示では

・・・(1)
となる。ここで,2008.8.26 の「ブログ」で示したように、
なので (1)は
「垂心Hのベクトルによる重心座標表現」である。これは直角三角形でも成立する。
例えば

の直角三角形では「垂心H」は明らかに頂点Aであるが、

なので
すると上の公式(1)から

・・・(*)
ところが

ならば

なので、

となる。
よって

・・・(#)となり、これから
「垂心H]=「頂点A」と正しく求まる。
(い) 「内積」を用いた表示では、
・・・(3)
ここに、
である。

・・・(4)
が成立する(下に証明がしてある)ので、(3)は「ベクトルによる重心座標表現」である。
また、

は三角形ABCの面積である。
(う)3辺

を用いた表示では、
ここで ヘロンの公式から、

・・・(6)である。
<注意>:(う)は(い)から導けるのである。
まず、定義から内積の変形を用いて

・・・(7)が成立する。
例えば

は次のように証明される。
よって
すなわち

・・・(4)が成立するのである。
また 余弦定理から
・・・(8)
同様に
・・・(9)
・・・(10)
となるからである。したがって (あ)または(い)を覚えていればよい。
最終更新:2008年12月03日 00:20