一つの辺の長さが共通な2つの三角形を共通辺を貼り合わせて四面体ができる必要十分条件_2008.12.9(火)

<幾何学的に四面体が構成できることの「証明」> 

この稿での主な目標は以下の[命題1.2]及びその「幾何学的証明」と

次の「定理8.3」の提示及びその「証明」の概略を示すことである。

[定理8.3]
BC=a ,CA=b ,AB=cである△ABCと 
BC=a,BD=e ,CD=fである△BCDとが与えられたとき、「四面体ABCDができる」ためのAD=dの長さの「条件」は

⇔ [a2(b2+c2―a2)+e2(c2+a2―b2)+f2(a2+b2―c2)―(4S_A)(4S_D)]/(2a2)
<d2 
<[a2(b2+c2―a2)+e2(c2+a2―b2)+f2(a2+b2―c2)+(4S_A)(4S_D)]/(2a2)
・・・(8.3.3)

⇔ 4detJ(3) >0 ・・・(8.3.4) すなわち

⇔ (ad)2(b2+e2+c2+f2―a2―d2)+(be)2(c2+f2+a2+d2―b2―e2)
    +(cf)2(a2+d2+b2+e2―c2―f2)―{(aef)2+(dbf)2+(cde)2+(abc)2}>0 
・・・(8.3.5)

ここに、S_D=△ABCの面積、S_A=△BCDの面積 とする。

◎ なお、[命題1.2]及び[定理8.3]は「私の2007年6月までの研究冊子」を読んでくれた
畏友K氏の指摘によるところが大きな部分を占めている。K氏に感謝したい。

さて、2008.10.22(水)のBlogの「四面体の外心の重心座標表現の具体例(一般的な場合)_例1」で、
detJ(3)を考えずに「四面体ABCDが構成できること『高校生の段階で分かる』ように、
「図形的」な方法で証明してみよう」と述べた。このことを、実行してみる。

そのときの「四面体ABCDの外心の重心座標表現の具体例(一般的な場合)_例1」では
6辺の長さを次のように与えた。

「例1」「垂心四面体でないもので、6辺の長さがみな異なるものを造る」
四面体ABCDの6辺の長さを
BC=a ,CA=b ,AB=c ,AD=d ,BD=e ,CD=f で表す。
a=BC=√2 , b=CA=√3  ,c=AB=2,
d=AD=3  ,e=BD=√10 ,f=CD=√11 ・・・(1.1.1) とした。

このとき、この「四面体ABCD」の4つの面の三角形はみな鋭角三角形であった。
そして、最後に detJ(3)>0を示して (→AB),(→AC),(→AD)が一次独立と
なることから「四面体ABCD」が構成できることの根拠とした。
[1]
さて、△ABC及び△BCDは、できていて、これは共に鋭角三角形であった。
辺BCが共通であるから、この2つの三角形を辺BCを貼り合わせて、△BCDは水平な面上の置いておき、
△ABCをBCを軸として回転していって、「四面体ABCD」ができないか?と、考えてみるのである。

☆ 厳密には次のようにしてみる。
まず、△ABCのコピーを2枚用意する。それを△(A_1)BC と△(A_2)BCとする。また、xyzー空間 R^3を考え、
点Bがxyzー空間 R^3の原点 (0,0,0)に、辺BCをx軸上におき、Cのx座標が正であるようにして
点Dはxyー平面上におき、Dのy座標が正であるように△BCDをxyー平面上にとる。
すなわち、B,C の空間内の座標が、B(0,0,0),C(a,0,0),そしてDはxyー平面上にあり、
y座標が正でz座標が0であるように△BCDをxyー平面上におく。
[2]
△ABCのコピーである△(A_1)BCをxy―平面上にBCが△BCDの辺BCと重なり、頂点(A_1)のy座興が正で
あるように、xy-平面上に△BCDと重なるように置く。
また、△ABCのコピーである△(A_2)BCは、裏返して点(A_2)のy座標が負であるように、xy-平面上に
BCが△BCDの辺BCと重なるようにおく。つまり、△(A_2)BCを△(A_1)BCとx軸に関して線対称に
なるように置くのである。

[3] 
△(A_1)BCと△BCDとはx軸に関して同じ側、△(A_2)BCと△BCDとはx軸に関して反対側にあり、
△BCDと△(A_1)BCとは近く、BCDと△(A_2)BCとはもっとも遠くにある。
ここで、△BCDはxyー平面上に固定したまま、△(A_1)BCの板を辺BCを軸として回転してゆくことを
考える。D(A_1)<D(A_2) ・・・(1.1.2) であることに注意しておく。
このA_1の「動点」を改めて、Qで表して、頂点DからQまでの伸び縮みする棒DQを考える。
条件よりDA=dだから、△QBCの板をx軸に関して回転させて行ったとき、動点Qは「A_1」から「A_2」を
通って動くが、この間にDQ=dとなることが可能であれば、側面の△QDB、△QDCの面はあとから張ればよいので
「四面体ABCD」の骨組みは完成し「四面体ABCD」は出来上がる。
つまり、側面の面QDB,QDCは無視しておいて、「棒DQの先端Qがxyー平面より上方の位置でDQ=dとなれば」
その点Qが求める頂点Aである。
動点Qが「A_1」のとき、距離DQ=D(A_1)はもっとも短く、動点Qが「A_2」のとき距離DQ=D(A_2)は
もっとも長い。 なおQ=A_1や、Q=A_2では、△BCDと△(A_1)BCや、△BCDと△(A_2)BCは
xyー平面上にあるので、「四面体ABCD」はできない。よって四面体ABCDができるための条件は

[命題1.2] 以上の記号などのもとで、
「四面体ABCD」ができる 
⇔Dからの伸び縮みする棒DQの長さがxy―平面の上方(z座標が正なる点)で、DQ=DA とできること
⇔ (A_1)D< AD < (A_2)D ・・・(1.2.1)

である。
[4]
条件(1.2.1)をもっと「幾何学的に」きちんと証明しよう。
「証明」
まず、「xyー平面上にある頂点Dを中心とし、半径DA=d の2次元の球面 S(d)」を描いておく。
次に△(A_1)BCの頂点(A_1)から直線BCに下した垂線の足をKとする。Kはx軸上の点である。
(A_1)K=(A_2)K=r>0 とおく。△(A_1)BCをxyz―空間 R^3内でx軸を軸として回転すれば、
その頂点である「動点Q」は「点Kを中心とする半径rの1次元の円周T(r)」を描く。

さて
(あ)
(1.2.1)が成り立っているとしよう。このとき、次のようにして、点Aの位置を決定できる。
D(A_1)< DA=dだから、点(A_1)は「2次元の球面 S(d)の内部」にある。また、d=DA < D(A_2)より、
点(A_2)は「2次元の球面 S(d)の外部に」ある。T(r)は、x軸と垂直な位置にある。
そこでT(r)と中心Kを結び2次元の円盤D(r)を作り(その境界が円周T(r)である)、x軸を軸とする「コマ」を
考えてクルクルと回転すれば、点(A_1)が「球面 S(d)の内部」にあり、点(A_2)が「球面 S(d)の外部」に
あることから、「回転運動」の「連続性」により、T(r)上の「動点Q」は、2次元の球面 S(d)とはただ2点
「Q1とQ2」とだけで交わることが分かる。S(d)∩T(r)={Q1,Q2}・・・(1.2.2) ここに
「点Q1のz座標は正の数」、「点Q2のz座標は負の数」で、 2点Q1とQ2とはxyー平面に関して
「面対称な位置に」ある。
そして DQ1=DQ2=d=AD より、点Q1が求める点Aになる。

もっと詳しくいうと、2次元球面S(d)をx軸上の点Kの位置でx軸に垂直に切断した切り口の円周Uと円周T(r)
(x軸に垂直な同一平面上にあり、その中心はどちらもxy―平面上にある)の2つの円周が2点Q1、Q2を交点とし
交わっている状況である。 この内、交点Q1が求める頂点Aになる。
このようにして、条件(1.1)⇒ 「四面体ABCD」ができた。

次に
(い)
仮にD(A_1)≧DAとして上の議論のように「四面体ABCD」の頂点Aの位置を決めるために、
点K中心、半径(A_1)K=rの円周T(r)を描いたとしよう。しかし、D(A_1)≧dだから点(A_1)は
この球面S(d)の「外部または表面にある」ことになり、さらに(1.1.2)のD(A_2)>D(A_1)から、
点A_2も球面S(d)の「外部に」くる。
(a) S(d)の外部にA_1があるときは、点A_2も球面S(d)の「外部に」くるので円周T(r)全体が
球面S(d)の外部にあることになり、交点はない。
つまり、S(d)∩T(r)=Φ(空集合) となり、「四面体ABCD」はできない。 
(b) A_1がS(d)の表面にあるとすれば、点(A_1)はxy―平面上の点なので、T(r)∩S(d)={A_1}となり、
△BCDと△(A_1)BCとでは(A_1)D=d となっており、立体にならない。
最後に、
(う)
DA≧D(A_2)のときは、点(A_2)は「2次元の球面S(d)の内部か表面」にあり、DはA_2とx軸に関して
反対側にあって、(1.1.2)のD(A_2)>D(A_1)からA_1も「S(d)の内部に」あり、今度は円周T(r)全体が
球面S(d)の内部にあるか、S(d)∩T(r)={A_2}となり、やはり「四面体ABCD」はできない。
以上より、(A_1)D< AD < (A_2)Dのときだけに、「四面体ABCD」ができることが分かった。
([命題1.2]の証明終わり)

◎ それでは本題に入って、「例1」で与えた「四面体ABCD」が構成できることを、
[命題1.2]を用いて「証明する」
[5]
(A_1)Dと(A_2)Dの長さを求めるために、点Dと点A_1の座標を求めよう。なおz座標は共に「0」である。
また、A_1,A_2,B,C,Dはすべてxyー平面上にあるかから z座標=0は無視して、計算して行く。
Dのx座標=BD×cos∠DBC=e×(e^2+a^2―f^2)/(2ea)=(e^2+a^2―f^2)/(2a) ・・・(5.1)
=[(√10)^2+(√2)^2―(√11)^2]/(2√2)=1/(2√2) ・・・(5.2)
次に△BCDの面積=S_Aだから、
Dのy座標=(2S_A)/a=(4S_A)/(2a) ・・・(5.3)
=(4S_A)/(2√2)       ・・・(5.4)
よって、D((e^2+a^2―f^2)/(2a),(4S_A)/(2a))=(1/(2√2) ,(4S_A)/(2√2))・・・(5.5)
A_1のx座標=AB×cos∠ABC=c×(c^2+a^2―b^2)/(2ca)=(c^2+a^2―b^2)/(2a) ・・・(5.6)
={2^2+(√2)^2―(√3)^2}/(2√2)=3/(2√2) ・・・(5.7)
△ABCの面積=S_Dだから、
A_1のy座標=(2S_D)/a=(4S_D)/(2a) ・・・(5.8)
=(4S_D)/(2√2) ・・・(5.9)
よって、A_1((c^2+a^2―b^2)/(2a),(4S_D)/(2a))=(3/(2√2) ,(4S_D)/(2√2))・・・(5.10)
したがって、
A_2((c^2+a^2―b^2)/(2a),―(4S_D)/(2a))=(3/(2√2) ,―(4S_D)/(2√2))・・・(5.11)
となる。
[6] (A_1)D<AD<(A_1)D ⇔[(A_1)D]^2<AD^2<[(A_2)D]^2 ・・・(6.1)だから、
[(A_1)D]^2
=[(e^2+a^2―f^2)/(2a)―(c^2+a^2―b^2)/(2a)]^2+[(4S_A―4S_D)/(2a)]^2
=[{(b^2+e^2)―(c^2+f^2)}^2+16(S_A)^2+16(S_D)^2―32(S_A)(S_D)]/(4a^2)
=(3―1)^2/(2√2)^2+[16(S_A)^2+16(S_D)^2―32(S_A)(S_D)]/(2√2)^2
=1/2+[16(S_A)^2+16(S_D)^2―32(S_A)(S_D)]/8 ・・・(6.2)
また、
[(A_2)D]^2
=[(e^2+a^2―f^2)/(2a)―(c^2+a^2―b^2)/(2a)]^2+[(4S_A+4S_D)/(2a)]^2
=[{(b^2+e^2)―(c^2+f^2)}^2+16(S_A)^2+16(S_D)^2+32(S_A)(S_D)]/(4a^2)
=[(3―1)^2/(2√2)^2+16(S_A)^2+[16(S_D)^2―32(S_A)(S_D)]/(2√2)^2
=1/2+[16(S_A)^2+16(S_D)^2+32(S_A)(S_D)]/8 ・・・(6.3)

そして 16(S_D)^2=(a+b+c)(a+b―c)(b+c―a)(c+a―b)
=(√2+√3+2)(√2+√3―2))(√3+2―√2)(2+√2―√3)
={(√2+√3)^2―2^2}{2^2―(√3―√2)^2}
=(2√6+1)(2√6―1)=23 ・・・(6.4)
ゆえに 4(S_D)=√23 ・・・(6.5)
同様に 
16(S_A)^2=(a+e+f)(a+e―f)(e+f―a)(f+a―e)
=(√2+√10+√11)(√2+√10―√11)(√10+√11―√2)(√11+√2―√10) ・・・(6.6)
       ={(√2+√10)^2―(√11)^2)}{(√11)^2―(√10―√2)^2}
       =(4√5+1)(4√5―1)=80―1=79 ・・・(6.7)
ゆえに 4(S_D)=√79 ・・・(6.8)
よって (6.2),(6.3)は それぞれ、
[(A_1)D]^2=1/2+[79+23―2√23√79]/8=(53―√23√79)/4 ・・・(6.9)
[(A_2)D]^2=1/2+[79+23+2√23√79]/8=(53+√23√79)/4 ・・・(6.10)となるから、
(6.1)は 
(53―√23√79)/4<d^2<(53+√23√79)/4 ・・・(6.11) 
ゆえに √(53―√23√79)/2<d<√(53―√23√79)/2 ・・・(6.12)

[7]  すなわち 
BC=a=√2 ,CA=b=√3 ,AB=c=2 である△ABCと
BC=a=√2,BD=e=√10 、CD=f=√11である△BCDが与えられたとき、
「四面体ABCDができる」ためのAD=dの長さの「条件」は、

     (53―√23√79)/4<d^2<(53+√23√79)/4 ・・・(7.1) 

つまり、√(53―√23√79)/2<d<√(53―√23√79)/2 ・・・(7.2)である

ことになる。ここに 4S_D=√23 ,4S_D=√79 であることに注意されたい。 

√23√79=4.795831523・・・×8.888194417・・・=42.62628297・・・なので、
(53―√23√79)=10.37371703・・・、(53+√23√79)=95.62628297・・・
(53―√23√79)/4= 2.593429257・・・,(53+√23√79)/4=23.90657074・・・、
位なので (7.1)は、 大体 2.593429257・<d^2<23.90657074・  ・・・(7.3)
となる。
今この「例1」では、d=AD=3としているので、d^2=9であって(7.3)、したがって
(7.1)を満たし、「四面体ABCDができる」
[8] 一般には、
BC=a ,CA=b ,AB=cである△ABCとBC=a,BD=e 、CD=fである△BCDが
与えられたとき、「四面体ABCDができる」ためのAD=dの長さの「条件」は、

[(e^2+a^2―f^2)/(2a)―(c^2+a^2―b^2)/(2a)]^2+[(4S_A―4S_D)^2/(2a)]^2
<d^2 <[(e^2+a^2―f^2)/(2a)―(c^2+a^2―b^2)/(2a)]^2+[(4S_A+4S_D)/(2a)]^2

・・・(8.1.1)
ここで、実は
{(b^2+e^2)―(c^2+f^2)}^2+16(S_A)^2+16(S_D)^2
=2(a^2)(b^2+c^2―a^2)+2(e^2)(c^2+a^2―b^2)+2(f^2)(a^2+b^2―c^2) ・・・(8.1.2)
となるので、(8.1.1)は、

[(a^2)(b^2+c^2―a^2)+(e^2)(c^2+a^2―b^2)+(f^2)(a^2+b^2―c^2)―(4S_A)(4S_D)]/(2a^2)
<d^2 
<[(a^2)(b^2+c^2―a^2)+(e^2)(c^2+a^2―b^2)+(f^2)(a^2+b^2―c^2)+(4S_A)(4S_D)]/(2a^2)

・・・(8.1.3) となる。
よって 
「定理8.2]
BC=a ,CA=b ,AB=c である△ABCと
BC=a,BD=e 、CD=f である△BCDとが与えられたとき、
「四面体ABCDができる」ためのAD=dの長さの「条件」は、

⇔ [(a^2)(b^2+c^2―a^2)+(e^2)(c^2+a^2―b^2)+(f^2)(a^2+b^2―c^2)―(4S_A)(4S_D)]/(2a^2)
<d^2 
<[(a^2)(b^2+c^2―a^2)+(e^2)(c^2+a^2―b^2)+(f^2)(a^2+b^2―c^2)+(4S_A)(4S_D)]/(2a^2)
・・・(8.2.1)
ここに、S_A=△BCDの面積、S_A=△BCDの面積であって、例えば ヘロンの公式から、

4S_D=√(a+b+c)(a+b―c)(b+c―a)(c+a―b),4S_A=√(a+e+f)(a+e―f)(e+f―a)(f+a―e)
で計算できる。

「定理8.3]
(8.2.1)式は
(1)   ―(4S_A)(4S_D)
<2(ad)^2―[(a^2)(b^2+c^2―a^2)+(e^2)(c^2+a^2―b^2)+(f^2)(a^2+b^2―c^2)]
< (4S_A)(4S_D)
⇔ |2(ad)^2―[(a^2)(b^2+c^2―a^2)+(e^2)(c^2+a^2―b^2)+(f^2)(a^2+b^2―c^2)]|^2
<(4S_A)^2×(4S_D)^2 ・・・(8.2.2)


(2) これを、「一生懸命計算する」と
(ad)^2(b^2+e^2+c^2+f^2―a^2―d^2)+(be)^2(c^2+f^2+a^2+d^2―b^2―e^2)
   +(cf)^2(a^2+d^2+b^2+e^2―c^2―f^2)
―{(aef)^2+(dbf)^2+(cde)^2+(abc)^2} > 0  ・・・(8.3.1)
と同値になる。
ここで

4detJ(3)
=(ad)^2(b^2+e^2+c^2+f^2―a^2―d^2)+(be)^2(c^2+f^2+a^2+d^2―b^2―e^2)
   +(cf)^2(a^2+d^2+b^2+e^2―c^2―f^2)
―{(aef)^2+(dbf)^2+(cde)^2+(abc)^2} > 0  ・・・(8.3.2)だったので、
結局

(3)「定理8.2]の
BC=a ,CA=b ,AB=cである△ABCと
BC=a,BD=e 、CD=fである△BCDとが与えられたとき、
「四面体ABCDができる」ためのAD=dの長さの「条件」は

⇔ [(a^2)(b^2+c^2―a^2)+(e^2)(c^2+a^2―b^2)+(f^2)(a^2+b^2―c^2)―(4S_A)(4S_D)]/(2a^2)
<d^2 
<[(a^2)(b^2+c^2―a^2)+(e^2)(c^2+a^2―b^2)+(f^2)(a^2+b^2―c^2)+(4S_A)(4S_D)]/(2a^2)

・・・(8.3.3)

  ⇔ 4detJ(3) >0 ・・・(8.3.4)となる。すなわち

   ⇔(ad)^2(b^2+e^2+c^2+f^2―a^2―d^2)+(be)^2(c^2+f^2+a^2+d^2―b^2―e^2)
    +(cf)^2(a^2+d^2+b^2+e^2―c^2―f^2)―{(aef)^2+(dbf)^2+(cde)^2+(abc)2}>0 
    ・・・(8.3.5) となる。
[9] 
  「例1」で [命題1.2](1.2.1)の
「四面体ABCD」ができる  ⇔ (A_1)D< AD < (A_2)D を使って求めたAD=dの範囲が
(7.1)の   (53―√23√79)/4<d^2<(53+√23√79)/4 であった。
そこで[定理8.3]より、 このd^2の条件が上記の(8.3.5)

(ad)^2(b^2+e^2+c^2+f^2―a^2―d^2)+(be)^2(c^2+f^2+a^2+d^2―b^2―e^2)
    +(cf)^2(a^2+d^2+b^2+e^2―c^2―f^2)―{(aef)^2+(dbf)^2+(cde)^2+(abc)2}>0 
 
からも導かれることを示してみよう 。
BC=a=√2 ,CA=b=√3 ,AB=c=2 である△ABCと
BC=a=√2,BD=e=√10 、CD=f=√11である△BCDだったから(8.3.5)に代入して
2d^2(3+10+4+11―2―d^2)+30(4+11+2+d^2―3―10)
+44(2+d^2+3+10―4―11)―{(2×10×11)+(d^2)×3×11+4×(d^2)×10+2×3×4}>0
・・・(9.1.1)
よって 
2d^2(26―d^2)+30(4+d^2)+44(d^2)―{220+33(d^2)+40(d^2)+24}>0

ゆえに ―2(d^4)+(52+30+44―33―40)d^2+120―220―24>0・・・(9.1.2)すなわち、

2(d^4)―53(d^2)+124<0 ・・・(9.1.3)という d^2の2次不等式になる。
2(d^4)―53(d^2)+124=0を解の公式で解く
d^2=(1/4)[53±√{(53^2)―4×2×124} ・・・(9.1.4)
(9.1.4)の√の中身=判別式=53×53―4×2×4×31=53×53―32×31
=53×53―31×31―31=(53+31)(53―31)―31=84×22―31=1848―31=1817
ところが 1817=23×79 ・・・(9.1.5) となる!!
ので(9.1.3)を解くと 
{53―√(23×79)}/4<d^2<{53+√(23×79)}/4
つまり
(53―√23√79)/4<d^2<(53+√23√79)/4 となり、
(7.1)が導かれた。

[10]
この場合は2つの三角形は共に存在していたので、 d^2の求める条件は
(ad)^2(b^2+e^2+c^2+f^2―a^2―d^2)+(be)^2(c^2+f^2+a^2+d^2―b^2―e^2)
    +(cf)^2(a^2+d^2+b^2+e^2―c^2―f^2)―{(aef)^2+(dbf)^2+(cde)^2+(abc)2}>0

つまり、四面体ABCDの体積Vについて 4detJ=(6V)^2>0 だけで必要十分であったのである。

一般には、三角形ができるかどうかもわからないので、この4detJ=(6V)^2>0だけでは不十分である。
これについては、「栗田 稔」 先生の本「入門|現代の数学[7] 具象から幾何学へ」
(数学セミナー増刊)のP64〜P65に書いてある。

つまり、  (1)「1つの三角形ができること、すなわちヘロンの公式>0 (面積が存在すること)」
かつ    (2) 4detJ>0 (体積が存在すること)となる
ことが必要十分である。

最終更新:2008年12月10日 00:55