*三角形及び垂心四面体の構成理論及びその展開図の作成(全部)−2009.8.21(金)
<記号の約束>
mは自然数、E^mでm次元ユークリッド空間を表すものとし、「ベクトルAB」などを(→AB)で表す。
ベクトル(→AB)と(→AC)の「内積」を((→AB),(→AC))で表わし、また、「三角形ABC」の3辺BC,CA,ABを
BC=a,CA=b,AB=cとし、その面積をSで表す。
「垂心四面体ABCD」の6辺を、BC=a,CA=b,AB=c,AD=d,BD=e,CD=f とする。
その体積をV,頂点A,B,C,Dの対面の△BCD,△ACD,△ABD,△ABCの面積をそれぞれ
S_A,S_B,S_C,S_D とおく。またdetJ(2),detJ(3)はいつもの通りとする。
1.三角形ABCについて次のことが成立した。
△ABC⊆E^2⊆E^m (m≧2)としておく。BC=a,CA=b,AB=c …(1.1.1) として、
3つの「ベクトルの内積」((→AB),(→AC)),((→BA),(→BC)),((→CA),(→CB))を
それぞれ x=((→AB),(→AC)),y=((→BA),(→BC)),z=((→CA),(→CB)) …(1.1.2)とおく。
このとき
|(→BC)|^2=|(→AC)−(→AB)|^2=|(→AB)|^2+|(→AC)|^2−2((→AB),(→AC))から
x=((→AB),(→AC))=(1/2)[|(→AB)|^2+|(→AC)|^2−|(→BC)|^2] よって
x=(1/2)[b^2+c^2−a^2],同様にして
y=(1/2)[c^2+a^2−b^2] , z=(1/2)[a^2+b^2−c^2] …(1.1.3)となる。
◎ この逆も成り立つ:つまり
[命題1.1.2]
x=(1/2)[b^2+c^2−a^2],y=(1/2)[c^2+a^2−b^2],z=(1/2)[a^2+b^2−c^2]
⇒ x=((→AB),(→AC)),y=((→BA),(→BC)),z=((→CA),(→CB))
「証明」
x=(1/2)[b^2+c^2−a^2]⇒ x=((→AB),(→AC)) を
示しておこう。
b^2=|(→AC)|^2,c^2=|(→AB)|^2,a^2=|(→BC)|^2 だから
x=(1/2)[b^2+c^2−a^2]=(1/2)[|(→AC)|^2+|(→AB)|^2−|(→BC)|^2]
=(1/2)[|(→AC)|^2+|(→AB)|^2−|(→AC)−(→AB)|^2]=(1/2)[2((→AB),(→AC))]
=((→AB),(→AC)) すなわち x=((→AB),(→AC)) 他も同様である。
([命題1.1.2] の「証明」終わり)
次に
[命題1.2.1] 上記と同じ記号のもとで、△ABCについて「内積」の定義から
x+y=AB^2=c^2, x+z=AC^2=b^2, y+z=BC^2=a^2 …(1.2.1) が成り立つ。
「証明」
例えば x=((→AB),(→AC))=(−(→BA),(→BC)−(→BA))=|(→AB)|^2−((→BA),(→BC))=AB^2−y
すなわち x=AB^2−y ⇔ x+y=AB^2=c^2 が成立。他も同様である。
([命題1.2.1]の「証明」終わり)
[命題1.2.2] −−−(1.2.1)を満たす x,y,zの「一意性」−−−
△ABCについて[命題1.2.1]の(1.2.1)式を満たすx,y,zは
x=((→AB),(→AC)),y=((→BA),(→BC)),z=((→CA),(→CB))に限る。
「証明」[命題1.2.1]の(1.2.1)をx,y,zを未知数とする連立方程式と考える。
(1.2.1)の三式の両辺を加えて
2(x+y+z)=a^2+b^2+c^2 よって x+y+z=(1/2)[a^2+b^2+c^2] …(1.2.2)
これから x=(1/2)[b^2+c^2−a^2],y=(1/2)[c^2+a^2−b^2] ,z=(1/2)[a^2+b^2−c^2]
と解ける。これと[命題1.1.2]から x=((→AB),(→AC)),y=((→BA),(→BC)),z=((→CA),(→CB))
となる。
([命題1.2.2]の「証明」終わり)
☆ x+y=AB^2=c^2,x+z=AC^2=b^2,y+z=BC^2=a^2 ならば
x+y>0,x+z>0,y+z>0 であるから 以上のことより、次の[命題1.3.1]が成り立つ。
[命題1.3.1]
△ABCの3辺BC,CA,ABをBC=a,CA=b,AB=cとし、x,y,zを[命題1.2.1]の(1.2.1)式を満たす
【実数】としたとき、√(x+y)=AB=c,√(x+z)=AC=b,√(y+z)=BC=a …(1.3.1)
かつ x=((→AB),(→AC)),y=((→BA),(→BC)),z=((→CA),(→CB)) …(1.3.2)となる。
さて
「△ABC」の面積をSとすると4(S^2)は 「上の」x,y,zを用いて
4(S^2)=yz+xz+xy …(1.3.3)とx,y,zの2次の対称式で表されるのであった。
◎ これは【Goo】の2008年のBlogに書いてあるが、いつかを調べていると、【執拗な攻撃者】にまた
【妨害】されて【ネットに繋げなくされる】ので申し訳ないが皆さんで調べて下さい。
もう1年以上も【攻撃】・【侵入】を受け続けているので困っている。
[証明」は簡単である。
[命題1.3.2]
△ABCの3辺BC,CA,ABをBC=a,CA=b,AB=cとし、x,y,zを
x=((→AB),(→AC)),y=((→BA),(→BC)),z=((→CA),(→CB))とおけば
4(S^2)=(2S)^2=yz+xz+xy …(1.3.3)
「証明」
受験生なら知っているだろう、 (2S)^2=|(→AB)|^2×|(→AC)|^2−|((→AB),(→AC))|^2 を使う。
|(→AB)|=c,|(→AC)|=b,((→AB),(→AC))=x なので (1.2.1) のx+y=c^2,x+z=b^2 から
(2S)^2=(b^2)(c^2)−x^2=(x+z)(x+y)−x^2=x^2+xy+xz+yz−x^2=yz+xz+xy
([命題1.3.2]の「証明」終わり )
◎つまり △ABCでの3辺をBC=a,CA=b,AB=c,その面積をS,x=((→AB),(→AC)),y=((→BA),(→BC)),
z=((→CA),(→CB))とおけば、 x+y=c^2,x+z=b^2,x+y=a^2 ,
(2S)^2=yz+xz+xy>0 であって √(x+y),√(x+z),√(y+z) は順に△ABCの3辺c,b,aをなす。
そしてa,b,cとの関係は、
x=(1/2)[b^2+c^2−a^2],y=(1/2)[c^2+a^2−b^2],z=(1/2)[a^2+b^2−c^2]
この逆も成り立つのである。まず、これが今回の目標の一つで「三角形の場合」である。
[定理1.4]
x,y,zが【実数】(したがってマイナスになるときもある)として、
x+y>0 ,x+z>0 ,y+z>0 …(1.4.1) かつ yz+xz+xy >0 …(1.4.2)であるとする。
このとき、次のことが成り立つ。
(1) 正の数 √(x+y),√(x+z),√(y+z)は三角形の三辺をなす。
すなわち √(x+y)+√(x+z)>√(y+z),かつ √(x+z)+√(y+z)>√(x+y),かつ
√(y+z)+√(x+y)>√(x+z) ・・・(1.4.3)
(2)
√(x+y)=AB ,√(x+z)=AC,√(y+z)=BC とおくと
√(x+y),√(x+z),√(y+z)は順に△ABCの三辺 AB,AC,BC …(1.4.4)となり、
x=((→AB),(→AC)),y=((→BA),(→BC)),z=((→CA),(→CB)) …(1.4.5)
そして √(x+y)=c,√(x+z)=b,√(y+z)=aとおけば、
x=(1/2)[b^2+c^2−a^2] ,y=(1/2)[c^2+a^2−b^2],z=(1/2)[a^2+b^2−c^2] …(1.4.6)
また △ABCの面積をSとすれば 2S=√(yz+xz+yz) ...(1.4.7) となる。
(3)
角A,B,Cについて、
cosA=x/[√(x+y)√(x+z)] ,cosB=y/[√(x+y)√(y+z)] ,cosC=z/[√(x+z)√(y+z)] …(1.4.8)
となる。
「証明」
(1) (1.4.3)についてはx,y,zの対称性から √(x+y)+√(x+z)>√(y+z) ...(1.4.9)を示せば十分である。
(1.4.9)の両辺>0なので両辺平方しても同値
√(x+y)+√(x+z)>√(y+z) ⇔ [√(x+y)+√(x+z)]^2>[√(y+z)]^2
⇔ (x+y)+(x+z)+2√(x+y)√(x+z)>y+z ⇔ x+√(x+y)√(x+z)>0 そこで
⇔ √(x+y)√(x+z)>−x ...(1.4.10) を「証明」すればよい。
(1.4.10)の左辺>0 だから
(ア)x≧0 のとき、 (1.4.10)の右辺≦0となり(1.4.10)は成立する。
(イ) x<0 のときは、−x>0 よって このとき、√(x+y)√(x+z)>−x は[√(x+y)√(x+z)]^2>(−x)^2と同値になる。
ところが [√(x+y)√(x+z)]^2−(−x)^2=(x+y)(x+z)−x^2=yz+xz+xy …(1.4.11) となるが、
条件の yz+xz+xy >0 …(1.4.2)により [√(x+y)√(x+z)]^2−(−x)^2=yz+xz+xy>0
ゆえに [√(x+y)√(x+z)]^2>(−x)^2, −x>0 のときだから √(x+y)√(x+z)]^2>(−x) となり、
やはり (1.4.10)は成立する。
よって(1)は「証明」された。
(2)
(1)より (1.4.4)〜(1.4.7)が成り立つことは、√(x+y)=c,√(x+z)=b,√(y+z)=c ならば
x+y=c^2,x+z=b^2,y+z=a^2となるので (1.1.3),[命題1.1.2],[命題1.2.2],[命題1.3.1],[命題1.3.2]
により成立する。
(3)
「内積」の定義より cosA=((→AB),(→AC))/[|(→AB)||→AC)|]=x/[AB×AC]=x/[√(x+y)√(x+z)]
cosB=((→BA),(→BC))/[|(→BA)||→(BC)|]=y/[BA×BC]=y/[√(x+y)√(y+z)],cosCも同様である。
([定理1.4]の「証明」終わり)
「注意1.4.2」
実数 x,y,zについて
x+y>0 ,x+z>0 ,y+z>0 ならば x,y,zのうち「0以下になるのは唯一つだけ」で
残りの2つは正の数でなければならない。
「なぜなら、仮にx≦0 とすれば x+y>0から y>0,またx+z>0からz>0 でなければならない。
y≦0のときもz≦0 としたときも同様である。」
◎これは[定理1.4]において、x=((→AB),(→AC)),y=((→BA),(→BC)),z=((→CA),(→CB))
なので
x<0 ,y>0,z>0 ⇔ ∠BACが鈍角,∠ABCと∠ACBは鋭角
x=0, y>0,z>0 ⇔ ∠BACが直角,∠ABCと∠ACBは鋭角
x>0, y>0,z>0 ⇔ ∠BAC,∠ABCと∠ACBはみな鋭角
を意味し、x,y,zは「三角形の性質」をよく反映している。
以上により、次のことが言える。
[定理1.5]
△ABCにおいて [定理1.4]の条件:x+y>0,x+z>0,y+z>0 かつ yz+xz+xy>0
を満たす【実数】 x,y,zで「△ABCの性質を調べる」ことが、
△ABCの3辺AB=c,AC=b,BC=aの正の数a,b,cでb+c>a,c+a>b、a+b>cを満たすもので
「△ABCの性質を調べる」ことと「同じように」できる。
これらはいわば、「図形,多様体などの座標変換」に相当する。REAL={実数全体}とおく。
T(3)={△ABCの全体}とおく。
(1) M(3)={(a,b,c)∈(REAL)^3|a>0,b>0,c>0,b+c>a,c+a>b,a+b>c}とおけば,
M(3)は3次元空間(REAL)^3の部分集合である。T(3)={△ABCの全体}を調べることは集合M(3)を調べることであると
いってよいだろう。
(2)IP(3)={(x,y,z)∈(REAL)^3|x+y>0,x+z>0,y+z>0,yz+xz+xy>0}も3次元空間(REAL)^3の部分集合である。
( IP(3)は「内積」Inner Product の略のつもり)
T(3)={△ABCの全体}を調べることは集合IP(3)を調べることであると言える。
(3) 変数変換の写像 Φ:M(3)→IP(3) を
Φ(a,b,c)=((1/2)[b^2+c^2−a^2],(1/2)[c^2+a^2−b^2],(1/2)[a^2+b^2−c^2])
と定義する。すなわち fは2次変換で
x=(1/2)[b^2+c^2−a^2] ,y=(1/2)[c^2+a^2−b^2],z=(1/2)[a^2+b^2−c^2] …(1.5.1)である。
このとき、x+y=c^2>0, x+z=b^2>0 ,y+z=a^2>0,yz+xz+yz>0となり、
△ABCの面積をSとすれば 2S=√(yz+xz+yz)
(4) (3)の逆変換 Ψ:IP(3)→M(3) は Ψ(x,y,z)=(√(y+z),√(x+z),√(x+y))…(1.5.2)である。
すなわち a=√(y+z),b=√(x+z),c=√(x+y) …(1.5.3)
(Ψ・Φ)(a,b,c)=(a,b,c) ,(Φ・Ψ)(x,y,z)=(x,y,z) である。
(5) この様に写像 Φ,Ψは1:1かつ「上への」写像で「互いに他の逆写像」で M(3)とIP(3)は1:1に対応する。
☆したがって「どんな△ABCも上のIP(3)の要素 x,y,zを用いて得られる」わけである。こうして
「△ABCを表現する(前から使用しているが)新しいパラメータ x,y,zを得たことになる。」といえよう。
変数はどちらも3つである。
なお
◎ 「△ABCが正三角形 ⇔ a=b=c ⇔ x=y=z」である。
[命題1.6] ---[定理1.4]の系---「3辺の三角不等式は試す必要がない!ので問題作りが助かると思う」
実数x,y,zが x>0,y>0,z>0であれば、
√(y+z),√(x+z),√(x+y)は「鋭角三角形の3辺になりうる」
[証明」
x>0,y>0,z>0のとき、[定理1.4]の条件
x+y>0 ,x+z>0 ,y+z>0 …(1.4.1) かつ yz+xz+xy >0 …(1.4.2)は【自然に】成立する。
ゆえに AB=√(x+y),AC=√(x+z),BC=√(y+z)は鋭角三角形ABCを形造る。
「注意」:x>0,y>0,z>0 だから∠BAC,∠ABC,∠ACBはみな鋭角であることを注意しておく。
また、この方法で造ると「3辺の間の三角不等式は自然に成り立つ」ので簡単に「三角形が作れる」ので
便利である。
[命題1.7] ---[定理1.4]の系---
自然数x,y,zをx<y<z と選んでおけば「3辺の長さがみな異なる鋭角三角形」がQ(有理数体)上せいぜい
2次代数拡大の長さの3辺 √(x+y),√(x+z),√(y+z) のもので無数にできる。そして
√(x+y)<√(x+z)<√(y+z) …(1.7.1)
「証明」x>0,y>0,z>0 で x<y<zだから ( x=((→AB),(→AC))>0⇔∠BACが「鋭角」などに注意)
x+y<x+z またx<yの両辺にzを加えてx+z<y+z よって x+y<x+z<y+z ⇔√(x+y)<√(x+z)<√(y+z)
([命題1.7」の「証明」終わり)
[命題1.8]
[定理1.4]の条件(1.4.1),(1.4.2)を満たす x,y,zを用いて ∠BACが鈍角の「鈍角三角形ABC」を造るには、
x<0 のうち、|x|<y かつ |x|<z かつ |x|<(yz)/[y+z]と なるように選べば良い。
「証明」
∠BACが鈍角⇔ x<0 このときy>0,z>0 で、 x+y>0,x+z>0 からy>−x ,z>−x またyz+xz+xy >0となるには
yz+(y+z)x>0 ⇔ yz>(y+z)(−x) となることから分かる。
[例1.9]
(1) x=1,y=2,z=3 として AB=√(x+y)=√(1+2)=√3,AC=√(x+y)=√(1+3)=2,BC=√(2+3)=√5
ゆえに(c,b,a)=(√3,2,√5)が一つできる。 三角不等式を試す必要はない。
(2) x=0 のとき( x=((→AB),(→AC))=0⇔∠BACが直角 )∠BAC=90°の直角三角形で、y>0,z>0 で
AC=√(x+z)=√(z),AB=√(x+y)=√(y),斜辺BC=√(y+z)
の直角三角形ABCができる。[三平方の定理も成り立っている。{√(z)}^2+{√(y)}^2={√(y+z)}^2 ]
(3)
x=77/2,y=51/2,z=21/2 として AB=√(x+y)=√(128/2)=8,√(x+z)=√(98/2)=7,
√(y+z)=√(72/2)=6 よって (c,b,a)=(8,7,6)の「鋭角三角形」
(4)
x=−2,y=4,z=5 とすると x+y=2>0、x+z=3>0,y+z=9>0,(yz)/[y+z]=20/9>|−2|なので
(c,b,a)=(√2,√3,3)となり、∠Aが鈍角である。
2.
少し復習をしよう。
「四面体ABCD」について、BC=a,CA=b,AB=c,AD=d,BD=e,AD=fとしたとき、以下の条件は同値
「垂心H」が存在する
⇔ AB⊥CD かつAC⊥BD かつAD⊥BC …(2.1.1)⇔a^2+d^2=b^2+e^2=c^2+f^2 …(2.1.2)
⇔((→AB),(→AC))=((→AB),(→AD))=((→AC),(→AD))
⇔((→BA),(→BC))=((→BA),(→BD))=((→BC),(→BD))
⇔((→CA),(→CB))=((→CA),(→CD))=((→CB),(→CD))
⇔((→DA),(→DB))=((→DA),(→DC))=((→DB),(→DC)) …(2.1.3)
◎
そこで「垂心H」が存在する四面体を「垂心四面体」(または「直辺四面体」)と呼ぶ。
「垂心四面体ABCD」に対し
x=((→AB),(→AC))=((→AB),(→AD))=((→AC),(→AD)),
y=((→BA),(→BC))=((→BA),(→BD))=((→BC),(→BD)),
z=((→CA),(→CB))=((→CA),(→CD))=((→CB),(→CD)),
w=((→DA),(→DB))=((→DA),(→DC))=((→DB),(→DC)) …(2.1.4)とおくと、
次のことが成り立つ。
[命題2.2]
「垂心四面体ABCD」について、BC=a,CA=b,AB=c,AD=d,BD=e,AD=fとしたとき、
x+y=AB^2=c^2 ,x+z=AC^2=b^2,x+w=AD^2=d^2,
y+z=BC^2=a^2,y+w=BD^2=e^2, z+w=CD^2=f^2 …(2.2.1)
「証明」
z+w=CD^2=f^2 を証明してみよう。
z=((→CA),(→CB))=((→CA),(→CD))=((→CB),(→CD))のうちで、Dが入った式に
着目して z=((→CA),(→CD))=((→DA)−(→DC),−(→DC))=|(→DC)|^2−((→DA),(→DC))
=CD^2−w ( ∵(2.1.4)より ((→DA),(→DC))=w だから)
ゆえに z+w=CD^2=f^2 となる。他も同様である。
([命題2.2]の「証明」終わり)
これより次の[命題2.3]が成立する。
[命題2.3]
「垂心四面体ABCD」において 、BC=a,CA=b,AB=c,AD=d,BD=e,AD=fとしたとき、
(1) 頂点Dの対面の△ABCについて AB=c,AC=b,BC=a、その面積をS_Dとしたとき、
x=((→AB),(→AC)),y=((→BA),(→BC)),z=((→CA),(→CB))
x+y=AB^2=c^2>0,x+z=AC^2=b^2>0,y+z=BC^2=a^2>0、また
(2S_D)^2=yz+xz+xy>0 …(2.3.1)
(2) 頂点Aの対面の△BCDについて BC=a,BD=e,BD=e、その面積をS_Aとしたとき、
y=((→BC),(→BD)),z=((→CB),(→CD)),w=((→DB),(→DC))
y+z=BC^2=a^2>0,y+w=BD^2=e^2>0,z+w=CD^2=f^2>0,また
(2S_A)^2=zw+yw+yz>0 …(2.3.2)
(3) 頂点Bの対面の△ACDについて AC=b,AD=d,CD=f、その面積をS_Bとしたとき、
x=((→AC),(→AD)),z=((→CA),(→CD)),w=((→DA),(→DC))
x+z=AC^2=b^2>0,x+w=AD^2=d^2>0,z+w=CD^2=f^2>0、また
(2S_B)^2=zw+xw+xz>0 …(2.3.3)
(4) 頂点Cの対面の△ABDについて AB=c,AD=d,BD=e、その面積をS_Cとしたとき、
x=((→AB),(→AD)),y=((→BA),(→BD)),w=((→DA),(→DB))
x+y=AB^2=c^2>0,x+w=AD^2=d^2>0,y+w=BD^2=e^2>0、 また
(2S_C)^2=yw+xw+xy>0 …(2.3.4)
[命題2.4]
「四面体ABCD」に対し(→AB)=(→b),(→AC)=(→c),(→AD)=(→d)とおき、3次の実対称行列J(3)を
J(3)=
(((→b),(→b)) ((→b),(→c)) ((→b),(→d)) )
(((→c),(→b)) ((→c),(→c)) ((→c),(→d)) )
(((→d),(→b)) ((→d),(→c)) ((→d),(→d)) )
とおくと detJ(3)はいわゆるGram(グラム)の行列式であって、
(→AB)=(→b),(→AC)=(→c),(→AD)=(→d) が一次独立だから detJ(3)>0
「四面体ABCD」の体積をVとすると detJ(3)=(6V)^2 の関係がある。
特に「垂心四面体ABCD」にたいしては
detJ(3)=(6V)^2=yzw+xzw+xyw+xyz>0 …(2.4.1) のように detJ(3)はx,y,z,wの3次の対称式になる。
「証明」
「垂心四面体ABCD」にたいして
detJ(3)=yzw+xzw+xyw+xyz …(2.4.1)だけ「証明」しておこう。
「垂心四面体ABCD」では ((→b),(→c))=((→AB),(→AC))=x ,((→c),(→c))=|(→c)|^2=|(→AC)|^2=b^2
などにより
J(3)=
( c^2 x x )
( x b^2 x )
( x x d^2 )
ゆえに
detJ(3)=
| c^2 x x |
| x b^2 x |=
| x x d^2 |
| c^2−x 0 x |
| 0 b^2−x x |
|−(d^2−x) −(d^2−x) d^2 |
=d^2(c^2−x)(b^2−x)+x(b^2−x)(d^2−x)+x(c^2−x)(d^2−x)
=(x+w)yz+xzw+xyw=yzw+xzw+xyw+xyz となる。
ここで [命題2.2](2.2.1)の x+w=d^2,よってまた d^2−x=w,x+y=c^2,x+z=b^2を用いた。
それ以外のことは「線型代数」の本、例えば裳華房の「佐武一郎」著「線型代数学」のP265〜P266を
見ていただきたい。
([命題2.4]の「証明」終わり)
それでは、
1.での三角形の作り方と同じような[垂心四面体ABCD]の造り方を述べて行く。
まず、次の[補題2.5]を用意する。
[補題2.5]
x,y,z,wを不定元 とするとき、次の恒等式が成立する。
(1) yzw+xzw+xyw+xyz=(x+y+z+w)(yz+xz+xy)−(y+z)(x+z)(x+y) …(2.5.1)
(2) yzw+xzw+xyw+xyz=(x+y+z+w)(zw+yw+yz)−(z+w)(y+w)(y+z) …(2.5.2)
(3) yzw+xzw+xyw+xyz=(x+y+z+w)(zw+xw+xz)−(z+w)(x+w)(x+z) …(2.5.3)
(4) yzw+xzw+xyw+xyz=(x+y+z+w)(yw+xw+xy)−(y+w)(x+w)(x+y) …(2.5.4)
「証明」
(2.5.1)が成り立てば、(2.5.1)の両辺でxとwとを交換して(2.5.2)が導かれ、(2.5.1)の両辺で
yとwを交換すれば(2.5.3)が、(2.5.1)の両辺でzとwを交換すれば(2.5.4)が導かれる。
それで(2.5.1)式だけ「証明」すればよい。
(2.5.1)の右辺=(y+z)(yz+xz+xy)+(x+w)(yz+xz+xy)−(y+z)(x+z)(x+y)
=(y+z){(yz+xz+xy)−(x+z)(x+y)}+(x+w)(yz+xz+xy)
=(y+z){(yz+xz+xy)−x^2−xz−xy−yz}+(x+w){(yz+x(z+y)}
=−(x^2)(y+z)+xyz+yzw+(x^2)(z+y)+xzw+xyw
=xyz+yzw+xzw+xyw
=yzw+xzw+xyw+xyz
=(2.5.1)の左辺
([補題2.5]の「証明」終わり)
[補題2.5の系]
「垂心四面体ABCD」では、
detJ(3)=yzw+xzw+xyw+xyz
=(x+y+z+w)(yz+xz+xy)−(y+z)(x+z)(x+y) …(2.5.5)
=(x+y+z+w)(zw+yw+yz)−(z+w)(y+w)(y+z) …(2.5.6)
=(x+y+z+w)(zw+xw+xz)−(z+w)(x+w)(x+z) …(2.5.7)
=(x+y+z+w)(yw+xw+xy)−(y+w)(x+w)(x+y) …(2.5.8)
[定理2.6]
x,y,z,wは【実数】とする。
x+y>0 ,x+z>0 ,x+w>0, y+z>0,y+w>0 ,z+w>0 …(2.6.1) かつ
yzw+xzw+xyw+xyz>0 …(2.6.2)
⇒ yz+xz+xy>0 …(2.6.3) ,zw+yw+yz>0 …(2.6.4),
zw+xw+xz>0 …(2.6.5) ,yw+xw+xy>0 …(2.6.6)
「証明」
[補題2.5]の(2.5.1)より
(x+y+z+w)(yz+xz+xy)−(y+z)(x+z)(x+y)=yzw+xzw+xyw+xyz …(2.6.7)
条件より yzw+xzw+xyw+xyz>0 …(2.6.2) また(2.6.1)より x+y+z+w>0 で
y+z>0, x+z>0,x+y>0 でもある。 ゆえに
(x+y+z+w)(yz+xz+xy)−(y+z)(x+z)(x+y)>0 より
yz+xz+xy>[(y+z)(x+z)(x+y)]/(x+y+z+w)>0 すなわち
yz+xz+xy>0 …(2.6.3)が成立する。
他の式も条件(2.6.1),(2.6.2)を使って成立することが分かる。
([定理2.6]の「証明」終わり)
◎「注意]:[定理2.6]の述べていることは、次の通りである。「垂心四面体ABCD」では、[命題2.2]の
(2.2.1)が成立し、したがって[定理2.6]の条件(2.6.1)は成立している。
そして体積Vとの関連で detJ(3)=(6V)^2=yzw+xzw+xyw+xyz>0
が成り立っている。さらに各面の△ABC、△BCD,△ACD,△ABDの面積S_D,S_A,S_B,S_Cに
ついて[命題2.3]の (2S_D)^2=yz+xz+xy>0 が成立しなければならないが、
この(2S_D)^2=yz+xz+xy>0 などの4つの不等式は
x+y>0 ,x+z>0 ,x+w>0, y+z>0,y+w>0 ,z+w>0 …(2.6.1) かつ
yzw+xzw+xyw+xyz>0 …(2.6.2)から自然に導かれるので、「垂心四面体」を構成する
ときにそのチェックは【不要】ということを意味する。
3.
したがって1.の「定理1.4]を「四面体ABCD」の各面の△ABC,△BCD,△ACD,△ABDの構成に適用すれば、
次の[定理3.1]が成立する。
[定理3.1]
x,y,z,wは【実数】とする。
x+y>0 ,x+z>0 ,x+w>0, y+z>0,y+w>0 ,z+w>0 …(3.1.1) かつ
yzw+xzw+xyw+xyz>0 …(3.1.2) が成立しているとする。
このとき、次のことが成り立つ。
(1) √(x+z),√(x+y),√(y+z) は AC=√(x+z),AB=√(x+y),BC=√(y+z)として
「△ABC」の「3辺」になる。
(2) √(y+z),√(y+w),√(z+w) は BC=√(y+z),BD=√(y+w), CD=√(z+w) として
「△BCD」の「3辺」になる。
(3) √(x+z),√(x+w),√(z+w) は AC=√(x+z),AD=√(x+w),CD=√(z+w) として
「△ACD」の「3辺」になりる。
(4) √(x+y),√(x+w),√(y+w) は AB=√(x+y),AD=√(x+w),BD=√(y+w) として
「△ABD」の「3辺」になる。
[定理3.2]
x,y,z,wは【実数】とする。
x+y>0 ,x+z>0 ,x+w>0, y+z>0,y+w>0 ,z+w>0 …(3.2.1) かつ
yzw+xzw+xyw+xyz>0 …(3.2.2) が成立しているとする。
このとき、次のことが成り立つ。
(1)
まず、E^3内の「平面上」に3点B,C,Dを BC=√(y+z),CD=√(z+w),DB=√(y+w),
ととれば△BCDができて、次に点Aを BA=√(x+y),CA=√(x+z),DA=√(x+w)
となるようにその上方にとれば、
((→AB),(→AC))=((→AB),(→AD))=((→AC),(→AD))=x …(3.2.3),
((→BA),(→BC))=((→BA),(→BD))=((→BC),(→BD))=y …(3.2.4),
((→CA),(→CB))=((→CA),(→CD))=((→CB),(→CD))=z …(3.2.5),
((→DA),(→DB))=((→DA),(→DC))=((→DB),(→DC))=w …(3.2.6)
(2)
(2S_D)^2=yz+xz+xy>0, (2S_A)^2=zw+yw+yz>0,
(2S_B)^2=zw+xw+xz>0, (2S_C)^2=yw+xw+xy>0 …(3.2.7)
(3)
[命題2.4]のJ(3)は
J(3)=
( x+y x x )
( x x+z x )
( x x x+w ) …(3.2.8)となり、
detJ(3)=
|x+y x x |
| x x+z x |=yzw+xzw+xyw+xyz>0 …(3.2.9)
| x x x+w |
(4)
(→AB),(→AC),(→AD)は一次独立となり、4点A,B,C,Dは「垂心四面体ABCD」を形造る。
そしてその体積 V は
V=(1/6)√(yzw+xzw+xyw+xyz) …(3.2.10)
「証明」
(1) 3点A,B,CをAB=√(x+y),AC=√(x+z),BC=√(y+z),
ととれば [定理3.1]の(2)から △ABCができる。
((→AB),(→AC))=(1/2)[|(→AB)|^2+|(→AC)|^2−|(→BC)|^2]
=(1/2)[|AB|^2+|AC|^2−|BC|^2]
=(1/2)[{√(x+y)}^2+{√(x+z)}^2−{√(y+z)}^2]=(1/2)[(x+y)+(x+z)−(y+z)]
=(1/2)[2x]=x ,同様に
((→AB),(→AD))=(1/2)[|AB|^2+|AD|^2−|BD|^2]
=(1/2)[{√(x+y)}^2+{√(x+w)}^2−{√(y+w)}^2]=(1/2)[(x+y)+(x+w)−(y+w)]
=(1/2)[2x]=x
((→AC),(→AD))=(1/2)[|AC|^2+|AD|^2−|CD|^2]
=(1/2)[{√(x+z)}^2+{√(x+w)}^2−{√(z+w)}^2]=(1/2)[(x+z)+(x+w)−(z+w)]
=(1/2)[2x]=x
ゆえに ((→AB),(→AC))=((→AB),(→AD))=((→AC),(→AD))=x となり、(3.2.3)が成立。
次に
((→BA),(→BC))=(1/2)[|(→BA)|^2+|(→BC)|^2−|(→AC)|^2]
=(1/2)[|AB|^2+|BC|^2−|BD|^2]
=(1/2)[{√(x+y)}^2+{√(y+z)}^2−{√(x+z)}^2]=(1/2)[(x+y)+(y+z)−(x+z}]
=(1/2)[2y]=y などから (3.2.4)も同様に成立。(3.2.5),(3.2.6)の成立も同様である。
(2)
(3.2.7)は[定理2.6]と[定理3.1]から成り立つ。
(3)
[命題2.4]のJ(3)は
J(3)=
(((→AB),(→AB)) ((→AB),(→AC)) ((→AB),(→AD)) )
(((→AC),(→AB)) ((→AC),(→AC)) ((→AC),(→AD)) )=
(((→AD),(→AB)) ((→AD),(→AC)) ((→AD),(→AD)) )
(|AB|^2 x x )
( x |AC|^2 x )=
( x x |AD|^2 )
(|√(x+y)|^2 x x )
( x |√(x+z)|^2 x )=
( x x |√(x+w)|^2x )
( x+y x x )
( x x+z x )
( x x x+w ) よって
detJ(3)=
|x+y x x | | y 0 x |
| x x+z x |=| 0 z x |
| x x x+w | |−w −w x+w |
=yz(x+w)+xzw+xyw=yzw+xzw+xyw+xyz >0 (∵ 条件(3.2.2) より)
(4) 上の(3)から
(→AB),(→AC),(→AD)の「Gram」の行列式 detJ(3)>0 だから
(→AB),(→AC),(→AD)は一次独立となり、「四面体ABCD」ができる。
さらに(2)から((→AB),(→AC))=((→AB),(→AD))=((→AC),(→AD))
だから「四面体ABCD」は1.で述べたところの「垂心四面体ABCD」の条件を満たしている。
[定理3.1]から4つの側面は「三角形」をなしている。
よって 4点A,B,C,Dは「垂心四面体ABCD」を形造る。x,y,z,wは
x=((→AB),(→AC))=((→AB),(→AD))=((→AC),(→AD)),
y=((→BA),(→BC))=((→BA),(→BD))=((→BC),(→BD)),
z=((→CA),(→CB))=((→CA),(→CD))=((→CB),(→CD)),
w=((→DA),(→DB))=((→DA),(→DC))=((→DB),(→DC))を満たしているから
detJ(3)=(6V)^2=yzw+xzw+xyw+xyz
ゆえに その体積 V は
V=(1/6)√(yzw+xzw+xyw+xyz) …(3.2.10)
([定理3.2]の「証明」終わり)
4.
T(4)={垂心四面体の全体},
IP(4)={(x,y,z,w)∈(REAL)^4|x+y>0,x+z>0,x+w>0,y+z>0,y+w>0,y+w>0,yzw+xzw+xyw+xyz>0}
としたとき、T(4)の一つの対象である「垂心四面体ABCD」の6辺
BC=a,CA=b,AB=c,AD=d,BD=e,CD=fは 条件 a^2+d^2=b^2+e^2=c^2+f^2 …(4.1.1)を
満たしている。
M(4)
={(a,b,c,d,e,f)∈(REAL)^6|BC=a,CA=b,AB=c,AD=d,BD=e,CD=fとして
4点A,B,C,Dは四面体ABCDを作り,かつa^2+d^2=b^2+e^2=c^2+f^2}
とおけば M(4)は「垂心四面体ABCD」の集合を表していると考えられる。そこで 3.の「定理3.2]により
写像 Φ:M(4) →IP(4) を
Φ(a,b,c,d,e,f)=((1/2)[b^2+c^2−a^2],(1/2)[c^2+a^2−b^2],(1/2)[a^2+b^2−c^2],(1/2)[d^2+e^2−c^2])
…(4.1.2) すなわち
x=((→AB),(→AC))=((→AB),(→AD))=((→AB),(→AD)),
y=((→BA),(→BC))=((→BA),(→BD))=((→BC),(→BD)),
z=((→CA),(→CB))=((→CA),(→CD))=((→CB),(→CD)),
w=((→DA),(→DB))=((→DA),(→DC))=((→DB),(→DC)) 具体的には
x=(1/2)[b^2+c^2−a^2],y=(1/2)[c^2+a^2−b^2],z=(1/2)[a^2+b^2−c^2],w=(1/2)[d^2+e^2−c^2]
…(4.1.3)
とおけば 条件 a^2+d^2=b^2+e^2=c^2+f^2により Φ は well−definedであって、
その「逆写像」Ψ:M(4) →IP(4) は、
Ψ(x,y,z,w)=(√(y+z,√(x+z),√(x+y),√(x+w),√(y+w),√(z+w))…(4.1.4) となる。
すなわち a=BC=√(y+z),b=CA=√(x+z),c=AB=√(x+y),
d=AD=√(x+w),e=BD=√(y+w),f=CD=√(z+w) である。
(Ψ・Φ)(a,b,c,d,e,f)=(a,b,c,d,e,f) ,(Φ・Ψ)(x,y,z,w)=(x,y,z,w)
となり、Φ:M(4) →IP(4)及び Ψ:IP(4)→M(4)は 1:1かつ「上への」写像で「互いに他の逆写像」になる。
M(4)とIP(4)は1:1に対応する。
この様にして「垂心四面体ABCD」はa,b,c,d,e,fの6つあるパラメーターに対し、
2つの等式 a^2+d^2=b^2+e^2=c^2+f^2より
パラメーターは 6−2=4となるべきであるが、その4つのパラメーターとして、
IP(4)の(x,y,z,w)がとれるということである。よって次の[定理4.1]が得られた。
[定理4.1]
すべての「垂心四面体ABCD」は、条件 x+y>0,x+z>0,x+w>0,y+z>0,y+w>0,y+w>0,yzw+xzw+xyw+xyz>0
…(4.1.1) を満たす (x,y,z,w)によって
BC=√(y+z),CA=√(x+z),AB=√(x+y),AD=√(x+w),BD=√(y+w),CD=√(z+w) として得られる。
[定理4.1の系1]
x>0,y>0,z>0.w>0 ならば,
BC=√(y+z),CA=√(x+z),AB=√(x+y),AD=√(x+w),BD=√(y+w),CD=√(z+w)
として4つの側面全てが「鋭角三角形」の「垂心四面体ABCD」ができる。
[注意]:
x+y>0,x+z>0,x+w>0,y+z>0,y+w>0,y+w>0とする。このとき、x,y,z,wのうち,「0以下になるのは唯一つしかない」から
次の場合とそのxをy,z,w に入れ替えた場合しか起こらない。
(1) x<0,y>0,z>0,w>0 ⇔ ∠BAC,∠BAD,∠CADは鈍角で他の角はみな鋭角,特に頂点Aの対面の△BCDは「鋭角三角形」
(2) x=0, y>0,z>0,w>0 ⇔ ∠BAC=∠BAD=∠CAD=90°,「他の角はみな鋭角」 これは「A−3直角四面体」である。
(3) x>0 ,y>0,z>0,w>0 ⇔ 4つの側面は全て「鋭角三角形」
[定理4.1の系2]
x,y,z,wを自然数で x<y<z<w とし、さらに【y+z<x+w】と選べば各辺の長さがみな異なり
4つの側面が全て「鋭角三角形」の「垂心四面体ABCD」を無数に造ることができる。
「証明」
x<y<z<w から x+y<x+z<x+w<y+w<z+w そしてy+z<x+w としたから x+z<y+z<x+w よって
x+y<x+z<y+z<x+w<y+w<z+w ⇔ √(x+y)<√(x+z)<√(y+z)<√(x+w)<√(y+w)<√(z+w)
となり6辺は全て異なり、AB<AC<BC<AD<BD<CD であり、「側面の4つの三角形はみな鋭角三角形」になる。
([定理4.1の系2]の「証明」終わり)
[例4.2]
(1)
x=1,y=2,z=3,w=5 …(4.2.1)とすれば x<y<z<w かつ 5=y+z<x+w=6 なので
√(x+y)<√(x+z)<√(y+z)<√(x+w)<√(y+w)<√(z+w) は√3<2<√5<√6<√7<2√2
となり、AB=√3,AC=2,BC=√5,AD=√6,BD=√7,CD=2√2 を満たす4点A,B,C,Dは6辺の長さが全て異なる
「垂心四面体ABCD」を形造る。
S_A=(1/2)√(zw+yw+yz)=(1/2)√(15+10+6)=√(31)/2, S_B=(1/2)√(zw+xw+xz)=(1/2)√(15+5+3)=√(23)/2
S_C=(1/2)√(yw+xw+xy)=(1/2)√(10+5+2)=√(17)/2 , S_D=(1/2)√(yz+xz+xy)=(1/2)√(6+3+2)=√(11)/2
…(4.2.2)
detJ(3)=yzw+xzw+xyw+xyz=30+15+10+6=61 …(4.2.3)
体積 V=(1/6)√{detJ(3)}=(1/6)√[yzw+xzw+xyw+xyz]=√(61)/6 …(4.2.4)
また
(ア)「垂心H」の「ベクトルによる重心座標表現」は
(→PH)=[yzw(→PA)+xzw(→PB)+xyw(→PC)+xyz(→PD)]/(yzw+xzw+xyw+xyz)
=(1/61)[30(→PA)+15(→PB)+10(→PC)+6(→PD)] …(4.2.5)
(イ) 「外心S」の「ベクトルによる重心座標表現」は
(→PS)
=[{detJ(3)−2yzw}(→PA)+{detJ(3)−2xzw}(→PB)+{detJ(3)−2xyw}(→PC)+{detJ(3)−2xyz}(→PD)]/{2detJ(3)}
=[{61−60}(→PA)+{61−30}(→PB)+{61−20}(→PC)+{61−12}(→PD)]/(2×61)
=(1/122)[(→PA)+31(→PB)+41(→PC)+49(→PD)] …(4.2.6)
(ウ)
「内心I」の「ベクトルによる重心座標表現」は
(→PI)=[S_A(→PA)+S_B(→PB)+S_C(→PC)+S_D(→PD)]/(S_A+S_B+S_C+S_D)
=[√(31)/2(→PA)+√(23)/2(→PB)+√(17)/2(→PC)+√(11)/2(→PD)]/(√(31)/2+√(23)/2+(17)/2+√(11)/2)
={1/(√(31)+√(23)+(17)+√(11)}×[√(31)(→PA)+√(23)(→PB)+√(17)(→PC)+√(11)(→PD)]
…(4.2.5)
(エ) 「内接球面」の半径 r=√{detJ(3)}/[2(S_A+S_B+S_C+S_D)]=√(61)/[2{√(31)+√(23)+√(17)+√(11)}]
…(4.2.6)
(オ) 「外接球面」の半径Rの2乗は R^2=(x+y+z+w)/4−(xyzw)/detJ(3)=(11)/4−30/61=(671−120)/244=551/244
よって R=√(19×29)/2√(61)=√(551)/2√(61) …(4.2.7)
(2)
x=1,y=3,z=6,w=10 …(4.2.8)とすれば x<y<z<w かつ 9=y+z<x+w=11 なので
√(x+y)<√(x+z)<√(y+z)<√(x+w)<√(y+w)<√(z+w) は2<√7<3<√11<√13<4 となり
AB=2,AC=√7,BC=3,AD=√11,BD=√13,CD=4 を満たす4点A,B,C,Dは「垂心四面体ABCD」を形造る。
detJ(3)=yzw+xzw+xyw+xyz=180+60+30+18=288 …(4.2.9)
体積 V=(1/6)√{detJ(3)}=(1/6)√[yzw+xzw+xyw+xyz]=12√(2)/6=2√2 …(4.2.10)
5.
「垂心四面体」を立体的に構成する方法を述べる。
[定理4.1]の条件
x+y>0,x+z>0,x+w>0,y+z>0,y+w>0,y+w>0,yzw+xzw+xyw+xyz>0 …(4.1.1) が
成り立っているものとする。
[定理3.2]において「垂心四面体ABCD]を構成できる「証明」のポイントは[定理3.2]の(3)の
detJ(3)=yz(x+w)+xzw+xyw=yzw+xzw+xyw+xyz>0 すなわち detJ(3)>0 をその根拠にした。
ここでは、図形的な見かたでこれを「証明」しようと思う。これは前にも述べたことがあるが,前より
「説明」は易しくなる。座標に大文字のX,Y,Zを使うことにし,3次元ユークリッド空間E^3−「XYZー空間」を考える。
その部分空間の「XYー平面」上に点Bを原点(0,0,0),BCをX軸の正の方向においたとき、
Y>0の部分に△BCDの頂点Dがくるように BC=√(y+z),BD=√(y+w),CD=√(z+w)となるように取る。
この様にして「△BCDが構成できる」ことは[定理3.1]の(2)に示してある。
Dの座標を求めてみよう。
◎ 以下しばらくは「XYー平面」上で考えることにする。
[命題5.1.2]
条件(4.1.1)が成立しているとする。この頂点Dから底辺BC=√(y+z)に下した「垂線の足」をLとする。
すると DL=√(zw+yw+yz)/√(y+z) …(5.1.1),BL=y/√(y+z) …(5.1.2),LC=z√(y+z) …(5.1.3)
「証明」
△BCDの面積は[命題2.3]の(2.3.2)より S_A=(1/2)√(zw+yw+yz) である。ゆえに(1/2)×BC×DL=(1/2)√(zw+yw+yz)
よってDL=√(zw+yw+yz)/BC=√(zw+yw+yz)/√(y+z) …(5.1.1)
次に BLの長さを求めよう。BL=sとおく。「三平方の定理」からBD^2−BL^2=CD^2−LC^2 つまり
[√(y+w)]^2−s^2=[√(z+w)]^2−[√(y+z)−s]^2 ⇔ y+w−s^2=z+w−(y+z)+2[√(y+z)]s−s^2
⇔ 2[√(y+z)]s=2y ⇔ s=y/√(y+z) よってBL=y/√(y+z) すると
LC=√(y+z)−[y/√(y+z)]=[(y+z)−y]/√(y+z)=z/√(y+z)
すなわち BL=y/√(y+z) …(5.1.2) ,LC=z/√(y+z) …(5.1.3)
([命題5.1.2]の「証明」終わり)
次に
[命題5.2.2]
条件(4.1.1)が成立しているとする。△ABCを考えよう。辺BCを△BCDと同じくX軸上にとり、頂点A′がY<0の
部分にくるように A′B=√(x+y),A′C=√(x+z)と取る。△ABCと△A′BCとは「合同」でBCを軸として鏡映的である。
このとき、△A′BCの頂点A′からBCに下した垂線の足は[命題5.1.2]の点Lと一致し、
A′L=√(yz+xz+xy)/√(y+z) …(5.2.1) そして A′D⊥BC で
A′D=[√(zw+yw+yz)+√(yz+xz+xy)]/√(y+z) …(5.2.2)
「証明」
△A′BCの頂点A′からBCに下した垂線の足をL′とする。BC=√(y+z),A′B=√(x+y),A′C=√(x+z)であるから
BL′=tとおくと「三平方の定理」から (A′B)^2−(BL′)^2=(A′C)^2−(L′C)^2 つまり
[√(x+y)]^2−t^2=[√(x+z)]^2−[√(y+z)−t]^2 ⇔ x+y−t^2=x+z−(y+z)+2[√(y+z)]t−t^2
⇔ 2[√(y+z)]t=2y ⇔ t=y/√(y+z) つまり BL′=y/√(y+z) よって L′=Lとなる。
ゆえに BL=y/√(y+z) ,LC=z√(y+z) …(5.1.3) また、
△A′BCの面積=△ABCの面積=(1/2)√(yz+xz+xy) だから[命題5.1.2]と同様にして、
DL⊥BC,(A′L)⊥BCから、3点A′,L,Dは一直線上にあり、(A′D)⊥BC,(A′L)=√(yz+xz+xy)/√(y+z) …(5.2.3)
([命題5.2.2]の「証明」終わり)
「注意」:実は(A′D)⊥BC は「四面体ABCD」が「垂心四面体ABCD」になるための条件の一つ AD⊥BC からでてくるのである。
全く同様に
[命題5.2.3]
条件(4.1.1)が成立しているとする。△ABCを考えよう。辺BCを△BCDと同じくX軸上にとり、頂点A″を△BCDと同じ側,
Y>0の側に A″B=√(x+y),A″C=√(x+z)ととって△A″BCができる。△A″BC≡△ABCである。
頂点A″から辺BCに下した「垂線」の足は [命題5.1.2]の点Lと一致する。点A″,L,Dは一直線上にあり、A″D⊥BC,
(A″L)=√(yz+xz+xy)/√(y+z) …(5.2.4) DL=√(zw+yw+yz)/BC=√(zw+yw+yz)/√(y+z) …(5.1.1)だから
(A″D)=|√(zw+yw+yz)/√(y+z)−√(yz+xz+xy)/√(y+z)| …(5.2.5)
このとき次の[命題5.3]が成り立つ。
[命題5.3]
DA′>DA>DA″ …(5.3.1)
これを「証明」するため次の2つの「補題」を用意する。
[補題5.4]
実数 x,y,z,wは条件(4.1.1) x+y>0,x+z>0,x+w>0,y+z>0,y+w>0,y+w>0,yzw+xzw+xyw+xyz>0 を
満たしているとする。
そのとき、 √(yz+yw+zw)√(yz+xz+xy)>|yz| …(5.4.1) このとき、|yz|≧yz かつ |yz|≧−yzだから
√(zw+yw+yz)√(yz+xz+xy)>yz かつ √(zw+yw+yz)√(yz+xz+xy)>−yz …(5.4.2) となる。
「証明」
(5.4.1)の両辺とも0以上なので、[√(yz+yw+zw)√(yz+xz+xy)]^2>(yz)^2 …(5.4.3)を「証明」すればよい。
(5.4.3)の(左辺)^2−(右辺)^2=(yz+yw+zw)(yz+xz+xy)]^2−(yz)^2
={yz+w(y+z)}{yz+x(y+z)}−(yz)^2=(yz)^2+(y+z)yzw+(y+z)xyz+(y+z)^2(xw)−(yz)^2
=(y+z){yzw+xyz+(y+z)(xw)}=(y+z)(yzw+xyw+xzw+xyz)>0(∵条件(4.1.1))
よって(5.4.3)が成立し、(5.4.1)も成立する。
([補題5.4]の「証明」終わり)
[補題5.5]
実数 x,y,z,wは条件(4.1.1) x+y>0,x+z>0,x+w>0,y+z>0,y+w>0,y+w>0,yzw+xzw+xyw+xyz>0 を
満たしているとする。
そのとき、√(zw+yw+yz)+√(yz+xz+xy)>√(x+w)√(y+z)>|√(zw+yw+yz)−√(yz+xz+xy)|…(5.5.1)
「証明」
(5.5.1)の全辺とも0以上なので、
[√(zw+yw+yz)+√(yz+xz+xy)]^2>[√(x+w)√(y+z)]^2>[√(zw+yw+yz)−√(yz+xz+xy)]^2
すなわち [√(zw+yw+yz)+√(yz+xz+xy)]^2>(x+w)(y+z)>[√(zw+yw+yz)−√(yz+xz+xy)]^2
を「証明」すればよい。
(ア)
まず、[√(zw+yw+yz)+√(yz+xz+xy)]^2−(x+w)(y+z)
=(zw+yw+yz)+(yz+xz+xy)+2√(zw+yw+yz)√(yz+xz+xy)−(xy+xz+yw+zw)
=2[√(zw+yw+yz)√(yz+xz+xy)+yz] ところが[補題5.4]より
√(zw+yw+yz)√(yz+xz+xy)>−yz …(5.4.2) よって 2[√(zw+yw+yz)√(yz+xz+xy)+yz]>0
ゆえに [√(zw+yw+yz)+√(yz+xz+xy)]^2>[√(x+w)√(y+z)]^2が証明された。
(イ)
(x+w)(y+z)−[√(zw+yw+yz)−√(yz+xz+xy)]^2
=(xy+xz+yw+zw)−[(zw+yw+yz)+(yz+xz+xy)]^2−2√(zw+yw+yz)√(yz+xz+xy)]
=2[√(zw+yw+yz)√(yz+xz+xy)−yz] ところが[補題5.4]より
√(zw+yw+yz)√(yz+xz+xy)>yz …(5.4.2) よって 2[√(zw+yw+yz)√(yz+xz+xy)−yz]>0
ゆえに [√(x+w)√(y+z)]^2>[√(zw+yw+yz)√(yz+xz+xy)]^2 が証明された。
([補題5.5]の「証明」終わり)
それでは、
[命題5.3]を「証明」しよう。
『[命題5.3]の「証明」』
まず
(1)DA=AD=√(x+w) 次に(2) [命題5.2.2]から DA′=A′D=[√(zw+yw+yz)+√(yz+xz+xy)]/√(y+z)
(3) [命題5.2.3] から DA″=A″D=|√(zw+yw+yz)/√(y+z)−√(yz+xz+xy)/√(y+z)|
であることに注意する。
[補題5.5]の√(zw+yw+yz)+√(yz+xz+xy)>√(x+w)√(y+z)
⇔ [√(zw+yw+yz)+√(yz+xz+xy)]/√(y+z)>√(x+w) …(5.3.1)
また
[補題5.5]の√(x+w)√(y+z)>|√(zw+yw+yz)−√(yz+xz+xy)|
⇔ √(x+w)>|√(zw+yw+yz)−√(yz+xz+xy)|/√(y+z) ‥(5.3.2)
(1)(2)(3)により
(5.3.1)は D′A>DA を意味し、(5.3.2)は DA>DA″を意味する。
よって[命題5.3]は証明された。
([命題5.3]の「証明」終わり)
◎ ここからは3次元の「XYZ−空間内」で考えてゆく。先ほどの「XY−平面 (Z=0)」に上記の
「△BCD」が固定されて,また 「△A′CD」も「△A″CD」も[命題5.2.2],[命題5.2.3] のように
「XY−平面 (Z=0)」に置かれてあるものとする。
「命題5.6]
実数 x,y,z,wは条件(4.1.1) x+y>0,x+z>0,x+w>0,y+z>0,y+w>0,y+w>0,yzw+xzw+xyw+xyz>0 を
満たしているとする。「命題5.3]から「垂心四面体ABCD」が図形的に構成できる。
「証明」
この「XY−平面 (Z=0)」をπと名付けよう。平面π上の点Dを「中心」,「半径DA」の「2次元球面U」を
3次元空間−「XYZ−空間内」に描いておく。辺BCを固定し、BCを回転の軸として、△A″BCの板を「XYZ−空間内」で
頂点がA″からA′までZ座標≧0の領域で0°≦θ≦180°まで180°回転してゆくとする。この回転角θに対応して
A″からA′まで回転する「頂点」の「動点」をA(θ)と書くことにする。このとき、[命題5.2.2]の辺BC上の
点Lに着目すれば、この回転でA(θ)は「点Lを中心」とする「半径A″L」の「一次元の半円周V」を描く。
「一次元の半円周V」と「点Dを『中心』,『半径DA』の2次元球面U」との交点を考えよう。
[命題5.3]の [Uの半径]=DA>DA″により、θ=0°⇔A(θ)=A″のとき、A″は「2次元球面U」の「内部の領域」にある。
そしてθ=180°⇔ A(θ)=A′のときは、 DA′>DA=[Uの半径] によりA′は「2次元球面U」の「外部の領域」にある
ことになる。よって「棒LA(θ)」に着目したとき、「一次元の半円周V」の「棒LA(θ)」のLを中心とした「回転の
連続性」と「2次元球面U」の「位相的な性質」により、つまり「中間値の定理」から「棒LA(θ)の先端A(θ」と
「2次元球面U」はあるθに対して「交点を持つ」ことが分かる。この場合、交点はただ一つで、それはθ=ηのときに
起こりその交点をA(η)としよう。ここに 0°<η<180°である。このとき、(A(η)B)=(A″B)=AB=√(x+y)、
(A(η)C)=(A″C)=AC=√(x+z)、そして、A(η)は「『半径DA』の2次元球面U」上にもあるのだったから、
(A(η)D)=半径DA=√(x+w)となる。こうして△BCDの上方に「点A=A(η)」がとれて、また△ABC,△ABD,△ABDが
できていることは、[定理3.1]の(1)(3)(4)より分かる。このようにして「四面体ABCD」が構成できた。
(「命題5.6]の「証明」終わり)
「注意」:3次元ユークリッド空間E^3内の「2次元球面S」がE^3内を「内部」と「外部」の「2つの領域に分ける」
(当たり前と思えることだが)ことも「Jordan(ジョルダン)の定理」と呼ぶような気がしたが自信がない。
(E^2内に『S^1と同相な一次元閉曲線J』があるとき閉曲線JはE^2を『内部』と『外部』に分ける]というのが
「Jordanの曲線定理」である。)
6.
それでは「定理4.1]のような造り方での「垂心四面体ABCD]の「展開図」について述べる。
[定理6.1]
実数 x,y,z,wは条件(4.1.1) x+y>0,x+z>0,x+w>0,y+z>0,y+w>0,y+w>0,yzw+xzw+xyw+xyz>0 を
満たしているとする。このとき、△BCDを[命題5.1.2]のすぐ上にある「説明」のように平面上に描いておく。
BC=√(y+z),CD=√(z+w),BD=√(y+w) である。このとき、[命題5.2.2]のように△A′BC≡△ABCで,
Y<0にある点A′をA(3)としよう。すると A(3)D⊥BC で、かつ
A(3)D=A′D=[√(zw+yw+yz)+√(yz+xz+xy)]/√(y+z) …(5.2.2) となる。
次に△BCDの頂点Bから対辺のCDに垂線を引き、直線CDとの交点をMとし、垂線BMの点Mの延長上に点A(1)を
BA(1)=[√(zw+yw+yz)+√(zw+xw+xz)]/√(z+w) …(6.1.1)となるように取る。そして線分CA(1)、線分DA(1)を
結べば、CA(1)=√(x+z),DA(1)=√(x+w) …(6.1.2) となり、△A(1)DCが「辺CD」に隣接してできる。
最後に△BCDの頂点Cから対辺のBDに「垂線」を引き「直線BD」との交点をNとし、
垂線CNの点Nの延長上に点A(2)をCA(2)=[√(zw+yw+yz)+√(yw+xw+xy)]/√(y+w)となるように取る。
このとき、A(2)B=√(x+y),A(2)D=√(x+w) …(6.1.3) となり、△A(2)BDが「辺BD」に隣接してできる。
こうして「△BCD」の周りに
(1)CDに「隣接して」△A(1)DCができ、(2)BDに「隣接して」△A(2)BDができ、(3)BCに「隣接して」△A(3)BCができる。
△BCDの周りに、この△A(1)DCを「辺CD」で「谷折り」にし、次に△A(2)BDを「辺BDで谷折り」にし、
最後に△A(3)CBを「辺BC」で「谷折り」にして、3点A(1),A(2),A(3)を張り合わせて点Aとすれば、
「垂心四面体ABCD]の出来上がりである。
「証明」
△BCDについてBC=√(y+z),CD=√(z+w),BD=√(y+w),△BCDの面積S_A=(1/2)√(zw+yw+yz)、また
[命題5.1.2]より、頂点Dから対辺BCに下した垂線の足をLとしたとき、BL=y/√(y+z),LC=z/√(y+z),
AL=[2(S_A)]/BC=√(zw+yw+yz)/√(y+z)であった。これと同様なことが△BCDの残りの2辺についても成り立つ。
まず、CM=z/√(z+w),DM=w/√(z+w) …(6.1.4)
そしてBM=√(zw+yw+yz)/√(z+w) …(6.1.5)。このとき、上記の作図法で造った△A(1)DCについて
A(1)C=√(x+z) …(6.1.6) 及び、A(1)D=√(x+w) …(6.1.7)を示そう。CD=√(z+w)だから
(6.1.1)よりMA(1)=BA(1)−BM=[√(zw+yw+yz)+√(zw+xw+xz)]/√(z+w)−√(zw+yw+yz)/√(z+w)
=√(zw+xw+xz)/√(z+w) つまり MA(1)=√(zw+xw+xz)/√(z+w)…(6.1.8)「三平方の定理」より
[A(1)C]^2=CM^2+[MA(1)]^2=[z/√(z+w)]^2+[√(zw+xw+xz)]/√(z+w)]^2=[z^2+(zw+xw+xz)]/(z+w)
=[z(z+w)+x(z+w)]/(z+w)=[(x+z)(z+w)]/(z+w)=x+z すなわち[A(1)C]^2=x+z ⇒A(1)C=√(x+z)
…(6.1.6) が示された。同様に [A(1)D]^2=DM^2+[MA(1)]^2=[w/√(z+w)]^2+[√(zw+xw+xz)]/√(z+w)]^2
=[w^2+(zw+xw+xz)]/(z+w)=[w(w+z)+x(z+w)]/(z+w)=[(x+w)(z+w)]/(z+w)=x+w
すなわち[A(1)D]^2=x+w ⇒A(1)D=√(x+w) …(6.1.7)も示された。
同様に△A(2)BDについてもA(2)B=√(x+y),A(2)D=√(x+z)となり△A(2)BD≡△ABD、△A(3)CBについてもA(3)B=√(x+y)、
A(3)C=√(x+z) となり△A(3)CB≡△ADBとなっている。したがって展開図が完成している。
[例6.2]
[例4.2]のもので、見てみよう。「定理6.1]は正しいのだから、展開図を描くには、実際は普通に三角形を4つ
描けば良いのである。
[例4.2]では、AB=√3,AC=2,BC=√5,AD=√6,BD=√7,CD=2√2
△BCDの3辺は a=BC=√5,f=CD=2√2,e=DB=√7,この△BCDの周りの辺DCの右上に
A(1)D=AD=√6=d,A(1)C=AC=2=bとなるように△A(1)DCを描き、次に辺BDの左上に△A(2)BD,
ただしA(2)B=√3=c,A(2)D=√6=dを描き、最後に辺BCの下に△A(3)CB,ただし、A(3)C=2=b,A(3)B=√3=c
を描いて「垂心四面体ABCD」の「展開図」のできあがりである。
上の長さを10倍して「cm単位」で「画用紙に展開図を描いて」この「垂心四面体ABCD」を作成してみると、
面白いのではないだろうか。△BCDの「垂心H_A」と△A(1)DCの「垂心H_B」を「定理6.1」で述べた直線BA(1)が通っている
こと、つまり「垂心四面体ABCD」で「各頂点から対面へ下した垂線の足」はその「対面の三角形の『垂心』」に
なっていることなどや「四面体のオイラー線の関係」,「各頂点から四面体の『重心G』を通る直線と対面の『交点』は
その「対面」の「重心」になること」などがハッキリと分かるだろう。なお、「垂心四面体ABCD」の「垂心H]は
AH:HH_A=(1−κ):κ=(xzw+xyw+xyz):yzw=x(zw+yw+yz):yzw=x(2S_A)^2:yzw
=1×(√(31)^2:(2×3×5)=31:30([例4.2]参照 )
すなわち AH=(AH_A)×(31/61) …(6.2.1) である。ここで [例4.2]より
V=(1/6)√(61)=(1/3)(S_A)(AH_A)=(1/3)(1/2)√(31)(AH_A) ⇒ 高さAH_A=√(61)/√(31)これを
(6.2.1)に代入して AH=√(31)/√(61) となっているので、頂点Aから対面の「垂心H_A」に引いた
「垂線上の頂点Aから√(31)/√(61)の距離」のところにこの「垂心四面体ABCD」の「垂心Hはある」ことを
注意しておく。私は未だ試していない。
[定理4.1]によって「垂心四面体ABCD」の「例」は無数にできるのだから、他のも造ってみるとよいだろう。
最終更新:2017年04月12日 21:16