初代スレ
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/23(水) 21:32:52.11 ID:OaQeOOp60
みんなが楽しそうにあの人の周りを回ってるの見て、いいなぁって思ってた。
ここはとても寒くて、でも私はこんなだし、でも…さびしくて。
いつのまにか、こっそり私も回ってた。みんなみたいにうまくいかなかったけど。
見つかっちゃった時は少し恥ずかしかった。でも、うれしかった…
みんなが私に気づいてくれた。ここは寒いけど…もう寒くなかった。
私はもう、一人じゃないんだって。そう思えた。
でも…やっぱりいけない事だった。みんな今まで騙してゴメンね。やっぱり私には資格がなかった。
今まで私を仲間にしてくれて、ありがとう。
みんなにたくさんのあったかい思い出をもらったから、私はそれで十分です。
どうか、私が勝手に回ることをゆるしてください。
うまく回れるように、今も頑張っています。
そうしたら、もしかしたら、また…
それは絶対にない。頭ではわかってる。でも、そうせずにはいられない私を、どうかゆるしてください。
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/23(水) 21:44:55.30 ID:JpYzDpzi0
我々には到底理解のできない高度な政治的決定、
それが学術的に正しいものであるということをただ、祈るだけ。
海王星「冥王星、じゃあお前…」
冥王星「…」
天王星「黙っていても、何も進まないぞ!」
冥王星「…」
カロン「お姉ちゃん…私はいつも、お姉ちゃんの傍にいるよ?」
冥王星「…」
海王星「言葉を、失ったのか…?」
トリトン「…あ、俺出てきちゃいけなかったか?」
海王星「お前は俺の周りを回ってりゃイインダヨ!」
トリトン「グリーンダヨ、マスター…」
冥王星「…私、」
カロン「お姉…ちゃん?」
冥王星「私にできることは、今までと変わらないと思うの。」
天王星「どういうことだ?」
冥王星「たとえ惑星と認められなくなっても、私が太陽の周りを回っていることには変わりないわ。
だから、みんなもそんな顔しないで。そんな顔されたら、私悲しくなっちゃうじゃない。」
カロン「お姉ちゃん…」
海王星「そうだよな…。」
冥王星「ねっ、私たちはいつでも一緒なんだから、寂しくも怖くもないんだよ!」
一同 「おうっ!」
そんな姿を、2003UB313は「いずれ俺もあの中に…と強く思い、
遠くからは太陽が輝きを増しながら見つめていた。
太陽 (おまえたちがいつまでも一緒だということは、私が一番知っておるわい…)
476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/24(木) 13:28:40.60 ID:B7etQ/76O
冥「わたし…すっごく怖いの。だって一番外側じゃない。
内側では今日もみんなが元気にしてるのが見えてうれしいんだけど、
わたしのすぐ後ろはもう何もわからないただの、宇宙なの。
隕石さんとか彗星さんとかが飛んできてびっくりする事も多いの。
そんな時、太陽さん達はやさしく話しかけてくれたりしたよね。
あんまりうれしかったから…その、軌道とかずれちゃったりしてね…
もう太陽さん達ととお話できないのかな。
地球さんに素敵なお話作ってもらったり、できなくなるのかな…。
…冷たい所があって小さくて暗くって…
嫌われてても、それでもみんなとはずっと一緒にって…思ってたのに…
宇宙って…さびしい。こわい。
……………やだよぅ…わがまま言いたい…
535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/24(木) 15:35:01.85 ID:Cp3+ROE80
今、地球は、巨大な隕石が衝突するという未曾有の危機に陥っていた
地球「この隕石がぶつかったら、俺の命も終わりだな」
火星「地球・・・あんた・・・」
地球「なに、星として生まれたのならこれは避けられぬ運命だから」
木星「そんな簡単にあきらめんなよ!なんとかならないのか!?」
地球「俺たちは自分で動くことはできないんだ。
夢遊病者みたいに、ただ、太陽の周りを回っているしかないんだよ」
木星「くそ、なんで地球なんだ!俺だったらあんな隕石なんてゴミみたいなものなのに!」
地球「ありがとう、木星。俺もけっこう長く生きたから、悔いはないんだ」
土星「えぐっ・・・ぐす・・・地球死んじゃやだぁ」
地球「・・・悔いはないが、一つだけ心残りがあるかな」
天王星「心残り?言ってみてよ。私たちでできることならするから」
地球「うん・・・いや、やっぱこれはお前達と言えども話すわけにはいかないなー。
おっと、どうやら時間がきたみたいだ。お前ら危ないからどいてろよ」
結局、最後も来てくれなかったか、あいつ。
仲間から外れると知ったときの顔、今でも鮮明に覚えてるなんてな。
XXX「地球ぅぅぅうううううう!!!」
海王星「な!?」
水星「あれは・・・冥王星?冥王星か!?」
冥王星「はぁ・・・はぁ・・・はー、間に合ったぁー」
地球「・・・ば、馬鹿野郎!なにやってんだ、そこにいたら隕石にぶつかってしまうぞ!」
冥王星「ちょ、せっかく無理して来てやったのに馬鹿野郎って、しかも野郎ってなによ!?」
地球「あーもー、悪かった!俺が悪かったから、そこをどけよ!でないとマジでやばいって!」
冥王星「・・・ねぇ地球。あたしが仲間から外れた後も律儀に
あんたたちの周りを回ってたの、知ってるでしょ?あれってなんでだと思う?」
地球「それは・・・」
冥王星「あー、やっぱ言わなくていいわ。どうせ聞いたって仕方ないし」
地球「仕方ない?」
冥王星「そ、仕方ない。
だってあたし、今からこの隕石にぶつかるんだし」
地球「おもしろくない冗談を言う癖は治せって、昔言ったろ?」
冥王星「あー、そんなことも言ってたっけ。あたしなりに努力してみたんだけど、
結局無理だったわ。だって、あたしって存在自体が冗談みたいなもんじゃない。
みんなとちがって軌道が斜めだし、ついた名前だって冥王よ、冥王。
なにこれ、あの世の王様の星ってこと?王様なのに喜んで良いのかどうかも微妙だわ・・・」
地球「それは・・・俺のネーミングセンスがないのは謝るよ。だからって存在が冗談だなんて言うな・・・」
冥王星「でも、今からやることは冗談じゃないの。
一時的であったかもしれないけれど、あたしを仲間と見てくれた瞬間があった。
それだけで充分楽しかったし、うれしかった。
あたしを友達として初めて見てくれたあんたに、あたしは心底惚れたわ」
地球「な・・・」
冥王星「でも、あんたには火星がいる、月がいる、土星がいる。
入り込む余地の無かったあたしは、文字通り玉砕しなければならないの。
これは、やけっぱちになったとかじゃなくて、けじめなんだ。
あきらめた後も、うじうじ遠くからあんたを眺めているあたしに、けじめをつけるの」
地球「おい・・・馬鹿、アホ、あんぽんたん!
そんなことしたら、俺はお前のこと嫌いになるぞ?いいのか!?」
冥王星「それは・・・ちょっとつらいかも。でも別にかまわないかな。
生まれ変わったら、あんたなんかよりよっぽどかっこいい星みつけてやるつもりだしね」
地球「馬鹿、この宇宙に俺より蒼くて美しい星なんて絶対ねーよ!だから逝くな!」
冥王星「あーもー、馬鹿馬鹿うっさいわね、このブ星!いいから黙って見てなさい!
・・・きたわね隕石。ただの流れ者のくせに惑星様にぶつかってもらえることに感謝しなさい!!!」
地球「冥王星ええええええええええええええ!!!!!!!」
こうして太陽系は、名実ともに水金地火木土天海になった。
冥王星が砕けたときに生まれた小さな欠片達は、その後ほとんどが地球に降り注いだという。
815 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/24(木) 21:03:09.08 ID:obiQyVV+0
こんにちは、冥王星です。9月になり、髪を少し切りました。
あの事件から一ヶ月が過ぎ、世間も私たちの心も平静を取り戻しつつあります。
今日は、あの後の話を少しだけしようと思います。
行方不明になった2003UBさんは、結局まだ見つかっていません。
最後まで一緒にいた海王星さんが言うには、私たちを守るためにブラックホールの中に飛び込んだらしいのです。
けれど、私たちは2003UBさんがどこかで生きてくれていると信じています。
セレスさんも崩落の中、無傷でした。今も変わらず、小惑星帯のエースとして元気にやっているそうです。
そして、私は……、
「遅かったな、冥王星。」
「カロン! 迎えに来てくれたの?」
「ああ。太陽の話が長かったんだろ。オレの時もそうだったからな。」
そうです。私は今でも二重惑星のカロンと一緒に、太陽系の中で暮らしています。
あんなことがあった後でも、カロンはこれまでと同じ優しい笑顔を私に向けてくれます。
でも、私は知っています。カロンの心の中に大きな傷が残っていることを……。
カロンはあの日以来、惑星のことだけでなく、水星さんや金星さん、皆の話をしなくなりました。
忘れようとしているのではなく、胸の奥の方に深く刻み込んでいるのだと思います。
だって、口にするとあの76年間が嘘だったように思えてくるから……。
私たちはもう惑星としては生きることはできないのでしょう。
でも、私たちは……、私とカロンは……、
『 太 陽 系 の 星 と し て 輝 き 続 け る 』
そう決めたのです。
だから怖いものなどありません。二人一緒なら……。
923 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/24(木) 21:55:12.94 ID:obiQyVV+0
公転軌道を走っていた海王星の目に認めたくない現実が飛び込んでくる。
冥王星が宇宙の虚空に打ち捨てられ、自らの血だまりの中にいた。
「冥王星ちゃん!」
海王星が駆け寄ると、冥王星はうっすらと開いた瞳で海王星の姿をとらえる。
「海王星さん……。わたし……輝いたんですよ。私も惑星だから……。」
「うん……。うん……。」
「私……、海王星さんに伝えたいことがあるんです。私、海王星さんのことが……。」
言い切れない冥王星の身体が発光し、水泡のように崩れ真空に霧散し始める。
「冥王星ちゃん……? 冥王星ちゃん!」
冥王星は笑顔のまま、海王星の手に血だらけの衣服と、いつもしていたチョーカーを残して消えてしまった。
海王星の手に冥王星の血が広がる。
「臭いねぇ。小惑星臭いよ、お前。お前が最外惑星だね。」科学者の問いに、海王星は無言で立ち上がった。
「なんだい。その格好は? お前何者だ!?」
「さっきお前が殺した女の子と同じ、太陽系の惑星だ!」
駆けて来る冥王星に恐怖した科学者がやたらめったら銃を撃つ。
海王星が、黒い空へ一気に飛び上がる。
『私、海王星さんのことが……。』
海王星の脳裏に冥王星の笑顔がよぎった。
「プルトーっ!!」
暗黒の宇宙に光が走り――
「海王星さん……。」
冥王星のことが心配で追いかけてきたカロンが、真空にたたずむ海王星の姿を見つける。
その手には血だらけの冥王星の服がある。
「冥王星? 冥王星はドコにいるの?」
カロンの声が震えている。理解はしているが認めることが出来ていない。彼女の死を。
海王星がゆっくりと首を振る。
「うああああ……。」
カロンが崩れ落ちた。その涙に声はない。海王星はただ冥王星のチョーカーを握り締めていた……。
最終更新:2006年09月15日 20:15