中華ファンタジー設定(仮)

<世界観>

 時代イメージは宋、明代くらいの中国。まあ、あんまり拘らなくてよい。大陸の北方と南方はそれぞれ異民族の領域があり、物語の舞台となるのは主にその中央。この地域は数年前まで『鳳』王朝が統一していたのだが、北と南の異民族の同時侵攻と、大規模な農民反乱のおかげで今は名のみの王朝と成り果てている。この王朝が支配していた領域は北から泰州、華州、衡州、礎州、梨州、崇州、蒔州と七つに分けられており、『鳳』王朝の衰退により、それぞれの州を治めていた諸侯が独立、それぞれ公を名乗った。
だが、千年以上続いてきた『鳳』王朝の衰退の影には千年ぶりに花開く、一つの霊樹が関わっていることを知る者はそう多くはなかった。

<創生神話>

 まず存在したのは虚であり、虚に実はなかった。故に世界に形はなく、流れもなかった。しかして、ある拍子にそこに意が生まれた。意は虚の中に実を作り出しそれを八つに分け、それを世界とした。だが、作り出した八つの世界には命が存在しなかった。そこで意は自らを八つの素に分け、それぞれの世界に実として存在させた。こうして生まれたのが、陽界、陰界、火界、水界、木界、金界、土界、空界、人界の八つの世界、そしてそれぞれの世界の創生者たる八神である。意の分身たる八神はそれぞれの世界に命を誕生させたが、元々の素が異なるため全く交わることがなかった・・。八神はそこでそれぞれの素を集めもう一つ世界を作り上げることにした。そうして人界が生まれた。八神はそれぞれの素から生じた生命を人界に住まわせ、さらにその世界の住人として全ての素を混ぜ合わせ『人』を作り出した。だが、人界に住まう『人』は争いに明け暮れ、結果、自身の住まう世界を何度も滅ぼしかけた。八神は人界を管理する必要を感じ、自らの現身を人界に置き、八仙と名乗った。
 だが、同じ意から発したといっても全く異なる素の化身である彼らはその思考も全く異なっていた。このままでは人界を治めることは叶わぬと考えた八仙はある一定の周期で人界を治める権限を決めることにした。
 そうしてこの世界の核となる一本の『樹』を人界の統治権決定に使うことにした。数千年の周期で『樹』が咲かす花を八仙それぞれが選んだ人間に取りに行かせ、見事花を取った者を選んだ仙人が次の周期を統治すると。

<八仙の取り決め>

1、八仙は神としての力を行使して、手助けをしてはいけない。神としての力は星神具のみ。
2、選ぶ人間は一人。その人間が死亡した場合、そこで終わり。
3、弟子による手助けはよいが、選ばれた人間を弟子が殺したりするのは禁止。
4、八仙が現身のまま、直接人間に会うのは禁止。(というか、八仙はその力が強大すぎるため、仙境以外の場所で直接人間に合うことはできない。故に仙境以外の場所に行くときは別の何かに精神を移したり、何かを経由して話しかけたりする必要がある)

<千年に一度咲く花の伝説>

 この世界の何処かに千年に一度だけ花を咲かす大樹があるという。その花を手にした者は天命により世界を総べる力を手にするという……。秦王朝の初代はこの花を手にしたことで全土を統一したといわれている。曰く、手にした者のどんな望みも叶う花。だが、花が咲くという大樹は八神の神具を揃えた者の前にしか姿を現さないという。即ち、陽、陰、火、水、木、金、土、空、の神が人に与えたとされる強大な力を有した八つの『星神具』を……。

<九界>

【陽界】…中天に一際大きく輝く星、九界の中心ともいうべき、他の世界に届くほどの強い光を放ち続ける星。陽星太上君が治める世界。
【陰界】…陽界と隣り合う影星、夜が訪れ、陽星が隠れると淡い輝きを放ち始める星。陰子月君が治める世界。
【火界】…常に燃え続けている紅く輝く星、人界において業を負った者は死後、この炎に焼かれ苦しむと言う。炎帝狼君が治める世界。
【水界】…美しく澄んだ水に覆われた星、人界の雨は水界から落ちてくるといわれている。玲水涼君が治める世界。
【木界】…深い森に覆われた緑の星、様々な植物が星一面に覆い茂っている。然木道君が治める世界。
【金界】…光沢のある金属で覆われた星、生物の気配のない世界。金鎖磁君が治める。
【土界】…一面を荒涼たる剥き出しの土で覆われた星、奇怪な形の生物が多く生息する。化土伸君が治める。
【空界】…空に姿を見ることができない透明の星、色がない世界。空宣斗君が治める。
【人界】人の住まう星、他の八界の要素を合わせて作り出された世界。現在、神位は空位で、八仙が合議で治めている。

<星神と八仙>

 星神とは前述した八つの星に象徴される神のことで、八仙とは星神の人界における現身のこと。八仙はそれぞれ多くの弟子を持ち、その弟子に『樹』探しを手伝わせる。『樹』が花を咲かせる気配を見せると、八仙は『星神具』によって選ばれた者に弟子を派遣し、その手伝いをさせる。

【八仙の設定】

   性別   年齢                     性格・特徴
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陽仙:不明   5,6歳くらいの幼児             我儘・やんちゃ・高慢
陰仙:女    20代前半のグラマー姉ちゃん         高飛車
火仙:男    40代のイカツい武将おっさん         無口・短気
水仙:女    20代前半のしっとり系姉さん         おしとやか・丁寧
木仙:男    80代の爺さん                呑気・あっけらかん   
金仙:不明   メカ?
土仙:男    20代後半                  温和・いい人・策士   
空仙:男    20代前半                  飄々・慇懃・無関心


<星神具>

 神の力を宿した八つの神具。核となるのは一つの『璧』であるが、形状は現出する時に選ばれた者にもっとも相応しい形をとる。それぞれの世界が象徴する素の力を有している。星神具は選ばれた者にしか使用できない。選ばれた者が死亡すると元の『璧』に戻る。『樹』に至るにはこの『璧』を全て集めなければならない。なお、星神具は使用者の成長によってより強く変化していく。

【星神具所有者】

   性別   保持者の設定                 星神具
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陽仙      
陰仙      
火仙 女    15,6歳位の少女、戦闘中毒者        炎を操る槍
水仙 女    20代前半のしっとり系姉さん         自分自身(能力は癒し)
木仙 男    30代前半・ある国の武将      
金仙 男    
土仙 男    主人公・20歳位・温和・真面目        どんな物質でも切れる剣
空仙 男    17,8歳・トリックスター          物体を移動できる箱



<仙人>

 八仙にはそれぞれ自分の住まう仙境があり、そこで弟子を育てている。俗世を離れその仙境で修行し、超上の力を得たものを仙人と呼ぶ。基本的に人界の争いごとには介入しないが、時折、八仙に命じられて関ることもある。

<仙人の格>

 仙人は天仙、地仙、尸解仙の三種がある。八仙は別格。
【天仙】仙人の最高位、地仙の中から特に選ばれた者のみ特殊な修練をつみ至る事ができる高み。どの仙境においても数人しかおらず、八仙の下でその仙境を管理している。
【地仙】一般的に仙人とは、この位の仙人を指す。天仙の命で地上に赴くこともある。
【尸解仙】格としては一番おちる。修行において仙人になることができず、自らの肉体に精を取り入れることで完全な人外となった仙人。この方法は外法とされ、こうして仙人となった者は仙境を追放される。

<素獣>

 人界に住まう、八界と人界を繋ぐ役目を果たしている。幻獣たち、青龍や白虎などがこれにあたる。人界と自分たちの世界を行き来する。人界にかく世界の素をもたらしているのも彼らである。

<精>

 いわゆる、化生の類、素獣が零落したものや、怨念が凝り固まったもの、自然の気が集まって生じたものなどその生まれは様々で、性格も人に害を成すものから人に尽くすために生まれてきたものまで様々である。

*

<方士>
 まあ、一般のイメージの方士、仙人ほどの力はないが、そこそこの術を使えたりする。方士の究極的な目標は仙人になることなので、自ずと彼らは仙境を目指すことになる。

<身分制度>

 この世界、物語の中心となる世界での身分制度は以下の通りである。
【王】唯一無二の存在、現在、『鳳』王朝は52代目にあたる。
【諸侯】各州を治める者達。現在は、表面上は王に従いつつも、『公』を名乗り、事実上の独立を果たしている。
【卿】各州、それぞれの部署のトップ『卿』と呼ばれる。例えば、軍を預かる将軍は武卿。
【大夫】上級の仕官
【士】下級仕官
【庶民】主に百姓の事を指す。
【奴隷】最下層の身分。

<各州設定>

 一応の大まかな設定、随時変えてもいい。
【泰州】…北西に位置する州で常に北夷の脅威にさらされている。故に軍勢はいつの時代も精強で、大陸最強の呼び声も高い。
【衛州】…北東に位置するこの州は広大な海に面し、海の東に住まう亜人との交流も盛んで、北夷からの脅威に備えるため、亜人との関係を強化している。
【崇州】…大陸のほぼ中央に位置するこの州は鳳王朝の中心地であり、政治の中枢でもある。ただし、現在は王はいるものの、実際、十頭老によって政治は動いている。故にその威光は廃れ、現在、各州の公たちは半ば独立に近い状態。
【華州】…賢人を輩出することで有名なこの州は学芸や文化の中心とも呼べる場所で、方術士や精錬士なども多く輩出している。
【蒔州】…州のおよそ八割が、険しい山脈に覆われた地方で、厳しい自然条件の中、多くの精や少数民族が住まう。未踏域を越えんと志す者は必ず立ち寄らなければならない場所である。
【礎州】…崇州が政治の中心、華州が文化の中心ならば、礎州は多くの商人が住まう経済の中心だ。礎の商人たちは南の島々や東の国、果ては西までも船を送り、内陸部でも商売のためなら何処にでも姿を現す。
【梨州】…この地方では海に面していないにも関らず、広大な『始仙瑚』の恩恵を受け、大陸最大の穀倉地帯が広がっている。近年、南の蛮族による侵攻で州の半分以上が占領されたが、各州からの援助もあり、どうにか南蛮勢を押し返すことに成功した。豊かな地方故に南蛮もこれを欲している。
最終更新:2010年09月09日 01:37