3ページ目
とりあえず真ん中に向かって角を曲がりつつ走っていると、銃声と悲鳴が聞こえ始めた。
「おいおいマジかよ」
ツッコミながら一度後ろを振り返って誰もいないことを確認し、走る速度を少し上げる。
しかし、角を曲がるときに走るスピードが落ちるせいか10秒もしないうちに銃声と悲鳴が近づいてきた。それに伴って平行の背筋が凍っていくのが感じられる。その上、廊下に出てから今まで誰も研究員を見てないことが不安に拍車をかける。
「ヤヴァイ……これじおうぅおっ!?」
突如正面からきた強い衝撃と荒ぶる視界で状況が理解できない平行は、まず荒ぶる視界を動かない視界に変えた。
すると右には壁のようにそびえる床、目の前には人の足、左にはライトと天井が見えてきた。どうやら人とぶつかって倒れたようだ。
つまりあまりよくない事態だ。
飛び跳ねるように立ち上がった平行は、白衣を着て、アホみたいな顔をして倒れているオッサンという名がよく似合うような小太りでメガネの中年の研究員と、そいつのそばに落ちている試験管や書類を確認する。
「あー、すまん」
そう言って平行は試験管と書類を奪って逃げた。
奪った試験管が目標のウイルスじゃなくてもいいから、とりあえず生きて帰ることを最優先にしたのだ。
すると全力疾走する平行の背後から銃声とさっきの研究員の悲鳴が聞こえた。
「ざまぁ」
そしてそこから角を曲がってロッカールームへとたどり着くと、勝ち誇ったような顔をして非常口から外へ出た。
「なんてことだ……」
外へ出た平行を待ち受けていたものは、なんとアメリカの国旗が描かれた無人のヘリコプターだった。
「笑うしかねぇなw」
そして途中でヘリコプターを乗り捨てて海へ落とした平行は、試験管と書類とヘリの荷物の一部と共に日本の自宅へと帰宅した。
帰宅した平行はまっさきにハングル文字で書かれた書類の解読にかかった。
携帯の筆記入力と翻訳アプリを使って日本語にしていく。なかなか時間がかかるが、これが一番早い。そして解読を始めてから30分、平行の顔に笑みが浮かんできた。
「被験者、佐藤光聖……ランニングテスト 39972.65km……。身体能力の人間卒業ウイルス。当たった。当たったぜおい!俺の求めたウイルスだ!俺の勝ちだ!ハハハッ!」
平行の気持ち悪い笑いが家の中に響き渡った。
最終更新:2014年04月27日 16:29