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「俺は確かにてめぇとは特に関わりもなかったな。殺し合いするには好都合な関係だ。さぁ、撃ってこ……」
破裂音が響く。
次の瞬間、ちょくえは生徒の拳銃から放たれた銃弾を視認してから体を傾ける。そして流れ弾がガラスに当たったパリーンという音が2人の耳に入ってくる。一瞬の出来事だが、何かそんな感じがしない。
「……?」
生徒が口をポカンと開けて、体が斜めっているちょくえを凝視する。凝視というよりは視線が固定されているような感じか。
「おいおい、最後まで言ってから撃てよ」
苦笑を浮かべるちょくえが体を元の体勢に戻しながら生徒を見つめ返す。
生徒の表情からは、何が起きたのかあまりよくわかってないのがよくわかる。
「何アホ面晒してんだ? 行くぞ?」
宣告はしたが、突如ちょくえが体勢を低くして前方に走り出す。それに驚いた生徒がとっさに拳銃を撃つが、焦りすぎて全然違うところに弾が当たった。
「く、糞!」
もう一発、今度はちゃんとちょくえの体へ向けて発砲する。しかしちょくえは発砲される直前に真横にジャンプし、壁に張り付く。すかさず生徒がそこへ向けて再度銃撃。それに合わせるようにして壁から電柱、電柱からポールへ飛び移っていったちょくえが、最終的に生徒の目の前に屈むような体勢で着地する。そしてちょくえがその体勢のまま生徒に掌打を浴びせた。
「はぁっ!」
「……!?」
言葉にならない呻き声を小さくあげて、生徒は低空で吹っ飛び、背中からドンっと着地する。
その様子を掌打の体勢のまま眺めていたちょくえが、見下すような目で生徒を見下ろしながらゆっくりと立ち上がった。その姿から怒りともとれるオーラのような物が放たれているのが感じられる。もはやさっきの立場が逆転して、ちょくえが無言で威圧している。その威圧が物理的な力を持っているとしたら、車程度なら一瞬でぺちゃんこにしてしまいそうな程の圧倒的な迫力だ。
「理解したか」
「く……、な、何を……?」
仰向けに倒れた生徒が首を上げてちょくえを見ながら言葉を返す。完全に威圧感に押しつぶされている。そして5秒ほどおいてからちょくえが答えた。
「俺が人間を卒業したってことをだ」
「……ふん、よくわかったよ」
上半身を起こした生徒が微笑を浮かべる。少し意外な反応にちょくえの威圧感が失せていく。
「余裕ができたか? それでいい、人を殺しにかかるなら心に余ゆ……、あー、ちょ待て」
ポケットから先ほどのマイクを取り出す。その一瞬で完全に威圧感がなくなる。忙しい奴だ。
「小銭、今ヘリはどこにいる」
「近いっていうか近づいてる。隠れた方がいい」
確かにさっきよりヘリの音が近づいてきている。
「了解した。……おい、一時休戦だ。アメリカに捕ま……」
突如銃声が数発響き渡る。
「だから撃つなって!」
銃口から煙が出ている拳銃を持った生徒が笑みを浮かべながらゆっくりと立ち上がった。
最終更新:2014年04月27日 16:54