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──埼玉県内某ファストフード店内──
店員や客がどこかへ避難させられたのかは知らないが、とにかく無人のファストフード店の中で席に座って無断でコーラを飲んでいる水素の耳に突然自動ドアが開く音が届いた。
(誰だ!?)
水素が早押しクイズみたいな超反応でとっさにコーラと共にテーブルの下に隠れる。が、膝がテーブルの足にぶつかってガタンと大きな音がなってしまう。意味ない。
「ああ、いやいや隠れなくていい、俺だ、ちょくえだ」
その声に軽く驚きを露わにした水素の顔がテーブルの上にひょっこりと現れる。
「いやいや、ビビりすぎだってw。話しがあるんだよ。お前探すの苦労したんだぞ」
半笑いのちょくえが、水素が隠れていたテーブルの席に落ちるように腰を下ろしてひょっこり出てる水素の顔を見つめた。
見つめられた水素が慌てて席に座り直してちょくえの顔を一瞥してぶっきらぼうに話しかける。
「で? 話しって?」
「おいおい、俺はホモじゃねぇんだからよ……もうちょい……いや、何でもない。何でもないが、ウイルスに関して何でもある」
面倒なほど遠まわしな言い方をしたちょくえが水素のコーラを手にとって少し喉を潤す。
「なんだ、炭酸抜けてんじゃねぇか」
「ああ、かなり時間たってるからな。で、ウイルスの話か。一応言っとくと俺が持ってるウイルスは体内のだけだ」
水素がそう言ってちょくえの手からコーラを奪いとると一気に飲み干した。
「そうか、だが、これに見覚えはあるだろ」
ちょくえがテーブルの上に少し小さめのバックを置く。間違いない。平行がウイルスをいれていたバックだ。
それを確信した水素は表情が濁ったように、目つきを大きく変えた。
「見覚えあるんだな。で、この中にはウイルスはなかった。あったのはこの資料だけだ。ほら、この顔も見たことあるだろ?」
バックから出された資料に印刷された顔写真にちょくえの指が指される。その顔は……
「裏路地でお前に銃撃したやつ……!?」
「そうだ、お前と平行が追い求めていたウイルス適合者である俺のクラスメートは生きている。その上襲ってきた。」
ちょくえがニヤリと微笑を浮かべる。あれ、気持ち悪い。
「で、なんでウイルスの注射器がないんだ」
ちょくえの微笑に引いている水素がおどおどと質問をぶつける。
「ん? そりゃウイルス適合者の体の中にウイルスが渡ったんだろ。な?」
最終更新:2014年04月27日 17:44