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黒焦げになったスライムは地面へ落ちると音もなく崩れ去った。
遂にスライムを倒したのだ。
キーファは剣を下ろし、そしてそのまま仰向けに倒れこむ。
「はぁはぁ……やった……ぜ!」
「キーファ! 大丈夫か!!」
倒れこんだキーファにダーツが駆け寄る。
大きな傷もないことを確認するとダーツは安心したように溜息を吐いた。
「全く……ヒヤヒヤさせられたぞ」
「ダーツさん、オレ……ライラと結婚します」
「なに!?」
「今の戦いで分かったんです。オレ達守り手はいつ命を落としてもおかしくはない、だから……」
「みなまで言うな、キーファよ。私もキーファが息子になってくれるなら何の心配もない」
「ダーツさん……いや、お義父さん……!!」
「さあ、そろそろ起きろ。今夜は倒れるまでビバ=グレイプを飲もうじゃないか」
「はい!!」
ダーツの肩を借り、起き上がるキーファ。
その瞳はユバールの未来を真っ直ぐと見据えていたのであった――――。
種
最終更新:2014年08月20日 17:06