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…ん?なんで元気の塊とルカリオのボール持ってるの?シロナさん?…殺る気ですか…しかしですね…この文を書いているのは残念ながら俺なんですよ…シロナさんには勝機はありませんよ…残念ながら。そして
「…はぁ…さて×××××君。このマシンに」
とシロナが言う。…最初の溜息はなんですか?…まぁいいか。そういい終わるとシロナは機械を指差す。
×××××はそれの理由を悟り、機械の前まで歩く。…そして機械の前で止まる。…お前なんか喋れ。
そしてシロナとナナカマド博士は×××××の方を向く。そして
「刻むのは君たちの名前!残すのは此処に車での旅の思い出!さぁ!ポケモンリーグの厳しい戦いを勝ち抜いた君と!共に戦ったパートナーのポケモンを!このマシンに記録しましょう!」
とシロナが言う。長い。…ん?車での旅…?まぁいいか。
その言葉を聞いた×××××はボールを1つずつ置き始める。
1つ目は216番道路で捕まえたニューラの進化形態、マニューラ。
2つ目は初めて自分で捕まえたポケモンムックルの最終進化形態、ムクホーク。
3つ目は谷間の発電所の近くにある草むらで捕まえたパチリス。
4つ目は同じく谷間の発電所の前にいたフワンテの進化形態、フワライド。
5つ目はノモセ大湿原で捕まえたマリルの進化形態、マリルリ。
そして6つ目、最初に博士に貰ったポケモンナエトルの最終進化形態、ドダイトス。
×××××はそれぞれのポケモンたちとの思い出を思い出しながらボールを置いていった―――――。


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「ふぅ~終わった…」
僕はダイニングの机で書いていた旅の記録を表裏白いノートに書き終え、そのノートを閉じ、鉛筆を置きながら呟く。
そしてパチリスが僕の頭の上に乗ってくる。いつもの事だから気にしない。
「あら、終わったの?」
キッチンで料理中である母さん言う。僕の呟きが聞こえたのだろうか。とりあえず僕は、うん終わった、と答える。
そして、あとで読ませてね、と答えた直後に母さんは言う。
それに対し、僕は、うんいいよ、と答える。
答えた後、僕は今までのことを思い出していた。
ナナカマド博士が勝手にナエトルを使ったことを怒らずに逆にナエトルをくれた事。
ヒョウタさん、ナタネさん、スモモさん、マキシ…マム仮面さん(笑)、メリッサさん、トウガンさん、スズナさん、デンジさんとのジム戦の事。
×××××を捕まえた事。
ギンガ団リーダーとギンガ団幹部を倒した事。
そして四天王、リョウさんとキクノさんとオーバさん、そしてゴヨウさんとのバトル。みんな相当強かった。
…そして最後、チャンピオンのシロナさんとのバトル。
旅の途中に何度か会っていたのでチャンピオンの間にシロナさんが居たことには正直驚いた。
………いろいろなことがあったな…短い間だったけどかなり心に残ることばかりだった…。
「ご飯で来たから片付けなさい」
不意に母さんが言う。
そして僕は片づけを始める。ノートを手に取ろうとしたとき、そういえばタイトル付けてなかったな…と思った。
何か付けようか…。何が良いかな…うーん…「×××××の旅の記録」…ひねりがない。やめよう。
…あっ!これが良い!――そう思った僕はノートの表紙に字を書き始める。
「早く片付けなさい」
母さんが書いてる途中に言う。僕は、ちょっと待って、と言い書き続ける。――書き終えた。
そして片付ける。取り敢えず、ダイニングの角にある棚の上に置く。
結構良いタイトルを付けることが出来たと思う。あの旅に1つのタイトルなんて付けられない。
しかし全てを表すことが出来るタイトルなんて思いつかない。
だから僕はこんなタイトルを付けた。名前のない旅の記録――――――――――「no title」と。



最終更新:2014年08月30日 17:26