1.暗示無き暗示

 ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ、と、リズムを刻む電子音から今日も1日が始まる。
「朝か……」
 この瞬間だけは学校にいきたくなくなる。そのくせ体は勝手に動く。不思議なものだ。
 とか考える訳もなく勝手に体が動いてベッドから降りた俺の体は勝手にリビングへと向かった。
 リビングに降りてきてまず視界に入ったテーブルの上に既に置かれていた白米、味噌汁、卵焼き。なんだこのテンプレートは。
「あら、シマリス、おはよう」
 母の挨拶におはよ、と飯を凝視しながら素っ気なく返す。いや、実際素っ気ないかもしれないが素っ気なく見えるだけだ。
 んで、そのまま飯の前の椅子に座る。
「いただきます」

最終更新:2014年09月20日 23:20