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ポケガイ。

かつてそれはポケモンダイヤモンド・パール攻略ガイドとして機能していたサイトだ。
かつて、という意味からしてこれは過去の話である。
現在はと言うと、設立当初から作られた掲示板にポケモン絡みの目的でやって来た人が集まって出来た、
一つのコミュニティだ。
最も、今となってはポケモンとは無関係のサイトとなってしまったが。

今日も何ともない日だった。
そう思う一人の男子高校生が居た。
彼は今デスクトップのPCの電源を付け、パスワードを打ち込むとすぐさまIEにカーソルを合わせる。
出てきたのはポケガイのトップページだった。

彼の名は鈴木 拓海。どこにでも居そうな名前と、そこにでも居そうな雰囲気を持つごく普通の青年だった。

彼は適当にスレを開き、目を細めつつ、下にスクロールしていき、コメントに「つまんね」と打つ。
名前には酉のない「ああ」という名前、つまりはステハンだ。
これが日課だった。
学校が終わると彼は夕飯の時間までポケガイで時間を潰す。こんな生活をずっと過ごしていた。

別にこれ以上の生活が欲しいわけでもない。
別にリア充になりたいとも思わない。
そりゃ彼女は欲しいけど、それは「できれば」の話だ。
そこらの猿と違って何が何でも、という範囲まではいかない。

かと言ってこれ以下の生活、例えば引きこもりの生活もしたいとも思わない。
確かに時間に縛られずずっとポケガイをやっていくのもいいが、只でさえ休日でも人を見ないほど過疎化が深刻なのに平日の朝から昼までポケガイやったところでそれは暇つぶしにすらならない。
一種の拷問だ。

つまり、彼は今のこの生活に満足していた。
それくらいポケガイそのものに愛着を持っており、今の生活が好きだった。
青春という言葉が似合わない人はこの人間だけで十分だろう。

今日も普段と変わらず、無駄に議論を重ねたり好きなものについて語ったり、世間への不満をぶち撒けたりして今日を終えるんだろう。
そんないつものビジョンを頭に浮かべながらふと視線を画面に戻すと妙なスレを見つけた。

「デスアンカーって知ってる?」

最終更新:2014年09月25日 18:27