8.never
「どの道全部終わりだぁっ!!!!!」
具現化された心の壁でちょくえの銃弾を弾き、全力で重力を反転させる。
前の2回の反転とは違って俺も真上に上昇する。しかしその上昇を途中でとめ、俺の頭上にマイナスの重力加速度を上げたちょくえを持ってくる。
「やる気になったかシマリス! そうだ! それでこそ本来の人間とは思えない狂ったお前!」
「黙れ糞程の価値もない快楽殺人者め!」
「お前が言うか。何とも馬鹿げているなぁ!」
「黙れっつってんだぁっ!」
地球上全てのものが浮き上がり始めた。瓦礫、車、ガラス片、死体、遠藤もみさくらも。
そしてその浮き上がるものからさっき出した具現化された心の壁が俺達を包んで衝突を防いでいる。
「させない! シマリス! お前を殺して世界を守る!」
みさくらか!?
後ろを振り返ると口に吐血した痕が残るみさくらがM82を空中で構えてこちらに向けていた。
だが段々こいつらの言ってる言葉の意味がわからなくなってきたぞ。それとも厨2感が上昇したのか?
「……っ!!」
みさくらが引き金を引き、その際の衝撃で彼女は後方に大きく吹っ飛んだ。そして放たれたライフル弾は一撃で俺の心の壁を破壊し、そのまま俺に向かって飛んできた。
「俺は死なねぇぞみさくらぁっ!」
瞬時にその銃弾を180度逆に跳ね返し、その弾は発射された際の弾道を真っ直ぐ辿ってみさくらの体を2つに分離させた。
「次はお前だ! ちょく……」
銃声が俺の真上からなった。そして体が動かなくなった。
遠のく感覚、遠のく意識、遠のくちょくえの笑い声……。
それから何時間寝ただろうか。
あの世界はどの道終わりだ。守るべき価値もない。ゴミの集まりだ。数少ない資源もゴミに埋もれゴミになる。あんな終わり方は逆に皮肉ながら正解なのではないか。
そんな中主観的にゴミから資源へと成った遠藤。彼女の存在は結局わからなかった。だが彼女が俺の狂気だというヒントは得ている。全ては俺の夢の中で……。
「おはよう」
女の挨拶で目を覚ますと、眼前には何千回と見てきた天井があった。
俺の部屋だ。
そして今の声……、
「遠藤……、か」
「悪夢はまだまだ終わらないぞ」
彼女が今浮かべた笑みは今まで見てきた彼女の笑みの中では最高に狂っていた。
(完)
最終更新:2014年10月30日 22:33