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 それから、何人かの教員から話を聞かれた。結局私が犯人である、ということにはならなかったが。教員の中で私は犯人ではなかったかが、生徒の中では犯人だった。多分、私が豚の目玉をばらまいた犯人である、と知らない人間はこの学校にはいないだろう。比喩ではなく、実際にそれくらい私は避けられた。豚の目玉という猟奇的な光景に怯えられている感じすらもした。
 もともと他人を寄せ付けないような鋭い目つきをしているのも原因かもしれないが、それに相乗して本当に私は一人ぼっちだった。
 人と付き合うのは苦手だったが、その日からはさらにそう感じることになった。学校へ行っても誰ともしゃべらない、そんな日々が続くことになった。
 「お姉ちゃん、明日家に友達来るから明日は出かけてね」
妹の咲ですらその始末。私には居場所がなかった。咲に嫌われるのはどんなことよりつらかった。

 忌み嫌い、近寄らないクラスメイト。
 避けるように動く教員。
 のけ者扱いする妹
 ほとんど家にいない両親。

 私は早くこのくだらない学校生活が終わればいいと思った。

 「尾島、聞いたか?犯人の話」
8四銀。3二龍。
「犯人?何の?」
6六歩。同歩。
「豚の目玉だよ、先週の事件」
3七歩打。7七金。
「あぁ、そういえばそんなことあったな。犯人は知らないな」
名前を聞いたところで顔と名前が一致するわけでもない。
「堀葵ってやつ。覚えてるかい?」
次の一手、どうするべきか。
「……いや、知らない」
まったくピンとこない。
「まぁそうだよね」

 佐伯が一方的に話すことには、そいつの下駄箱にだけは豚の目玉が入っていなかったらしい。

 「その推理から犯人を決めようとすると、怪しいのは堀葵って人だけじゃないよ」
俺は佐伯の目を見ず、言った。
「なんだ、心あたりがあるのかい?」
「いや、何でもない」



物語はここで終わっている・・・

最終更新:2014年11月14日 23:14