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 ホワイト学院の会議室。坂口らもAnswerの襲撃にあったものの、無事にここへ行くことができた。
 予期せぬ出来事ではあったが、委員長を助けなくてはならず、こういう場合は臨機応変に対応してくれ、とだけ坂口は二宮に言われた。
 会議室は随分とーーその台詞と会議室の造りにはなんの関連性もないがーー二宮の言い回しのようにさっぱりとした雰囲気だった。要は殺風景である。
 長テーブルが二個置かれた程度の小さめの部屋に神崎、ジェミニ、新屋敷、向学、二川、ジョディー、二宮がいた。
「知っての通り、委員長は今なおAnswerに監禁されているわ。ただ居場所が掴めなかったもんだから、彼女を救うに救えない状態だった」
 坂口らがやって来たときには、既にジョディーが大きめのスクリーンの前で話を始めていた。スクリーンには北海道とオホーツク海の地図が写っている。
「でももう大丈夫。委員長の居場所を突き止めたわ」
「いや~まさか俺の発信器が役に立つなんてねぇ……♪」
 新屋敷が鼻を鳴らす。
 どうやら彼がストーキング目的で委員長に取り付けた発信器が意外な活躍をしたらしく、発信器の位置情報の特定によって場所を割り出せたとか。
「警察に通報してやりたいところだけど、今回ばかりはあなたのお陰ね、Mr.新屋敷」
 ジョディーが複雑そうに笑いながら言った。
「委員長はオホーツク海の海上基地に居ると思われるわ。この海上基地もつい最近建てられたようで、Answerのものである可能性が高い」
「ここからそこまでの空間移動は出来るか? ジョディー」
 二宮が訊いた。
「座標は割り出してあるから、あとは身体がもてばね」
 ジョディーの空間移動能力は、移動させる人数かが多ければ多いほど、距離があればあるほど身体に負担がかかる。坂口をこの世界へと連れ出したのは他でもないジョディーの能力だが、並行世界にリンクさせようとすると更に負担がかかってしまう。
 なるほど、とだけ二宮は言った。
「今回は委員長の救出を最優先に動いてほしい。ただ、どうしても片付けなくてはならないモノがこの海上基地から見つかった」
「片付けなくてはならないモノ?」
 神崎が訊き返す。
「TRA-59392……通称グングニル」
 坂口は、自分以外の全員の目の色が変わったことを悟った。ーーでも、どうして?
「その、グングニルって何ですか? 俺の住んでる世界では聞いたことがありません」
「うーん、簡単に言うと現代の核兵器ね。
 核爆発をビームのように圧縮して、指定した場所に攻撃する。ビームは複数に分散させることも出来るから、一回の攻撃で同時に色々な所に被害を与えることが出来てしまうの」
 ジョディーはスクリーンにグングニルをとらえた衛星写真のいくつかを出した。
「そんなイカれた兵器、どうやってあいつらが?」
「思うに、ついこの前、米軍の海上プラントが沈没して騒ぎになったでしょう? あれがAnswerの仕業で、その時に奪っていったのよ。Mr.坂口がこの世界の歴史をどこまで把握したかはわからないけど、グングニルは第三次世界大戦で用いられた狂気の殺戮兵器として歴史に名を残すことになってしまった。戦勝国の代表としてアメリカが引き取ることになった。で、それを知っていた連中がとうとう動きだした。この時期に不自然な沈没事件が起こったとなると、そう考えるのが、……えーっと、その、appropriateだと思うの」
「……妥当、ですね?」
「そう! それ! 妥当!」
 確かに筋は通っている、と坂口は感じた。
 写真を見る限りはかなり大きなもののようで、沈没した時期と照らしあわせるとオホーツク海まで運ぶのは無理にも思えたが、Answerにも空間系の能力をもった者がいると考えればおかしな話ではなくなる。
「私と翔梧、Mr.坂口、Mr.jeminni、Ms.神崎、Ms.信条は委員長の救出へ。Mr.向学とMr.新屋敷、それに二川さんはここでAnswerからの襲撃があったら対処すること!」
「え、なんで私だけさん付け? オカマだから!? オカマだからMr.なのかMs.なのか判断のしようがかったの!?」
 二川が動揺していたが、とにもかくにも救出作戦開始である。



物語はここで終わっている・・・

最終更新:2014年11月18日 23:34