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ガルガイド王国 王都ガルドリアのBAR

「団長は俺の力は知ってる筈だ。なのに俺に王都に留守番を命じたんだ…!俺は側で支えたい、戦いたいのに…。」

エイジスがカウンターに項垂れながら愚痴を呟いていた。

「だってアンタ、あの黒尽くめの指名手配犯に相当の恨みがあるんでしょー?アンタが行ったら無理矢理国境を突破して暴走するかもしれないってエリスさんは思ったんじゃないかしら?」

金髪ショートボブでメイドコスという格好をしたのBAR店主の少女が呆れた表情でエイジスの愚痴を聞いている。

「聞いてくれリーナ!俺はあの野郎を今すぐ八つ裂きにしてやりたいんだ!でも暴走なんてしない!俺は団長を助けたいだけなんだ!それにあの男は世界平和の害になる!」

「あーはいはい分かった分かった。こんな昼間からお酒浴びるように飲んで酔い潰れてアンタどうしようもないわね。」

エイジスは酔いが回ってその場で眠ってしまった。リーナと呼ばれた少女がカウンターを出てエイジスの背後に回る。

「ねえ咲。こいつもう動けないから上で寝かせるわ。運ぶの手伝ってくれないかしら?」

「うん。仕方ないねーエイジス君は。」

咲と呼ばれた茶髪癖っ毛の少女が足を、リーナが胴体をそれぞれ抱えて階段を登り、エイジスを2階へと運ぶ。

「これでよしっと。」

2人がエイジスを個室のベッドに寝かせ、リーナがエイジスに毛布をかける。

「団長団長ってエリスさんのことばかり。私のことも見て欲しいわ。私だって女の子なのに。」

エイジスの寝顔を見て不満そうにリーナが呟く。

「あはは…。エイジス君はリーナさんのことも気にかけてると思いますよ。そうでなければこうして気軽に愚痴を吐きに来たりしません。」

咲が苦笑しながらリーナを慰める。

「それはそうだけど…そういうのじゃなくて…」

「愚痴相手や友達としてじゃなくて女の子として見て欲しいってことですよね?」

「…。」

咲の問いにリーナは口を閉じて俯く。数秒置いてからゆっくり口を開く。

「アンタだってこいつのこと好きなんでしょ。隠してても分かるわよ。アンタはこれでいいの?」

「それは…」

気持ち良さそうに眠りについているエイジスを横に、部屋には重い空気が流れていた。

最終更新:2016年10月12日 00:36