47ページ目
グリーン王国 王都グリーンバレーのクエスト集会所
「クエストクリア おめでとうございます!」
受付の職員がクエスト用紙に判子を力強く押す音が響く。時刻は既に午後11時を過ぎ、日付を跨ごうとしていた。
「こちらが報酬になります!」
職員が引き出しから通貨や札束をクエスト用紙と引き換えに水素に手渡す。
「100000Z(ゼニー)も貰ったぞ!」
水素が貰った報酬を他の3人が集まるテーブルにバンッと叩きつけるように置く。
「じゃあ、25000Zずつに分けようぜ!」
「おう、それでいいんじゃね?」
小銭の当然の提案に水素も賛成する。
「待てよ。このクエスト、何もしてねえ奴が1人居るぜ。」
星屑が向かい側の席に座っているその人物を睨むように見据える。
「あっ…確かに。こいつだけ何もしてねえじゃんそう言えば。」
ハッとした小銭もその人物の方を向いて言う。
その何もしていない人物とは、紛れも無く李信のことである。
「…。」
2人の視線を浴びた李信はただただ黙りこんでいる。
「まあまあ。こいつだって俺らと一緒に何時間も歩いたんだ。それに先に自分の力を試したいと言って俺と直江を下がらせて戦ったのはお前らじゃん。そうだろ?星屑、小銭。」
水素が2人を宥めようとする。
「俺達2人は必死に戦った。窮地に陥って水素は俺達を救ってくれた。水素のお陰で勝てた。だが直江だけはマジも何もしてねえだろ。それなのに分け前を貰うなんてズル過ぎねえか?」
星屑は右手を目と水平の方向に開いて言う。
「お前ら2人が力を試したいと言うから下がった。お前らの窮地にも俺だけで充分だと判断した。だから直江は戦わなかった、出番が無かった。元はと言えばお前らが戦いたいから邪魔をするなと言ったからだ。直江、お前も何とか言え。」
「その通りだ。」
水素のフォローに李信が静かに答える。
「大体お前ら、俺が居なきゃ今頃生きてねえぞ?こうして帰ることも報酬を受け取ることも出来なかった。だから俺の言うことを聞け。分かったか?」
「チッ仕方ねえな。」
「分かったよ。」
星屑と小銭が水素の言うことを渋々承諾し、報酬は4等分に分けられた。
最終更新:2022年09月04日 15:56