3-23

で?あんたは何を殺して欲しいんだ?
…ああ、別に殺して欲しいやつは居ないんだな。
じゃあとっととか帰んな。
はあ?『何であんたが殺し屋になった』か、だあ?
・・・・フッ。まあいいか。
オレの気が向いたから話てやらあ。


それは5年前だったかな。
オレは全く誰かを殺すなんて事とは無縁だった。
流離いのトレーナーだったんだ。
オレが久しぶりに故郷に帰ると、
旧友がオノゴーリのような形相で
駆けつけて来たんだ。
何かと聞こうとしたら行き成り
『このポケモンを殺してくれ』ってな。
んで、渡されたポケモンが
『ジラーチ』ってポケモンで。
・・・・・ああ、その通り。そいつは『伝説のポケモン』だ。
旧友はまだ顔がオニゴーリっぽくってオレは笑っちまったよ。

でも、いざ任されると困るんだこれが。
まず自分の家に持って帰る。
ああ、ここだ。
それからそこの奥の部屋へ連れて行ったんだ。
その頃はまだ普通に寝室として使っていたんだけどな。
で、だ。
こいつを殺すと思うと冷汗がダラダラ出てきてよ。
まずはヤミラミを出して
ジラーチを切り裂こうとしたんだが・・・・

━━━
[《ヤミイ!》
<ギリッガリガリガリ・・・・>
『ジラー?』
うっそん。全く効いてないよ。
それどころかこっちの耳が可笑しくなる・・・・
図鑑でタイプを確認しよう・・・・
あっ、鋼・エスパーかよ・・・・
そんならマグカルゴを出してっと。。
マグカルゴ、〔火炎放射〕!

《マグーゥ。》
<ボオオオオオオ・・・・・・>
『ジラアアアアアア!!』
すごい泣き声だ。
(この姿を見てるのは耐え切れないっ!)
ミロカロス、〔波乗り〕だ!
《ミロオオオオ!!》
<バッシャーン!!>
<シュウウウウウウウウ・・・・・>
(良かった・・・・これで助かった・・・って、そ・・・んな・・・)
『ジラァ・・・』]
━━━

どうなってたと思う?
・・・そう。オレの前にいたのは
体の半分以上が焼け爛れたジラーチだ。
それから・・・・・

━━━
『ジラァ・・・・』
そんな・・・・くそっ!
マグカルゴ、もう一度〔火炎放射〕!!
《マグーゥ》
<ボオオオオオ・・・・・>
『ジラアアアアアア!!!』
<パチパチッパチッ・・・・・>
━━━
どんどん目の前で燃えていくジラーチ。
オレは目の前が真っ暗になったさ。

でも、ジラーチは燃え尽きる寸前に笑顔を見せてくれたんだ。
オレには何故か分からなかった。

その後、オレは旧友に何故あんなことを
やらせたかを聞きに行ったその時だった。
その時、出てきたのは旧友ではなく警察だった。
オレを捕まえに来たらしい。
誰がこの事を通報したかはすぐに分かった。
・・・・まあ、ここまで話を聞かされてたら分かるよな。
案の上そいつだった。
でも、オレはジラーチを殺した時点で罰を受けるつもりであった。
オレは同行した。
しかし、オレは『罰は受けない代わりに、ここで処刑人にならないか?』と問われた。

話を聞くと、『ここの所凶悪な犯罪が増えてきていて、
住人からは「重い処罰を受けさせるべきだ。」との声が高まっている。
しかし、人を殺せ程の勇気のあるが奴がいない。そこで君にこの選択を』
との事らしい。
何か怪しかったが、オレはそれを承諾する事にした。

それからと言うもの、オレは死刑囚を殺すのはもちろん、
暴れたり町に危害を与えたポケモンの殺害を担当した。
もう何かを殺すのが当たり前になっていた。
情けもかけずにひたすら。
いままで担当がいなかった所為か引っ切り無しに呼び出された。

それから1年が過ぎてから犯罪が無くなってきて、
処刑場はポッポが鳴くぐらいまた静かになった。
もちろん用の無くなったオレは自然に仕事をやめさせられた。

その事を知ってか知らずかオレの家にお前みたいな
『殺害依頼』が度々来る様になった、ってわけ。
勿論、頼まれた仕事は必ずやってきたさ。

・・・・おっと。話が長くなったな。
この事は誰にも話すなよ?
って言う必要の無いか。
じゃあな。

ヤミラミ、今回は大丈夫だ。


ギイイイイ・・・バタン。
最終更新:2021年05月25日 14:05
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