3-30

僕はただのトレーナーだ。特にといった趣味はないけど、
色んな所を旅するのが好きだな。
…と言ってもまだカントーから出発して
ジョウト・ホウエン・オーレぐらいしか行ったことが無いんだけどね。

そんな僕はポケモンセンターで寛いでいる。
今はホウエンのキナギタウンに居る。潮風が気持ちいい。

所で、気になったことがあるんだ。
この町の人が言うには、このホウエンのどこか
3箇所にポケモンが眠っているらしい。
センターにあった古い本を読んでたらその事が詳しく書いてあった。

どうやらだいぶ前に、このホウエンとオーレが戦争をしたようだ。
(勿論、僕はまだ生まれてないよ。)
その戦争は長く続いたけどオーレの方がマルマインが入ってるボールを
ホウエンの3箇所に大量に投下してやっと終わった。
皮肉なことにこの『マルマイン・ボム』は「試作品」で、
最後に落としたのは「試験」だったらしい。
しかし、そこの被害は殆ど無く、被害を受けたのは建物だけ
と言う。実に不思議だ。
ホウエンの人々はこんなことを繰り返さないためにそこに「あるポケモン」
を埋めた、とまで書いてあった。



僕はそこに埋まっているポケモンが知りたくなった。
そういや本には「急流のながるる所、大鯨と老魚を連れて行け。」
って書いてあったなあ。
「大鯨」って「ホエルオー」のことかな?それなら僕のパーティにいるけど、
「老魚」って何だろ?ここのポケモンだろ?
う~ん・・・「老魚」、「老魚」・・・
あっ!もしかして「ジーランス」のことか?
もしそうならパソコンに・・・

カタカタ・・・

これでいいのかな?
「急流」は、この町のすぐそばのことかな?
他に無いし。うん。それでいいだろう。
よーし。行ってみようか。

ザザーーーー

うわあ。こりゃあ流されちゃうな。
ま、仕方が無いか。頼むよーっ!ホエルオー!
「ホエ~~~~」

…………

あれ?ここで潜れるぞ?ちょっと行ってみるか。
ザブンッ

これは何だ?6つの点?
ああ、そういえば「6つの点が3つの扉を開く」って言てた人がいたね。
…読めない。

どうしよう。このままじゃ息が・・・・。
とりあえず上がるか・・・

ザパッ!

ふう。やっと息ができる。
・・・?ここはどこだ?遺跡みたいだけど。
うへあ。ここにも6つの点が。ってかそれしか無いな。
!そうだ。もしかしたら・・・
万が一のためにジョーイさんに許可をもらってさっきの本を
借りておいたんだ。
えっと、この事はどこに載ってるんだ?

ペラッペラッペラッ・・・・

あった。何々?「点字について」・・・
「点字とは6つの点の組み合わせからできる文字であり・・・」
長ったらしいなあ。
「・・・こうすることで点字の意味が伝わる相手のみ解読できる。」
へえ。だから態々この文字を。
で、「あ」がこうで・・・「い」が・・・

よし。やっと分かった。これでここに書いてことが分かる。
えーっと・・・

よし。これで全部分かった。最後に残ったのは「扉」かな?
解読してみようか・・・
「さいしょにほえるおー おわりにじーらんす そして すべてが ひらかれる」か。
この窪みにおけばいいんだな?
コトッコトッコトッ・・・
最後にジーランスっと。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・

ガチャッ ガチャッ ガチャッ

どこかで扉が開いたのか。
じゃあ行ってみるとしよう。

まずは・・・古代遺跡に行ってみる。
ここは当たり前だが砂嵐が酷い。
何とか遺跡にたどり着いた。

中はひんやりしている。
ここにも点字があった。
「ひだりに2ほ うしろに2ほ そこで  いわをもくだくちからを みせてみろ」
岩砕きのことかな?
ひだりに2歩、後ろに2歩、っと。オコリザル、岩砕き!
「モキー!」
ガラガラガラ・・・
扉が開いたみたい。
早速行ってみたけど岩しかn・・・
その「岩」が動き出した。
これが伝説のポケモン「レジロック」・・・・
無機質な感じで目に覇気が無い。
ただの「岩の塊」の様だった。
僕は慌てて戦闘準備をとった。

いけっ!エアームド!
「エアー!!」
エアームド、鋼の翼!

そう言ったときだった。
いや、それより早かったかもしれない。
いきなりその岩の塊が腕の様なものをエアームドに振り落とした。
「エ゙ギャ゙ア゙ア゙!!」
エアームドは文字通り「ぺったんこ」になった。
その銀色の体に赤い血が霧吹かれた状態。もう即死である。
僕は目の前で何が起こったかが分からなかった。
ボールにエアームドを戻そうとしても反応しない。
やけになった僕はカビゴンを繰り出した。

「ゴーン。」
カビゴン、破壊光線だっ!
「ゴーン!」
バシュウゥゥゥゥゥ・・・
全くレジロックには喰らっていない。
当った拍子に体のほんの一部が削れただけ。
反動でカビゴンが動けなくなってる時にレジロックの腕が振ってきた。
カビゴンは何とか受け止めることができたみたいだけど、
とても苦しそうだ。
2発目が飛んでくる。今度は受け止め切れなかった。
頭が吹き飛んだ。
グチャっと不快な音を立てて頭が地面に落ちる。
残った体も押しつぶされて、内臓その他もろもろ詰め合わせでぶち巻かれた。
もう何も考えられなくなった僕はオコリザルを出す。
「モキー!」
クロスチョップを指示したのも空しく岩の塊の腕につぶされる。
その衝撃で僕は数十メートル吹き飛ばされた
オコリザルの死体からは目が飛び出ていた。
ホエルオーを出そうとしたが出てこない。
同じように相棒のフシギハナも出て来ない。
さっきの衝撃の所為で開閉スイッチが壊れたらしい。
岩の塊が僕に近づいてくる。
振り下ろされた腕を間一髪で避けたものの僕の右腕は
在るべきところにはもう無かった。
自分の腕に気をとられて2発目を避け切れなかった。
背中に思い切り喰らった。

息ができなくてへたってしまったそのとき、自分の足にいやな感覚が・・・
両足が無くなっていた。
間髪入れずに最後の一撃。
死ぬ瞬間、僕は分かった。
「伝説のポケモンが強大な力を持っていたからホウエンは大丈夫だった。
 強大過ぎる力を持っていたから封印したのか」と。
僕は目の前が真っ暗になった。
2匹のポケモンと一緒に。


━エンド─
最終更新:2021年05月25日 14:43
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