ペルシアン虐
作者:茶色
AM8:30…朝早くからガヤガヤと店内は騒がしかった
「おい!展示用の毛皮はまだか!」
一室にチーフの怒声が響き渡る
今日はタマムシデパートの一角に、新しい店が入る日だ。
全国にチラシを配り、大々的に宣伝したファッションショップの開店セレモニーを飾る
最高級のペルシアンの毛皮。
それが開店当日になっても届かないのだ
だが幸いな事に、ピリピリと緊張感の漂う店内を打ち破ったのは到着の知らせだった
『チーフ、た、たった今届きました!今すぐそちらに向かいます!』
その店内放送に思わずどよめきが走る
ついに来たのだ。
慌てて巨大なガラスケースの扉を開け、エレベーターが登ってくるのを店員全てが待つ。
”ピンポーン”と間抜けな音と共に、巨大な箱に包まれたそれは現れた
急いで責任者達が集まり、箱を開ける。
だがその素晴らしい作りに圧巻された
「おお…」
まるで生きているような毛並みと艶、そして大きさ
真珠のような…いや、真珠よりも素晴らしい美しさがそこにはあった。
早速丁重に専用のハンガーに掛けられ、飾るためのガラスケースの扉の鍵が閉まる
晴れやかな舞台の裏には想像を絶する事が起きているとも知らず…
「グキャオウ!!ガウゥウ!!!」
無理矢理暗い地下室に首だけ縛り付けられ、不穏な空気の中ペルシアンは暴れまくる。
だが、1度も戦った事も無いまま室内で育てられたペルシアンはまさに猫程度の力だった
1人のトレーナーに溺愛され、何不自由なく室内で育ったネコ。
「よし、脚を切り落とすぞ」
血が体に跳ね返らないようにビニールのコートがきつくペルシアンの体に巻かれていく。
本来、毛皮を剥ぎ取る作業は既に死んだポケモンから作る事になるが、それは「安物」の話だ
やはり、良い物を作るには時間も苦労も掛かる。四肢切断も通常は機械化されている工程だが、今回は違う。
必死でもがくペルシアンが横目に見たのは、巨大な斧を持った男達だった
無理矢理うつぶせに寝かされるような体勢にさせられ、本能的に危険を感じたのかペルシアンは更に暴れようとする。
が、完全に男達によって動きは封じられ…その時は来た
「よし…せえのっ!」
重い刃先が風を切り、ガァン!と大きな音と共にペルシアンの脚が吹っ飛んだ。
「グギャアアアアアァ!!!」
耳障りな絶叫が響く。が、モタモタしてはいられない
飛んだ脚は素早く回収され、一足先に毛皮を剥がされていた。
一方、脚を切り落とされたペルシアンはショックでヒクヒクと痙攣し始める
「おい、薬持って来い!」
素早く体に巻きつけられていたビニールが外され、両脚の切断面に薬品が塗られていく。
だが本体がここで死んでしまっては全てが水の泡だ。急いで回復薬が動脈から注射された
だんだんと意識が戻ってゆくペルシアンを待っていたる激痛。
「ギャオオオゥ!ヴァガガアアッ!!!」
気が狂わんばかりに苦しみ、もがくペルシアンに救いは無かった。
すぐにナイフを持った男がすっ、と隣にしゃがむと丁寧に首に切れ目を入れていく
決して頸動脈には触れないように、あくまで「毛皮」の部分だけを切る。
絶叫は怒りから恐怖の色に変わり、首を左右に振る姿は本当に惨めなものだった
けれど、もうすぐこの恐怖の時も終わる。
切り目が入れられた首に、ずぶりと指が入って来た
目を見開きながらペルシアンは「ギャィィ…」と小さく叫ぶ
そして、ものすごい力が男達の指から伝わった。
ミリミリと皮膚が剥がされて行き、襲い来る苦痛に断末魔とも思える絶叫を上げるペルシアン。
ぐいぐいと容赦なく美しい毛皮は引き剥がされていき、だんだんとペルシアンの体はつるつるとした赤い皮膚に変わっていった
「フンっ…ぐうー!」
毛皮を引き剥がしている男達も相当の力が必要なのか、顔を真っ赤にして必死に引っ張る
ギチギチとゆっくり白かった体が赤くなっていき、ペルシアンがピンクマウスのような体になるまではしばらく掛かった。
- 驚いた事に全ての毛皮を剥がし尽くした後もペルシアンはしばらく生きていた。
体は見る陰もなく、虫の息で、それでも死を拒絶した
やがて頭を掴まれたかと思うと、黒いビニール袋に閉じ込められた。
ズルズルとそのまま運ばれて行く先は、焼却炉
責任者達が満足げに毛皮を見つめた後、開店10分前のチャイムが鳴り響いた
「よし、君達はそれぞれの売り場に付くように!接客は笑顔第一!」
はい!と口を揃えて店員達は売り場へと散って行き、もうすぐ店は開く。
誰もこの毛皮の「持ち主」を気にかけはしないだろう
ガラスケースの隅には\10,000,000と書かれたシールが貼られていた。
最終更新:2011年04月16日 14:28