役割理論
役割理論の基本
簡単な例を挙げて説明する。
お互い技はひとつだけ、道具も持っていない状態で上の2匹が初手対面。
| 自分のポケモン |
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相手のポケモン |
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りゅうせいぐん |
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ジャイロボール |
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オーバーヒート |
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たきのぼり |
①初手はラティオスVSナットレイだが、ここでラティオスの取れる選択肢は「りゅうせいぐんで攻撃」「ヒードランへの交代」の二通りがある。
ラティオスがナットレイに倒された場合自分の残りポケモンはヒードラン。これではギャラドスに勝つことができないので、ラティオスをヒードランに交代する。
②鋼1/4のヒードランはジャイロボールを余裕で受けることができる(1割程度のダメージ)。そして今度はナットレイ側が不利な対面になった。
ナットレイがここで倒されると相手はラティオスを突破できないため、当然ギャラドスに交代する。
炎半減のギャラドスにオーバーヒートは3割くらいのダメージ。このまま撃ち合わせてヒードランが倒れた場合ナットレイを突破することができなくなってしまうので、たきのぼりにラティオスを後出し(ダメージは2割くらい)
③同じ流れでナットレイがラティオスに向かって出てくると、りゅうせいぐんで3割ほど削れて最初の対面に戻った。こうやってお互いが有利なポケモンに繰り出しながら相手を削っていく展開をサイクル戦と呼んでいる。また、サイクル戦の中では常に「Aを倒すためにBが必要」という考えの元交代出しを行っており、その状態を「BはAに役割がある」というふうに表現する。(厳密に言うと一般的に使われる役割理論の定義とは異なるが踏み込んだ解説は後述に譲る)
④ところでサイクルが1週した段階で各ポケモンのHPを確認すると、その削れ方に違いがあることがわかる。上の例だと残りHPはそれぞれ

8割

7割

9割

7割
という感じで有利な状況にある。この差は各ポケモンの使う技の威力や繰り出す際の耐久・タイプ耐性によって生じたもので、こういった削るスピードの競い合いをダメージレースと呼び、このままサイクル戦を続けた場合いずれ交代出しで攻撃を受ける余裕がなくなって、ダメージレースで明らかに優位に立っているラティオス・ヒードラン側が勝つとわかる。
⑤3サイクル目に入るところ(ラティオスナットレイ対面)。この先ヒードランがギャラドスより早かったら…?

6割

4割

8割

4割
ギャラドスはヒードランに繰り出してもオーバーヒート2連発で倒されてしまうため後出しが効かない。こうなるとナットレイが焼かれるしかないためその後ギャラドスにヒードランが倒されても死に出しラティオスのりゅうせいぐんで勝つことができる。このようにしてヒードランが役割対象のナットレイに炎技をぶつけることを役割の遂行と呼び、その時の技を遂行技と呼んでいる。
⑤さて、今回はたまたま技を1つしか持っていない想定で話を進めたが、実際のポケモンバトルでは技を4つまで覚えることができる。
例えばギャラドスがこおりのキバを覚えていたとして、ヒードランからラティオスへの交代読みで使うことができれば次の繰り出しを許さないくらいのダメージになる。これを役割破壊技と呼ぶ。しかしヒードランはこおりのキバを1/4に抑える耐性のため、居座られた場合ほとんどダメージが通らない。これがこおりのキバでなくストーンエッジなら、役割破壊とまではいかずともダメージレースをある程度有利に進めつつ、ヒードランが居座ってきた場合でもそれなりにダメージが入るため比較的リスクの低い選択と言える。このように対面の役割対象と、受け出しで出てくる可能性のある相手に共通してダメージが通るかどうかを「一貫している・していない」といったふうに表現しており、相手の行動に依らず安定した勝率を得るためには重要な要素になってくる。
エースについて
最終更新:2014年02月19日 05:32