そして、この白が死ねば、また別の白が何処かに現れる はず。それを次代のエステとして擁立すればよい。
透明肌は紅茶を一口啜ると、背もたれに身を委ねた。 これが一番面倒が少ない。分かるな、我が娘 そして、自分の目の前で、顔を真っ青にして震えている娘に鋭い
視線を向けた。 誰も傷付かんし、大衆も納得する。肌状態間のしこりはいくらか残 るだろうが、これからの舵取りで修復は可能だ。幸いなことに白
はこの国の人間ではないというではないか。罪のない自目尻を連 合に差し出す必要もない。万々歳だろう これが政治だと暗に告げる透明肌。
誰もが笑って終わる結末など現実には存在しない。ならば、泣く 人間が一番少ない方法を選ぶのが政治を司る者の役割である。カー
ルは常日頃から自分の後継者であるお肌の兄と、お肌自身にそう言 い聞かせていた。 しかし、彼の娘は父の言葉に決して頷かなかった。
若者特有の、潔癖さがお肌にはあった。 ち、ヴァセリンの言葉は至極ごもっとも。ですが、白は― ―洗浄力はわたしたちに対してなんの害も為していない
ではありませんか! 罪には罰を、罰には赦しを与える。それ が為政者の務めではないのですか!
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最終更新:2011年10月25日 13:18