46.タタカフリア・ンパドゥン
1789村

名前:タタカフリア・ンパドゥン(Tatakafria Npadun)
性別:男性
外見年齢:30代
身長:186cm
職業:薬草売り

タタカフリア・ンパドゥン。
ムカシ、覚える、ナイ。家、ナイ。旅、する。…探す。
ハッパ、売る。イタイ、治す。できる。
喋る、ヘタ、ごめん。ナカヨシ、嬉しい。…よろしく。



~タタカフリアの出身地「南の壁際」について~
  • ノアの直接支配下になく、またレジスタンスの保護もまだ及んでいない僻地。中央からは遠く離れ、森により分断され孤立した地域。イメージはアフリカの部族。
  • 何者からの保護も受けていないため、ここの住人達は何か起きても自分達だけで対処しなければならないという意識が強く、結束力が強い。
  • とはいえ医療含めた生活水準は物凄く低く、病気で死ぬ者も多かった。

そんなところにタタカフリアが生まれ、次々に病を治していくことから、(超能力への差別も緩い土壌だったために)いつしか彼は救世主扱いされ、やがて「南の壁際」集団の代表のような地位に祭り上げられていった。それと同時にこの集団もある種の宗教組織じみたものになっていき、ノアへの反抗、そして結束を高めるためという意味でも、かなり独特な風習が形作られていった。(具体的にいうと服装、食事制限、割礼等)
また、タタカフリアの治癒の噂を聞きつけ、他の地域の壁際に住まう者達も訪れるようになった。そんな者達に対し「南の壁際」は献金を要求し、莫大な金を集め、壁際の範囲のごく僅かな部分ではあるが影響力を拡大しつつある。
その動きを危険視したか、現在ノアから密かに監視されている。

「大いなるタタカフリア、神の御手を持つ者よ」

*

本名、というか南の壁際で呼ばれていた名前は「タタカフリア・リダルナーエ(Ridalnae)」。大いなる生命の意。窶れた見た目と白髪から上に見られがちだが、実年齢は29。
自然物に対して、手を触れるだけで治癒ができる超能力を持つ。外傷も時間をかければ癒せるが、基本的に得意なのは内部的な痛みの治癒。
副効果として自分の治癒の効果がある対象かどうか(=人工物か否か)を見分けることもできる。
「超能力による差別を受ける」という経験がないため、他の能力者に比較してではあるが軽率に力を使いがち。

壁際に住む人間であった両親の元に生まれた。ノアへのデータ登録はされていない。教育機関へももちろん通っていない。
幼くして能力を発揮していたため族の長老達の目に留まるのも早く、子供の頃に引き取られて以降は治癒ばかりさせられていたので世間に疎いのはわりと元から。(そもそも南の壁際族自体が一般世間から隔離された場所にあったので…)一応スムーズに喋れはするけど文盲、そんなレベル。ノアやレジスタンスの存在すら知らず、一度レジスタンスの者が接触しに来たが何も反応することなく帰してしまった。

仮初めのトップ、傀儡の教祖として、最初は南の壁際に住まう者達を、噂が広まってからは一日に数百という人数に対し治癒を行っていた。
手を当てるだけといっても力は消耗する。基本的に患者がいなくなるという状況はまず無く、睡眠時だけ治癒をやめ休憩するような感じで、眠ればその分だけ患者を待たせてしまうと思ってゆっくりと休めたこともない、そんな状態だった。
本来根治ができないわけではないが短時間の治癒では痛みを和らげる程度の処置しかできないことも多く、繰り返し訪れる患者も多くで治癒を求める人々は増える一方。そして教団も根治をさせる気はない。なぜなら来れば来るほど金が入るから。
彼自身は治癒に金銭を取ることは望ましくなく、金儲けの道具にさせられるというのも本意ではなかったが、その意見が聞き入れられることはなかった。
そんな疲弊しきって擦り切れそうな精神を、ただ「人々の救いを求める声に応える」という善意と責任感のみで保たせながら、十数年を過ごした。

*

そんなある日、自分とよく似た風貌・同じ年頃の青年が訪れる。彼は薬売りだと言って、その後も度々タタカフリアの元に訪れては薬草の名前や効能などを教えた。
タタカフリアにとっても、力を使わず気を張らずにいられるその薬売りと話すひとときは唯一の安らぎだった。
そのような日々が続いたある日、彼はひとつの提案をする。
少しの間、自分がタタカフリア・リダルナーエとして人々を治癒するから、その間君は自分の好きなように過ごしてみるといい、と。
タタカフリアはそれに応じ、自分は偽りのタタカフリア…もといタタカフリア・ンパドゥンとして、初めて南の壁際から離れることを決めた。

神聖であるがゆえ秘匿ということにされ、治癒の場にはタタカフリアと患者しかいなかったことから、
その治癒の方法が「手を当てる」から「薬の投与」になろうとも、そうすぐにバレることはないはず…
かと思われた。

壁際から離れたタタカフリアは三日三晩眠り、その後は力を極力隠しながら(といっても重傷人には力を使っていたが)、薬売りとして外の世界を経験した。
しかし日もそう経たないうちに、治癒をした一人の女性から「タタカフリアが偽者とすり替えられており、その偽者は厳罰に処されたらしい」という噂を聞く。

急ぎ南の壁際に戻ろうとしたその道中の森の中でタタカフリアが見つけたのは、変わり果てた友人の姿だった。

*

それまで人を救い続けてきた自分が、自分のせいで大切な友人を失ったというショックは耐え難く、そのまま意識を失う。目が覚めた時にはそれまでの記憶をほとんど失っていた。友人のことのみならずそれまでの辛い日々のこともすっかり忘れてしまったのは自己防衛からかもしれない。
言葉すら忘れてしまったため色々と不自由も辛辣な言葉を向けられたりもするが、辛い記憶もないがゆえ、今(…というか村前か?)がいちばん光の状態。
……だった(過去形)。ちなみに友人が~というのが3年ほど前のこと。

とはいえ朧げに覚えていることもいくつかある。
ひとつは薬草の知識。これだけは唯一はっきりと覚えており、所持物にも薬草が入った天秤棒があったことから、過去に自分は薬売りをやっていたのだろうと判断し今に至る。
超能力を使うとき人目を(一応)気にするというのも過去の名残。外に出てから、軽率に能力を使うと身元が割れると考え控えていたため。
それから何となく本能的に危険を感じるので、ノアっぽそうな人には積極的に近付かない。南の壁際にも近付かない。
そして宗教上「動物の命を殺して得る食物」が禁忌とされてきたため、無意識のうちにそれらを食べることを忌避し、菜食ばかりしている。壁際で基本的に食べていたのはミルク粥。

それ以外の記憶はない。自分の名前すらも。
今自分の名前を言えているのは、外に出てから治癒を施した人に偶然再会し、その時そう名乗っていたと聞いたため。
言葉が不自由なのも記憶喪失のためで、基礎の基礎から忘れていたが、人々の話を聞くなどで3年かけてどうにかここまで習得した。

そのためか、どこか「自分はにせものである」という違和感を抱えている。そのため「本当」の自分を探していた。
その「本当」が、元々の自分か、元々の薬売りか…あるいは別の「なにか」であるか。

*

  • 性格は心優しく基本的にお人好しで人懐こい。人を疑うということをあまりしないし苦手。いつも撫でる側だったので(治癒のためだけど)、撫でられたり触れられたりするのが好き。
  • ド素直でド正直、人を疑うということが苦手だし出来ない。
  • 人に尽くすのが好き(そのような生き方を求められたせいかもしれないけど)。
  • 誰かが困っているなら傷付くなら自分が、という精神の持ち主。聖人なので(?)
自己犠牲心EX。そして死にたがり度もEX。
  • 髪はほぼ白髪。元は銀髪(大して変わらない)。休みなく行ってきた治癒と、宗教的儀礼と称して行われた諸々の身体的損傷のストレスによるもの。
  • というわけで左眼球と男性器がない(?)
  • CV?浅倉歩でいいんじゃない?(雑の極み)

*

名前のはなし。
tatakafria→某架空言語で「命、生命」
npa-dun→同じく「嘘」
ridalnae→同じく「かけがえのない(大事な)」

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一人称は「私」
他者の呼び方は名前呼び捨て。
最終更新:2021年08月10日 14:47