61.ラーワ・ニャスリ
深海国1202村

名前:ラーワ・ニャスリ(Frawr Nyasri)
種族:精霊ギルデプティス
性別:女
身長:164cm
年齢:忘れちゃったにぇ~見た目は17くらいだよん
職業:巫女~…みたいな?

んぃぃ~…あ、自己紹介?あちしはラーワだよぉ。セーレーサマって呼ばれることのが多いけどぉ。みんなよろしくにぇ~。
あちしの住んでるとこには、カミサマ~っていうか…おかーさんがいてにぇ、強い力で村を守ってるんだぁ。あちしはおかーさんと村人くん達との連絡役~みたいな~。まぁ、村人くん達のお供え物をおかーさんに届けるだけだけどぉ。おかーさんは揚げパンが好きだからにぇ、たくさんお供えしてくれるといーかもにぇ!…あ、あちしが食べるんじゃないよ?うんうん。
あちしが住んでる森はわりとちょっぴり危ないから立ち入り禁止だけどぉ…村はよくも悪くもなーんもない、平和なとこだよぉ。みんな遊びに来てにぇ~。
…んぇ…森に入りたい?…んふふ…どうなっても知らないよん。



かつて、見目は恐ろしく巨大であるが心優しく理性ある一匹の魔物がいた。
魔物はある日偶然クリスタルを見つけたがそれが元で住処を追われ、攻撃を受けながら這う這うの体で辿り着いたとある小さな村の村人たちに匿われた。
魔物はクリスタルの存在こそが争いの種になると悟り、人間達には渡さず秘密裏に自分が持ち続けることにし、恩返しの気持ちも込めてそのクリスタルの力をもって己を助けた村をあらゆる災害や侵略から守り続けることにした。
以降、魔物はその村の守り神として長く崇められるようになった。

しかしクリスタルの力を用いることには弊害があった。絶え間なく襲う食欲。そのために魔物は村人達に生贄を出すことを強いなければならず、また魔物の巨体を維持するためにはその人数も多く要求しなければならなかった。
心優しき魔物にとってその要求は本意ではなく、苦しみ悩みながら生きることとなり、ある日魔物はある決断を下す。

*

「守り神」たる存在のおかげで良くも悪くも周辺諸国から隔絶され、独立したコミュニティとして争いも何もなく平和に過ごせていた村にとって魔法の力は、使いようによっては便利なものであるという認識はほとんど持ち合わせておらず、ただただ自分達の手に余る強大な力であると、ともすれば平和を乱しかねない危険な力だとして厭っていた。

そんな長年魔法に頼らない生活を送り、魔法とはほぼ無縁となった村であっても、突然変異なのか時折魔力を持つ子供が生まれることがあった。そのような子供はすべからく「守り神」の生贄として捧げられることになっていた。
その少女もまた生まれてすぐに魔力を持つことが発覚し、生贄として相応しい年頃になるまで、名前も付けられぬままに、ただいずれ食べられる存在として家畜のように育てられた。

しかし少女が捧げられたその守り神たる魔物は、彼女を食べようとはしなかった。
代わりに彼女にこう告げた。「自分の代わりに、この土地を守ってほしい」と。

魔物は少女にクリスタルのことや力の使い方を教え、また彼女が今まで教えられもしなかった知識を与え、名前を与え、愛情を注いで暫くの時を過ごした。
そして最後に彼女に、自分の肉を糧としてこれからを生きるよう伝えた。

その少女の名はラーワという。

*

ラーワは魔物の言いつけの通りにクリスタルの新たな所有者となり、その力でもって魔物を殺めた。
そしてクリスタルの影響による空腹を、生贄ではなく巨大な魔物の肉を喰らうことによって誤魔化した。
そうして村から生贄を出す必要はなくなり、ラーワは守り神を鎮めた奇跡の巫女として慕われるようになった。

上記のとおり魔物すなわち守り神はとっくのとうに死んでおり、今はラーワが実質それに成り代わる存在となっているが、愛する「おかーさん」の存在が村の人々の記憶から消えてしまわないようにと、守り神は未だ存在しているとし、自分はあくまでそれに仕える者だというスタンスを崩さずにいる。
しかし魔物の骸がある森の中心部は、クリスタルの力により劣化も遅く食べても腹を壊したりはしないようになってはいるものの、何百年という時を経て既に腐臭が満ち満ちており、それに常から接しているラーワの嗅覚はほとんど死んでいる。

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ラーワ・ニャスリ(Frawr Nyasri)
年齢は528歳。胸はD。

元々はたぶん人間(に近い存在)。強い魔力を持った魔物の肉を食べたり何だりクリスタルの影響を受けたりしているうちに、普通の人間を遥かに超える寿命と老いぬ肉体を持つようになった。
ギルデプティスというのは、どこかの神話の伝説になぞらえて誰かがそう呼んだのでそのまま名乗っている。
肩の刺青はかつて生贄だったことを示す証。

名前のはなし。
ラーワ→某架空言語で「花」
ニャスリ→同じく「悲しい」。ラーワが魔物の死を悼んで自分で付けた。

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一人称は「あちし」、二人称は「キミ」
他者の呼び方は名前+くん。
最終更新:2021年08月18日 13:44