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作者:kidakiyama
執筆開始:2008年7月
テーマ: 過去と現在、そして未来が交差する物語


=世界観/あらすじ =

<V X and Z Overture ~世界樹の守人~>
――――――〝出会い〟の章――――――

 本編より遡る事10年前――――――
現実世界とは異なる次元に位置するもう一つの世界……通称『デジタルワールド』。電脳世界を統括・管理する秘密結社『世界樹の守人』が誇る最強の精鋭にして、十人の聖騎士のテイマーより構成された特殊殲滅部隊『エイリアス』が隊長、『終焉の白光』ことエージェント・ヴァイスは自身の半身たる聖騎士オメガモンXと共に〝神〟に仇なす暗黒の軍勢との壮絶な戦いに身を投じていた。
 ある日、主たる〝神〟……マザーコンピューター『イグドラシル』は組織最高のエージェントたる彼に密命を下す。
『目下極秘で進められている組織最大の計画「プロジェクト・アーク」……その中核を為す10人の『選ばれし子供』の素情・実態を調査し、報告せよ』
 イグドラシルの判断に拭い去れぬ疑念を抱きながらエージェント・ヴァイスは重い脚を運んで現実世界へ赴き、黙々と任務をこなす。そして、やがて彼はある一人の少年と運命的な出会いを果たす事になる。
『少年、君の名前を教えて頂けますか……?』
『かがみ とーご! あおぞら幼稚園はなぐみ、4さいです!』
 加賀美冬梧とエージェント・ヴァイス――――出会うべくして出会った二人。平凡な一人の子供と、神に仕えし断罪の従騎士が定めを共にした時、運命の歯車はここから回り始める……。



<本編>
――――――〝再会〟の章―――――――

 嫉妬深くてブラコンだが面倒見のいいヤンデレ姉、加賀美夏姫と気弱で心優しいヘタレな弟、加賀美冬梧。夏休みが始まったその日、家に届けられた謎の小包を開いた事で二人はデジタルワールドに召喚されてしまう。
 目覚めた先は見知らぬ部屋。周りには同じように召喚されてきた他9人の少年少女達。更に彼らを呼んだ張本人……謎の組織『世界樹の守人』が総帥、迫水清十郎が姿を現す。彼の目的は電脳世界に降りかかる“災厄”……『Xプログラム』をバラ撒く『感染源』と呼ばれる存在を見つけ出し、一刻も早く消し去る事。その為に現実世界から10人の『選ばれし子供達』を召喚したのだが――――――
一人だけ、本来呼ばれる筈のなかった者が其処にいた。
「災難だったね。…………加賀美冬梧くん」
 デジヴァイスの誤作動により姉の夏姫に巻き込まれ、本来選ばれる筈のない「11人目」として冬梧まで召喚されてしまっていた。迫水清十郎は決断を迫る。姉を置いて引き返すか、姉と行動を共にするか。危険に満ちた未知の世界に足を踏み入れる姉を放ってはおけず、冬梧は夏姫の傍にいる決意を固める。
「行きます。姉さんを一人にはできません」
果たしてそれは只の偶然か、或いは仕組まれた必然か――――――
これは世界を救う十人の『勇者達』と、平凡な一人の子供の物語。
待ち受ける様々な出会いと別れ……そして再会。
過酷な闘いの末に蘇る、失われた筈の過去の記憶。
 10年という長き眠りを経て、加賀美冬梧の止まっていた運命の歯車が今、再び動き出す……!



<V X and Z Another Episode>
――――――〝別れ〟の章――――――

 本編より二年後……Xプログラムの浸食により生命の殆どが死に絶え、荒廃した死の大地と化した電脳世界において、果敢に闘い続ける戦士がいた。
 彼の者の名はヴァイス。『終焉の白光』……〝ヴァイス〟。漆黒の武神龍ガイオウモンことパートナー・〝スレード〟と共に世界を統治する人造神『イグドラシル』に反旗を翻す〝最強〟にして〝最後〟の『選ばれし子供』。
 行く手を阻む『神』の守護者……組織『世界樹の守人』と聖騎士団ロイヤルナイツを率いる特殊殲滅部隊『エイリアス』。帰るべき世界……そして愛する者を護る為、名を捨てた戦士は傷つきながらも終わり無き死闘を繰り広げる。果たして彼の正体は? その最果てに待ち受ける結末は……?



=登場人物 =
・加賀美 冬梧: 物語の「主人公になる者」。13歳のヘタレ弟。
・ヴァイス: 物語の「主人公になった者」。冬梧と瓜二つの容姿の少年。何故かエージェント・ヴァイスと同じ名を名乗る。
・エージェント・ヴァイス: 変態という名の神父。過去編の主人公にして、全ての鍵を握る人物。
・加賀美 夏姫: メインヒロインにして、冬梧の義姉。15歳。ヤンデレ。
・百合原 千春: 夏姫の同級生。15歳。常識派苦労人。
・二階堂秋哉: 通称チャック。ある意味作中で最も危険な男。17歳。
・羽佐間 絢: ヒロインその2。冬梧の同級生で同じく13歳。未来編でも登場する。
・前田 天斗: 18歳。本来は夏風ブラスト氏の作品『The Capriccio of Vulgar Man』の主人公だが、この作品ではサブキャラクターの一部として登場。
・平野 優衣: 17歳。超絶天然系乙女。
・迫水 清十郎: 冬梧達を召喚した張本人にして、黒幕。何か思惑があるようだが……?


=用語解説 =
◦デジヴァイス
 パートナーデジモンを進化させる小型電子ツール。基本的にはデジモンセイバーズと同一の設定を踏襲。パートナーを収容する機能の他に敵の情報をスキャンする機能やX抗体の反応を探知する機能なども備わっている。
 夏姫達『選ばれし子供達』が持つデジヴァイスはデジソウルに対応し、扱いやすさを考慮した後期型。過去には扱いが困難な反面、出力が大幅に上回る試作型が製造されていたという。
◦デジソウル
 上に同じく、基本設定はデジモンセイバーズと同一。ただし、この作品では人の感情の昂りに呼応して発生する『感情の輝き』を具現化したエネルギー体と定義し、『選ばれし子供』と呼ばれる一部の特殊な人間にしか顕現しない能力としている。個人に応じて対応する属性があり、主にリュウ、ケモノ、ムシ・クサキ、ミズ、キカイ・ヘンイの五種類存在する。

◦固有名
 デジソウルそのものは飽く迄ただのエネルギー体に過ぎず、進化をさせるにはデジヴァイスを介して進化エネルギーに変換する必要がある。パートナーデジモンにつける「名前」はデジヴァイスの進化プログラムを発動する為のパスワードであり、互いの関係にとって必要不可欠なものである。

◦『選ばれし子供達』
 迫水清十郎によって電脳世界に召喚された10人の少年少女達。各々がデジソウル自在に発現させる能力を宿し、パートナーデジモンを持つ。
 一人一人に識別番号……『コード』が与えられており、以下の通りである。
・『コードⅠ(アインス)』
――――平野 優衣&武蔵(コカブテリモン)
・『コードⅡ(ツヴァイ)』
――――海凪 亜里沙&カラクリ(ハグルモン)
・『コードⅢ(ドライ)』
――――二階堂 秋哉&エミィ・マリィ(テイルモン・ブラックテイルモン)
・『コードⅣ(フィアー)』
――――前田 天斗&ポンデ(レオルモン)
・『コードⅤ(フィンフ)』
――――加賀美 夏姫&ダグザ(アグモン)
・『コードⅥ(ゼクス)』
――――羽佐間 絢&ルゥイ(レナモン)
・『コード Ⅶ(ズィーベン』
――――片桐 剛太&キルスメリス(コクワモン)
・『コードⅧ(アハト)』
――――百合原 千春&アーディル(ガオモン)
・『コードⅨ(ノイン)』
――――神楽坂 璃久&トビー(ホークモン)
・『コードⅩ(ツェーン)』
――――吹雪 修仁&ハク(ゴマモン)

◦『世界樹の守人』
 電脳世界を管理・統括する特務機関にして、アナログとデジタルの両世界の監視者。全容は未だ謎に包まれているが組織の全権は『神』ことホストコンピューター『イグドラシル』の決定に委ねられ、組織の総帥たる迫水清十郎でさえその決定には逆らえない。組織の構成員にはSからFまで階級があり、最高位たるクラス『S』まで上り詰めたのは組織史上僅か二人だけである。
『神』直属の親衛隊として十人の聖騎士のテイマーより構成される特殊殲滅部隊『エイリアス』が存在する。

◦Xプログラム
 電脳生命体の闘争本能を極限まで増幅し、オーバーライト……即ちデータの書き換えの異常亢進を引き起こす『強制進化』プログラム。何者かの手により電脳世界に疫病のようにバラ撒かれ、感染したデジモンはデジコアを侵食されて死に至るか、理性を失って暴走する。『選ばれし子供達』の旅の目的はこのウィルスを散布する『感染源』なる存在を見つけ出し、斃す事。

◦『エイリアス』
 組織『世界樹の守人』が誇る人造神『イグドラシル』に仕えし最強の守護騎兵団……並びにその構成員たる戦闘兵士の名称。人為的にロイヤルナイツのX抗体を体に移植されてテイマーとして覚醒した者達であり、各々X抗体で強化された聖騎士をパートナーとしている。身体能力、自己再生能力、敏捷性、耐久力、情報処理速度に至るまで全ての性能が並の人間を遥かに上回り、単体でもデジモンと互角に渡り合えるように改造されている。全員が専用ツール……『デジヴァイス TYPE-X』を所有し、戦闘状態に入ると異形の存在の象徴たる紅い『X』の刻印が右目に浮かび上がる。

◦聖騎士化
 強化兵士『エイリアス』が、体内に宿る聖騎士のX抗体を活性化させて一時的にパートナーとの同調率を高めた状態。右の瞳に紅い『X』の刻印を模したナノマシンの輝きが宿り、人間性を主体とした人格が凍結されて戦闘用精神に純化した殺戮機械へと変貌を遂げる。闘争本能と破壊衝動が極限まで研ぎ澄まされ、あたかも二重人格のように性格が豹変する。ヴァイスの場合、例外的にオメガモンXの因子との共鳴作用により髪の色までが白く染まる現象が見られる。

◦デジヴァイス TYPE-X
 『選ばれし子供達』が使うデジヴァイスより以前に造られた、云わばプロトタイプ・デジヴァイス。試作型だが出力は後期型を凌ぎ、デジソウルではなく強化兵士『エイリアス』の体内に移植されたX抗体の力を動力源としている。『X-CAST』と呼ばれる七段階のリミッターを内蔵し、解除段階に応じてテイマーとデジモンのシンクロ率を上昇させて戦闘能力を引き延ばすと同時に、封印されていた特殊能力が解禁する。

◦シンクロ
 『エイリアス』のパートナー・システムにおいてはデジモンとテイマーは互いに五感と思考を共有する半身であり、パートナー同士の精神的な同調により直接エネルギーを供給される。同調率が上がるに連れて莫大な力を引き出せる反面痛覚まで共有し、パートナーが受けたダメージがそのまま呪詛返しのようにテイマー自身に跳ね返る。デジモンのみならず人間にまで多大な負担を掛ける不完全なシステムであり、テイマーをも傷つけかねない諸刃の剣である。

◦X-LINK
『デジヴァイスTYPE‐X』に搭載される人間とパートナーデジモンの思考をリンクさせる特殊機構。互いに念じるだけで思念により意思疎通を行い、タイムラグを限りなくゼロに近づけたコマンドの伝達を実現する。

◦泥棒猫
 夏姫が多用する言葉の一つ。主に弟に近づく女子に対して使用される。こんな斬新なボキャブラリーをお目にかかれるデジモン小説は今までも、そしてこれからもこの作品だけである。他にも雌狐、雌猫、雌犬などといった関連用語も状況に応じて使い分けられる。

◦「あの女の匂いがする」
 ヤンデレの常套句。テストに出ます。


=今後の展望 =
 過去編、現在編、未来編とひっくるめて、ヒーローの背中を追い続けた一人の少年がやがて自らヒーローになる過程を描く。
 本編のコンセプトは「ヤンデレ姉とヘタレ弟が織りなす流血スプラッタラブコメディ」。デジモンでヤンデレというまさかの組み合わせ。未だ登場していない『選ばれし子供』の登場と、所々過去編と絡めて物語が進行。己の無力に悩む少年とそれを支える者、そしてやがて巡り合う友との『再会』が最大のテーマとなっている。
 未来編『Another Episode』は本編とは逆に真面目路線一筋を目指す。失意の底から這い上がり、戦士として目覚めた少年が己の意思と勇気で未来を切り開く……さしずめ「熱血ヒーローもの」がモットー。本編で貧弱っぷりの鬱憤を晴らすかの如く主人公が怒涛の無敵ぶりを発揮する。本編の後日談であり、第二部へと続くプロローグも兼ねる。

最終更新:2009年09月06日 01:38