「あっ、ああんっ」白いもやがたちこめる広い浴室に、甘い声が響きわたり辺りを埋め尽くしていく。はりめぐらされた湯が波うつなかに、男と女の影がゆらいでいる。「あっ……や、あぁんっ! あんっ……そ、そこは……だ、だめっ……」「そこって、どこだ?」わざと言いながら、男は長い舌で女の尻をさらに奥まで突いてやる。ビクンと身体を震わせ、女は懇願した。「ゃあんっ……だめ、ですっ、デュラン様ぁ」とろけた瞳を向け、女は後ろから自分の尻をかかえこんでいる男を振り返った。首元からたれた汗が上むきの乳房までながれ、桜色をした先端をうるおわせた。「ここがお前の弱点か? かか」「……っ、なの、しってるくせに……」とぼけたそぶりで尋ねる男を、こらえ切れない涙によって滲んだ眼で、非難がましく見つめる。デュランと呼ばれた男は、それを面白がる顔つきで、ますます先ほどからの行為をはげしくした。いや、いやぁとデュランの顔のうえの女は、頭を振ってせつない泣き声をあげる。そのたびに黒檀みたくつややかな漆黒の髪の毛がゆれ、ほそい背中のうえで跳ねるのである。「だめ……だめぇ……」口元ににぎった手をあて、女ははきだすみたいにつぶやく。もはや限界が近いようすで、白い肌はうっすらと色づき、タイルの上に横たわったからだを小刻みにふるわせ、最後に登りつめてくる何かをまちながら黙って男の舌を受け入れつづけた。そして「ぁっ、デュラン様あぁ、ぁあん!」と、水面から陸にあがった魚がのたうつように、勢いよくはずむと、しびれた舌で長いあいだ声をふるわせて叫び、やがてぐったりとした。水にひたしきったスポンジをしぼったみたくとめどなく、温かくてすこしねばり気のある液体がデュランの舌の上にどんどんとながれ出して来る。おのれから吸い、舐めるというよりは、労せずにそれをすくい取って呑みこむだけでよかった。女のからだとは別の生き物になったように、ぬれそぼった花びらだけが、二度、三度なみうった。「ぁあん……また、口だけで……イカされちゃった……」意識をかすみがかった中においたまま、うっとりと女はのべた。「おまえ、ここがまだねだるみたいにヒクヒクしてるぞ。ええ?」「だって、気持ち良かったんですもの……」太ももに、汗や湯にしてはとろみを帯びてゆっくりとつたうものがあった。ぱしゃっと、からだを動かした振動がつたわっていって、すこしはなれたところで水がはねた。見わたすと、大人が十人ははいれそうな大きな湯船である。デュランはよくここでこうして、名目上の妻であるリリィと意のままに睦みあっている。デュランは魔界を統べる王であったが、この国をきまぐれで征服してしまったため、一人娘であり民の憧れだったリリィ王女を無理矢理ものにしてしまったのだ。最初ははげしくデュランに抵抗していたリリィだが、優しく甘く、昼夜問わず夫として彼女につくし、時には有無をいわさず強く抱き、なだめすかしつつも逆らえないことを教えこんでいくと、いまではすっかりこのとおりである。なれないうちはデュランのものを見るたびに、子供のように目を丸くして泣きながら嫌がっていたが、あせらずじっくりとさわらせ、においをかがせ、口にいれさせしていると、すこしずつ免疫がついてきて、やがてはいとおしむ目つきで自分からくわえ込むことができるようになった。ほそい肢体に小ぶりな胸は、いかにもこれから膨らみ咲きほこることを告げるつぼみのように感じられた。まだ年端がゆかず素直なのが幸いして、いちど感情で夫をうけいれてしまえば、リリィはデュランの教えによく従い、感じるままに悦び、自分の官能を高め、いわれた通りに花ひらいていった。デュランも若々しい体をゆっくりと開かせ、女として育て上げ、自分を刻み込んでいくことに、楽しさとよろこびを感じていた。そのためには幼い妻の機嫌を取ったり、これから隣の国をどう陥落していってやろうかと考えをめぐらしている時にうるさく話しかけられて、怒鳴って追い払うわけもいかないので相手をしてやったり、抱き合わない日でもせがむので手は一緒につないで寝てやったり、たまにわずらわしく思う時はあるが、ちっとも苦にならないのであった。「お前って奴は。せっかく洗ってやったのに、またべちゃべちゃじゃないか」さきほどお互いの体を洗いっこしたばかりだが、リリィの太ももはこのまま下着もつけれぬほど、とろとろと幾つもの筋で汚れてしまっている。そうしたのは自分でも、そ知らぬ口ぶりで、デュランはとがめた。「はい……ごめんなさい、デュラン様……」「しょうがねぇなぁ、洗いなおしてやるから、もっかい浸かりなおすんだな」そう言って、長い髪を散らしてタイルの上にうつぶせているリリィを、父親みたく抱きおこして風呂のなかであぐらをかく自分のひざの上にすわらせた。腹まで湯につかり、リリィはなぜか少しあわてた。「少し……熱いです」「ぬるいよりいいじゃないか」主である彼の好みに合わせて温度を調整してある。リリィが落ち着かずそわそわと体をくねらせるのを面白がる目つきで、デュランは柔らかい腿をなでた。「あんっ」足のつけねを両側とも、ほどよい強さでさすられ、リリィは思わず背中から力がぬけじっとした。それをいいことに、デュランは好きなように指を細いしげみにまもられた奥まですすめていった。「あっ、駄目ぇ」ちっとも真剣みをおびない声でリリィは止める。あたたかいがあきらかに湯とは感触の違う、卵の白身みたくとろりと絡みつくものが指をおおい、デュランは口のはしを上げてかすかに笑った。「俺が何度洗ってやっても意味がないじゃないか」「ごめんなさぁい……」「淫乱なやつだな。熱い湯に浸かって反省するがいい」じゃぶんと、自分の身を引き沈めてさらに深く湯船につかる。当然ひざの上に座っていたリリィも一緒に体が下がり、肩までたゆまぬ水面に引きこまれてしまった。「あッ、だ、駄目! わたし、駄目なんですっ……」華奢な肩をばたつかせ、リリィはまじめな顔で立ち上がろうとするが、デュランはくすくす笑いうしろから若妻のからだをかかえこんでいる。「いいじゃないか、そんなに嫌がらなくたって」「ほんと、駄目っ」頭をふって涙目で訴える。笑ったままデュランがぱっと手を放すと、リリィは急いで湯船から出た。実際はみじかい間の出来事だったが、すでにリリィの柔い肌はつよく吸われたみたいに全身が真っ赤に染め上がっているのである。「ひどいっ、デュラン様っ。わたし熱いお湯が苦手って知ってて、意地悪なさるなんてっ」からだ中から湯気を出しながら本気で抗議する。そのようすを、肩ひじをついてデュランは笑いながら眺めた。「本当にすぐ肌の色が変わるんだな。まるで全身薔薇の花が咲いたみたいになってるぜ」「生まれつきこうなんだから、仕方ないじゃないですかぁ」リリィは白雪姫という仇名があるほど、陶器みたく透けた、日焼けのない真っ白な肌をしている。「そう怒るなよ。俺はお前がそうなってるのを見るのが好きなんだ」「こっちは、たまりません……」ふと扇情的な瞳で見つめられて、リリィはどぎまぎと答えた。「じゃあ俺がそっちに行けばいいか」ざばっと、勢いよく立ち上がると、まだ興奮したままの肌を冷ましているリリィのそばへよった。おおうものもなく、ぶら下がった状態でもじゅうぶん大きさのわかるものが目線の高さにあり、リリィは頬を赤らめた。水滴が流れるつるつるしたタイルの上で、デュランはリリィにおおいかぶさり、二人はからみあった。「あっ、あんっ」甘いあえぎが、周囲に反響し、高い天井に吸い込まれてはやがて消えた。デュランが胸のあいだから乳房を、小山を登るみたいにじっくりと舐め、だんだんと舌のつかない箇所がせばまっていくのに応じて桜色の先端はひとりでに立ち上がった。「小ーさいくせに敏感じゃないか」もう片方を、手の平の中できゅっと握りつぶしてやる。痛みではなく悦びの声をリリィはあげた。デュランは面白そうに言った。「やっぱり、このぐらいの大きさのほうが感度がいいんだな。かか、あまり牛みたいな女を相手にしてても、お前より鈍い気がするぜ。そう思わないか?」力をいれすぎずに、何度もすっぽりと手におさめた胸をつぶしてやると、指の間から上向いた先端がはみ出る。リリィはこれ以上ない恥ずかしさで、熱くなった頬をそむけた。まるで河原の透明な小石みたいに、つんと固く、ピンク色に澄んでいる先端を、デュランは口にいれてねぶった。「ぁぅ……」「でも尻はすこし小さすぎるかもな」口をはなし、言ったとおりに華奢で小さな臀部をなで、あいだに指を差し込む。もうすでにとろりと流れ出てくるものがある。「……さっき洗ってやったばかりじゃなかったっけな」「そうです……」「おまえはいったい、何回おれに無駄な労働をさせたら気がすむんだよ」「ごめんなさぁい……」呆れた口調をつくり、デュランは形のよい胸をあさく上下させる妻をみおろした。「仕方ねえな。じゃ、こっちもそれなりに準備万端にしてもらおうかな」つと明るい口ぶりで笑った。リリィは意思をのみこみ、ぴくんと肩を動かす。その瞳は潤いときめいた。そのままタイルの上にあお向けに寝転がったデュランのものに、リリィはそっと顔を近づける。顔をかすかに持ち上げて、わかるか? とデュランは尋ねた。「わかりました、っ、あんっ!」驚いた声をあげる。床に沿うデュランの横にからだをよせていたのが、あっという間にだき上げられ、リリィは逞しい体の上に上下はんたいに寝転がるかたちになった。かすかにかぶりを振り、困って嫌がる。「この格好……いやですっ、いやらしい……淫らな……」育ちの良い瞳を困惑の色でくもらせ、上品な頬を紅く染めている。「同じような体勢で、四つんばいにして後ろから舐めたりなんてさんざやってるじゃねえか」「だって……こんな、恥ずかしい……」相手にせずデュランはつめたく言い返す。太ももをつかまれ、尻をいやおうなしに左右に開けられ、花芯もその上の菊状の秘穴もさらけ出された格好のまま、リリィは首だけ振り返って泣きそうな目を向けた。自分の顔のすぐ下には、夫のものがある。お互いに同時にその行為に没頭してしまうというのが、まさしくそれしか頭にない獣みたいな、浅ましいみだれたことに思えたのだ。「ほら、ん?」腕をのばして自身のものをもちあげ、リリィの小さな頬にぴたぴたと押し当てた。思わずリリィは目を瞑る。はやくしろよ、と言いながら、自分は薄ピンクに深く裂けたリリィのあわいの奥へ舌をさしいれたのである。「んんっ」とっさに喉から高い声がほとばしり、背すじがぴんと緊張する。「ん、ぁ、あんっ」初々しくからだをはずませるが、脚からがっちりと太い腕にかかえられているので、逃げようがない。最後まで抵抗するみたいにかすかに首をふるリリィに、デュランは割れ目からすこし舌をはなすと、「わかるか、と聞いただろ。わかりましたって言ったなら、今さら嫌がるんじゃねえ」「あっ……は、い……デュランさま……」ぴしゃりと叱られ、観念したリリィは根元に手を添えて目下のものを口に含んだ。自分の秘所をまさぐる舌に応じるように、敏感な先端をやわらかい舌でこすり上げ、茎を丁寧に沿ってから、口にいれる。「んふぅ……」立派なものを奥まで口におさめると、思わず鼻から吐息がもれる。苦しげに眉根をよせ、綺麗な顔にしわをつくった。口の中でどんどん硬くなっていく棒に巻きつけるみたいに、舌を動かす。が、デュランが慣れたようすで硬くしこらせた舌をリリィの花芯のなかであばれさせ、膣壁を裂き、奥まではいり込み、すりあげると、「んっ、ふぅ、んんぅ!」じぶんの奉仕に徹するどころではなくなり、頭が真っ白になり、塞がれた喉から泣き声をあげた。しかしやめると怒られるし、ますます筆舌に尽しがたい技巧をもって責められ、わけがわからなくなってしまうので、せめて正気を保ってやり遂げようと、気丈に我をとり戻し、可愛らしい舌で行為をつづける。しばらく二人は、お互いの股間に顔をうずめあって、ぴちゃ、くちゃっと水っぽい音をたてながら、じぶんのすべきことに熱中していた。しかし、やはり先に音をあげたのはリリィだった。不意に唾液にまみれたデュランのものから口をはなすと、焦点の定まらない瞳でうしろをふり返った。「あっ……はぁ、ん……さ……ま……」「ん?」とろけきった眼で、自分をみつめ懇願するリリィを、デュランはあえて気づかぬふりをする。「どうした?」「……も、駄目……あぁっ!!」言うあいだに、ちゅっと中を吸われ、リリィはひときわ大きな声をあげた。デュランの体の上で小刻みにふるえていた白い体が、ビクンビクンと上下する。「ゆるして、お願い……」しゃくり上げながら頼むのを断われず、デュランは体を起こした。蕩けた花芯は、すでに決壊が近いことを訴えるように閉じては開き、頂点まで導かれるのをねだっている。それを承知し、あえてゆっくりと、焦らしながらデュランは浴槽のふちに腰かけた。ちゃぷんと足が熱い湯にさらわれる。そして切ない表情のリリィの汗ばんだ体を、そのうえにすわらせる。「あっ……こんな格好で……」「たまにはいいだろう」「まるで重なり合った椅子……みたいです……」にやりと笑い、戸惑うリリィの腰をつかまえると、濡れきった花芯を下から思いきり突いた。「あ、ああぁあん!!」はばかることなく喉から存分に嬌声が放たれる。じゃぶ、じゃぶ、と二人が体を動かすたびに、足元の水面がみだれ波となっている。「ぁっ、……いつもと……別のトコに……あたってるっ……」真下からはらわたをぐいぐいと掻きまわされる感じがして、リリィは堪らず口のはしから涎をたらす。デュランは気がつくたびにそれをうしろから、舌でぬぐってやった。彼女の全身がゆれるたびに、空中に艶のある髪がおどり、花の香りのような微香を発した。後ろ側からリリィの髪に鼻をつっこんでかぐわしいそれを吸い込みながら、デュランは腰を突き上げつづけた。ふと、きゅうぅと目いっぱいの力でリリィのうちがわが自身を締めつけるのに気づくと、動きを止め、そのまま腰を引き抜いた。ぬるんっ、とまざり合った多量の粘液と共に、あばれていたものがするりと抜け出てくる。事態をのみこめずリリィは哀しげに問いただす。「っ、なん、で……やめちゃうんですかっ?……」「まあ、待て。ちょっと休憩させてくれ」とぼけたそぶりで、あらためて湯船に入りなおそうとするのを、リリィは子供の声で泣きじゃくりながら止めた。「やだっ……そ、んなのっ。もうちょっと……なのにぃ……」やれやれ、とあやすみたいに、頬を濡らす涙を指でぬぐってやりながら、魔王はたずねた。「ちょっとも我慢できないのか?」「……でき、ま、せんっ。デュランさまの、いじわるっ……」「しゃーねぇなあ」物分りのいい兄みたいな表情になって、デュランは完全に浴槽の外に出ると、「じゃあ、頭を下げて四つんばいになれ。犬みたいにな。……もっと、尻を高く突きだせ。そうだ」と命じる。リリィはすぐさま、いうとおりにするのだった。「とんだ淫乱王女さまだ、かかかっ」いい、いきり立ったままのものを、飽きれるほど柔らかい尻のあわいの真ん中へ押し挿れた。「はぁ、あぁん、あぁぁあんっ」今ほどよりもはげしく呼吸をみだして、リリィはなめらかなタイルに胸をおしあてながら、ゆすられるままに体を揺らす。あっ、あぁんっと泣き声に似た甘い歓声が響くたび、ぐちゃ、ぐちょっと、沼をかき乱すのと同じみだらな水音が発せられるのである。「気持ちいいか?」「っ……いぃっ……デュラン様っ……デュラン様ぁっ」「そうか、かか、初めはあんなに嫌がってたくせにな」「あぁああん!」ひたいから汗を飛び散らしながら、感慨深くデュランは言った。すでに何も聞こえなくなっているリリィのわめき声がどこまでもあたりを埋めていく。うぶな花芯は、そそり立つ棒を何度でもいとも簡単にのみこんでいくのである。デュランは、自分の背中にも登りつめてくるものを感じた。「あぁんっ……デュラン様ぁっ……大好きっ……」くちびるが震え、限界まで喉から声をしぼり出したリリィは、デュランが腰をはなすと浴場の床のうえに崩れ落ち、真っ白な体を茹でられたみたいに紅色に染め、全身をびっちゃりと濡らしていた。とろとろと、さっきまでデュランのものを吸い込んでいた花びらから、粘性の液体が流れ垂れている。それを冷静な面持ちで眺めると、うつぶせにたおれこんでいるリリィの髪をすこしつかみ、耳元に口をよせ、異常に端正な顔をした魔王はそっとこう囁いたのである。「今度は、ちゃんと顔が見えるようにやってやるよ」「……はい、デュラン様あ……」若い姫君では、こうされては心が移ってしまうのも無理はない。浴場から帰ったデュランを、待ち構えているものがもう一つあった。じつは今夜はこちらがメインデッシュだと言ってもいい。デュランは髪をもう一度綺麗に整え、上等のローブを着て寝所のビロードのカーテンをひいた。ビクリ、と、音が立つぐらい身をふるわせ、体をひいた女の姿があった。茶髪の髪を一つにまとめ、青い瞳がくりくりと丸い、可愛らしい美人である。キッと、勝気な目つきでデュランを見すえると、若干見た目よりひくい声でのべた。「お放しください! この、恥知らずの、野卑な蛮人が!」「やなこった。お姫様のわりに口が悪ぃなぁ。カカカ」後ろで両腕をしばられているので、ベッドの上で寝転がるしかないのである。それをからかうように、デュランは見下ろしてやる。この女はマリー姫といい、商人が多く経済が発展しているので、デュランが欲しくなって攻め落とした国から連れて来た王女である。年は18で、リリィより一歳うえなだけだが、すでに結婚もしている。今晩のうちに、この哀れな王女もいただいてしまおうというわけである。ピンク色のドレスに包まれた肉体はほどよく豊満で、年齢さながらの瑞々しさと、すでにある程度をうけいれた熟れた感じが服の上からもあらわれている。まるで舌なめずりするような目つきでじぶんを眺めているデュランに気づき、思わずマリーは後ずさった。「か、帰してください。私に近寄らないで」「それは無理だな。言わなくたってわかってるだろう」余談を許さない口ぶりで答えられ、のみ込みの早い王女はいくぶんか諦めた顔つきで、暗く目をふせた。「……わかりました。わたしをいいようにして気が済むのでしたら、臣下や侍女の命の安全とひきかえに、好きなようにしたらいい」「ああ、約束するとも。別に男を殺したって俺になんの利もないしな。じゃ、さっそく」言うなり王女に身をつめたデュランは、マリーをうつぶせにすると、長いドレスの裾を大きくまくり上げ、服を着せたまま下半身だけ露出した格好にさせた。羞恥に震える柔らかな尻に指をくいこませ、たわむれにぱしん、と叩いてみる。「うぅっ」思わず体を跳ね上げさせるマリーをにやにやと眺め、尻よりもっと柔らかく温かいあわいに二本の指を差し込ませる。拒むみたいに閉じた道を、気にせずにこじ開き、指の腹をうちがわに埋めていく。「あ、あぁっ」気丈な姫様だが泣きながらたまらず声を上げる。いやいやするように頭を振るのを、サディスティックな気持ちで見ながら、好きなように中で指を動かすのである。お互いに服は着たまま、王女様の大事な部分だけがぽっかりとあらわになって、いいようにいじられている。「かか、こういうのもたまにはいいもんだろ。新鮮な気分で」「……」「え、どうした? それとも裸に剥かれる方が好みかな?」「……これで、わたくしを貶めたつもりですか?」マリーは気強く魔王に言い返した。ふとデュランは真顔になる。いつもの扇情的な問いかけ遊びがつうじる相手ではない。それが不意を突かれたからではなく、自分を首だけ振り返って見返すマリーの瞳が、まるで何でもない男をみるかのように、恐れや萎縮のない、凛としたものだったからである。「何だと?」「この程度のことで、わたくしを辱めているつもりですか、と訊いているのです。ふふ、王というには、ずいぶん小さなことで、満足されるのね……」せいいっぱい虚勢をはり、気高くマリーは告げた。だが内心はそのとおりではないことは、小さく震える肩をみれば一目瞭然だった。なのでデュランは言った。「強がるんじゃない」「強がりではありません。今から、わたくしを犯すんでしょう。好きなように、されるといいわ。でも、私は、そんなことではけっして汚れないのです。何故なら、わたくしはすでに夫のある身。ただ一人貞操を捧げた、ただ一人の方がいるのです!わたくしはその方にわたくしの全てを差し上げてきた。わたくしはほんとうの男と女の睦みをもう知っているのです。だから、今さら貴方に犯されたところで、何も怖くない! さあ、それで満足されるなら、好きなようにしなさいよ!」ふふんと息を吐いて、マリーは口に笑みさえ浮かべながら、差しだすようにからだをじっとさせた。「…………」言葉をうけて、デュランは真剣に手を止めてしまった。じっさいに、指を挿しいれた秘所の反応を見ても、リリィの時とはすこし違う、いちどは男のものをのみ込んだことのある肉壁のぐあいである。回数は、多くないかもしれないにしても、そう期間の空かないうちに夫を受け容れてきたことがうかがえる。彼女の言い分もよくよく考えをめぐらすと理解できる気もするし、デュランはこのままいうとおりに秘所を奪ってやるのもつまらなく思えてきた。もちろん少々手荒に抱いて、生意気なからだにたっぷり自分をしみ込ませ貫いてやることも出来るのだが、どう煽ったところでどうせ心の中で、夫の顔を思い浮かべて結ばれている気分で自分をうけいれているのだろうし、他の男の使用済みをあなたは喜んでいるのよ、と言われているようなもので乗り気にならなかった。何より気に食わなかったのは、自分をちっとも怖がらずにその辺りの男と同じ重みのない目線で見ていることだった。(泣き喚いて一生俺のからだを忘れられないようでないと気がすまない……とは言わないが、もう少し、真剣に脅えてくれないと、面白くないよな)デュランの中に、ふつふつと黒いとがった欲望が、加虐心をともなって、ミルクが焦げるようにわきあがってくる。そして、ふと目にとまったのは、うつぶせになり尻をつき出して、下着を引きずりおろされているので、かくすことのできず露わになった花びらのその上の、控えめな菊に似た秘穴である。じぶんの中にある欲求がかたまってくるのを感じつつ、デュランはそこに指をあてた。「!? 、っ」ひときわ大きくマリーの尻が上下に震えた。ここは、まだだな。そう確信し、こんどは舌をあてた。さっと、下から上へ撫でてやる。「っ、な、なにをなさるのですっ」すっかり動揺した様子で王女様はとがめた。わざとゆっくりと何気なくデュランは答える。「あなたの尻穴を舐めているのです、王女様」「な、何故そのようなっ……」「ずいぶんあわててるな。ここは、誰にも触れられたことがないのか? そうなんだな?」「当たり前ですっ。そのような、けだものじみた……汚らわしい……」「では、ここを犯して、お前にもけだものになってもらうとしよう」そういうと、しこらせた舌を一点の穴へあてがい、中へくぐらせた。あからさまにマリーの身体が抵抗をはじめる。尻をがっちりつかんで固定してやり、デュランはどんどん舌を中へ、奥へと進ませてやる。イソギンチャクに咥えられているような、伸縮する道だ。てらてらとナメクジが這ったみたいに透明な唾液が、辺りを濡らす。そのまま、突いては引くように引っ込めては伸ばしきって出し入れしてやる。マリーははげしく嫌がった。「嫌、嫌、嫌ぁ!」「言っとくがその反応はおれを喜ばせるだけだぜ」ふんっと、冷たく言い放って、デュランはいっさい舌をゆるめず行為をつづけた。心なしか、ほんのりと身体全体が色づいてきた気がする。調子づいて、ますます舌にこめる力を強くしてやる。マリーの嫌悪の声を合図に、舌を抜くと、一筋の糸が透明に繋がっていた。それを見て、今度は人差し指をくわえて濡らすと、爪がでてないのを確認して皺のおおい穴にあてがってやり、中へと進ませた。「! っ、いやぁ、いたっ……ぁっ……」整った顔をおおきく歪ませ、マリーはふくらはぎのあたりをふるわせた。とうぜんそう簡単にははいらないが、気にせず進むぶんだけいれて、下側にあてて往復させこすってやる。「やだ、やめてっ……お願いです……」本来の少女らしさをうかべた顔で、やっとマリー姫は哀願をはじめた。それを見て、デュランはカカカ、と満足げに笑った。むらむらと湧き上がって来る衝動があった。その高まりを迎え、デュランは熱くたぎったおのれのものを引きずりだすのだった。「っ、ま、さかっ」「そう。ここに、挿れるぜ」じっくりと恐怖を煽るみたく告げる。硬く屹立した先端は、その秘穴よりだいぶ大きい。マリーは信じがたいものをみたように目を見開いた。デュランは楽しい気持ちだった。何も処女花を散らすというのではないが、他の男のものが何度も出し入れされているものを(図らずもそう意識させられたものを)手に入れるよりも、前人未踏の秘所を克服してやったほうが気持ちは高ぶるに決まっている。「嫌です、それだけは、ゆるしてっ」「君らしくない、さっきまでの威勢はどこにいったのかな?」「ごめんなさい……、お願いだから、やめてくださいっ、お願いだからぁっ」「ふぅん、そんなに嫌か。お前が何度も旦那と出し入れを楽しんでる穴と、かわりゃしないと思うけどなぁ。こっちが良くて、こっちがそんなに汚らわしいのか」「だってっ……”そこ”は、あさましい……獣みたい……」聞くものが同情してしまうそぶりで、マリー姫は最後まで嫌がったが、叶わぬことだった。すっかり泣き濡れた瞳でデュランを見つめるマリーの菊穴を、笑みをつくったままデュランは己のものを挿しいれた。「ぁあぁあああ!!」獣に近い叫び声をあげ、マリーは身体中を硬直させた。デュランは顔に汗をにじませ、「今日は貫通式だな」とつぶやいた。可哀相な気もしたが、達成感があった。腰を進ませるのにとうぜん苦労すると、「息を吸え。吸ったらしぜんと力がゆるんで、開くから」「っ……あ……」答えることはできないものの、耳元でいわれた言葉を必死でまもり、痛みを軽減しようとつとめた。なんとか半分くらいまで埋めると、それ以上はせずに、デュランは自分の手ではいりきってない自分のものをしごきながら、ゆっくりと腰を動かして二度、三度往復させた。柔らかい肉の壁が傷つくのがわかり、そっと引き抜くと、それでもすぐに身体中から上がってくるものがあって、菊の穴めがけて出してやった。それは流れて、花芯まで垂れている。放心したように泣きながら、暗い闇へひきずり落ちたまま、未だ戻ってきていないマリーの瞳をのぞきこんで、「……たまには獣になるのもいいもんだぜ」と言ってやった。●おしまい●
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