「…そなたと話しておると、時が経つのを忘れまする」
侍女のお雪に若桜(わかさ)御前が語りかけた。この日、若桜は中秋の夜長の
無聊を慰めるべく、話相手としてお雪を自身の寝所に召していた。
お雪は若桜が今の夫・右馬頭直照(うまのかみ なおてる)のもとへ
嫁ぐまえから付き従っていた侍女で、互いに気心が知れており、一国を
統べる大名の奥方となった今でも、こうして側近くで仕えているのだった。
若桜は当年24歳。顔かたちは大変美しく、輿入れの際に直照は「三国一の
大果報者」といわれたものだ。白桃のごとき美しい肌に、すっきりとした目元、
そしてよく実った豊かな肢体。女として、これ以上のものは無いと言っても
過言でないほどの姿であった。当然直照もぞっこん、惚れ込んでいる。
しかし、夫は夏ごろから隣国へ出陣しており、戻ってこられるのは師走ごろとの
ことだった。当然のことながら、若桜の体には誰も触れることは無く、それが
冬まで続くとなると、男を知った肢体の欲求は膨れ上がっていく。
初めは指などをつかって自分で慰めてはいたが、とうとうそれだけではどうしようも
なくなり、意を決してお雪を召したのであった。
だが、お雪を呼び寄せたはいいが、どうしても恥ずかしさが先にたち言い出すことが
できずに、とりとめのない世間話に終始してしまう。何度か口にだそうとはしたが、
お雪と目が合った瞬間、のどまで出かかったせりふが戻っていってしまった。
かすかに頬が紅潮し、目も泳いでしまう。そして結局若桜は言い出せぬまま、
「お雪、もう遅いゆえ、下がってもよい」
と言ってしまった。「はっ」とお雪は一礼し、立ち上がったが、次の瞬間、お雪は
歩を進めると、若桜と間近に向かい合った。
「あっ」
若桜が小さく叫ぶと同時に、お雪は若桜の唇を奪っていた。そして、同時にお雪の手は
白い寝巻き越しに若桜の胸をつかんでいた。
「姫様。今宵私を呼んだのは、このためでございましょう?」
唇を離したお雪が若桜の耳元でささやいた。まさか、そこまで見透かされていたとは
思ってもみなかった若桜は、自分の望み通りとはいえ、お雪と目を合わせられず、
うつむいてしまった。
「姫様。私は今の殿さまよりも前から姫様のことを存じ上げているのですよ?」
そう続けるとお雪は若桜のたわわに実った胸を揉みしだきはじめたのだった。
「・・・う、ああっ」
「姫様、さぞお寂しかったことでしょう?今宵は私が夜通しで慰めてさしあげます」
お雪は再び若桜の唇を吸うと、自身の舌を若桜の口内へ潜り込ませ、若桜の舌に絡めた。
すると若桜も堪りかねたのか、自分も舌を使い始めた。やがて、二人は唇をからめ、お互いに
抱き合った姿で褥に横たわった。
お雪はさらに、若桜の白い寝巻きの裾をはだけさせ、豊かな乳房を今度は直接揉みはじめた。
若桜の真っ白な乳房の先端には、これまた美しく色づいた突起が、興奮のためかすっかり
硬くなっていた。お雪はそれを指で挟むと、乳房を揉むのと平行してしごきはじめた。
「・・・むうぅっ、んんっ・・・」
これには思わず若桜も反応し、びくりと肢体を震わせた。その拍子に互いの涎で濡れた
唇同士が離れた。するとお雪、今度は離れた唇を若桜の首筋へ押し付けて、吸引した。
さらにお雪は右手で乳房を弄びつつ、左手を伸ばし、今度は若桜の太ももや尻を撫で回し始めた。
太ももは適度に肉がついている。そして、若桜の尻は適度に大きく、尻を揉みたててやると、
若桜は反応を示し、興奮と快感に身もだえした。長年仕えてきた姫様ながら、お雪は
自分のされるがままに身もだえし、自分にすがり付いてくる若桜がたまらなく愛しかった。
もちろん、お雪にそっちの趣味があるわけではないのだが、夏以来ずっと夫の留守を守り、
寂しさと身体の欲求に耐えて来た若桜が、自分ひとりにだけ痴態をさらしているという事実が
あっては、若桜を愛しく思ってしまうのも道理であった。
「・・・ふふ・・・姫様・・・可愛い・・・」
「・・・あ、ああ。そ、そのような・・からかわないで・・・あ、ううっ・・」
若桜の尻を撫で回していたお雪の左手はいよいよ、その谷間へと突入していた。
まず最初にあたったのは、若桜の菊座だった。そこをやさしく撫でてあげると、若桜は
たまらず息を荒くした。だが、女の身には、こちらの穴には睦言での出番はない。そこで
お雪はさらに指を伸ばし、若桜の一番大事なところを攻めたのであった。
「ああ、そ、そこは・・」
若桜の秘所はもうすっかり濡れていた。お雪の手にもたっぷりと若桜のだした液体が
付着している。お雪はいったん左手を若桜の股間から離すと、左手の指を若桜の頬に
押し付け、附着した淫液を若桜に見せ付けたのだった。
「・・・姫様も、思いのほか、お好きなようですのね」
「そ、それは・・・そなたが・・・ああっ!」
愛しいからこそ、若桜に意地悪をしたくなってしまうのである。お雪はすっかり肌蹴ていた
若桜の寝巻きを剥ぎ取った。これで若桜は生まれたままの姿になってしまった。
「ああ・・・!」
お雪は若桜を仰向けに寝かせると、自身も着物を脱ぎ捨て、若桜の股間へと顔を埋めた。
今まで夫にしかされたことはなく、それでも恥ずかしかったというのに、お雪にそんなことを
されてしまっては、もう、たまったものではなかった。羞恥に耐え切れず、若桜は両手で顔を
覆ってしまったのだった。旧知の間柄だけに、余計に恥ずかしい。
しかしお雪はそれにかまうこともせず、舌を若桜の秘所に這わせたり、指でなぞったりして
若桜の御陰を堪能している。お雪に攻められるたび、新たな淫液があふれ出てくる。
「はあぁ、ああ・・・!あっ、あっ・・・ひいい・・っ!」
悶え善がる若桜。お雪の舌は若桜の股間を這い回る。そして、舌は若桜の菊門に到達した。
小さく、可愛らしい菊の花が、若桜が垂らした淫液やお雪の唾液によって妖しく光っていた。
「あああっ、そ、そこ・・・は・・・ひああっ、ひゃうぅ・・・」
そのうちにお雪は若桜の上になり、自身のこれまた豊かな尻を若桜の眼前に押し付けた。
「姫様もお一人で喜んでばかりおられないで、私のことも可愛がってくださいませ。
・・・もしや姫様、殿方への仕え方をご存知ないのですか?」
すると、若桜はお雪のすでに濡れている秘所を口で撫で始めた。さすがに、直照のもとに
来てから数年は経ており、子供だってもう2人いるのだ。それなのに、仕え方も知らないの?
とからかわれたことで、若桜は少しムキになっていた。お雪には若桜のその気持ちがよく
わかるし、そんな若桜を堪らないほどに可愛く思っていた。
「あ、あうっ・・・ひ、姫さま、お上手・・・」
そう言いつつお雪は若桜の陰核を舌で攻め始めた。陰核はすっかり怒張しており、
それがまた卑猥さを引き立てている。さらにお雪は指をつかって若桜の秘所をいじめ
続ける。
「・・・お、ゆき・・・もう・・・もう、駄目・・・このままじゃ・・・あああ!」
若桜はお雪に何か訴えようとしたが、言葉にならないし、お雪も聞く耳は持たない。
そして、そのときがきた。若桜は絶頂を迎えたのだった。そしてさらに、
堪りかねた若桜は失禁してしまったのだ。びゅうっ、としばらくの間、若桜の股間から
聖水が溢れ続けた。そして、ひとしきり出切ると、若桜はあまりの事態にただただ恥じ入る
ばかり。
「姫様」
お雪は優しく若桜を抱くと、再びその唇を吸った。そして、今度は持参した張形を若桜の体に
這わせた。そして、また耳元で囁いた。
「そろそろ、欲しゅうなってきたのではございませんか?」
若桜は答えない。しかし、その表情ははっきりと欲しがっている。それを見越したお雪は
「姫様。もう、よろしいのですか?それでは、私も下がらせていただきまする」
と言った。ここまでされて、今更最後まで相手をしてくれないなど、耐えられない。
「・・・いや、いや」
若桜は短く答えた。返事を聞くや、お雪は若桜を四つんばいにさせ、尻を突き出させた。
突き上げられた尻をお雪は揉みしだき、谷間を大きく広げ、あらわになった肛門や
秘所を再び攻め立てた。
「ああっ、ああっ、ああ・・・」
若桜は尻をくねらせて悶絶した。さらにお雪が揺れる尻をペチンと音がするように叩いて
やると、ぴくりと体を震わせた。ころあいをみてお雪が張形を若桜の秘所に宛がうと、
ゆっくりと挿入させていった。
「・・・あああ、ああああ」
若桜が体をひくつかせながら歓喜の声を上げた。異物が体内に侵入してくるのは、夫が出陣
していらい久々のことだった。お雪はたくみに張形出し入れし、さらに陰核や菊門の愛撫も
加え、若桜の体を攻め続けた。
「・・・・あああ、わらわは・・もう、もう・・・あううう」
若桜は歓喜に涙しながらうわごとのように声を上げ続けた。
このとき若桜は一気にお雪が攻めて、自分が果てるまで続けてくれることを
期待していた。しかし、にわかにお雪は張形を抜いてしまったのだった。
「あっ、ああっ、あうぅ・・・」
張形が抜けてゆく感覚に、おもわず切なげな声を上げてしまった若桜。お雪のほうを
見ると、なんとお雪の裸体から男の一物よようなものが見えるではないか。
「お、お雪。それは・・・?」
それは特殊な形状をした張形で、一方をお雪の秘所に挿入すると、もう一方の先端が前へ
出て、女同士でも男女のような睦言が楽しめるような代物であった。
お雪は若桜の上になると、突き出ているほうの張形の先端を若桜のなかへと入れた。
「ああっ、ひゃあああう」
若桜はまさか女同士でこのようなことができるなどとは思いもよらなかった。その上
夫と交わるときとはまた別種の快感が体のなかを突き抜ける感触に声をあげた。
お雪は若桜へ挿入すると、自身の細腰を巧みに御し始めた。そして、一方の手で体を
支えつつ、もう一方の手で若桜の乳房を攻め立てる。若桜は泣きながら悶え続けた。
一方のお雪も体を動かすたびに自身に入れたほうの張形がうごめき、なんともいえぬ
激しい快感に身もだえをした。
若桜は両腕をお雪の背中に回し、しっかりとお雪を抱きしめていた。唇同士も何度となく
ふれあい、互いの乳房がこすれあった。
「あああ、ああっ、ひいっ、ああん、んん、あああ、もう・・・」
二人の美女のからだ中を歓喜の炎が渦巻いた。二人はじっとりと汗をかき、互いを抱き
しめている。しかし、それでもお雪はまだ自分の務めを忘れては居らず、主人の肢体を
攻め立てて、喜ばせ続けている。
巧みに腰を動かし、若桜の乳房を揉んだり、手を太ももや尻のほうへ回すなどし、愛撫
している。若桜のほうはというと、もはやたまらぬとい感じで、お雪にすがり付いて
歓喜の涙で枕を濡らしながら歓び悶えるので精一杯のようだ。
「はああ・・・姫様、いかが・・・ですか・・・?」
「はああぁん、んん・・・・気持ちゅうて・・・わらわは・・・もう・・・・
耐えられ・・・ませぬぅ・・・・んんっ、あああ」
若桜がもうすぐ果てると見たお雪、一段と激しく腰を動かしはじめた。やがて、若桜は
お雪をすがりつくような目で見つけながら
「わらわ・・・は・・・もう・・・果ててしまいます・・・」
と泣きじゃくった。
「姫様、私もです。ともに、ともに・・・・」
いよいよ二人の動きも激しくなる。
「わらわは・・・ああっ・・・果てる、果てまするぅ、行きまするぅ・・・」
「・・・姫様、私も・・・あああ!」
先に若桜が達すると、それに続いてお雪も果てた。
翌朝若桜が目覚めると、すでに着替えたお雪が朝餉の用意をしつつ伺候していた。
昨晩のことを思い出すと、なんともいえぬ恥ずかしさがこみ上げてきてお雪を
正視できない。
「お雪・・・昨日は・・・」
若桜が言いかけると、お雪は若桜の耳元へ口を寄せ、若桜の尻に手を回して囁いた。
「姫様。殿さまからの御使者で、殿様はもう少し早く師走前にはお戻りになられるとのこと。
・・・・でも、またお寂しいときは、私が殿さまに代わって、姫様をお慰めいたしますわ」
そして、直照が陣中から送ってきた手紙を若桜の懐に差し入れ、再び朝餉の用意を
続けたのだった。