大海の上に、数々の島が点在し、そこに様々な階級、種族の人々が暮らす世界があった一

 今現在、その世界は一応の平和を保っていたが、だからこそ、
 その端々では、より暗い話が平気でまかり通ってもいた。

 「さぁ…お嬢ちゃん、こっちにおいで~」
 「い、いや…」
 とある市街地の路地裏、薄暗く人目も無い場所で、
まだ年端もいかぬ幼女、と形容できる幼子が、今まさに乱暴されんとする瞬間一
 「一ぐあッ?!」
 「その子から離れろ、この外道が!」
 疾風一
 見た者がそれを連想するほど、無駄の無い鮮やかな剣技が、幼子を毒牙にかけようとした男に炸裂した。
 「お、おのれッ!…」
 「去れ。今の剣をかわせない腕前じゃ、勝負にならないわ」
 斬られ傷ついた腕を抱き込む様に、崩れ落ちる男の前に、
 戦士然とした女が一人。
 その姿は、この世界で一般には『レディナイト』と呼ばれているそれだった。

 

 

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最終更新:2008年12月28日 07:28