王国の北の最果て、そこは灰色の険しい岩山と、草木ひとつ見えない荒れ地だけの荒涼とした大地。
その非情きわまりない環境は、容易には人の侵入を許さない。これまでも、北方を目指した
幾多の冒険者を厳然と退け、さらに数多くの人間の命を、乾ききった荒野と
吹きすさぶ冷たい風の中に呑み込んできた……。

つらなる岩山の谷間、峻険な嶺々に護られるようにして、小さな洞窟が口をあけている。
洞窟の入口は岩肌のくぼみにひっそりと、人目を忍んでいるかのようだ。
傍目からとてもそうは見えないが、その洞窟こそ『封印の洞窟』、聖剣の祀られた神聖なる場所――。

洞窟へとつづく細い谷には、道と呼べるほどのものはない。取り巻く風物すべてが
灰白色で、生命の息吹もほとんど感じられない。そんな中を、濃紺のマントに全身を
包んだ小柄な人影が、険しい山肌にすがるように1人登っていく…。

谷は急勾配なだけでなく、こぶし大からはては人の背丈を超えるものまで数多くの
岩塊が転がり、なにより地面の凹凸が激しすぎて、足腰の強い北方の馬も使うことができない。
踏み込むには、徒歩でしか手段がないのだ。

道もない険しい谷をさらに慎重によじ登っていき、マントの人物はようやく
洞窟の入口にたどり着いた。すべてが死に絶えたような、寒々しいほど
殺風景な周囲に慎重に目を配ってから、マントの人物は胸もとの留め金に
片手を持っていき、濃紺のマントをばさりと一気に脱ぎ捨てた!

あとにあらわれたのは、白銀の防具に身を固めた清楚可憐な少女だった。肩当てと
一体になった白銀の軽装鎧に、腰のベルトには白塗りの鞘の長剣を吊している。
深いブルーのひとみと、背中あたりまで長さのあるわずかに青を帯びたストレートの銀髪。
線の細い凛とした顔立ちは、北方系特有の端正な美貌だ。

いでたちから女剣士のようだが、体つきはいたって小柄で華奢。身につける武具が
なければ、良家の令嬢と称しても遜色はないだろう。防具の保護のない腰から下は短めのスカートを着けていて
あらわになった太ももは適度に締まっているものの、目を奪われるほどの色の白さを持っている。

あと少女が身に着けているのは、左腕のやはり白銀のガントレットと、ひざまでの
丈の革ブーツくらい。総じて見れば、持ち味のスピードを最大限に生かすための軽装
といったところだろうか。

少女の名は、サイラ=ファネス。まだ18になったばかりだが、最年少で
王国剣士の称号を受けた剣の使い手だ。それだけではない。サイラ自身は身上を
あきらかにしてはいないが、彼女は伝承にある聖剣士の末裔。かつて3百年の昔
いったん王国を覆い尽くした闇を1人で打ち払ったと伝えられる、聖剣士の血を受け継ぐ少女なのだ。

王国全土は今また、圧倒的な魔と闇に覆い尽くされようとしている……。
3百年の時を置いて突如、東、西、南の三方から、魔物の大軍が津波のように侵攻してきたのだ。
数え切れないほどの悪鬼、魔獣、妖魔から、果ては巨竜までも擁する魔物軍に
長い平穏に慣れた王国軍が満足に対抗できるはずもなかった。

各地の防衛線をまったく支えられずに壊滅、半月のうちにあえなく
王都まで陥とされ、さらに北方へ追いやられていくことになった…。魔軍の執拗な追撃に
北辺の地で王国軍の残党が惨めな敗走を重ねる中サイラは1人
闇を切り裂くと伝説にある聖剣を求めて、過酷な旅をつづけてきた。
『聖剣は、聖剣士の血を引く私にしか使いこなせない――』
サイラは固い決意を胸に秘めていた。必ずや、洞窟に眠る聖剣を手にしなければ。
この世界には死と絶望しかない、滅亡寸前の王国を救えるのはもはや自分だけなのだ――。

事実、魔物達によって聖剣士の末裔は根絶やしにされ、あとは彼女を残すのみ…。
王国軍も崩壊しつつある今となっては、サイラこそが圧倒的な魔と闇に対抗しうる、
人々に残された最後の希望に他ならなかった――。
「はあ、はあ……」
洞窟の入口を前にサイラは片ひざをつき、目をとじて、しばし乱れた息を整える。
華奢な彼女にとって、最果ての険しい山道はやはり、かなりの負担だったのだ…。
まもなく落ち着きを取りもどしたサイラは立ち上がり、腰に手をやると、ベルトに
吊した剣をさっと抜き放った! 彼女がこれまで己の命を預けてきた、白く煌く長剣。
その澄みきった輝きから、かなりの業物と見てとれる。

洞窟の口をしばし見つめてから、サイラは小さくうなずいた。
剣を差しあげて柄にかるく口づけすると、可憐な美貌を緊張させ、封印の洞窟へと踏み込んでいく…。

洞窟の内部は、すべてがほのかな青い光に包まれている。湿りを帯びた岩壁には、
一面にヒカリゴケと呼ばれる苔が密生していて、それらの胞子体がかすかに
青い光を放ち洞窟を淡く照らしているのだ。

封印の洞窟は、最深部に安置された聖剣の魔力によって護られた神聖な場所。聖剣の生み出す強靱な結界により、
わずかにでも魔と闇の息吹を受けたものは、一切入り込めないはずだった。しかし……
洞窟に踏み込んでまもなく、サイラは聖域の異変を身をもって知ることになった。
遭遇した巨大な影が突如、彼女に牙を剥き、爪を振るって襲いかかってきたのだ!

さすがに剣の使い手。魔物の不意打ちを、サイラは反射的に身をふせてかわした。
いったん飛び退いて充分に距離を取り、ひとまず態勢を整える。
「着いて早々、こんなのに歓迎されるなんてね…」
サイラの眼前に立つのは、洞窟の天井に頭がとどきそうなほどの巨躯の怪物。
薄暗い洞窟で細部は判然としないが、ほぼ逆三角形の逞しい肉体に、かなり小振り
の頭部がのっているのがわかる。紡錘形に先細りして、両目が大きく隔たった頭部。

外見的に近いのはトカゲだろうか、魚だろうか。両手の先には鋭利な爪がきらめき、
ウロコが黒光りする背中からは、何条もの突起が突き出している…。
数多の魔物と剣を交えてきた手練のサイラでも、これまで目にしたことのない異形の魔物だった…。

サイラは剣の柄を強く握ると、ダッシュして大胆に距離を詰め、とりあえず急所と
思われる首筋めがけて一直線に刃を突き出した!
キ――ン!
サイラの剣の一撃は、素早く振り上げられた爪に受けとめられた…!
『そんな、反応した…?』
サイラはあわてて飛び退いた。
「こんな巨体に、私の剣がかわされるなんて…!」
決して侮ったわけではない。とはいえ、いかにも鈍重そうな巨体が、あれだけ的確に反応してくるとは予想外だった。
動揺をかくせないまま、サイラはふたたび魔物のふところに飛び込んで一撃を放つ!
だが、彼女の剣はまたも長い爪で受けとめられ、振るわれた腕のあおりを受けて、跳ね飛ばされた…!

「くッ…!」
軽々と吹っ飛ばされたサイラだが、空中で2回ほど身をひるがえして着地した。
「こいつ…、ただの魔物じゃない…!」
目の前の敵は、地上を徘徊しているようなただの魔獣ではない。闇の波動を受けた
はるかに手強い、はるかに邪悪な魔物なのだろう…。

そこから、今度は魔物の猛烈な攻勢が始まった! 距離を詰めながら、長剣ほども
長さのある左右の爪を、それこそ息つく間もないほどの早さで振るってくる!
鋭い爪が空気を切り裂くたび、甲高い音が洞窟内に反響する…!
防戦するサイラも、負けてはいない。振るわれる魔物の爪を身軽なフットワークでかわしつつ、彼女は密かに呪文を唱えていた…。

「剣は通じなくても、これなら…!」
呪文の詠唱を終えたサイラの左手に、白くまぶしい光の弾が発生する!
彼女は剣術以外に、聖なる光の魔法も身につけている。その魔法は、彼女にとってのいわば切り札。
女ゆえの非力を補うため、苦心して習得したものだ。

「いけえッ!」
眼前に差し上げた左手、その先の光弾を立ち塞がる魔物に向けて、サイラはためた気合とともに撃ち出す!
3つの光弾が螺旋状に回転しながら光の尾を引き、一体となって標的めがけて飛んでいく!
まっすぐ飛んだ光弾は魔物の巨体に完璧にとらえ、あたりは真っ白なまばゆい閃光に包まれた!
光弾をまともに受けた魔物は閃光の中、胸のあたりを押さえて苦しげに身をよじる…!

「やああ――ッ!」
サイラはその隙を逸さず、剣を向けると、ひるんだ感のある魔物に向かっていく!

「うぐッ…! はあ、はあ、はあ……」
サイラは洞窟の深部を逃げ惑っていた…。鋭い牙と爪を持つ魔物を向こうに回し、
果敢に応戦したサイラだったが、やはりたった1人、それも小柄、非力な女の身ではどうしても限界があった…。
それ以前に、力の差は歴然だった。魔界の強力な魔物にたいして、彼女の剣と魔法ではまったくといっていいほど歯が立たなかった…。

封印の洞窟、そこはもう聖剣の封じられた、神聖な場所ではなくなっていたのだ。
深く入り組んだ洞窟内は、あまねく魔界から直接噴き込んできたどす黒い闇の波動に
満たされ、血に飢えた凶暴な魔物であふれている…。

逃げ惑うサイラに、聖剣士の凛々しさはほとんど残っていない…。身に着けているのは、防具の下に着ていた麻の衣服のみ。
その着衣も魔物にズタズタに切り裂かれ、さらにあちこちが血に染まってボロ布と化している。聖水で清めたはずの白銀の防具は
強烈な魔物の攻撃にすべて、いとも簡単に打ち砕かれてしまっていた…。

サイラが失ったのは、身を守る防具だけではない。頼みとしてきた愛剣も、魔物の
爪と数回刃を交えただけで脆くも刃こぼれして切れ味を失い、傷を癒す薬草もすでに使い果たしていた…。

「くッ、うう…」
サイラはうつむいて苦しげにうめくと、胸のあたりに手を添える…。着衣の裂け目からのぞく豊かな乳房には
魔物の爪によって与えられた2条の傷跡が斜めに走り、鮮血をあふれさせている…。
すべての防具を砕かれ、着衣を切り裂かれたサイラだが、肉体にもやはり数多くの傷を負っている。
ひどい出血と痛みに著しく体力を消耗し、なんとか剣を振るうことはできるが、切り札である光の魔法はもう使えなくなっていた…。

『…こ、こんなところで、死ぬわけにはいかない…!』
もはや絶望的と言える状況にも決してあきらめることなく、聖剣士サイラは魔窟と
化した洞窟を1人彷徨う――。だが、サイラが地上のまばゆい陽光を見ることはもうあるまい。彼女はほどなく、
この魔窟で魔物たちの毒牙にかかり、はかなく散ってしまうだろう…。

サイラを襲う禍々しい魔物とは? そして、彼女の迎える無残な最期とは……?

魔物からの逃避行の途中、サイラは4,5体のオークどもに取り囲まれ、なんとか振り切ったものの
肩に太ももに、さらに傷を負っていた…。傷からのひどい出血に
時折意識が遠のきにかかるのを、彼女はなんとか気力で耐えている状態だ…。
オークの振るった棍棒に、上半身の着衣はほとんど引き裂かれ、痛々しく傷ついた双乳がいかにも無防備にさらされている…。

追いつめられた彼女は、残りわずかな体力を無理に削って光の呪文を放ち、強烈な閃光で包囲するオークの目をくらませ
その隙に乗じて逃げ延びたのだ。オークたちは振り切ったものの、そこからの逃避行は地形があらたな障害となった。
たどる道筋はしだいにアップダウンがきつくなり、加えて落盤でも起きたのか、岩塊でいたるところがふさがれるようになってきた。

サイラは折り重なる岩をひとつずつよじ登り、滑り降り、岩の間隙に身を押し込むように、懸命に先へ先へとすすんでいく。
オークが追ってきているかもしれない以上、引き返すことはできない。五体満足でも決して楽ではない障害に、サイラは傷ついた身をおして立ち向かう…。
残り少ない体力がさらに削り取られていくのを、サイラ自身感じていた。
しかも、岩肌にむきだしの傷が触れ、耐えがたい痛みが何度となく全身に走る…。
それでも、彼女には眼前につらなる障害を乗り越えるしか活路を拓くすべはないのだ…。

そして、ようやく最後の裂け目を通り抜けたとき――、サイラはひじ当てやブーツなどの最低限の装具を除いては、ほぼ素裸となっていた。
岩のあいだをいくつも通り抜けていくうちに、着衣は岩壁の突起に引っかかって少しずつ裂けていき、ほどなく無残に剥がれてしまった…。
無数の傷を負ってはいるが透けるように白い裸体の、華奢な体つきにしては豊かな美乳も、股間のうっすらとした銀の茂みも、すべてあらわとなっている…。

「あくッ…!」
襲ってきた強い眩暈に、サイラはその場に片ひざをついた…。無理に無理を重ねてきたのが、ここにきて一気に噴出したようだ。
異常に激しい動悸を抑え込むように、むきだしの乳房のあいだにぐっと左手を当てる…。
体力の消耗も深刻だが、着衣を失ったのもかなりの痛手だ。ほとんどボロになっていたとはいえ、体を覆ってくれていた最後の防具だった。
無防備に素肌をさらす今、魔物の毒牙にかかって倒されれば、乳房や秘部を狙って責められかねない…。

「た、立ち上がらなきゃ…!」
サイラはみずからを奮い立たせるようにつぶやき、岩壁に手をかけて立ち上がる。
周囲に魔物の気配は感じないが、こんなところにとどまっているわけにはいかない。
息づかいと胸の動悸がいくらか落ち着きを取りもどすと、サイラは岩壁にすがったまま歩き出した……。

しばらく歩くと洞窟の道幅はしだいに広くなり、まもなくちょっとしたホールほどの空間に出た。
構うことなくそのまま行き過ぎようとしたサイラだったが、ふと岩のくぼみに転がる白いかたまりに気がついた。

「……あッ!」
白いかたまりは人骨だった。人間の1体分がほとんど乱れることなく、ヒカリゴケ
の光だけのほの暗い中に、白々と浮かび上がっている。サイラは剣を構え、少しずつ白骨との距離を詰めていく。
ただの死体と見せかけて、かりそめの命を吹き込まれたスケルトンかも知れない。戦闘能力の低い人間を手早く狩るため
知能に長けた狡猾な魔物がよくそんな罠を仕掛けるという。だが、サイラはすぐに警戒を解いた。
すぐそばまで近づいても、魔物特有の邪気は感じない。傍らにひざまずくと、彼女は横たわる白骨を探り始める…。

「これは…」
慎重に白骨を探る手に触れたのは、頭蓋骨の下にまとまって残る髪だった。暗い中で色合いまではわからないが、長さは肩より少し長いくらいだろうか。
死体には銀色のブラとパンツも、生前身に着けていたまま、白骨に貼りつくように残っている。軽装鎧の下に着ける金属製の、防具と下着を兼ねたものだ。
死体の傍には、やはり所持品のひとつだったであろう、折れた細身の剣…。

「この人も、女剣士だったのね…」

白骨となって横たわる女剣士。この魔窟に踏み込んだ目的は定かではないが、現在のサイラと同じく魔窟を彷徨い歩いたすえに、ここで最期を迎えたのだろう…。
しばし無言で見つめていたサイラは、白骨の着けているブラにためらいつつも手を伸ばした…。
防御力は微々たるもので、胸と股間だけしか保護できないが、この苦境にあっては、のどから手が出るほど欲しい防具だ。

「ごめんなさい。これ、使わせてもらいますね」
骨を破損しないよう慎重にブラとパンツを外しながら、彼女は静かに語りかける。
死者への冒涜という誹りは免れないだろうが、死体が力尽きた女剣士だとすれば、
同じく苦境に陥っているサイラが着衣を使ったとしても恨みはするまい。
ブラとパンツを外したサイラは立ち上がり、まずパンツに脚を通し、つづけて傷を
受けた美乳にもブラを着ける。死体に触れていたものをそのまま素肌に着けることに
当然抵抗はあったが、この際そんなことも言っていられない。

いざ身に着けてみると、意外にも快適な着け心地だった。ブラの肩やわき、パンツの左右は
ゴムに似た伸縮性のあるベルトになっていて、とくに調整しなくても身体にぴったりフィットしてくる。
それに、じかに素肌に触れるブラとパンツの裏地には、手触りのよいなめし革のような素材が張ってあり
金属の硬さや冷たさといった類はほとんど感じない。ビキニ姿となったサイラは、岩壁に立て掛けていた剣をふたたび握り
洞窟の出口を求めて歩み出す――。

岩塊の折り重なる難所を越えてからはいたってゆるやかな道を、サイラは気を張りつつ歩いていく。
あらたな防具を得たことで気持ちが引き締まり、足取りはそれまでよりかるく
全身の傷の痛みも心なしかやわらいだように感じていた。だが……

「くッ…?」
素肌に着けたビキニに違和感を覚え、サイラは不意に足をとめた。
突然感じたのではない、違和感は着けてまもなくからあった。ブラとパンツの内張が肌に吸いついてくるような
不快感に近い、かすかな違和感…。当初は素肌に密着したなめし革が、湿気を帯びただけと思っていた。
だが、違和感は次第にその度合いを増してくる…。

「ひゃああんッ!!」
あらためて数歩踏み出したところで、サイラはあえぎとともに身をのけ反らせた!
今回は気のせいなどではなかった。パンツの内張のなめし革が大きくうねり、彼女の秘部を強烈にこすりつけてきたのだ…!
それはちょうど、牛の舌のような生温く湿った肉塊に、ベロリと舐められたような感触…。
「ひあッ! あ、はああッ!」
つづけてよがった叫びを上げると、サイラは剣を手放し、両手で乳房を包むブラを
わしづかみにする! パンツの内側の動きと連動するように、ブラの内張も柔らかな
乳房にまとわりつき、もてあそぶように揉みほぐしてきた…!
サイラは動転しつつも、つかんだブラとパンツを体から引き剥がそうとする!

「くッ、そんな! 脱げない…ッ!」
何度強く引っぱっても、ブラもパンツも剥がせなかった。どちらも素肌にぴったり
と貼りつき、しかもゴム状のベルトは植物の根のごとく醜く変形し、素肌を浸食でもするように食い込んできている…。

「ぐくッ! うくうッ! くうああッ!」
敏感な部位への責めを歯を食いしばって耐えつつ、なおも剥がそうとあがくサイラだが
ブラとパンツの内張の動きはみるみる激しくなっていく! まるで彼女の必死の抵抗を、封じ込めるかのように…。
「きゃああッ! くッ、うああ――ッ! ふあッ、あああ――んッ!!」
なんとかその場に踏ん張っていたサイラも、格段に激しくなる責めにくずれるように両ひざをつき
それでも収まらずうつぶせに倒れた…。胸と股間を手で押さえ、全身をビクビク痙攣させるサイラ…。
これまで感じたことのない、脳天を刺しつらぬかれるような鮮烈な感覚が、彼女の体を何度も何度も走り
抜けていた…。責められる部位はかっと熱く火照り、その灼けた熱さがたちまち全身まで回っていく…!

「くああッ! だッ、だめえ――ッ!! いッ、いやああ――ッ!!」
激流のように襲いくる未知の性感に、ともすれば屈してしまいそうになる。
だが、いったん屈してしまえば後もどりのきかない暗黒の底まで引きずり込まれてしまうだろう…。
それを本能で感じ取るサイラは、嬌声を張り上げ、泣き叫びながらも責めに必死に抵抗する…!
だが、その闘いにほとんど勝ち目はないだろう。ブラとパンツ、淫具と化したその
どちらも剥がすことができず、苦痛から逃れようとブラとパンツの表面をいくら爪で掻きむしっても、内奥での責めはわずかも衰えない…。

「はッ、はああああ――んッ!!」

悲痛な叫びとともに、まもなくサイラはイッてしまった……。

それから、しばらくの後――。サイラは洞窟の天井を虚ろな目で仰ぎつつ、力なくその場に横たわっていた。
獲物が絶頂に達したあと、ブラとパンツはその責めの手をゆるめているが、立ち上がるだけの気力も体力も、今の彼女にはなかった…。

「うッ…?」
横たわるサイラが身をふるわせ、小さく声をあげた。下腹部での、あやしげな動きを感じていた。
パンツの内張が彼女の股間のあたりに、みるみる凝縮していく…。

「きゃあああああ――ッ!!!」
次の瞬間、サイラは絶叫して、むきだしの両脚をばたつかせた! 凝縮した内張が
極太の突起を形成し、サイラの肉体を奥深くまで一気につらぬいたのだ!
幼少から聖剣士として育てられたサイラは、18にしてまだ処女だった。
性の知識など皆無な彼女は、未経験の秘部の激痛に混乱し、地面をのたうち回る…!

「あッ、いあああ――ッ!! だめえええ――ッ!!」
体内に侵入した突起は、そこから激しいピストン運動を開始する!
力強い肉塊が、少女の肉体の奥底、最も繊細な部位を猛然と責め立てる!

「いッ、いたい――ッ! きゃあああ――ッ!! た、たすけてええ――ッ!!」
抗おうにも、肉塊に突き上げられるたびにサイラの意識は真っ白に飛んで、なにも考えられなくなってしまう…。
激痛に混じった性感に、いちいち反応してしまう肉体も、抑えることができない。
はじめての挿入にわれを失ったサイラにも2つの淫具は容赦なく、性の責めはその激しさを増すばかりだ…。

「くうあああ――ッ!! はッ、はうああッ! とッ、とめてええ――ッ!!」
白銀の髪を振り乱しながら、地獄の責め苦によがり狂うサイラ…。
挿入された肉塊が暴れ回るたび、肉体の芯を突き抉られる様な凄まじい肉感が襲うのだ…。
苦痛をわずかでもやわらげようと、彼女も必死だ。
左手はブラを、右手はパンツの股間をつかみ、食い込むほどに爪を立てる…!

『ま、まさか…、罠……?』
地面を転がり回り、肉感の奔流に苦しみもだえながら、サイラはみずからの不運を直感していた。
それを証明するように、ブラとパンツは醜く凹凸の刻まれた、人面疽にも見える禍々しい形状へと変形している…。
だが、彼女がそんな直感を抱けたのも、ほんの一瞬にすぎなかった…。

「いやああああ――ッ!!」
サイラは裏返った叫びとともに、うつぶせだった上半身を跳ね上げ、両手をパンツの尻にあてがった!
アナルにまで、肉塊を突き入れられてしまった…! ヴァギナを犯されたのとはまた違う衝撃が
彼女の全身を電撃のごとくつらぬく!ブラの内側での搾乳責めに加え、前後の急所に打ち込まれた
2本の凶器はドリルのように回転し、互いが連動して獲物の肉体の奥底をメチャクチャにかき回す!

「あくあああ――ッ!! くッ、くうううッ!! ああッ、きああああ――ッ!!」
1本でも限界を超えていたのに、それが2本となってはもはや絶望的だった。痛みとも
性感とも圧迫感ともつかない感覚の激流にさらされ、サイラは牝鹿のような叫びを張り上げるのがやっとだった…。
そして、ものの1分も耐えられず、彼女は精魂尽きたように意識を失った…。

胎児のように背中を丸めた姿勢のまま、サイラはうずくまっている。すっかり紅く火照り
汗の浮いた素肌。失神してもなお抑えられない全身の痙攣は、彼女を苛んでいた
凌辱の激しさを、なにより如実に物語っている…。秘部からあふれた淫液も
たまらず失禁した小水も、パンツの隙間からはまったく漏れ出てこない。すべては、パンツの内張に吸収されたようだ。

「あ、あ……ああ」
完全に意識を失ったサイラが、わずかに身をふるわせ、小さく声をもらし始める。
前後の責め具がそろって引き抜かれたあと、今度はブラとパンツの内張に
性感帯を舐めるように、なでさするようにソフトに弄ばれていた…。

「あう…、あんッ…!」
しだいに高まる心地よい刺激に、サイラがまもなく目を覚ますと……
「ひぃあああああ――ッ!!!」
その途端、またも2本の肉塊が柔らかな部位を引き裂いて乱入する!
当然のように、そこからまた苛烈な凌辱が開始される!ブラもパンツも、あきらかに意志を持っているようだ。
下級淫魔が姿を変えたものなのか、もっと知能に長けた悪魔が戯れに作り出したものなのか。
詳細はわからない。だが、それらの淫具が女体の隅々までを知り尽くし、獲物である女が最もよがり狂い、
最ももだえ苦しむ責めを展開していることだけはたしかだ…。

「はあああ――んッ!! いやあああ――ッ!! おうッ、おうあああ――ッ!!」
数分たっても、サイラは性の責めにのたうち、苦しみつづける…! ブラとパンツは
今度は彼女をすぐには失神させないよう、責めを加減しているらしい…。
いつ果てるても知れない生き地獄…。激烈な凌辱とともに、サイラの肉体からみるみる精気が吸い取られていく…。
彼女に取りついた魔の装具は、若い女が性交の際に発する、最も濃厚な精気を好むようだ…。
それがわかっていても、サイラにはもうなすすべがない。装具のベルトは彼女の肉に食い込み
ほとんど同化し、引き剥がすことはもうできないだろう…。

「きゃあああ――ッ!! あッ、ひああ――ッ!! だッ、だれかあああ――ッ!!」

魔窟の奥深くまで、聖剣士の甲高い、哀れな悲鳴が響いていく…。

頻繁に途切れながらも、凌辱に泣き叫ぶサイラの嬌声はほぼ1昼夜はつづいた。
そして数日後、彼女はその場に冷たくなっていた…。仰向けに横たわる彼女の顔は
青白くやつれ、苦しみの表情が深く刻み込まれている。呪われた装具のエンドレスの
責めに、気高き聖剣士もすべての精気を奪われて力尽きたのだ…。

彼女の素肌に貼りついたままのブラとパンツは、生贄の良質の精気を吸い尽くして満足したのか
飾り気のないもとの形状にもどっている。忌まわしき装具はしばしの休眠に入るようだ。
あらたな生贄となる女戦士がここを訪れ、己を素肌に着けるそのときまで……。

     終わり

 

 

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最終更新:2008年12月28日 07:32