ナレーション | 昔々、一人の男が死にました。 お話は途切れて、王子は心臓と一緒に、人々に向ける優しい気持ちも 勇敢に戦った思い出も失くしてしまいました。 そして町中に散らばった王子の心臓のかけらは行き場を求めて、隙間の空いた心に住み着きました。 かけらに取り付かれた人々の中には、自分自身の物語を狂わせてしまう者もありました。 |
あひる | (あたし…ほんとのほんとにプリンセスチュチュになれたんだ…)はぁ~…。 |
ぴけ | 顎引いて! |
あひる | あぅ。え、あ、あはあはあはあはあはは…。 |
ぴけ | 笑いごとじゃない! そんなことじゃ、見習いクラスから脱出できない…。 |
りりえ | やめてぇ~! |
りりえ | 無理言わないで!二つのことを一度にやるなんて!あひるには無理よ! |
ぴけ | 頭に本乗っけて歩くだけのことよ! |
りりえ | そんな簡単なことでも出来ないものは出来ないのよ~! |
ぴけ | それじゃプリマなんてなれないじゃなーい! |
りりえ | ええなれないわよなれっこないじゃないあひるには! これ以上酷いこと言わないで! …ホラ、こんなに傷ついて!笑って~笑って~! |
ぴけ | アンタのせいよ。 |
りりえ | うそぉ! |
ぴけ | でもさ、見習い落ちしたくせに朝からヘラヘラしちゃって、変じゃない?あひる。 |
りりえ | 変なのはいつもよ? |
ぴけ | いつも以上にさ! |
りりえ | そういえば。 |
あひる | え? |
ぴけ・りりえ | 何かあったのかなぁ~? |
あひる | い、いやぁ、別に? |
ぴけ・りりえ | うそぉ!! |
あひる | あ、あああったっていうかぁ。 |
ぴけ・りりえ | あったのねー!! |
あひる | あぁ…っと…。 |
ぴけ | 言いなさ~い。 |
りりえ | 言いなさいっ! |
あひる | あー…えっと…あ、そう、夢 夢の話なんだけど! すっごくかっこよくて強い王子様が居てね、でも王子様は悪い大鴉と戦ってて、 心臓を砕けば大鴉を封じられるんだけど、心臓が無くなっちゃうと心も無くなっちゃって、 王子様はいつも寂しい目をしてて、その王子様をあたしが…。 |
ぴけ・りりえ | なぁんだぁ~。 |
あひる | え。 |
ぴけ | 何処かで聞いたような話ぃ! |
あひる | お話…? |
りりえ | 王子と鴉のパクリね。 |
あひる | え? |
ぴけ | ホラ、この本でしょ? |
ドロッセルマイヤー | 「王子様は悪魔や大鴉と戦った勇者だ。私の書いたお話の中に居た時ぁね。」 |
あひる | …あの、このお話を書いた人って、何てひと? |
ぴけ | え?ドロッセルマイヤーよ?常識じゃん。 |
あひる | え そ、そうなんだ。 |
ぴけ | こんな本読んでニヤニヤしてる場合じゃないでしょ~! |
りりえ | あひるには二冊は無理ねっ。 |
あひる | う。 |
ぴけ | 今日中には!出来るようにしといてよ~? |
りりえ | 頑張ってね!ダメ元で。 |
ぴけ | サボっちゃダメよ! |
あひる | ああ!あのさぁ!ドロッセルマイヤーさんって、この町に住んでるの…? |
ぴけ・りりえ | はぁ? |
ぴけ | もう大昔に死んでるよ。 |
あひる | えぇ? |
りりえ | お話も、途中で終わってるのよね。 |
ぴけ | そうそう。確か本書いてる途中で死んだんじゃなぁい? |
あひる | えぇぇええ……。 |
ドロッセルマイヤー | 「そう、彼はお話から出て大鴉を封じる為に心臓を失った」 |
あひる | お話を書いてた人が死んで、お話の中の人が出てきたってこと?そんな不思議なことって…。 あ、全部鳥のアヒルが人間になるよりは不思議じゃないのかも。(※) そっかぁ…。みゅうと先輩はお話の中の王子様なのかぁ…。 だからあんなに綺麗なんだぁ…。ん? |
あひる | るうちゃんだ。るうちゃんはそのこと知ってるのかなぁ…。 あ! みゅうと先輩! るうちゃんと二人でピクニックに行くんだ…。 いいなぁ…! でも結局あたしはただのアヒルだし。…はぁ。 練習でもしよっかな…。 |
ふぁきあ | おい。 |
あひる | う! |
ふぁきあ | みゅうとを見なかったか。 |
あひる | みゅうと先輩がどうかしたんですか? |
ふぁきあ | アイツ…俺に黙って出掛けやがって。 |
あひる | 別にいいじゃない、みゅうと先輩はるうちゃんの彼なんだしぃ。 |
ふぁきあ | 何!? |
あひる | あ、。 |
ふぁきあ | るうと一緒なのか?何処へ行った!? 答えろ。 |
あひる | 知らない、。 |
ふぁきあ | 嘘をつけ! |
あひる | ほんとだってば!! |
あひる | …。(この人はみゅうと先輩のこと知ってるのかな…) あの、王子と鴉ってお話、知ってますか? |
ふぁきあ | それがどうした。 |
あひる | いや、ど どうと言われるとぉ…。 |
ふぁきあ | フン。子供騙しの物語だ。 |
あひる | …ふーんだ偉そぉー。なぁーんにも知らないくせにぃー! |
あひる | みゅうと先輩はお話の中の王子様なんだから。あたしだけだもん知ってるの。 あたしが王子様を…守るんだもん。 |
あひる | サボりじゃないもん気分転換だもん、そのぐらいは良いんだもん! それにみゅうと先輩たちに会ったら、嫌ぁなヤツが探してたって教えてあげられるし! …。教えて、いいの かな…。 |
エデル | 真実は恥ずかしがりや。 |
あひる | う! |
エデル | 近付けば隠れてしまう。 |
あひる | エデルさん? |
エデル | 真実は寂しがりや 遠ざければ追ってくる。 |
あひる | あ…。 |
エデル | 迷いごとかしら? |
あひる | あ、はい…。 |
あひる | あのですね、ある人がいて、その人と仲良しの人がいるんですけどある人はもう一人の仲良しの人がいて、 でも仲良しの人同士は仲良しじゃないの…って何言ってるか分かります? |
エデル | 風は炎を燃やし梢を揺らす けれど炎は木を焼き尽くす。 |
あひる | はあ、風と炎と木かぁ…。 それって絶対仲良くなれないんですかぁ? |
エデル | どうかしら…。 |
あひる | うーん…でもあんまり風が強いと火は消えちゃうし木も倒れちゃうし…、だから…、 わかんないや!けどありがとうエデルさん! |
エデル | ふふ。 |
あひる | ピクニックだったら こっちの方の公園とか…。 え… うわぁいたいた! |
るう | ねぇ。 |
みゅうと | なに? |
るう | わたしのこと 好きって言って? |
あひる | ぐゎ…むぐぐ どど、どうしよう!? か、帰るべき!? か、帰るべきだよねぇ!? |
みゅうと | るうのことが好き。 |
るう | ほんとに? |
みゅうと | ほんとに好き。 |
るう | 喉が乾いたわ。 |
あひる | えぇぇーーっ!! |
るう | お水が 飲みたいわ 汲んできて? |
みゅうと | うん。 |
あひる | ええ? はっ うわぁこっち来る! どうしよう見つかっちゃう! …あれ? |
あひる | はぁーあ やっぱりお似合いだよね でもあんまり楽しそうじゃなかったな…。 もしあたしがあんな事言ってもらったら… |
あひる | あ、あんな…。 |
(みゅうと) | あひる! |
あひる | くぁwせdrftgyふじこlp;@:!! |
(みゅうと) | きみのことが好き。 |
あひる | くぁwせdrftgyふじこlp;@:!! |
(みゅうと) | ほんとに好き。 |
あひる | くぁwせdrftgyふじこlp;@:ぇぇ …むぎゃっ! |
あひる | す、すみま… みゅ、みゅみゅうと先輩ぃ! こ、こんにちは! えっと今日はいい天気だから昼は明るいけど夜はきっと暗いでしょうねぇぇ…。 |
あひる | (バカバカ! あたし何当たり前のこと言ってんの!? なんかおもしろいこと言わなきゃ!)。 |
あひる | あ゛ーー! あたしお散歩が好きなんですよみゅうと先輩はるうちゃんが好きなんですよね!? |
あひる | (うわあたしったらなんて事を…!) |
みゅうと | たぶんね。 |
あひる | …へ? たぶん? |
みゅうと | 好きって気持ちはわからないけど、何をしたらいいのか教えてくれるのはるうとふぁきあしかいないから。 |
あひる | 好きってわからないって、みゅうと先輩…。はっ…。 |
みゅうと | みゅうとでいいよ。 |
あひる | ああっみゅうと先輩! …じゃなくてみゅうと! 手が…! |
みゅうと | …ああ。 |
あひる | い、痛くないですか?! |
みゅうと | 別に。 どうしてそんな変な顔をするの? |
あひる | へ、変な顔ですかぁ? だ、だってケガしてるし~! |
みゅうと | ふぁきあもるうも そんな事言わないよ。 |
あひる | (王子様の目だ… 心臓をなくした可哀想な王子様。 だから自分の気持ちが『好き』ってことも『痛い』ってこともわからないんだ…)。 |
あひる | あたし頑張ります! |
みゅうと | …何を? |
あひる | あ、あっとその何をっていうか(※よく聞き取れない…) あ!そうだ傷! |
あひる | ちゃんと洗わないとひどくなっちゃいます よかった、そんなにひどくなくて…あ゛! せっかく汲んできたお水を~! ごご、ごめんなさいホントごめんなさい。わたしでもわたしでも 汲んできまーす! |
あひる | とは言うものの…、川の水じゃダメだろうし…。るうちゃんはやっぱりおいしい水じゃないと! そのへんのおうちでもらったんじゃダメだよね…、どこで汲めばいいの…。 あら? 街じゃない? 歩きすぎ? ははッ、ハハハ…。 |
みゅうと | …。 |
あひる | !? みゅ、みゅうと! あの、あたしが水汲んでくるから待ってて! …て言うかどこで汲んだらいいんでしょう…? |
みゅうと | あ…、あそこ…。 |
あひる | へ? あ、あれってレストランじゃないですか! レストランの水だったらカンペキですよねー! |
みゅうと | さぁ? |
あひる | 営業中…? えびね…お店の名前かなあ? ごめんくだ…。 |
エビネ | はい?! |
あひる | ぁがぁのぅここってレストランですよねぇ? |
エビネ | …そうですそうですゥ! ちょちょちょちょっとお待ちください! |
あひる | うわぁぁ! |
エビネ | お待たせしました! ようこそ!私がオーナーシェフのエビネです! |
あひる | あのぅ…。 |
エビネ | ここはどうしてお知りになりました? お友達から聞いて? |
あひる | いえ…。 |
エビネ | じゃ、わざわざ調べて? |
あひる | あ、じゃなくて…。 |
エビネ | まさか、たまたま偶然…? |
あひる | あ、ハイ! |
エビネ | それはステキ! そんなお客様は初めてです! さ、どうぞ座って! |
あひる | あ、あのぅ…お客じゃないんです…。 |
エビネ | お客様じゃない…? |
あひる | お水をいただきに…。 |
エビネ | お水…、だけですか…? |
あひる | あの…、えっと…、ごめんなさぁい! (ぐぅぅ~)…あ゛。 |
エビネ | おなかがすいてるのね! じゃあ、ぜひ食事をしていってくださいな! |
あひる | えっ?! でもあたしお金が…。 |
エビネ | いいのよそんなもの。 |
あひる | え…? |
エビネ | そうそう! エビのパテがあったわ…! |
あひる | ペンダントが光った…。けどあの人がかけらを持ってるってこと…? |
ふぁきあ | みゅうとはどうした? |
るぅ | 知らないわ。 |
ふぁきあ | 勝手にみゅうとを連れ出すな。 |
るぅ | みゅうとは貴方のモノじゃないでしょう? |
ふぁきあ | お前のものでもない。 |
るぅ | ん…。 |
ふぁきあ | みゅうとが『気持ち』って言ったんだ。 |
るぅ | …っ、何ですって!? |
ふぁきあ | みゅうとはどこだ? |
るぅ | 水を汲みに行ったっきりまだ戻らないのよ。 |
ふぁきあ | 一人でか? |
るぅ | 他に誰と行くって言うの?らしくもないわね、何を慌てているの? |
るぅ | 待ちなさいよ。みゅうとを捜すんでしょ、私も行くわ。 |
エビネ | さぁ~!ドンドン召し上がれ! |
あひる | あの、でも私達…。 |
エビネ | そうよね!まだまだ足りないわね!! |
あひる | あ…じゃなくてぇ…。 (心の欠片を持ってるかどうか確かめなきゃ) はむっ…ん!? 冷たい!! これも、これもこれも!! なんでみんな冷たいの!? それに…なんか味もしない…。 見た目は美味しそうなのに…。 |
エビネ | ニジマスのムニエルよ!! |
あひる | 今度のはあったかそう!はむっ…冷たいぃ!! |
エビネ | 今度はウサギのクリームシチュー。 次はアツアツ団子のサラダ。 更に豚のすね肉グリルよ!! |
あひる | はーひー冷たいーなんでー?? |
あひる | あの…何か不思議じゃないですか? |
みゅうと | そうなの? |
あひる | どうして料理がみんな冷たいのか?とか、 なんでごちそうしてくれるのか?とか。 |
みゅうと | さぁ。 |
あひる | あ…そうか、みゅうとは不思議って気持ちも解らないんだ。 |
エビネ | デザートどうぞ! |
あひる | ひいぃいいぃ。 |
エビネ | Aコースはこれでオシマイ!次はBコースよ~。 |
あひる | え~!? あぅ…あの、ちょっと、私、トイレに行ってきます。 |
みゅうと | どうぞ。 |
あひる | ふ~、さてと…早く確かめて…。 |
エビネ | うっふふふ。 |
あひる | ん? |
エビネ | えぇそうなの久し振りのお客様よ。 あんなにいっぱい食べてくださって、 でももっともっと食べて貰わなきゃ~。 あなたとどっちが美味しいかしら。 |
あひる | どっちが美味しいって…? …ん! お… お は か !? |
みゅうと | ん? |
あひる | ど…どうしよう!このままじゃ…! あた…、あた…、私はどうなっても、みゅうとは、 みゅうとだけは守らなくちゃ…!! |
あひる | 私、こんなお話知ってます! 兄妹で森を彷徨ってるとお菓子の家が現れるんです。 そしたら親切なおばぁさんが現れて、 ご馳走してくれるんですけど、本当は兄妹を太らせて、 後で自分が食べようと思ってたんです。 |
みゅうと | ふーん。 |
あひる | ダメだ!みゅうとは自分が危ないって事が分かってない! いまのうち逃げよう!! …っ!! いったた! |
あひる | レシピ?それに写真…これって…。 |
エビネ | どうしたの? |
あひる | あ…ええっと、そろそろ帰ろうかと。 |
エビネ | ダメよ!!まだ全然食べてないのに。 |
あひる | だ…誰が何を!? |
エビネ | もっともっと食べなきゃ! |
あひる | だから誰が何を!? |
エビネ | 食べるまで帰さない~!! |
あひる | もうお腹いっぱいなので~! |
エビネ | …そう。 |
あひる | ふー。 |
エビネ | じゃあ、あなたは? |
あひる | あっ!も、もう!! |
エビネ | まだ食べるでしょ? |
みゅうと | たぶん。 |
あひる | あ~!!開けて!開けてください!! |
エビネ | 食べないのなら帰っていいわ。 |
あひる | あ!鍵!!みゅうと…。 |
ドロッセルマイヤー | ほらほら狂ってるよ~お話が狂ってるよ~。 心の欠片は人の心の隙間に入りお話を狂わせる。 あまりにピュアな心は人には荷が重いと見える。 さてこのお話どう料理するのかね?プリンセスチュチュ~。 |
エビネ | 邪魔者はいなくなったわ。 ドンドン食べて貰わ……何かしら? |
エビネ | 誰!? |
チュチュ | 食事の時間はおしまいです |
エビネ | …っ!? |
チュチュ | しばらくお休みを王子様。 |
エビネ | お客様を返して!!私のお客様を。 |
チュチュ | 私と踊りましょうエビネさん。 |
エビネ | 私は踊りなんて…私の仕事はお料理を作る事よ。 そしてお客様に食べて貰う事。 |
チュチュ | 彼にドンドン食べさせてどうするの? |
エビネ | もっとドンドン食べて貰うのよ。 |
チュチュ | どしてなの? |
エビネ | どうしてって…ただいっぱい食べて欲しいだけよ。 せっかく来てくれたお客様に!! |
エビネ(王子) | だって美味しいものをお腹いっぱい食べるのは幸せじゃない。 |
チュチュ | やっぱり居た…。あなたの居場所はその人の心じゃないの。戻りましょう。 |
エビネ | ダメ!彼はどこにも行かせないわ!! |
チュチュ | エビネさん!! |
エビネ | 来ないで!! |
チュチュ | あの欠片はなんていう気持ち…? |
エビネ | 私はただ美味しく食べてもらいたいだけ!! それがレストランなんだから! |
チュチュ | じゃぁ、どうしてエビネさんの料理はあんなに冷たいの? どうして無理やり食べさせようとするの? どうして閉じ込めるの? 私、知りたいの。エビネさんがどんな気持ちでいるか。 |
エビネ | 気持ち…? |
チュチュ | 私と踊って、エビネさん。 |
エビネ | そう…あの頃…、 ほんの少し不安があったけど、 残りは全部幸福ではちきれそうだった。 雰囲気が良くて楽しくおしゃべりできて、美味しい食事…。 |
チュチュ | 素敵なお店ね…、素敵な二人。 |
エビネ | 私が作って貴方とどっちが美味しいかしらって聞くと、 いつもあの人はお前のはまだまだだなってからかったけど、 それが幸せだった。 |
チュチュ | あ…(貴方とどっちが美味しいかしら)あの言葉…そういう意味だったんだ…。 |
エビネ | でも…、もう問いかけてもからかってくれる人はいない。 あの人が書いたレシピはあるけどつくる人はもういないの。 寂しかった…、だからせめてせっかく来てくれたお客さんには長く居て欲しいと思ったの。 |
チュチュ | そう…あなたは寂しい気持ちなのね…。 |
心の欠片 | 寂しい気持ち…。 |
チュチュ | そう…でもあなたの居るべき所はそこじゃない。 |
心の欠片 | ごめん、僕は行くよ。 |
エビネ | 行かないで!私はまた一人ぼっち!! |
チュチュ | 大丈夫、エビネさんは一人ぼっちなんかじゃない。 だって、大事な人が残してくれたレシピがあるんだから。 |
エビネ | …え? |
チュチュ | 沢山の料理が作って欲しいって待ってる。 大事な人がエビネさんに残してくれた贈り物。 寂しさを、強さに変える力。 |
エビネ | う…ぅう…あなた…っ!! もう一度暖かな料理が作れそう。 あなたの心のように…。 私きっと素敵なレストランにするわ。 あなた…手伝ってね。 |
チュチュ | 王子様、あなたの気持ちはあなたの中に、あなたの命はあなたの胸に。 |
みゅうと | ああっ。 |
チュチュ | ぇっ。 |
みゅうと | ありがとう。プリンセスチュチュ。 |
チュチュ | はぁっ、ぇ。 |
あひる | みゅうと…。ふぅはぁ、ふぅはぁ、よしっ。 |
ふぁきあ | みゅうと。 |
あひる | うわぁっ! |
ふぁきあ | こんな所で何をしている、おいっ! |
みゅうと | いやぁ…。 |
ふぁきあ | ぅ。 |
るぅ | ぁ。 |
ふぁきあ | 何があった? |
みゅうと | プリンセスチュチュが…。 |
あひる | ま、まさか、私だってばれたぁ!? |
みゅうと | 彼女が僕に触れていった…。 |
ふぁきあ | プリンセスチュチュ…? |
るぅ | 馬鹿馬鹿しい。あんなのお話じゃない。 |
あひる | え、チュチュは、お話? でも、あたし、あひる…。 |
るぅ | 美貌と賢さと強さは授けられたけど、ただ一つ、王子様とは結ばれない運命を背負ったお姫様。 |
あひる | あぁっ! |
るぅ | 告白したとたん、光の粒になって消えちゃうのよ。 |
あひる | ははぁぁっ。 |
あひる | くわぁっっっ! |
あひる | 何がお話? 何が本当? チュチュはあたしで、あたしはあひるで…。 でも、チュチュは、チュチュは…。 |
ドロッセルマイヤー | プリンセスチュチュは悲劇のお姫様、お話はいつもめでたしめでたしとは限らない。 はっはっはっは…。 |
あひる | あたしはみゅうとの心を取り戻してあげたいだけなんだから。 一緒にとか告白とか、そんなこと考えてないもんっ。 |
みゅうと | わからない。僕が感じている気持ちは…。 |
ふぁきあ | 君がみゅうとに変なことを思い出させているんじゃないだろうな。 |
るぅ | おとぎ話に出てくるプリンセスチュチュなんじゃないの? |
るぅ | お話は本当になるわ。本当とお話が混じり合うこの街で。 |
チュチュ | あたしはプリンセスチュチュ。あなたと同じ愛する人とは結ばれない運命なの。 |
ドロッセルマイヤー | お話の好きな子どもはよっといで。うふふふふ、へっへっ。 |