グランサコネ通信 7号 前田 朗 2004年8月17日(火) 9:51
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昨日の朝は、吐く息が少し白くなりました。昼間も過ごしやすいジュネーヴです。国連人権促進保護小委員会は8月11日に議題3の討論を終了し、決議案の採択を残して、予定された議題の審議はすべて終了しました。8月12日は議題6や3の決議案の採択です。
訂正:前回のグランサコネ通信6号の2のJFOR発言の概要部分で「被疑者の名誉と尊厳のために政府が謝罪をし」とあるのは「被害者の名誉と尊厳のために政府が謝罪をし」の誤りですので、訂正。
1 JWCHR発言
8月11日、国連人権小委員会議題3で、JWCHR(国際人権活動日本委員会、前田朗)が発言しました。
<発言概要>
JWCHRは、性暴力犯罪の責任を問うことの困難性に関するラコトアリソア報告書と、重大性暴力の犯罪化・捜査・訴追に関するハンプソン報告書を歓迎する。国家の支援を受けたジェノサイド強姦について注意を喚起したい。1991年のキム・ハクスン証言以後、ICC規程には強姦が規定され、ICTYやICTRで有罪判決が出た。マクドウーガル報告書は武力紛争時における組織的強姦の国際法上の解釈を明示した。しかし、日本政府はなにもしなかった。日本政府がしたことといえば「戦時強姦は戦争犯罪ではないと主張したことだけである。性奴隷制の被害者はいまも被害を受けている。そして残された時間が少ない。キム・スンドクさんは6月に、バリサリサさんは7月になくなった。
2 IADL発言
8月11日、議題3で、IADL(国際民主法律家協会)が発言しました。発言者は斉藤久枝さんです。
<発言概要>
第一に、イラク政府がイラク弁護士協会を解散させたという情報がある。新生イラク政府は法律家や人権活動家の独立を無視するのか。第二に、治安維持法被害者に焦点をあてたい。1931年から45年にかけて、日本政府はアジア太平洋地域に侵略して、南京虐殺、七三一部隊、強制連行、性奴隷の被害を与えた。日本政府は1925年に治安維持法をつくって、戦争に反対するものを弾圧した。数万人が訴追され、80人以上が拷問などで殺された。第二次大戦後、日本政府は戦争に反対しなかった元軍人や遺族にお金を渡す一方、戦争に反対した被害者には謝罪も補償もない。韓国や、西欧諸国が、レジスタンスの闘士を尊重しているのと対照的である。
3 JFOR発言
8月11日、議題3でJFOR(日本友和会)が発言しました。発言者は藪有理子さんです。
<発言概要>
JFORはラコトアリソア報告書とハンプソン報告書を歓迎する。日本による戦時性奴隷制被害女性の拉致犯行者を有罪とした判決がある。1936年2月14日の長崎地裁判決である(詳しくは、E/CN.4/Sub.2/2004/NGO/28参照)。これは過去の問題ではない。大規模な女性人身売買を禁止する法律はあったのに、当局が犯罪を見逃していた。デモクラシーの欠落に原因がある。戦後の日本も真の意味でデモクラシーを採用したといえるかどうかを見る必要がある。東京裁判で戦犯が裁かれたが、性奴隷制犯行者は処罰されなかった。戦時の宗教団体も戦争政策に関与した。・・・
4 AJWRC発言
8月11日、議題3で、AJWRC(アジア女性資料センター)が発言しました。発言者は波多江寛子さんです。
<発言概要>
ラコトアリソア報告書とハンプソン報告書を歓迎する。日弁連によると、日本にも性暴力の訴追に障害がある。裁判官や検察官が自覚的でない。捜査において被害者の保護は不十分で、起訴率は低く、女性警察官や女性検察官は少ない。判決の強姦の認定は、被害者の抵抗がまったく困難にされたことを必要としている。1994年に韓国の性奴隷制被害女性が東京地検に告発しようとしたが、東京地検は時効や文書の不備を理由に受理しなかった。国際法では戦争犯罪や人道に対する罪には時効はない。1948年のバタビア裁判で有罪判決が出ているが、日本の裁判所ではない。ICTYやICTRで有罪判決が出ているが、多数の被害者には正義が実現していない。性暴力犯罪訴追のための国連ガイドラインが必要である。