アットウィキロゴ

無防備地域宣言をめざす荒川区民の会 賛同人

戦争非協力無防備地域宣言

無防備地域宣言をめざす荒川区民の会

 
無防備地域宣言 自治体に戦争非協力迫る

2004年12月16日付 東京新聞・朝刊
       (藤原正樹記者、浅井正智記者)
草の根反戦 新しい風
 「無防備地域」。聞き慣れないこの言葉が、今春から各地でささやかれ始めた。ジュネーブ条約追加議定書に基づき、自治体に「戦争非協力」を条例で宣言させ、敵国からの攻撃を避けようという趣旨だが、実際は反戦の意思表示だ。国民の過半数が反対した自衛隊のイラク派遣延長が、強行された。きな臭さと無力感が社会に漂う中、草の根の「不服従」運動が始まっている。
■全国各地で市民運動
 「議案第38号(枚方市平和・無防備都市条例)を反対多数で否決します」
 十五日開かれた大阪府枚方市議会の総務常任委員会。条例案が否決された瞬間、傍聴席を埋めた市民団体「枚方市非核平和・戦争非協力(無防備)都市条例を実現する会」のメンバーらは静まりかえった。委員長を除く八人の委員のうち、賛成は二人だけだった。
 実現する会の大田幸世さん(55)は「残念だが、これが再度のスタート地点。枚方市からの発信が全国に広がれば、戦争国家への道をひた走る小泉政権に歯止めがかけられる」と目を潤ませながら語った。
 大田さんらが目指す無防備地域宣言の条例化は、従来の自治体の非核宣言などとはどう違うのだろうか。
 「平時から戦争準備につながる業務を拒んで、自治体に平和を目指すように迫るには、強制力のある条例が武器になる。枚方市も大阪府内の市町村で最初に『平和非核都市宣言』を導入した。しかし、これには条例の裏付けがなく、形ばかりだった」(大田さん)
 運動の背景には、小泉政権に対する不安感がある。同会呼び掛け人の松本健男弁護士は「有事の際に自治体などに協力を義務づける国民保護法など有事法制により、戦争協力を求められる危機感が市民の間で広がっている。イラクへの自衛隊派遣、さらに期間延長で戦争がより身近になった点も大きい」と指摘する。
 条例化を直接請求するには、有権者の五十分の一以上の署名を集めなければならない。市民の不安を敏感に反映してか、枚方市の場合、必要数の三倍以上の一万八千六百二十一人分が集まった。大田さんは「署名活動で自分が抱く不安感を大半の市民が抱いていることが分かった」と話す。
 無防備地域の条例化運動のさきがけは、一九八五年の奈良県天理市だ。八八年に東京都小平、今年七月には大阪市でも約六万人の署名を集め、条例化を直接請求したが「侵略国による占領を認めることになり、市民の利益に反する」などを理由に退けられている。
 自治体で無防備地域宣言を条例化した例は、世界でもまだない。だが、運動は各地で広がり、今年三月発足した「無防備地域宣言運動全国ネットワーク」には全国十数か所の団体が加わっている。
 首都圏では、東京都荒川区が来年一月一四日、神奈川県藤沢市が同月二十八日から署名活動に入る予定だ。十五万人近い有権者を抱える荒川区の場合、約三千人の署名が必要となる。
 「無防備地域宣言をめざす荒川区民の会」事務局長の高瀬幸子さん(49)は「石原都政下の東京での署名活動。右傾化を進める都政に揺さぶりをかけるためにも一万人を目指す」と話す。
■抑止力疑問も
 ただ、仮に個々の自治体が無防備地域を宣言しても、それが紛争時に敵国に対し、攻撃を思いとどまらせる現実の抑止力になり得るのだろうか。
 桜美林の加藤朗教授(国際政治学)は「地方からこうした意見が出てくることは、民主主義が健全に機能している証拠」と評価しながらも、「無防備地域を宣言したからといって、紛争の相手方が気遣うわけでも、狙われないわけではない。現実に有事になった場合、実力で自衛隊を受け付けないことまで突き詰めて考えていない宣言に、実効性があると言えるのか」と疑問を投げかける。
 枚方市の中司宏市長も「地方自治法では普通地方公共団体は、その権限に属する事務に対して条例を制定できると定めており、市の権限に属さない事務について条例を制定することは同法に抵触することが十分考えられる」という意見書を出した。今回、反対に回った総務常任委員の岡林薫市議(公明)も「条例は現実性を欠く。現に無防備地域が現時点で世界にない。平和の尊さを訴える施策の方が現実てきだ」と話す。
 この点は条例化を推進する市民団体側も承知している。住民とともに運動に携わっている東京造形大学の前田朗教授(刑事人権論)も「実効性はない」と認めたうえで、こう反論する。
 「政府は憲法九条をなし崩しにした。その結果、国際的な緊張に巻き込まれ、日本が攻撃にさらされる危険に直面している。無防備地域宣言は、飛んでくる爆弾にどう対処するかではなく、爆弾が飛んでこないようにするには何ができるかを問題にしている」
■条例の強制力で平和行政を促す
 枚方市議会で条例案に賛成した高橋伸介市議(ひらかた市民会議)は「条例案は市民の思いを明快な形で表したもの。住民保護こそが市民に密着した市の役割ではないか。戦争という極限状態のルールであるジュネーブ条約を条例に取り込むことは、平和ぼけを正すことにもなる」と訴える。
 一方、「自分の地域だけ攻撃されなければいいのか」という批判もある。これに対し、十九年前に天理市で条例化の直接請求をした経験のある高校教師、稲垣秀樹さん(60)は「決して地域エゴではない」と語る。
 市議会で条例案が否決された後、稲垣さんは市長から「可決、否決は度外視して平和に対する努力に敬意を表する。これから互いに知恵を出し合いたい」と申し出を受けた。その後、同市は平和運動推進懇談会を発足させ、広島、長崎、沖縄の視察など、平和行背の取り組みを始めた。
 「非核都市宣言のように実現しても看板を立て、何もしないというのでは全く意味がない。多数の署名が集まったことで、行政から積極的な対応を引き出すことができた」
 市民団体側の狙いもこの辺りにありそうだ。前出の高瀬さんは「不服従」の姿勢を強調する。「われわれの目標は条例化自体にはない。最終的に否決されても、全国に至るところで数多くの署名を集めることで、『右にならえ』式の政府のやり方に市民の対抗意思を突き付けることにある」
 枚方市の大田さんも再挑戦を期して、こう語った。
■世界にルールに
 「市議の当落にかかわるような多数の署名が集まれば、大きな動きがある。市議の中には『全国初は国に目を付けられる。二番目以降ならいいんだけどな』という人もいる。一自治体でも風穴をあければ、全国に広がっていくのではないか。地方自治体からの武器排除は世界共通ルールにすることも不可能ではない」
■「無防備地域宣言」運動
 ジュネーブ条約追加第1議定書(1977年)59条は「適当な当局」が宣言した無防備地域への相手国からの攻撃を禁じている。同地域の条件は兵器に撤去、部隊の撤収など。この趣旨に沿って、戦争(有事)につながる業務を拒むよう自治体に迫る運動。議定書の承認は今年成立した有事関連7法に含まれている。政府は今年6月、井上喜一有事法制担当相(当時)が参院イラク特別委員会で「武力攻撃を排撃するのは国全体の立場に立って判断すべき」と運動をけん制している。
 
更新日時: 2005/01/22


賛同人・団体(2005.2.6現在)

50音順(敬称略)
<個人>
青柳行信(カトリック福岡正義と平和協議会)、赤木俊之(弁護士・和歌山)、秋葉正二、秋本実、阿部久美、阿部正子、有賀精一、家坂平人、池田清貴(弁護士・東京)、池田昌弘、池田みどり、石川正志、磯崎仙之助、伊藤悦子、伊藤成彦(中央大学名誉教授)、稲垣千世、稲垣敏彦、稲垣秀樹(「天理市無防備平和条例」制定請求代表者、天理高校教員)、稲森幸一(弁護士・名古屋)、井堀哲(弁護士・東京)、岩井真吾、岩井正秀、岩佐英夫(弁護士・京都)、岩崎松男(鉄建公団訴訟原告)、上地悦子、上原成信(一坪反戦地主)、梅澤匠、江藤治雄、エリック・ブリッケンスタッフ(アメリカ、声を上げる軍人・軍属の会)、大河原壽貴(弁護士・京都)、大久保薫(子ども全国交歓会)、大久保啓子、大崎陽一(「月桃の花」歌舞団)、大塩志野、大塩光子、大塩豊、大島孝一、大島静子、大須賀信一、大仁田陽子、小川正明、奥村秀樹、奥村雅子、小野寺恵子、金澤三恵、金子絢、神子幸恵、神谷宗孝、菅野幸枝、神原元(弁護士・川崎)、北村純一、木村修、木村元(京都大学生)、木村日出男、儀保るみ子、工藤英三、熊谷昌司(「月桃の花」歌舞団)、黒岩秩子、小林和博、斎藤淳、坂本雅也(弁護士・東京)、佐々木透、佐々木宗夫、猿田佐世(弁護士・東京)、篠原哲郎、島七之助、清水さつき(RAWA連帯する会・事務局)、清水竹人、清水富子、ジョン・H・キム(アメリカ、弁護士)、ジョンソン・パンジャイタン(インドネシア、弁護士)、須賀誠二、菅原実福、助友クミ子、鈴木誠、鈴木雅子(弁護士・東京)、鈴木安三、関秀房、千住信、高瀬晴久(イラク国際戦犯民衆法廷実行委員)、高見和幸、竹内仁、竹内宏彦、竹内陽子、竹腰英樹、立山正隆、田口雅明、田中かづ子(ウラニウム兵器(劣化ウラン)禁止条約実現キャンペーン)、田中佳代子(子ども全国交歓会)、谷平由永、田場暁生(弁護士・東京)、茅根潤一、塚本秀男、土橋昭夫、土屋公献(弁護士、元日本弁護士連合会会長)、デニス・ハリデー(アイルランド、元国連事務総長補佐官・元イラク人道調査官)、寺島千枝子、遠山こと、鳥羽成明、鳥羽美穂、戸村裕実、中里悦子、中島暁(日の丸・君が代強制処分をはね返し平和な地域をめざす会)、中島聡、中山京子、中山智由、永井朋子、永田雅人、成見暁子(弁護士・大阪)、並木一子、西尚弓、西岡信之(平和と民主主義をめざす全国交歓会)、ニルファー・バグワット(インド、インド弁護士連合会副会長)、野口文、野田五三郎、野中章弘(アジアプレス代表)、ハウザン・マフマド(イラク、イラク女性自由協会)、萩尾健太(弁護士・東京)、長谷川清治(「月桃の花」歌舞団)、畑見宗広、橋本たま枝、濱嶌将周(弁護士・名古屋)、ハルブ・ハミード(イラク、イラク占領監視センター調査員)、判幸生、日高房子、平山孝子、深江伊都子、藤平輝明、藤本憲一、堀世紀子、前田朗(東京造形大学教授、イラク国際戦犯民衆法廷共同代表)、前田勝幸、増田博光、溝口とく子、三村まり子、室生祥、本巣俊子、森田幸宏、安田悠、矢野秀喜、山川龍次、山口敦郎、山崎慎一、山根昭平、山本進、由澤一枝、吉本悦夫、ロメオ・カプロン(フィリピン、弁護士、旧ユーゴ戦犯特別法廷非常任判事)、
<団体>
AKAYプロジェクトをともに創る会、荒川区職労働組合、荒川区労働組合評議会、「月桃の花」歌舞団、国鉄闘争共闘会議、首都圏なかまユニオン、椿屋2(自然食品)、鉄建公団訴訟原告団、日本製鉄元徴用工裁判を支援する会、「米国領事館前のブルックナー」の会、民主主義的社会主義運動(MDS)、

更新日時: 2005/02/06


荒川区の人口と世帯数(2004.12月1日現在)

荒川区人口 175,883名
男      88,281名
女      87,602名

エ リ ア 別 世 帯 数 及 び 人 口
南千住   15,359世帯  31,573名
荒  川   13,781世帯   28,914名
町  屋   12,345世帯   26,748名
東尾久   11,799世帯   24,829名
西尾久   11,921世帯  25,691名
東日暮里 11,036世帯   21,289名
西日暮里  8,845世帯  16,839名
合   計  85,086世帯  175,883名
更新日時: 2005/01/22


Last updated: 2005/9/10

最終更新:2005年12月04日 02:12
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。