雛2
11スレ目>>87
人は完全に希望を断たれると何をすると思う?
ある人は失意の中それでもなお抗おうとするだろう
またある人は自らの命を絶とうとするだろう
今の例で言うなら俺は、後者だ…。
俺が性質の悪い風邪に伏せっている間に家族は外出し、帰って来たのは遠い遠い受話器の向こうからの身元確認の連絡だった…
思い起こす度に辛く胸が引き裂かれそうになる
目を瞑る度に二度と逢えないヒト達の姿がありありと浮かぶ
耐えられる訳がない、どうして俺だけが生き延びたのか……ッ!?
俺は連絡を受けた後家を出て自転車にまたがりフラフラと近くの海岸までに来た。
ここの海岸の崖から下までは軽く見積もって十数メートル、間違いなく死ねる。
最初は死ぬとかまで考えが及ばなく一人になりたかっただけだが崖からボンヤリと日が沈む光景を見てたら物悲しくなり今正に崖から身を踊らせようとしている。
下はどうなってるか覗き込む、日は既に沈み藍色のクレヨンで塗りつぶしたみたいな真っ黒な海が見え時折波を立てていた。
次の瞬間、俺の足は地について無く天地は逆さまだった。
安心して俺の意志で飛んだのか足を滑らせたかはどうでもよい事であり
ようやく楽になれる
それだけ思い目を閉じた。二度と開かぬように、そして記憶の中の再会を最後とするために……
ドサァッ!
違和感に目を開けるとどこかの林、いや、薄暗い森の中にいた。
強く薫る草の薫りと森特有の湿気が酷く煩わしかった。
そうして思った事は真っ先に夢だと思う。普通の考えだが、夢ならなんで俺はここにいるんだろう、いつからだ?
風邪を引いていたときからか?
「ゆめじゃないわよ」
次に走馬灯って死に逝く際に視るヤツだと思った、見渡しても俺以外誰もいない森の中で聞き覚えの無い声が突っ込むからな。
「それは可笑しい考えだけど違うわね」
あぁ、そうかい。俺の予想だと大方後は死神くらいしか用事は無い筈だな。
そう思ったら声はまたどこからともなく聞こえた
「75点ね、用事もあるし神様だけど死神じゃあないわ」
そして森の深い闇から滲み出すようにあらわれたのはゴスロリをイメージさせ、独特の装飾をしたドレスに身を包み、長い髪を顎下に束ねて頭にまた上品な装飾を施したリボンを付けた少女、に見えた。
見えたっていうのは今までのやりとりからして人外である事は承知している。
正直展開の可笑しさと変に達観した感じが相まって今の状態を冷静に見通している。
「やっぱ死神じゃないか、冥土の土産に名前を聞かせてくれよ」
すると死神サマは困った様に苦笑しながら言った。
「だから死神じゃあないわよ。貴方からお土産を頂きに来た厄神、鍵山雛よ」
…………
「ふぅん、でその厄神様は俺から不幸を取り上げてくれるわけだ」
俺はオーバーリアクションでおどけて見せた。
雛が言うには何らかの歪みが生じて外の世界(俺がいた世界)と幻想郷を繋ぐ扉が開いたらしい。
気絶した俺が落ちたのは「森」で近くを飛んでいた雛が俺にまとわりついた異常な程の厄を感じて来たら意識を取り戻しかけていたらしい。
「大変だったわね、貴方。あのままほっといたら死にそうだもの」
一安心したのか目の前に座っていた雛が冗談交じりに微笑んだ。
≪ナニガオカシイ?≫
「貴方なら里に連れて行っても大丈夫そうね。
……kら「外」に帰るのは麗の巫女に何とかしてもらえばいいわ」
≪ナニガダイジョウブナンダ?≫
俺の中で何かドス黒く押さえきれない何かが破裂した。
気がつくと雛の細い首に手を掛け締め付けておりそれと共に自分でもワケの解らない位がなり立てていた。
「遅いんだよ、何で今更なんだよッ!今更厄を取ってどうするんだよ、俺はどうしたらいいんだよ、死にたいのに死ねないッ!
お前は、お前はお前はッ、何なんだよォッ!」
雛は十分に酸素が行き渡らない顔を青くし苦痛に歪みながらも笑顔を浮かべ締め付ける俺の手にその白く綺麗な手を解こうとするのではなく静かに添えた。
俺はその瞬間自身のしているとんでもない事に気付き、急いで手を離すと同時に雛はゲホゲホとむせ込んで膝をつく。
「すまない、雛に罪はないし、救ってくれた善意には感謝してるよ……。でも、俺は……」
さっきまで勢いとはいえ殺そうとした相手の顔などまともにるはずなく俺は背を向けた、もう何がなんだか分からない。彼女と別れたら、今度こそ仕損じることなく……
そんなことを考えていると後ろから雛に抱きつかれた。俺は不思議に思い奇異の目を向けた
「貴方の厄を、悲しみを、私がすべて受け入れてあげるわ。・・・だから安心して」
「もう止めてくれ!なんだよ、俺はッ、お前をッ、殺そうとしたんだぞ!
それに家族がいない外に帰ってもどうしようもない、異世界に飛ばされて死ぬことも出来ない!」
雛は一層俺を強く抱きしめながら更に言葉を重ねた
「それでも、貴方は生きていかなければならないわ。死は尊いから、だから安易に死んではならないの」
「俺は・・・、だめなんだよ、もぅ・・・。それともあれか?そんなに言うならアンタは俺とずっと一緒にいてくれるって言うのか?」
半ば自暴自棄気味に吐き棄てる
雛が俺にかまうのは一種の感傷の共感、同情って奴だ。そんなんで付きまとわれても困る、正直放っておいて欲しい。でも、それでも……願ってもいいのなら……
すると雛はポツリポツリと言葉をつむぎだした
「私はね、貴方と一緒にいたいのよ。貴方の目はとても寂しく、寒々しい色をしていたの」
「そうかい」
一瞬の静寂の後更に雛が喋る
「貴方の笑顔を見たい、その膨大な厄を取り払って・・・」
彼女はどんな顔をしながらその台詞を言っているのだろうか、信じてもいいのかよ……?
「アンタを、信じて良いのか?俺は他にすがる物は無いんだぜ?」
そういって自嘲気味に雛に向き直る。
「えぇ、信じて頂戴。貴方が私を必要としてくれるならね」
そういって笑顔を俺に向けた、まったくおせっかいも良いところだ。
「あんまり男に優しくすると勘違いするぜ?」
「勘違いしてもいいわ、私の一目惚れだから」
俺は一瞬意味を解せず固まったが、目の前には少し照れながらこちらを上目遣いにみていた雛がいた。
「ばか、そういうことはズケズケと言うもんじゃあない」
「そうよ、そんな感じでもっと笑って頂戴」
風が吹き森の木々がざわめいた。そして俺は彼女とキスした。
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8スレ目 >>779
「雛さん! 私と一緒にワルツを踊りませんか?」
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8スレ目 >>802
「○○」
「……」
なんでだ。
何でお前はそんなに悲しい顔をするんだ。
本当に泣きたいのは……俺の方なのに。
「これから先、あなたはどんな災悪にも見舞われることは無い」
「でも」
「そう、これはただの私の自己満足」
彼女は、微笑む。
辛くないと、苦しくなんか無いと。
自分に、そう言い聞かせているのかもしれない。
でも
「俺は、お前と――」
「私といても、人間の貴方は幸せになれない。ただ不幸を、厄を溜めるだけ
だから――私は、貴方と居てはいけないから。人間の厄を取り払うための私が人間に厄を溜めさせるわけになんて行かないから
だから――」
彼女は、回る。くるくる、くるくると。
厄を振り払うための、厄を取り込むための舞だと、言っていた。
きっと、これが最後の――
「大丈夫、貴方は私が幸せにしてあげるから」
そっと俺に口付けをして
俺の目の前から彼女は消えた。
その後、俺は大きな怪我や病気に悩まされることも無く。
里一番の美人を嫁に貰い、子宝にも恵まれ。
周りの人たちからも信頼され、いざこざを起こすことも何一つ無い。
今では良い父親として里で生活をしている。
でも
俺が欲しかった幸せって言うのは、こういうのじゃなかったんだよ。
ただお前の傍に、居たかっただけなのに。
それが俺にとっての幸せだったのに。
もう会えないけど。
雛。俺は、誰よりもお前を――
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8スレ目 >>995
俺は雛に告白する事にした。もう、決めたんだ。
○○「雛!俺もうお前無しでは生きていけない。」
ひな「酷いヤク中ね。病院行きなさい」
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9スレ目 >>458
「で、あなたは何故里中の流し雛を残らず拾い集めたの?」
雛の問う声。僅かな苛立ちと不可解、そんな感じだろうか。
「だからですね、先程から言ってるように厄を集めれば雛さんに近づけるかと……」
「そこが解らない。」
盆に流された流し雛を拾い集めている所を雛に見咎められ、雛の家に連れてこられて
既に1時間はこのやり取りを繰り返している。
「あなたは人間でしょう。何故幸せを求めないの。確かに私は不幸に対する耐性を
持つけれど、それは必ずしも幸福を意味するわけではないのよ。」
「それは理解してるつもりです。」
「ならば何故「雛さんは、」
再び話題がループしかけた所で割り込む。
「それなら、雛さんは人間の幸せとはなんだと思いますか?限りある命を輝かせる
その鍵は何処にあると思いますか?」
虚を突かれた様な表情をした後、雛はじっと考え込む。
「出世、出産、結婚、いやそれは過程でしかないわ。本質は……自分の命をかけて
守りたい続き続ける存在を見つけること、かしら。多くの人間はそれを子や孫に
見出すわね。」
「はい。その解釈で正しいと思います。そして、神様は人から見れば永遠に
近いほどの長命ですよね。」
「そうよそれがなんだと言うの?」
不可解と、そして興味の反応。
「ならば、私が守りたいのが雛さんだと言ったら迷惑でしょうか。
あなたの言うとおり、それが私の人間としての幸せです。」
「え、それは……。」
動揺して口ごもる雛。
「雛さんの事が好きなんです。」
「…………」
「やっぱり、迷惑ですか?」
長い沈黙の後、雛はゆっくりと口を開く。
「私は、あなたの事を何も知らないから……それでも、好きだといってくれた事は
嬉しかった。だから……私はあなたを認めることが出来るのか、神が人を愛する事が
許されるのか。そういう事が解るまで、もう少し時間が欲しい……
この答えでいいかしら?」
「はい、今はその答えで十分です。」
当初、足しげく雛の元へ通う○○の姿を見た村人は、愚かだと笑ったが、
彼が雛を見つめるその目を見たものは何も言われずとも理解したという。
彼は、不幸の中心で幸せを見つけたのだと。
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11スレ目>>510
「ま、間に合わなかった。」
扉の前で月を見上げて嘆息する。
「雛、怒ってるだろうな。」
紐で纏め下げた九つの徳利にチラリと目をやり、家の中へ入る。
暗い。雛はもう寝てしまったのだろうか。
寝ているなら起こさない様にと、そっと寝室の扉を開ける。
「お帰りなさい。」
澄んだ声が静寂を破る。
月明かりが窓辺に立つ雛を斜めに照らす。
雛はすっと窓から離れて、陰に紛れ……
「遅い。」
やっぱり怒っていた。
「貴方はいつもそう。待つ側の気持ちなんて微塵も考えてない。あの時だってそうだった。」
「あの時……?」
「覚えて無いの?私達が……初めてキスしたあの夜の事よ。」
真っ赤になり俯きながら雛が言う。
確かにあれもクリスマスの事だったけど……あれは僕が悪いのか?
まあ、しかし少なくとも今日の事は僕が悪い。
「解ったよ。遅くなったのは、僕が悪かった。でも一つ言っておくが、
あの日の事忘れてるわけじゃ無いんだぜ?」
ふっ、と雛の表情が綻ぶ。
ようやく機嫌を直してくれたらしい。
「それで、その右手に持ってるそれはどうしたの?」
「うん。これはね、幻想郷の名酒を少しづつ分けて貰って来たんだ。」
これだけ集めるのはちょっと……いやかなり苦労した。
「名酒?」
「そう。稗田家の秘蔵酒、博麗と洩矢の御神酒、霧雨魔法店の奇酒、紅魔館の血のワイン、
白玉楼の秘伝の酒に隙間妖怪の幻の酒、永遠亭の月の酒と伊吹宿怨の鬼殺し。」
阿求さんが珍しく記憶違いをしたりしなければもっと早く帰れたのだけれど……。
「よくそれだけ集められたわね。」
「まあ、前から準備はしていたからね。」
今月に入った頃から出来たらいいな、とは思っていたんだ。
「それに……」
「それに?」
楽しそうに雛が聞き返す。
「今日は『特別な日』だからね。」
名酒は程よく人を酔わせる。
少なくとも二日酔いの心配は無さそうだ。
「○○~、聞いてる?」
「聞いてるよ。」
さて、何の話だったかな。
まあ、雛も大分酔っているし、適当に誤魔化してもばれなさそうだが。
「だからね~、なんで○○は不幸じゃないの?」
「ん~……?」
「ほら、この家とか私が集めてくるから厄まみれじゃない?なのに何で?」
ああ、そういう意味か。
「良く解らないけど、色んな神様が守ってくれてるみたいだよ。」
「そっか、○○は凄いんだ。」
「どう凄いのか良く解らないけどね……」
じっと見つめてくる雛にそっと笑いかける。
「守ってくれてるのは雛の為だよ。」
「私の?」
「そう。皆、雛に幸せになって欲しいから、助けてくれてるんだよ。皆、雛が好きなんだ。
でもね……」
「でも?」
言おうか止めようか少し迷う。
まあいいか、言っちゃえ。
「僕が、一番、雛の事が好きだ。」
ふふっ、と嬉しそうに笑う雛。
その肩を抱き寄せ、唇を重ねる。
種々の名酒の入り混じった甘い香りと、
そして、何より甘い、雛自身。
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10スレ目>>516-518
「何よ、また来たの?」
ため息混じりに俺を問いつめるのは、
鍵山 雛という名の神様。
俺が、恋焦がれる女性。
「当たり前だ、今日こそ返事を聞かせて貰う」
「何度も言ったでしょ?
私は厄神。貴方にも見えるでしょう、この厄が。
こんな私と一緒になったとしても、貴方に不幸が訪れるのは間違いないのよ」
あくまでも冷淡に、事実を告げる彼女。
だが、俺の気持ちも偽りなどではない。
「いつもそう言うよな。
でも俺はお前と一緒にいたい…そう、それが俺にとっての幸せなんだ!!」
「貴方の言いたいことは分かってるわ。
でもね、無理なものは無理よ」
雛はそう言いながら樹海の暗い空、その一点を見つめた。
「くそっ、まだ出てくるかッ…いい加減にしろよ!!」
俺の背後に迫るは大量の毛玉ども。
運悪く奴等の通り道にいたせいなのか、数がかなり多い。
石符「転がる石の苔」
残り少なくなったスペルカードの一つを放ち、なんとか毛玉を捲こうとする。
だがあまりの数の多さ、焼け石に水状態だった。
(畜生、こういう時ばかりは自分で付けたスペ…)
無駄なことを考えているうちに、毛玉の一匹が俺の背中に当たった。
それを合図に二匹、三匹…あっと言う間に俺は毛玉の群に飲み込まれてしまった。
まずい、こりゃ最後の手段使うしかないか。
毛玉に囲まれ、何も見えない中で、俺はラストスペルを放った。
気がつくと俺は樹海の地面に横たわっていた。やっぱ気を失ったか。
「分かるかしら、私と一緒になるならあの位の不幸は当たり前になるのよ。
それも24時間365日、年中無休でね」
雛の声がした。
首を巡らすとすぐ隣にいた。彼女が助けてくれたのか?
見上げた彼女の周りは厄で歪んで見えて…
…そのとき、ふと気がついたことがあった。
砂符「風に乗り海を越え」
俺は立ち上がり、最後の符力を使いスペルを発動した。
ほんの少しの風が出ただけだったが、それで充分だ。
「きゃ…」
バランスを崩しかけた雛を、俺は抱き止めた。
「な、何するの」
「まったく、素直じゃないわな。
あの毛玉、雛の指示で動いてたんだろ?」
とたんに真っ赤になる雛の顔。やっぱり当たりか。
「…そうよ、貴方が本気なのか知りたかったから」
「本気だって、前から何度も言っていただろ?」
「でも、あんな自爆じみたスペル使うほど…」
「悪かったな、あれはまだ試作品なんだよ」
俺の台詞を聞いて、雛はふふっ、と小さな笑いを漏らした。
そして…彼女は俺にキスをした。
「雛…」
「不束ものですが、これからよろしくお願いします」
何も言えなくなってしまった俺は、雛を強く、強く抱きしめた。
「さてと、そろそろ里に帰るか」
「って、貴方樹海からの帰り道分かるの?」
「分かるはずないから。雛、任せた」
「しょうがないわね…っていい加減腰から手を離して。
案内するのに歩きづらいでしょ」
「やだね。
雛にくっついてれば周りの厄は影響ないだろ?」
「あ…」
そのまま二、三歩歩きだしたとき、雛が止まった。
「もしかして里までこの体勢で…?」
「密着プレイ万歳」
はぁ、と雛の大きなため息。
だがその表情は満更でもなさそうだった。
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11スレ目>>307
自「雛、可愛いよ、雛」
雛「だ、だめよこんなところで…」
自「雛をテラ抱きしめたい」
雛「私の近くにいると不幸になるわ…」
自「むちゅ~」
雛「ちょ、な、や、やめなさ」
自「む~、む~」
雛「や め ろ っ つ っ て ん だ ろ お ら ぁ ! !」
自「はい」
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11スレ目>>732
厄袋
守矢神社へ初詣に行ったら、
山道の所々に作られた出店の一つに、そんな名前の看板が揚がっていた。
…いやおかしいだろ。
店には厄と書かれた大きな紙袋が20程台に置かれていて、
奥では雛が手を組んで立っていた。
「何売ってんのさ一体・・・」
「何って、厄袋よ」
あくまで冷静な口調で雛は返したが、
その目からは「買って」なオーラが滲み出ている。
「売れるのか?」
「一個だけ売れたわ」
「な・・・誰が買ったんだ一体?」
「上の巫女」
ああ、そういえば守矢の巫女はスイーツ(笑)だったな。
まあそれはさておき、
「というか何が入ってるんだこの福袋」
「福袋じゃないわ、厄袋よ」
そのネーミングに難がある事はあえて突っ込まないでおこう。
「去年一年分の里の厄を分割して、私の愛情と一緒に詰め込んだの」
わーお後者は夢がいっぱいの素晴らしい内容だが前者で購入意欲が帳消しになったな。
雛はというと表情一つ変える事なく「買って」オーラを出し続けている。
…まあ、大量に売れ残ると可哀相だしな。
「分かった、一つ買うよ」
雛の表情が明るくなり、
「どれにするの?」
いや、どれを選んでも同じだろうに。
適当に近くにあった袋を指差すと雛は指差した僕の手を掴み、
自分に向けさせた。
「私を持って帰るの?」
いやいや雛何を言ってるんだ、
急にそんな顔赤らめてよそ向かれたら俺だって断れないじゃないか。
スイーツ(笑)
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11スレ目>>836
ゼッケン屋のヤクプリを聞く度に、
何かヤンデレてる雛を想像してるんだが文章に出来ないんだよなぁ。
まで書いた所で、
後ろから雛が僕の頭を小突いた。
「もう、○○は私に厄くなって欲しいのかしら?」
「いや、ヤンデレ即ち厄いとは思わないんだけど・・・」
「でもヤンデレってストーカーしたり浮気相手刺したりとか、そんなのでしょ?」
「・・・まあ、あながち間違いでも無いけどさ」
現実そんなのはよっぽど厄が溜まらないと有り得ない、と雛は言った。
やはりヤンデレは独占欲から来る物がある故に、厄いって事なのだろうか。
「それに私は」
雛がすっと正面から抱き着く。
「○○がここに居てくれれば良いしね」
しかし、少し困った事になった。
急に抱き着かれて体勢を崩してしまい、
僕の鼻から下は雛の胸に埋まってしまっている。
とりあえず起き上がろうにも雛が後ろへ後ろへと押すから上手く起きれない。
というか何でバックしても胸から抜けられないんだ?
「あ・・・手のリボンが」
え、
「絡まっちゃって解けない♪」
何だその上機嫌な言い方は。
というか、これ、
本当に腕が邪魔して出られないじゃないか・・・!
「ふふ・・・○○~」
遂に背中が壁についてしまった。
というか吸う空気が雛の臭いで全部甘くなる。
何かもう、良いや。
考えが纏まらないし。
「逃がさないからね、○○♪」
雛さん、厄いです。
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11スレ目>>840
雛、俺の厄を吸い出してくれよ!
と書いた所を雛さんに見られた。
「それは良いんだけど、ところで○○」
「どうしたの雛さん?」
「世の中では私が貴方達のマイソンから胸を使って厄を搾り出す・・・みたいなイメージがあるけど」
待て、そんな直接的なネタは・・・
「流石に有り得ないわね、物を出す器官同士で厄を吸い出すなんて」
「そりゃまあ当然だよねえ」
ちょっと安心したけど、
ちょっとがっかりしたのは内緒だぜ。
「本当なら物を出し入れ両方出来る器官を使って行う訳よ」
「・・・とは言ってもそんなん器官あるっけ?」
「お口よ、息を吸い、息を吐き出すでしょう?」
成る程・・・いや、待て、つまり厄を吸い出すって・・・
「キムッ!」
いやいや、俺は決して朝鮮人の苗字を発音した訳じゃない。
結論を言うより速く、雛が厄を吸う行為に移ったのだ。
う・・・というかまたそんな顔が近いし鼻で息したら空気甘いし・・・うぁ、
「っぷはあ・・・
ひ、雛・・・厄の吸い方は分かったからもう・・・」
「駄目よ」
雛はにんまりと笑い、
僕の頭が逃げない様に後ろに腕を回す。
「私に厄を吸い取って欲しい、なんて考えがまず厄いんだもの。
だから・・・貴方が完全に墜ちるまで、ね?」
ははは、気絶するまでと申すか。
「気絶なんかしたら起きるまで人工呼吸よ」
どうやって墜ちろと。
「意味は・・・自分で考えなさい」
もう、墜ちるとこまで堕ちてるのに、
これ以上君を好きになれだなんて・・・ぁ・・・
かゆ うま
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12スレ目>>148
そろそろ深夜か、さて。
「ねえ○○」
「どうかした雛?」
「最近やってないから溜まっちゃって・・・ほら」
「うわ・・・本当だ・・・凄いね」
「処理して」「え」
「処理してよ、○○が」
「で、でも雛のを!?」
「○○はいつも一人でしてるんでしょう?」
「・・・そりゃ、まあ」
「同じ様に私のにすれば良いのよ」
「そんな・・・でも、恥ずかしいし///」
「私は恥ずかしく無いわよ?あなたがやってくれるなら」
「でも僕は雛とか女の子の物は・・・」
「それに、貴方がやってくれた物の方が気持ちいいしね」
「はぁ・・・分かったよ」
「いつもありがと♪」
「全く・・・洗濯くらい自分で出来る様になってくれよ」
あー、駄目だ。
グレイズなのを書こうとしたが良い具合に紛らわしいネタが浮かばん。
とりあえず言いたい事は雛エロかわいいよ雛
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12スレ目>>149
グレイズかー
雛は誤解されそうなことを普通に言いそうな感じはするな
雛「○○」
○○「・・・ん?」
雛「やりたくなっちゃった」
○○「え・・・ここでか?」
雛「そう、ここでよ。なんだか欲しくなっちゃったの」
○○「みんなの前だぞ」
雛「じゃあ、すぐ終わらせてあげるわね」
○○「やれやれ・・・」
霊夢「・・・なんかものすごい勢いで回ってるソレ、何?」
○○「雛だよ。なんでも急に厄を集めたくなったそうで」
霊夢「ふーん。別にいいけど、落ち葉散らせたりしないでよね」
○○「あいあい」
え?厄を集めるとき回るんじゃないんですか?
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12スレ目>>981
「・・・昨日はバレンタインだったわね」
「・・・う」
「私は此処から離れられないのに、会いに来さえしなかったわね」
「う・・・あ・・・ごめ・・・」
「いいわ、許してあげる。
・・・今、チョコを食べてくれたらね」
「うん、分かった。
ごめんね雛、一日遅れちゃって」
「ええ、もういいわよ」まきまき
「雛」
「何?」
「なんで僕の首の後ろでリボンを縛るの?」
「あなたが逃げないように」
「いや逃げたりしないって」
「どうかしら」
「・・・まあいいや、チョコは?」
「これよ」
「・・・ポッキーだね」
「ポッキーよ」はむ
「・・・何で口にくわえるの」
「ほっひーへーふほ」
「あ・・・ちょ・・・それは・・・///」ちゅ
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13スレ目>>323
――雛
「いいのよ。 人里にでも戻って」
――何でさ?
「厄が移る」
――ふーん……だからどうしたよ?
「死ぬかもよ?」
――雛の厄で死ねたら本望だけどな
「うそつき」
――ほら、これ
「……流し雛?」
――三月三日、ひな祭り
「ああ……そんな行事もあったわね」
――誰かさんのための祭り、って感じだな
「私は厄神。 ひな祭りなんて縁が無いわ」
――んなこと無いって
「……だって、こんなきれな人形見ても、流し雛しか連想できなかったし」
――全然関係ないって
「そう?」
「さて、二人だけの雛祭り、始めようか」
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13スレ目>>330
隣で寝ていた雛が起きる気配がして、目が覚める。
もうすぐ日付が変わる頃だろうか。
「どうしたの雛、こんな時間に」
「行かないと。
今日が終われば飾られた人形達は
厄を背負って川に流されるのだけれど」
八百万分の一の神としての真剣な横顔を、僕は黙って見つめた。
「いつだったか貴方に聞いた外の世界のように、
幻想郷でも大事にしまわれてまた来年飾られる子が増えているの。
その子達の分の厄を、集めてあげないと」
「…………雛」
「誤解しないでね?私は嬉しいの。
私の仲間が愛され、大切に受け継がれていくのだもの。
それに―」
雛は柔らかく微笑んでそう言うと、僕の頬に触れる。
「厄を纏うほどに人に忌まれる存在になることも、何てことないの。
厄を乗り越えて私を抱きしめてくれた貴方が隣にいるから」
務めを果たしに行く雛に、そっと口付けして見送る。
僕の愛しい女神様は、戸を開けて夜空へと飛び上がった。
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13スレ目>>331
「ねぇ○○」
「おや雛、こんな夜中にどうしたんだい」
「三月三日って何の日だったかしら」
「・・・あれ、今日三日だっけ」
「ええ」
「・・・雛祭りだね」
「そうね」
「・・・で?」
「なんで今日は私に会いに来てくれなかったのかしら?」
「・・・いやその」
「バレンタインの時から懲りて無いのね」
「ごめんってば」
「体で謝って貰うから言わなくても良いわ」
「ちょ・・・体って」
「雛人形ごっこよ」
「・・・夜中におままごとですかい」
「ええ」
「じゃあなに?杯でも用意して宴会するかい?」
「あら、○○何か勘違いしてないかしら」
「何が?」
「新婚初夜にする事って言ったら決まってるじゃない」
「・・・なっ!///」
「逃げちゃ駄目よ・・・足首、縛るわね」
「ひ、雛・・・ヤバいって・・・」
「大丈夫・・・ん・・・」
省略されました、続きを読みたい場合は人形寺とかにあるいわくつき人形を納めてある離れにて雛とメランコの妄想を爆発させながら人形と共に一晩を過ごして下さい
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13スレ目>>333
黄昏。
夕方というにはもう遅く、かといって夜にはまだ早い
そんな時間帯。
里のはずれの川縁に、二つの人影があった。
一つは、子供を抱えた女性
もう一つは、その女性をかばうように立つ男性
川には、色とりどりの人形が流れている。
「ごめんなさい。この里であなたを育てて行く事は、私たちには出来ない」
抱えた子供にそう語りかけると、女性は男性の持つ桶にそっと入れ、川に流した。
桶の中の子は、まるで西洋人形のような純白の肌と、髪の毛をしていた。
「これで、よかったのよね」
女性がそういい、男性は
「厄神様は人間が好きと聞く」
と絞り出すように答えた。
「そろそろ戻ろう。いくら里の近くとはいえ、これ以上遅くなると戻れなくなる」
赤子を入れた桶も、色とりどりの人形も見えなくなった頃、男性が言った。
2人の人間は里へ。色とりどりの人形と、人形のような赤子は山へとそれぞれ還って行く。
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13スレ目>>517
「クリスマスにバレンタイン、果てはホワイトデーまで忘れてたのね・・・」
「ひ、雛ごめ・・・」
「どこ行ってたの?」
「学校が・・・」
「紫に会いたいからわざわざ行ってるんじゃないの?」
「ちが、違うって!」
「本当かしら?
なんで毎回外に出てて当日に居ないのかなぁ?」
「だからごめんって・・・」
「ホワイトデー、だからね・・・」
「え」
「貴方に白いのを貰おうかしら・・・」
「え、えぇっ!?
ひ、雛なんでいきなり服を・・・!」
「はいこれ、牛乳買ってきてね」
「雛・・・紛らわしい所に物を隠さないでよ・・・」
「構わないわ、どうせ貴方が帰ってきたら脱ぐじゃない?」
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うpろだ1081
「例えばお前が道を歩いているとする。突然そばの建物から重たそうな鉢植えが落ちてきた。突然の事で避けられそうにない。
お前はどうなる?」
「死ぬ」
私が短く簡潔に答えたら、○○が少し微笑んで「そうだな。死ぬかはわからないけど大きな怪我はするだろう」と柔らかい声で言った。
でも私は○○が思ってるよりずっと脆いから頭に植木鉢なんか落ちてきたらあっさり死んでしまうわきっと。
厄神に死なんていう概念があるのかは知らないけれど、そのあまりの衝撃に綺麗さっぱり消滅してしまうでしょう。
そう思って私はその事を○○に教えたかったけど、私は彼のように優しい物言いが出来る気がしなかったので黙って植木鉢の事を考えた。
そして時々○○の事を考えた。
そんな事どうでもいいから口づけとかをしてくれたらいいのに。彼は時々よく分からない。
そして私も時々酷くがっついていて汚らわしい女になってる気がする。
「なんでそんな話をするの?」
「浮世は何が起こるかわからないって事だ」
「そんなの言われなくても知っているわ」
「そうだな、雛は賢いから」
「酷い嫌味」
「俺は本当にそう思ってるけど?」
また○○が笑う。
綺麗な笑顔だ。世の中の綺麗なものが束になって襲い掛かってもこの笑顔の前ではゴミにしか見えないだろう。
私はやっぱり彼の発言は嘘だろうと思っていたけどその時の○○の笑顔の美しさに免じて黙殺することにした。
私が黙っていたら、○○がまた口を開く。
たぶん黙っていなくても口を開いたと思うけれど。
彼は時々すごく自己中心的になる。そしてそれを私は厭わない。
「さっき、雛は建物のそばを通ったよな」
「通ったけど」
「でも植木鉢は落ちてこなかった」
「きっと園芸の趣味がなかったのよ」
「だな。だからお前は今お前が言ったように死なず俺の所に帰ってきて俺と話をしている訳だ」
「そうね」
「面白いだろう」
「なにが」
私は先ほど自分で淹れたお茶に口をつけた。
温かな液体が喉を通り、一時だけでも気持ちを晴れやかにしてくれる。美味しい。
○○に淹れてあげたお茶は、私のお茶のように愛されることもなくぽつりとお盆の上に取り残されていた。可哀想ないつかの私みたいに。
「だから俺が言いたいのはだな?」
「何なの」
「俺がお前の事をただ殺さずに、生かして慈しみ愛しているのとそんなに変わりがないと思わないか」
「植木鉢が落ちてこないのと?」
「ああ」
「・・・そうかしら」
○○は返事をしないで、そっと私の手を取って口づけた。
冷たい唇はいつもと同じで、俯いたときに見える白い首筋が美しいと思った。
「正直お前はもう帰ってこないって思ってた」
「植木鉢に殺されて?」
「俺から逃げ出して」
「なぜ?そんな必要なんてないのに」
「何でだろうな。浮世は何が起こるかわからないから、かな」
「何が起こるか分からなくても自分の帰る場所ぐらいは分かるわ」
今度は私が彼の手を取った。唇と同じ冷たい手。
私は○○に比べたらそれこそゴミだけど、自分に出来る精一杯の笑顔で笑った。
彼は時々よく分からなくて時々自己中心的になりそして時々何かに脅えている。
私は厄神で汚らわしい女で彼が自己中心的になるのを厭わなく俯いたときの白い首筋を含め彼を愛している。
それはきっと○○の言うように、植木鉢が落ちてこなかったのと、彼が何故か私を選んだのと、私が躊躇いもなく本当に何故か彼を愛してしまったのと一緒なのだろう。
今は真面目にものを思っていたから、別に口づけてほしいなとは考えていなかったのだけれど、やはりしてもらえたら嬉しかった。
私の体温は何故かいつも高いから、彼の唇は氷のように冷たくて心地が良い。
私は彼を暖めるために生まれ、彼は私を冷やすために生まれたのだろう。
本当のことは分からないから、そう思い込もうと決めた。
そうとでも思わなければただの矛盾だ。あの厄神が、この私が、ただ美しいだけの一人の人間に執着しているなんて!
「○○、好きよ」
確かに何が起こるのか分からないことだらけだ。
今この瞬間の矛盾。何もかもが奇遇。割り切れないほどの確率。人間と厄神。偶然に偶然を重ねて今がある。
だけど貴方と私だけが、必然で出会っていたらいい。
だってまるで当然のように私は貴方を求めるのよ?
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うpろだ1196
彼女の一言が原因だった
「……ねぇ最近○○の帰りが遅くない?」
「雛?あ、ああちょっとした残業だよ」
「……まさか浮気なんてしてないよね?」
「な、何を言ってるんだ雛!俺がそんなこt」
「本当?」
「本当だよ!嘘はついてない!」
「でもさ……私だって○○のこと信じたいよ……でも……でも……椛が今日あなたと他の女の人がいたって……」
「それは……違うんだ雛」
「……何が違うのっ!!あなたはしていないと言ったのに!でも浮気していたんでしょう!これは立派な裏切りよっ!!」
「っ!!」
「……ねぇ○○……私を抱いて」
「!?な、何をいっt」
「こうするしか……○○のことを感じられないの……だから今の○○を忘れないために……」
「くっ……それはまだできない……」
「何でっ!!何で私じゃダメなの!!」
「雛……」
「そんな目で見ないで!もう○○のことなんて知らない!!嫌い!大っ嫌い!!」
雛は喉元に包丁を当ててこう言い放った
「……来ないで!私はもうあなたに愛されないんだったら死んだ方がましよ!」
「死ぬなんて言わないでくれ!……俺には雛が必要なんだ……」
「嘘っ!!○○の言うことは全部嘘っ!!」
「嘘じゃない!!」
「なんで……なんであなたはそんなに優しい目で私を見るのよぅ……なんで……なんで」
雛の手から包丁が落ちる
「雛……俺には雛しかいないんだ……だから信じてくれ……」
「○○……うっ、うわーーーーーん」
「雛ごめんな。変な心配させて……これからは二人の時間も増やすから……」
「○○っ……○○っ……」
「それと……残業はこれを買うためだったんだ」
「えっ、これは指輪?」
「雛、結婚しよう」
「あっ……うれしいよ○○」
「これからはずっと一緒だからな雛……」
「○○……」
「椛、あなた雛さんに何を言ったんですか?」
「えっと、女の人と一緒に歩いていると……言いましたが?」
「それは私です!今朝○○さんに取材するって言っておいたでしょう!!」
「え、えええええ!!そ、それじゃあ今……」
「いいからあの二人に謝ってきなさい!!女の嫉妬は何をするかわかりませんから!」
「は、はいっ!!」
「何か起きてなければいいんですけど……」
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最終更新:2010年05月09日 22:13