早苗3



11スレ目>>69


ええっと、その、図書館での一件から色々あって、○○くんと映画に行くことになりました!最高です!





映画です!○○くんと、映画です!!
私は昨日からどきどきしっ放しで、緊張のあまり昨日は眠れなかった。つまり、哲也です!じゃなかった、徹夜です!(何ですかこのテンション)
なんかもう目が冴えちゃってどうしていいのか分かりません。

私は映画館の近くの噴水の前で、一人座って○○くんを待っている。
流石に映画館に行ったことがないとは言いませんけど、それでもやっぱり緊張するなぁ。

私の周りにも、恋人同士っぽい人たちとか、いかにも待ち合わせって顔の女の人とか男の人とか、沢山の人がうろうろしている。
私はそれをぼんやり眺めて、余裕を装ってみたけどやっぱり無理で、思いっきりそわそわしちゃって、
時計を見てはあと何分くらいで待ち合わせ時間か気になってみたり、○○くんがくれた腕輪をしている自分の手首を見ながらえへえへ笑ってしまいそうになったりして、
とにかく、嬉しいんです。楽しみです。


図書館に通ってたときも私なりにおしゃれをしていたつもりだけど、流石に映画となったら本格的にデートなんだから、
私みたいなちんちくりんでも少しは○○くんにつり合う可愛い女の人に近づけるよう、もっと頑張って格好に気を使ってきた!・・・つもり、なんですけど、どうなんでしょう。

街を歩いてる女の人たちはみんな私より明らかに可愛くスタイルよく胸も大きいように見えて、私はちょっと凹む。
神奈子さまが「逢引のときはスカートを履いて女性らしさをアピール」って言っておられました(流石神奈子さま、私より何故か詳しいです)から、
そうなんですか!と感心してスカートを履いてきましたけど、これ、似合ってるんでしょうか。
似合ってない気がします。
この前買い物に行ったときに一目惚れした、白いふわふわした膝丈のスカート。の、下に、七分丈スパッツ。
裾に黄色いレースがくっついていて可愛いんだけど、500円で安売りしてたものだから、もしかしたらだめかもしれない。
1000円のスパッツを買えばよかったかな。いやむしろスパッツなんて履かないほうが、でもいつもより丈が短いし、風で捲れたら恥ずかしいし・・・。
そもそもこのコーディネートおかしかったりしないかな。

スカートのことだけでもこれだけ思い悩んでしまうんだから、髪型とか、お化粧とか、白いブラウスとか、いつも着けている髪飾りまで、
本当にこれで良かったんでしょうか!?と今更ながら不安で仕方がない。
○○くんに、ちょっとでも可愛いって思ってもらえたら、踊りたいくらい嬉しいのだけれど、駄目かな。
難しいかもしれない。
私はこんな性格だから、映画の事より前に、そんな事ばかり一生懸命考えてしまう。
○○くんと映画、嬉しいです。楽しみで、昨日は眠れなかった。
でも、しかし!それだけじゃ、駄目だ。
私は、○○くんの事がめちゃくちゃになってしまうくらい好きなので、ちょっとだけでも○○くんに私の事を見直して欲しいと思ってしまう。

大丈夫、頑張ろう!
○○くんの隣を歩いても、そんなに変じゃないくらいの女の人には、なろう!
私は一人で意気込んで、小さく体の前で握りこぶしを作って気合を入れていた。
ら?


「早苗、何ガッツポーズしてるんだ」
「うひゃあ!?(ま、またいきなりの登場ですか○○くん!)」


私がびっくりして慌てて立ち上がったら、○○くんにまた笑われてしまった。
私、たぶん、いや絶対、一日に10回は○○くんに笑われてると思います(・・・)

一人で気合を入れまくっていて気付かなかったけど、いつの間にか待ち合わせの時間になっていたらしい。
○○くんは、時間きっかりに来た。流石だなぁ、と思った。
あ、でも、私がガッツポーズなんて訳の分からないポーズをしていたせいで、ずっと憧れてた「ごめん、待った?「ううん、今来たところ!」の流れが出来なかった・・・。
ちょっと残念だなあ、と思って、一瞬落ち込んだけれど、
すぐに○○くんが出会い頭から私に向けてナイススマイルをしてくれたんだからこれはむしろラッキー!?最高じゃないですか!
と思い直してまたガッツポーズしたくなった。
早苗やりました!


「あ、あっと!えーと、○○くんこんにちはっ」
「ああ、こんにちは。今日も元気だな、早苗」
「そ、それは、もう!だって○○くんと、映画だし!」


そうだな、映画だもんな。優しい声で言って、○○くんがまたふわりと微笑む。
どうしよう、○○くんはあまりにも素敵過ぎるので、私、どんなに頑張っても釣り合う女の人になれそうにありません・・・。

○○くんが突然登場してビックリしたとかマイナス思考とプラス思考の狭間を彷徨ってたせいで気付かなかったとか色々理由はあるけど、
改めて見た○○くんの私服はとんでもなく格好よかった。
制服のときの○○くんは、なんかもうどれもこれもきっちりしてるけど、私服の○○くんは、ああ、もう、どうしよう、違う。
かっこいい。ほんとかっこいい。かっこいいなんて凡庸な事しかいえない私の語弊の少なさが悔しいです!ってくらいに、かっこいい。
私は思わず「うっ」と呻くみたいな可愛くない声を上げて、○○くんに見惚れてしまった。
何ですかこの人!かっこよすぎるでしょう!問題です!


「・・・?どうした、早苗」
「!あ、あー・・・あの、○○くんも、そういう服とか、着るんだなって思って」
「何言ってるんだ。そりゃあ着るよ。いつも制服じゃ暑いじゃないか」
「あ、あとジーパン、とか、履いてるの初めて見ました。驚いた」
「そんな事ぐらいで驚くなよ。お前、一体俺の事何だと思ってたんだ」


ほ、ほんと、なんだと思ってたんでしょう、私。
だって○○くん、図書館のときも何故か制服だったし、私服、想像できなかったんですよ。
なんて表現したらいいのか、すごく難しいんですけど。
とにかく、かっこいいことだけは確か。
ごちゃごちゃしたグラフィティっぽい柄が入った深い紫色のTシャツに、細身のブラックジーンズ。ベルトも黒で、大きなバックルが重厚な鉛色に輝いてる。
ほほう、さすがに○○くん、色合いが暗くて、それっぽい。
全体的にぴったりした感じで、なんですか、こんなこと言ったら私本当変態みたいだけど、色っぽいなぁと思った。
ていうか、おしゃれです○○くん。おしゃれさんです。
私は憧れるやら見惚れるやらで、すっかりぽうっとなってしまって、「○○くんかっこいいなぁ」と呟いてしまった。
「早苗、馬鹿じゃないのか?」って言われたけど。はい、ばかです。ばかでいいです。というか、ばかです、わたし!


「○○くん」
「何だ」
「かっこいいです。すごく、かっこいい」
「・・・・・。
 ほら、もうすぐ映画始まる。行くぞ」
「でも、本当だよ、ほんとかっこいいよ。○○くん、世界で一番かっこいいよこれ決定事項だと思う国連 でっ?!」


○○くんが歩き出してしまったから、私も早足で追いかけながら、○○くんの格好よさについて語っていたら、
いきなり○○くんが立ち止まって、私は○○くんの背中に顔を突っ込んでしまった。
う、ううっ?またビックリしたやら恥ずかしいやらで2、3歩後ずさったら、久々に見る怒った顔の○○くんが私を睨んだ。

な、なんですか!?い、今、私褒めてたつもり満々だったんだけど、○○くんからしたら私から褒められたという事自体心外なのだろうか。
レベルが違うんだよ!ということなんだろうか・・・!

私は一瞬のうちに恐縮してしまって、すっかり縮こまって、こっちを見下ろしてくる○○くんの絶対零度な視線に脅えて、
「あ、あ、その、○○くん、すみませ、ほ、本当にかっこよかった、から」みたいな事を言い訳がましくどもりながら言ってたら、
○○くんがまだむっとした顔のままで、一歩私との間合いを詰めてきた。
ひ、久々に感じるこの恐怖!
最近○○くんが私のことむちゃくちゃ甘やかしてくれてたせいですっかり忘れちゃってたけど、こんなにも威圧感のあるものだったのか…!

往来の真ん中で、睨みつけられる大馬鹿者な私。
往来の真ん中で、迫ってくる史上最強にかっこいい○○くん。奇怪な光景だ。

でも○○くんの怒った顔もぞっとするほど綺麗なので、一部美しい光景と言えるかもしれない。(でも怯えている私は相当見苦しいと思いますすみません)


「早苗」
「・・・は、はいっ!?」


「お前のが、ずっと可愛い」


○○くん、真剣な顔でそんな風に言われたら、私は、死んでしまうと思います。
私たちの町から三駅離れた繁華街の喧騒の中で、顔真っ赤にしてる白いスカートの女の子と、難しい顔してる割に赤らんだ頬をしている男の人を見かけたら、
それ、多分私と○○くんですので、そっとしておいてほしい。

○○くんはそれだけを短く低く言って、またすぐ歩き出してしまったから、
追いつこうと必死になって早歩きしたらまだむっとした顔のままの○○くんに手のひらを掴まれて、ぐいぐい引っ張られたので、
私は○○くんの後ろを一生懸命追いかける人から、○○くんの隣で真っ赤になって俯く女の子に昇格した。

私の小さなパンプスを履いた足が、○○くんの手よりずっと筋張ってる大きな足の、すぐ近くでちょこちょこ動いてる。
親指の爪の大きさひとつでさえこんなにも違うんだから、同じ種類の動物なのに、違う生き物みたいだと思った。
でも、一緒に歩く事は、ちゃんとできますよ。掴まれたままの手のひらは、いつもより熱いので、私はちょっと笑ってしまった。










※映画の最中のおふたり!※


『(洋画アクションお約束の無駄に濃厚なキスシーン放映中の時のふたり)』
「!!ゲホッ!?、げほげほっン、んんっ!(←衝撃でポップコーンを喉に詰まらせた早苗ちゃん)」
「・・・(無言)」


『(洋画アクションにありがちなあまり意味の無いベッドシーン放映中の時のふたり)』
「・・・っ!!(←声にならない衝撃を受ける早苗ちゃん)(ポップコーンは○○くんに取り上げられました)」
「・・・・・・(無言)」


『(洋画アクションにありがちなあまり意味の無いベットシーンが思いのほか長かったりした時のふたり)』
「・・・!!・・・っ!・・・!?(←いちいち衝撃を受ける早苗ちゃん)(他の映画にすればよかったと後悔)」
「・・・・・・・・・(無言)」


『(洋画アクションにありがちなあまり意味の無いベットシーンが思いのほか長かった上過激だった時のふたり)』
「っ・・・ひ、・・・(←○○くんに目隠しをされている早苗ちゃん)(暗くてわかりませんが顔真っ赤です)」
「・・・・・・・・・・・・(頑なに 無 言 )」










…何ででしょう、映画を見てただけなのに、とても疲れてしまった。
まさかあんな、ふしだらなシーンのあるやつだったなんて・・・!
な、なんで近未来カーチェイスもの!なんていうかっこよさげなやつなのにあんな無駄に、む、むだにふしだらな、シーンがあるんですか!
ひどいじゃないですか!

こんな事になるなら、○○くんに「早苗、何の映画みたい?」って聞かれたときに、○○くんも楽しく見れるようなの選ばなきゃ!
って勝手に気を回してよく分からない映画選んだりしないで、
素直にブレイブストーリーだとかハチミツとクローバーだとかラブコンだとか見たいって言えばよかったです・・・・
(でもブレイブストーリーとかハチクロとかラブコンとか楽しそうに見てる○○くん想像出来なかったんですもん!)

し、しかも、キスシーンで、思いっきりむせちゃうし。
ら、らぶしーんでも、恥ずかしくてもじもじしてたら、○○くんに目隠しされちゃうし、もう!ああ恥ずかしい!どうしよう!


映画館の女子トイレで、私はひとり、あまりの恥ずかしさにああ!と悲鳴をあげたくなった。
恥ずかしい。本当に恥ずかしい。鏡見たら、顔、妙に真っ赤だし。
○○くんに、私がああいうシーンあるってわかってて、あの映画選んだと勘違いされてたらどうしましょう!?
そう考えたら本当に顔から火が出そうで、想像だけなのにもっと真っ赤になってしまった。私の馬鹿!

だけど、このままトイレに引き篭もってるのも問題なので、ささっと髪の毛を整えて急いで外に出る。
○○くんがもう待ってて、私はとりあえず笑って手を振ってみた。
お、○○くん、案外普通そうかな!?こ、これなら、あまり映画のことに触れず楽しいデートができるかも・・・!


「す、すみません○○くん、お手洗い混んでて」
「いい、俺も今出たところだし。ついでだから買い物とかしてくか?」
「!は、はい!」


買い物!ずっと前から夢だった、○○くんとお買い物!
なんていうとてもデートっぽい行動が一日のうちに叶ってしまうなんて、私はなんて幸せ者なのかしら!と思った。
たまたま見た映画が、ちょっとやらしかったのなんて関係ありません!
だって、○○くんが、○○くんが、今私に笑いかけてくれてるんだものーって大喜びしてたら○○くんが普通の顔して
「映画まあまあ良かったな」
などとふってきたのでここにポップコーンがあったらまた咽るところだった。
げほん!と一度だけ咳が出た。ま、○○くん・・・!(そ、その話題は、やめましょうよ!)


「う、うん!そ、そうだね、凄かったね、車、すごく速く走ってたし。ピカピカしてたし(ど、どうしましょう、ストーリー覚えてない)」
「早苗、そんなところ見てたのか?あの話って結構人間ドラマが主体だったと思うんだが」
「!あ、あ、うん、そういう感じではあったよね!わ、私、赤い車が好きだったなぁ・・・・」
「赤い車・・・ああ、主人公の乗ってたやつ?」
「う、うん!あとヒロインの乗ってた紫の軽自動車みたいなの?あ、あんなに速く走れるとは思わなかったよ・・・・!」
「そうだな、まさかアレが世界最速の座に上り詰めるとは思わなかったよ」


あ、そういう話だったんだ・・・!(世界最速!?)
私はあのうんにゃらなやらしいシーンに話題が及ばないように、細心の注意を払って
「ね、ね、そうよね!あれは本当にびっくりしたよ!」
みたいな事を大声で言って、他の話をしようと目論んでいた。
よ、よし、じゃあこの辺で映画の話題は切り上げて、私の親戚の中で今更パク・ヨンハさんが流行っている話でも・・・!


「なあ、びっくりしたと言えばさ」
「えっ!?(なにっ!?)」
「ベッドシーン、あんなに長いなんて驚いたな。早苗、すっごい困った顔してて俯いてて、面白かった」


私は、持ってた鞄を、ばたばたと落としてしまった。
前もこんな事があった気がする。
○○くんが全く気にも留めない感じで拾って、私に手渡した。ふ、普通過ぎます、この流れ!


「早苗、照れてただろう」
「(!!)て、照れてない、です!」
「嘘だな。別に恥ずかしいことじゃないのに。俺も少し、照れたよ」


○○くんがくすくす笑って、次は、もっと可愛い映画見に行こう。早苗、本当はああいうのが好みだったんだろ?
って優しく言って、ブレイブストーリーだとか、ハチクロだとか、ラブコンだとか、うん、確かに、本当に私が見たいと思ってた映画を指差したので、びっくりした。
どうしてわかったんだろう?
驚いて、「え、どうして、」って言ったら、○○くんがまた声を漏らして笑った。


「早苗が好きそうな映画くらい、大体分かる」
「う、うそっ。すごい、○○くん!」
「今日は何だ?俺に合わせようとしてくれてたんだろ。気、遣わなくてもよかったのに」


○○くんの言葉を聞いて、そうだったのかぁ・・・と私はしょげてしまった。
バレバレだったんだなぁ、私。
しょんぼりしてたら、○○くんがまた私を見て少し笑って、「何、なんでへこんでるんだ?」って聞いてきた。だ、だって、それは!


「ま、○○くんが好きな映画見ていいよ!って言ってくれたのに、無駄な気を回しちゃったみたいだし」
「別に、無駄だなんて言ってないだろ。嬉しかった。俺の事考えて映画選ぶ早苗、可愛いと思った」
「!そ、それに、あんまり面白い映画○○くんに見せられなかったし」
「面白かったぞ?それに俺は映画より、早苗のことばっかり見てたから」
「あ、あと!へ、変なシーンもあって、恥ずかしい思いした、し!」


やけくそになって叫んだら、○○くんにまた笑われてしまった。
○○くんは私の事、面白い生き物か何かとしか思ってなさそうな節があって困る。
私はこんなに真剣なのに、からかわれているみたいだ。


「○○くん」
「なんだ、早苗」
「笑わないでよ、ひどい」
「だって、早苗があんまり可愛いから」
「○○くん、意地悪」
「ああ、俺は意地が悪いよ。気付かなかったか?」


映画館を出たら、もう空が暗くなっていた。
日が沈んだみたいだけれど、まだ街はきらきらと輝いている。
ずらりと並んだファッションモールのネオンが、目に痛いくらいに光っていた。

たくさんの人が、私たちの前を通って、後ろを通って、追い越されて、追い越して。
ひとつの生き物みたいに蠢いているのに、私には景色の一環のようにしか見えない。
○○くんは、まだ私のほうを見て笑っている。優しい。いとおしい。切ない。苦しい。とても、好きだ。

私たちの間に、暗い事情とか辛い事実とか、そういうのは多分無いと思うんだけど、
薄ら暗い景色の中で、○○くんが瞳を透き通った水面みたいに揺らして、私に向けて微笑んでいるというそれだけで、私の心の中は、沢山のことで埋め尽くされてしまう。

表面は、下らない。
私の選んだ映画で、変なシーンが連発だった。
それを、○○くんが笑った。私、からかわれてるみたいだって腹を立てて、むくれる。
でも、その少し奥では、自分でも驚愕するくらいたくさんの感情が渦巻くのだ。


やさしい、いとおしい、せつない、くるしい、すき、大好き。とてもあなたに、恋をしているよ。○○くん。


「早苗、俺にからかわれるの嫌か?」
「うん、少し、悲しいかな」
「でもさ俺、早苗を馬鹿にして、からかってるんじゃないんだ。少しふざけないと、どうしようもない事もあるんだ」


俯いてたら、早苗、と○○くんに呼ばれた。
顔を自力で上げる前に、そっと顎に添えられた指先。
緩やかな力なのに、絶対的な支配の匂いのする瞳と視線がかちあったから、私は反射的に目を閉じた。
それは、正しい反応だったと思う。

落ちるみたいに○○くんの唇が私の唇に触れて、ちゅ、って吸い上げられたみたいな音がした。
○○くんの手のひらは私の後ろ頭をしっかり掴んで、もう片方の手のひらが私の腰を捕まえる。
柔らかい舌が一度私の唇を突付いたけど、私がびっくりしてしまって、小さく震えたら、すぐ引っ込んで唇まで離れてしまった。
そっちからキスしてきたくせに、○○くんのほうが、ぼんやりと虚ろな目で私を見下ろした。
私の唇が、私以外の人の唾液で濡れている。


「○○くん、ここ、外よ。人がたくさん、」
「誰も気付いてないから、いいんだよ」


○○くんは笑ったけど、寂しそうな笑い顔だった。
もしかしたら○○くんも、私のように色々な気持ちがお腹の中で渦巻いて、苦しいのかもしれない。
私も寂しく笑って、○○くんの手のひらに初めて自分から指先を伸ばした。
握るっていうより、ただ寄り添っただけに近い。

二人並んで、ぼんやり映画館の外の薄暗いコンクリートにもたれながら、輝かしいままの景色を見ていた。
むやみやたらに泣きそうなくらい切なくなるのは、子供の悪い癖だと思う。


「少しふざけてないと、早苗のことが、すごく好きで、どうしていいか分からなくなることが多いんだ」
「うん」
「何処にいてもすぐキスしてしまいたいって思うことがたくさんあるし、
 キスしてももっとお前が欲しくなって、取り返しの付かないことをしてしまいそうになった事だっていっぱいあるんだ。
 俺は、早苗をこんなに大事にしたいと思ってるのに」


どうしたんだろうか、俺は駄目だな。
○○くんは呟いて、前を向いたまま少し笑った。
○○くんの口から、駄目だなんて、自分を卑下する発言が出てくるなんて、夢にも思わなかった。

私は、哀しいのか嬉しいのか分からない。
ただ、心臓の辺りがぎゅうっと痛む。


前からだ。ずっと前から。でも、ここ最近もっと酷い。
全部が全部、私が、東風谷早苗という人間が、○○というたった一人だけの人を、恋だとか憧れだとかそういったものを超越して、欲しがっている。
手に入れる方法も分からないのに。

私たちは、多分結構子供なのだ。
子供だけれど、この世界の中で一番尊いものの形を見つけ出そうとしている。
もう、ほとんど見えているのかもしれない。
だから、どうしたらいいのか分からなくて、戸惑って、苦しんでいる。


私は、○○くんと色んなものが見れたらいいと思う。色んなものを、感じればいいと思う。


「○○くん」
「ん」
「今年は、二人で色々な所に行こう。色んなもの見て、色んなもの食べよう。色んなことしよう」
「・・・何だそれ。喧嘩とかでもいいのか?」
「喧嘩でも、いいよ。口付けだっていいの。手も繋ごう。
 ○○くんのしたい事と、私のしたい事は全部しよう。そんなこと出来る時間なんて、少ないんだから」


言いながら、何故か目の前がじわっと滲んでしまった。
確固とした証拠もないのに、どうしてだか私は思ってしまった。


こんな幸せな日々がずっと続くわけはないと。
いつか、○○くんと離れ離れになってしまう日が来るのを、何故か知っている、だなんて。


分からない。
ただの不安が嘘のような確信に変わりつつあるだけかもしれない。

黙っていても私たちは大人になるだろう。
私たちくらい、大事なものをきちんと抱えている大人が、一体この中に何人いるのだろうか。
手放してしまったり、これから見つけようとしていたり、また奪おうとしてたり、拾おうとしてたり、たくさんの事柄が溢れていると思う。
私は、大事なものを離さない人になりたい。
黙っていれば大人になるとしても、大切なものだけは見失わないで生きていきたい。
だから離れ離れになるかもしれない、なんて本当のことがあったとしても、強い気持ちがあれば乗り越えられると思うのだ。

それが、胸が大きいとか、すごい美人だとか、スタイル抜群だとか、そういう諸々のことよりずっと大切なんじゃないかなって今私は初めて思った。
そうじゃないかな、○○くん。


「早苗、泣かなくてもいいんだよ、目が腫れる」
「そしたら私の事嫌いになる?」
「馬鹿だな、ならないに決まってるだろ。俺は毎日早苗のことばっかり好きになるから困ってるくらいだ」
「私もだよ、○○くん。苦しいくらい」


私が言ったら、○○くんは神妙な顔して、そうだな、って言った。
○○くんの目はびっくりするほど澄んでいて、覗き込んだらどこか遠い空の満点の星が透けて見えそうだと思った。
ティッシュ持ってないから、ぐずぐずと手の甲で涙を拭っていたら、○○くんが私の頬っぺたにくっ付いたままの涙の粒を撫でて、拭うのを手伝ってくれた。


「変、だな」
「?何が、○○くん」


お前が泣いてると、俺まで泣きたくなってくるんだ。


○○くんは微笑んだけど、瞳の奥が不確かに揺れて、きらりとどこからか来た光を弾いて輝いた。
○○くんの瞳は満天の星空が透けて見えるわけじゃなくて、その瞳そのものが星なのかもしれないなぁ、と私は真剣に想った。

そして、貴方が必要だということも。



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11スレ目>>82


「もしも~だったら」がテーマです。
要するにパラレルです。小ネタ集です。あと何故か神奈子とか諏訪子とかチョイ役で出てきます。
○○の外道率が異常。









① もしも早苗さんと○○くんが幼稚園の頃出会っていたら


「ねえ早苗ちゃんなにしてんの」
「あ、○○くーん!いまね、せみをつかまえてるんだよ。○○くんもいる?」
「いらない。おまえ、せみなんかつかまえられるの。そんなすばやいうごきできんの」
「できるよー!ほら、かごみてごらん!せみねーいっこいるでしょつかまえたんだよわたし」
「いっぴきだけ?すくないな、早苗ちゃんってやっぱりへたくそだね」

「え、ええ・・・で、でもいっしょうけんめいつかまえたんだよ!それにこれからもっとがんばるもん!」
「むーりーだーねー。ねえ早苗ちゃんしってる?せみってさ、にんげんのこと、かむんだよ。かまれたらどくがまわってしぬんだ」
「ほ、ほんとに!?」
「ほんとだよ。ほら、早苗ちゃんのつかまえたせみみてごらんよ。おまえのことかんでやるってかおしてるだろ?おこってるんだよ」

「きゃあっ!う、いや、こわい、○○くんせみかごからださないで、かまれちゃうよ!わたししんじゃうよ」
「・・・いーやーだーねー。ほら、ほらほらほら、ほーら」←蝉を押し付けています
「ひゃあ!?やっ、やだ、ぁあっいやあ!ふぁ、あぁあんっく、うぇ、ぇえっいやぁあ、いやぁ○○くんやめてぇ、ひぅっ」
「っ、ふふふ、ふふふ、 っんく(唾飲んだ) さ、早苗、『○○くんごめんなさい』っていえよ」
「うっ、○○くんごめんなさい、ごめんなさいっ、○○くんせみこわいのやめてもう、」
「・・・・早苗、かわいい・・・・」


「ねー諏訪子、早苗また○○にいじめられてるわよー?ほっといていいの?」
「いいのよ神奈子。だってなんかふたりともきもちわるいんだもん」









② もしも早苗さんと○○くんが小学生の頃出会っていたら


「なあ早苗なにしてんだ」
「あ、○○くん!わたし今日給食当番だからね、みてのとおり給食を運んでるの」
「へえ。それはそれはご苦労様なことで」
「そ、それほどでもないよ!あっ○○くん今日給食カレーですよ!うれしいですね!」
「ほんとだ。カレーはみんな大好きだからな。こぼしたりしたらみんな怒って大変なことになるだろうし」
「?うん。こぼさないように気をつけないと」
「・・・・」


ガッ(※○○くんが足引っ掛けたためこぼしました)


「え、う、うそ・・・!あ、っあ、ど、どうしよ、ど、・・・カレー、う、うそー!?」
「うっわー、本気でこぼしちゃったのかよ?早苗。お前ってほんとありえないよな。俺たちのクラスのカレーどうするつもりなわけ?」
「ご、ごめんなさい・・・え、でも、だって今、○○くんが、○○くんが足ひっかけ」
「俺のせいにするんだ?それ、証拠あんの?自分の失敗を人に押し付けようとするなんて、早苗性格悪いよ」
「・・・!わ、わたし、そんなつもりじゃ・・・」
「俺カレー楽しみにしてたのになあ?今日はちょっと残念だ、早苗がそんな奴だとは思わなかったし」
「そ、そんな、ちがうの、ごめんなさい○○くん、ちがうの、いや・・・」
「(ぞくぞくっ)早苗かわい・・・じゃない、早苗さあ、ごめんですんだら警察って、いらないよな・・・・・!」←すごく嬉しそうに


「ねえ・・・諏訪子・・・、早苗また○○に虐められてるんだけれど・・・・」
「はあはあ言いながら女子をいじめてる同級生に声をかけたくない」









③ ○○くんが「おおきく振りかぶって」にはまったようです


「・・・・『俺ならいつでも早苗を気持ちよく出来る!』」


ガラッ


「○○くんお待たせー委員会終わったよ!あれ、何の本読んでるの?」
「マルクスの資本論」


うそつけ









④ ○○くんに願望を実現する能力があっておまけにいつも憂鬱だったら


「ただの人間には興味ないな。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、俺の所まで来い。以上」


(休み時間)


「○○くん!あの、いきなりごめんなさい、質問なんですけど、○○くんの自己紹介ってあれ本気なんですか?冗談じゃないんですよね!?」
「冗談じゃないに決まってるだろ。何だお前、わざわざ追いかけて俺を笑いに来たというわけか」
「違います違います!私も、そういうのがいたらいいなーって思ってて、というか私も不思議な力とか使えるんですけど・・・あっこれまだ秘密でした、
 だから○○くんの役に立てるかもしれないっていうか、○○くんと一緒にやりたいっていうか、迷惑かもしれないんだけど」

「(きゅん←胸キュン音)へえ・・・お前、名前は?」
「え?あ、すみませんまだ名乗ってませんでしたね!早苗っていいます、東風谷早苗!」
「早苗。・・・そうか、これからよろしくな。あと敬語やめろ、くすぐったい」
「うん!よろしくね○○くん!」


(握手)


「・・・!!(なんてちっこくてかわいい手なんだ・・・!)」


※その後○○くんが望んだため確実に世界は崩壊してふたりきりの世界になりました


「あれ?僕、古泉役で待機してるように魔理沙から言われたんだけどな」←取り残されたりんのすけさん









⑤ ○○くんがまた「おおきく振りかぶって」にはまったようです


「・・・・『俺が早苗を気持ちよくしてやる』!!」


ガラッ


「(ビクッ)ま、○○・・・・あの、早苗のことについて、話が・・・あったんだけど・・・あっもう結構です失礼します」
「どうしたんだ諏訪子?いきなり敬語になって。まあいいか、とりあえず2、3個話があるから入れよ」


ドアはきちんとノックしようね!









⑥ 早苗さんの頭がとんでもなく良かったら


「○○くん、委員会の予算のことで上に掛け合ってほしいことがいくつかあるんだけど。
 ○○くん一応生徒会副会長だしそれくらい出来るよね」
「・・・早苗、しりとりしよーぜ、しりとり・・・・」
「○○くん、今私がしてるのはしりとりの話じゃないでしょ?とりあえずこれ、まとめた資料なんだけど。早めに目を通してもらえるかな?」
「早苗・・・。しりとりの、り・・・」
「輪姦。○○くん、私すごく急いでるの。これから塾もあるし、折角の貴重な放課後の時間をこんな不毛な会話で終わらせたくない」
「・・・・」


「神奈子・・・、俺と早苗はもうだめかもしれない・・・」
「うん、ダメでしょうね」









⑦ 早苗さんの頭がかわいそうなくらい本当にバカだったら


「おっぱっぴー!!○○くん、おっぱっぴー!!!」
「あ、ああ、早苗、危ないから車道に出るなよ。車にぶつかるぞ」
「○○くん、みぎからひだりにうけながす!みぎからひだりにうけながす!みっこみこにしてやんよ!」
「う、うん?うん、分かった、分かったから早苗・・・っあ、おい!ボタンは口に入れるものじゃない!出しなさい早苗、出せ!!」
「こばんざめ~」


「神奈子・・・っ、俺と、俺と早苗はもう、もうだめかもしれない・・・!」
「うん、そりゃダメでしょうね」









⑧ 早苗さんがツンデレだったら


「早苗、今日の弁当何だ?」

「べっ!別に○○くんのために作ってきたんじゃないんだからねっ!
 うなぎ業者の方々が中国産うなぎに押され気味で経営が大変って聞いてそれで作ってきただけなんだからねっ!」
「あ、鰻重か。すごいな、これ、さばくのも早苗がやったのか?」
「あっ!あんなぬるぬる滑ってさばきにくくて瞳が思ったよりつぶらで頭を落とすのに2時間躊躇っちゃうような生き物、私がわざわざさばいたりするわけないでしょうっ!
 スーパーで買ったのっスーパーで買っただけなのっ」
「鰻って瞳がつぶらなんだな。さばくのだけで二時間もかかったのか?早起きするの大変だったろ?」
「べっ!別に○○くんの事考えてたら一晩中鰻と格闘しても眠くなかったとか、○○くんに美味しい鰻を食べて夏ばてとかしないで欲しいなーと思ったとか、そんなことないんだからねっ!
 勘違いしないでねっ」

「早苗すごく美味しいよ、食べたら元気でた。
 でもさ、そんな夜更かししてたらお前のほうが具合悪くなりそうで心配だから、明日からもっと簡単なのでいいからな。
 俺が元気でもお前が元気じゃなかったら意味ないだろ?」
「まっ!○○くんは余計な事心配しなくていいんだからっ!
 そ、そんなこというと明日からそうめんしか作ってこないんだからっ!毎日そうめんでうんざりさせてやるんだからっ!」
「俺はそうめんでも全然いいぞ?・・・いつもサンキュな、早苗。俺、お前の作ってくれる弁当も、お前のことも本当に大好きだ」
「!!ばっ!ばかじゃないの!?
 ○○くんってほんとに女の子見る目ないねっ!そのうち悪い人に騙されて絵とか買わされちゃうんだからねっ!きらいきらい」
「すきすき」


うぜえこいつら









⑨ ○○くんがツンデレだったら


「○○くん今日のお弁当はうな重ですよー」

「はあ?お前の作った弁当なんて本当に腹が減って死にそうな限りは食べたくなんかねえよ。
 でも今は腹が減って死にそうだから食べてやる」
「ありがとう!お茶もお吸い物もあるからね。お漬物もあるから沢山食べてね!」
「お前ってほんとどれだけ暇人なわけ?
 朝っぱらからうな重だのお吸い物だの漬物だの作って、お前は弁当を宅配しに学校に来てるのか?
 お前なんか病気になったら誰も看病してくれなくて一人で死ぬだけなんだからちゃんと睡眠とれよ」
「でも○○くん最近夏ばて気味って言ってたから、うなぎ食べたらスタミナつくかと思って!はいお茶」
「!あ、・・・ありがt 

 ・・・っぜぇよ誰がお茶飲みたいなんて言った!?お前のそういういちいち気が利いて優しくて良い子ちゃんなところ俺はだいっきらいだ帰れ!」
「あっだめですっ○○くんお茶こぼれちゃうお茶!」


(補足説明※と言いながら○○くんは早苗さんに抱きついてます)


「・・・俺に抱きつかれてお前はさぞかし嫌だろう・・・」
「え、え!?い、嫌じゃないよ○○くん全然・・・あ、その、少し恥ずかしいけど、うー・・・」
「嫌だと言え早苗。俺はお前に嫌がらせをしてるんだよ・・・(ぎゅうう)
 う・・・早苗・・・早苗、俺の可愛い・・・・・・・・くない!!!早苗・・・」
「!?ま、○○くんいきなり大きい声出すからびっくりしたぁ」
「・・・(好き・・・!)」


うぜえこいつら









⑩ どっちもツンデレだったら


「お前の弁当なんかちっとも食べたくないが食事如きに小銭を払うのも面倒だから一応聞いてやる!今日のお弁当一体なんだこの偏屈女!」


バアン!!(弁当を応接室の机の上に叩きつけた音 では無くお弁当を机の上にそっと置きつつ握りこぶしでテーブルを叩いた音)


「私だって○○くんにお弁当なんか全然食べて欲しくないけどお弁当はとりあえずここにあるんだから自分で開けて中身確認したらいいじゃあーりませんか!?
 この岩窟王!」
「何でいちいち机叩くのか意味わかんないんだけど!?
 煩いし、ってか煩いし、あっ別にお前の手が痛くなったら困るからもうこんなことしないでなんて思ってないんだからな!
 勘違いするなよばーかばかばか」
「かっ勘違いなんてしてないっ!
 そ、それに○○くんに優しくされたって私全然嬉しくないんだからっ・・・そっちこそ勘違いしないで下さい!ばーかばかばか」
「!し、心配しなくても俺だってお前みたいな、何のとりえも無いぶっさいく巫女に優しくしようなんて、これっぽっちも思ってないし!
 ほんと勘違いうざいんだよこの自意識過剰女!」


「、・・・ぶっさいくで、悪かったですね・・・わ、わる・・・、(泣いた)」
「!!」


(○○くんのトゥルーマイハート※やばいやばいこれはやばいこれはやばいっすこれはまずいこれはやばい)



「・・・泣くなよ・・・」
「っ、嫌ですさわらないで、きらい○○くんなんか」
「うるさい、逃げられないくせに。不細工なんて嘘だ、分かるだろ?」
「あ、や、やだ嫌い抱きしめないで、や、もう」
「・・・嫌だ」
「んっ、・・・○○くん・・・」
「好きだ。嫌いだなんて言うな・・・」



くせえーッこいつはくせェーッッ!ゲロ以下のにおいがプンプ(ry









⑪ どっちもデレデレ


「早苗、俺実は度重なる授業で手がすごく疲れてるんだよね。弁当食べさせて欲しい」
「えっ、それは一大事ですね○○くん!ちなみに今日のお弁当はうなぎですよーはいあーん」
「あーん」


(お二方へ※少しは【あーん】することを躊躇ってください)


「○○くんどう?美味しい?」
「すっごくおいしい。もっと食いたい」
「うんうん!たくさん食べてねおかわりもありますから!はいあーん」
「あーん」


(お二方へその2※少しは【あーん】することを躊躇ってください)


「早苗、口が疲れた」
「え!それってどうしたらいいの○○くん」
「え、だから・・・ほら、お前がさ、噛んだのをさ、俺にこう、なんか、にゅるって」
「あ、うんいいですよー。(もぐもぐ)んー」
「あー・・・」←嬉しそう



(お二方へその3※ただちにその気色の悪い行為を止めろ)

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最終更新:2011年03月30日 22:02